浅田次郎のレビュー一覧
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▼浅田次郎さんの、短編集。コンセプトがあって、どれも、「戦時下、戦争、戦争の傷跡、に関係がある短編たち」。
表題作の「帰郷」は、力のある人情噺で読ませました。
つまりは名作映画「ひまわり」の趣向なんですが、上手いなあと思いました。
ほかは好みによりますが、個人的にはそれほどでも無かった印象です。
あと、「無言歌」「金鵄のものに」もなかなかえぐく、衝撃を受けました。
以下、備忘。
▼「帰郷」
戦後直後、焼け跡闇市。復員兵が娼婦といる。
娼婦は戦後落剝した身の上で、人生に絶望している。
復員兵が履歴を騙る。
外地で死んだことになってしまって、ようやく田舎の実家に復員したら、妻は別の人と再婚して子までなして幸せにしていた。名乗って出れなかった。
ふたりは心中するかな?と思ったら、最後はふたりで生きていこうという感じになる。
▼鉄の沈黙
▼夜の遊園地
1950年代だったか。東京、遊園地でアルバイトする、一流大学の貧乏学生。父は戦死した。母は再婚した。再婚の条件で、子である自分は祖父母のところに残された。母は恋しい。母も恐らく。だがお互いに交流ができない。相手の幸せのために。
▼不寝番
戦後、自衛隊。その若い兵隊が、戦時中に意識がタイムスリップ
▼金鵄のもとに
序盤、凄く面白かった。復員兵。玉砕の地の、部隊唯一の生き残り。復員兵乞食が、履歴を看板に書いている。それが、自分が所属していた玉砕部隊に居た、ということになっている。嘘である。難詰して暴く。
・・・・というところから、地獄から復員したが、今度は焼け跡もホームレス、生きていくのに必死。という状況が描かれる。で、実は地獄の戦場で、人肉も食べていた・・・・という。
▼無言歌
どうやら、海に沈んで死ぬのを待つのみの海軍の潜航艇?の中。ふたりの海軍兵が語り合う。自分たちの見た夢。今生への未練。これをふたりの会話劇のみで進める。トリを取るだけに、凄みのある一篇。 -
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ネタバレ登場人物が皆基本的にはいい人たちで生い立ちが不遇だけれども 周りの人に支えられ 生きている
また 主人公の人も 生い立ちは不遇であっても 学問ができたこと とプライドが高いこともあり 貧困生活を送らなくても済むというエピソード
途中の娘婿 の母親はだらしない人であったが娘婿は悪いこともしたけれども 親方という人情味のある人に助けられて人生をやり直すことができたりとこの作品は綺麗なところしか書かれていないなという感覚もあった
その中で最後は自分を捨てた母親でさえも 母親の事情があったということに理解を示し もう一度生まれ変わるというような話で終わるんだけれども人は死ぬ間際には 走馬灯のように思い出深い 過去と そしてその思い出深い 過去 も当時は辛い過去であっても最後は美しいような解釈になるのかなという風にも思う
死ぬ間際までいろんなことに対し 悲観的になるよりも見方を変えて美しい過去にした方が自分のためになるのかなという風に思わせるような本であった -
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我妻はNHKテレビドラマは見ていたが小説は面倒で読まないという。俺には映像化できるとも思えない残虐なシーン、華麗な場面の連続に舌を巻くばかり。
