浅田次郎のレビュー一覧
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下巻で最も心を打たれたのは、クルーたちの弥勒丸への愛。船長も機関工も航海士もシェフも、弥勒丸をただの仕事場や輸送手段としてじゃなく、「嫁さん」「レディー」と呼ぶほど愛を持ってる。
その愛情が仕事への責任と矜持として表れてる。軍に徴用されても「自分たちはこの船のプロだ」という姿勢が揺らがない。ここは本当にかっこいい。
一方で恋愛を絡めた部分はイマイチ…過去の描写がかなり重厚であったのに比べて、急に薄っぺらく感じてしまう。
やっぱり律子が最後まで好きになれなかったのはマイナス要因だったかな。一昔前の男性が夢想する「いい女」感が漂ってて、なんか苦手…… -
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戦時中、2300人の命と膨大な量の金塊を乗せたまま沈んでしまった豪華客船弥勒丸。それをサルベージしようとする計画に巻き込まれていく人々を描く長編小説。
5歳の娘に読む本を選んでもらって、本との巡り合わせを楽しんでる今日この頃。娘が「表紙の絵がきれい」という理由で選んだこの作品。終戦の日がある8月に読めてよかった。おそらく10年近く積読していたと思う。
過去と現在を行ったり来たりしながら、物語は進んでいく。戦時下でありながらパッセンジャーシップとしての矜持を持ち続ける弥勒丸の姿に、自分自身も弥勒丸に乗っているかのような愛着がわいてくる。
ひとつ難があるとすれば、律子が一昔前の男性が描く「い -
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奥多摩の霊峰、御嶽山。
浅田次郎さんのお母様のご実家がある御嶽山の宿坊で、霊力のある伯母から子どもの頃に聞かされた話や、ご自身が実際に経験した出来事をもとに生まれた作品とのことです。
「神上りましし伯父」
「兵隊宿」
「天狗の嫁」
「聖」
「見知らぬ少年」
「宵宮の客」
「天井裏の春子」
の七編に加え、ロングインタビュー「物語の生まれる場所」を収録。
『現代ホラー100選』で紹介されていたことがきっかけで読ませていただきました。
とはいえ、「ホラー」と呼ぶには少し違う気がします。まさにタイトルどおり、「神坐す山」の物語でした。
武蔵御嶽山は、行こうと思えば行ける距離にありながら、一 -
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下巻、個人的には上巻の方が好ましい。何故か吉村貫一郎自身より、子孫や周囲に視点が映り、そこから「語り」で吉村貫一郎を浮かび上がらせることがあまりに多く、その独特な口調などと混ざり合い、どこかで読むスピードを抑制させられた感があったからかもしれない。
そういうことを含んでも、読ませる力というのはあり、流石と言うことなのだろう。
所謂敗者の文学なのだが、よく勝てば官軍という言葉があることに疑問を投げかけ、敗者イコール悪ではなく、むしろ敗者の方に多くは義があり、まさに新撰組は、当時の義の代表ではなかろうか。
そして敗者が藩なら、その藩全体に責任が至り、藩を移され過酷な武士の日常を描いている筆 -
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ネタバレこの小説の土方さんはものすごく嫌な人だと思った。
みんなの犠牲の上、自分のしたいようにして結婚しようなんて虫がよすぎる…。
そこは糸里がビシッとお断りしてくれてスカッとしました。
この小説は土方と糸里というより、芹沢とお梅、平山と吉栄の物語のように思う。
お梅が可哀想で不憫だけど旦那とうまくいかないと別れば急に芹沢の方に寝返っていたのが何とも人間らしくそんな感情を知ってるので悲しくなった。
実際、糸里と吉栄は助かっているので新選組協力者としてみるのが正しいのかな。うまく辻褄合わせられたなあと思います。
初めて土方ではなく芹沢サイドにつくような小説でした。 -
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ネタバレ田村美加
清子の六歳の一人娘。「白虎の政」と「パープーお清」の子。
木戸孝之介
極道小説シリーズ〈仁義の黄昏〉が評判の小説家。日本文芸大賞に二篇がノミネート。
荻原みどり
株式会社丹青出版文芸部の副編集長。
岡林和夫
出版界のジゴロ。大日本雄弁社のベテラン編集者。東大出。文芸書籍出版文芸部次長。
小笠原清風
日本文芸大賞の選考委員。文壇の重鎮。
シバタ
丹青出版の前の担当。地下の配送に回された。
小俣弥一
府中刑務所を出所。懲役五十二年の刑期を務めた。「死にぞこねの弥一」。生前の相良にまんいち放免になったら奥湯元あじさいホテルへ行けと言われていた。「緋桜の弥一」。「四一の弥一」。
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ネタバレ木戸孝之介
極道小説シリーズ〈仁義の黄昏〉が評判の小説家。
荻原みどり
大日本雄弁社を名乗った株式会社丹青出版文芸部の女性編集者。
木戸富江
孝之介が住むマンションに同居する義母兼家政婦。
田村清子
柏木のボロアパートに飼っている恋人兼サンドバッグ。「パープーお清」。百人の男とすれちがって百人を振り返させるほどの美人。
田村美加
清子の六歳の一人娘。「白虎の政」と「パープーお清」の子。
サチコ
真夜中の国道ぞいのレストランで働いている。信用金庫に就職がきまった。ピストル強盗に頭を撃たれた。
阿部マリア
婦長。大学病院ではみんなが畏怖と敬意とをこめて〈血まみれマリア〉と呼ぶ。
サチ -
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ネタバレ相良直吉
八代目関東桜会総長。急逝した。桜会五人衆のひとり。
木戸孝之介
極道小説シリーズ〈仁義の黄昏〉が評判の小説家。
木戸仲蔵
孝之介のおじ。総会屋の立役者で、近ごろはさる温泉場に奇怪なリゾート、ホテル「奥湯本あじさいホテル」を経営している。桜会五人衆のひとり。
孝之介の父
まじめ一方のメリヤス職人だった。
無口で剛直で、下町の職人を絵にかいたような人間だった。
大曽根勉
仲蔵の弟分。関東桜会八代目、相良直吉の直盃。初代大曽根一家。
真野みすず
昭和三十年代に一世を風靡した「極道エレジー」を歌った歌手。一人息子が覚醒剤の使用で逮捕された。
渡辺完爾
巡査部長。勤続四十二年歳が明 -
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ネタバレ木戸孝之介
極道小説シリーズ〈仁義の黄昏〉が評判の小説家。実母は孝之介と父を捨て若い工員と逐電した。業界の噂によると偏屈な人間。富江や清子には日常的に暴力を振るう。
木戸富江
孝之介の継母。グズでノロマでブスで、齢より十歳も老けて見える。実際は孝之介とひとまわりしか違わない四十七歳だというのに、見ようによっては六十歳のババアにも見える。もとは孝之介の父が経営していた町工場の女工兼女中であったが、父の後添いに収まった。
木戸仲蔵
孝之介のおじ。父とはふたつ違いの弟だが似てるところはひたつもない。かつて特攻隊で死にぞこね、復員してヤクザの道に入った。リゾートホテル奥湯本あじさいホテルのオーナー -
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ネタバレ久しぶりの歴史小説。
今まで読んだものは芹沢がずっと悪者で書かれてるものしかなかったけど