科挙の試験結果待ちの期間に苦心を凝らした文案を“他人のものを写した”ものだった夢を見るということはいかにもありそうなこと。広大な国土に人材が豊富な支那を征服した異民族ならではの門閥・人脈を超越した公務員登用システム。さらに後継を皇帝一人のための宏壮な後宮から生まれた複数のうちから(長男ではなく)優秀な者を選んでおいて生前は内密にしておくシステム。
なぜ清は滅びたのか。すでに二次のアヘン戦争で打ちのめされ、ベトナムの宗主権をめぐる清仏戦争の講和交渉が進行中。西太后は通俗的に悪者に描かれているが、庶民の知恵で閉塞状況を打開しようという最後の足掻きだったかもしれない。トランプ大統領のように。高市総理のように。 -
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ネタバレ【光】ツアーメンバー
桜井香
上司との不倫の末、リストラされた三十八歳のOL。リストラ奨励金を使い切るためにツアーに参加。
北白川右京
ベストセラー作家。長篇小説『ヴェルサイユの百合』執筆のために、隠密旅行に。『ダ・ヴィンチ』恒例の「抱かれたい作家」人気投票では三年連続ぶっちぎりのナンバー・ワン。
早見リツ子
入社二十年目の精英社の文芸編集者。リフレッシュ休暇を使い、北白川右京の書き下ろしを完成させるべく、グリップ旅行に。
下田夫妻
工場経営が破綻し、数億の借金を抱える中年夫婦。心中目的で有り金をはたいてパリへ。夫浩治五十一歳、妻ふさ子四十六歳。三十年前、定時制の商業高校の新入生で初めて出会った。
金沢貫一
バブル崩壊後に成り上がった不動産王。ミニ・ベンツ一台分に匹敵するほどの高級かカツラを使用。頭の形が悪いせいでしばしばズレる。
ミチル
元銀座のホステス。現在は貫一の恋人。
朝霞玲子
パン・ワールド・ツアー・エンタープライズ。セールスマネージャー。〈光〉ツアーを引率する敏腕ツアコン。十三カ国語を巧みに操る。社長と愛人関係にある。
【影】ツアーメンバー
近藤誠
謹厳実直、猪突猛進型の元警察官。韓国旅行での上司や同僚たちの醜態を見て退職。“世界を見聞するため”に参加。四十五歳。
クレヨン
本名・黒岩源太郎。ゲイ・バーに勤める美形。フランス人の元恋人を探している。
丹野夫妻
全身黒ずくめの謎の夫婦を実は世界を股にかけるカード詐欺師。丹野二八。丹野真夜。
岩波夫妻
元夜間高校の教員とその妻。夫はかつてゼロ戦乗りだったという過去を持つ。妻正枝。
谷文弥
音羽社の文芸編集者。北白川右京を追ってパリへ。
香取良夫
文芸四季社の文芸編集。谷と結託してパリへ。
戸川光男
〈影〉ツアーを引率するツアコン。朝霞玲子はかつての妻。今は娘と二人暮らし。
十七世紀「王妃の館」をめぐる人々
ルイ十四世
フランスの太陽王。
プティ・ルイ
本名ルイ・ド・ソレイユ・ド・フランス。ルイ十四世の息子。
ディアナ
プティ・ルイの母。ルイ十四世の寵姫だったが、ヴェルサイユを追われる。
ムノン
宮廷のグラン・シェフ。
ジュリアン
ムノンの娘婿。
マイエ
マ・ブルゴーニュの店主。
宮本和雄
香と十年間ずっと、金曜の夜だけをともに過ごした恋人。取締役総務部長。
水野淳子
交通課の警部補。近藤が片思いしていた。
美雪
玲子と光男の娘。
勇介
大介
岩波夫妻の孫。
ピエール・ミューシャ
クレヨンと三年間一緒に暮らしていた。ガイドでフランス語の通訳。
デュラン
老コンシェルジュ。
ムトゥ
バスのオーナー兼ドライバー兼メンテナンス。 -
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ネタバレ【光】ツアーメンバー
桜井香
上司との不倫の末、リストラされた三十八歳のOL。リストラ奨励金を使い切るためにツアーに参加。
北白川右京
ベストセラー作家。長篇小説『ヴェルサイユの百合』執筆のために、隠密旅行に。『ダ・ヴィンチ』恒例の「抱かれたい作家」人気投票では三年連続ぶっちぎりのナンバー・ワン。
早見リツ子
入社二十年目の精英社の文芸編集者。リフレッシュ休暇を使い、北白川右京の書き下ろしを完成させるべく、グリップ旅行に。
下田夫妻
工場経営が破綻し、数億の借金を抱える中年夫婦。心中目的で有り金をはたいてパリへ。夫浩治五十一歳、妻ふさ子四十六歳。三十年前、定時制の商業高校の新入生で初めて出会った。
金沢貫一
バブル崩壊後に成り上がった不動産王。ミニ・ベンツ一台分に匹敵するほどの高級かカツラを使用。頭の形が悪いせいでしばしばズレる。
ミチル
元銀座のホステス。現在は貫一の恋人。
朝霞玲子
パン・ワールド・ツアー・エンタープライズ。セールスマネージャー。〈光〉ツアーを引率する敏腕ツアコン。十三カ国語を巧みに操る。社長と愛人関係にある。
【影】ツアーメンバー
近藤誠
謹厳実直、猪突猛進型の元警察官。韓国旅行での上司や同僚たちの醜態を見て退職。“世界を見聞するため”に参加。四十五歳。
クレヨン
本名・黒岩源太郎。ゲイ・バーに勤める美形。フランス人の元恋人を探している。
丹野夫妻
全身黒ずくめの謎の夫婦を実は世界を股にかけるカード詐欺師。丹野二八。丹野真夜。
岩波夫妻
元夜間高校の教員とその妻。夫はかつてゼロ戦乗りだったという過去を持つ。妻正枝。
谷文弥
音羽社の文芸編集者。北白川右京を追ってパリへ。
香取良夫
文芸四季社の文芸編集。谷と結託してパリへ。
戸川光男
〈影〉ツアーを引率するツアコン。朝霞玲子はかつての妻。今は娘と二人暮らし。
十七世紀「王妃の館」をめぐる人々
ルイ十四世
フランスの太陽王。
プティ・ルイ
本名ルイ・ド・ソレイユ・ド・フランス。ルイ十四世の息子。
ディアナ
プティ・ルイの母。ルイ十四世の寵姫だったが、ヴェルサイユを追われる。
ムノン
宮廷のグラン・シェフ。
ジュリアン
ムノンの娘婿。
マイエ
マ・ブルゴーニュの店主。
宮本和雄
香と十年間ずっと、金曜の夜だけをともに過ごした恋人。取締役総務部長。
水野淳子
交通課の警部補。近藤が片思いしていた。
美雪
玲子と光男の娘。
勇介
大介
岩波夫妻の孫。
ピエール・ミューシャ
クレヨンと三年間一緒に暮らしていた。ガイドでフランス語の通訳。
デュラン
老コンシェルジュ。
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ネタバレ「壬生義士伝」「蒼穹の昴」「椿山課長の七日間」「天国までの100マイル」に続いての浅田次郎、5冊目は短編集。
なぜだろう、本タイトルには最もつまらない作品を据えるという法則でもあるのだろうか?
個人的な感覚では、この法則は短編集の七割近く当てはまる。
本作も6篇の短編集なので勝手にランク付してみる。
【S=傑作、A=秀作、B=並、C=駄作 】
♦「あじさい心中」A 鄙びた温泉地での刹那の大人の恋を描いた秀作
♦「死に賃」A- 文章のうまさで最後まで読ませる
♦「奈落」B+ ラストの落ちで失速した残念作
♦「佳人」B+ 途中から作者の企みが見えてしまった
♦「ひなまつり」S 読みながら涙が止まらない"泣かせの浅田次郎"の本領発揮
♦「薔薇盗人」B-
さて、個人的には最もつまらなかった表題作「薔薇盗人」でしたが、タイトルにつけるくらい作者の思い入れは強かった。
解説の菊池仁氏によると本作は作者が敬愛する三島由紀夫「午後の曳航」を意識したものらしい。
しかし、これだけ読者を感動させる(かゆいところに手が届く)小説の書ける作家が、あえて読者(特に私)が求めているものを外すのは、作家の天の邪鬼的な性格の表れなのか?、はたまた単なる遊び心なのか?、しらんけど。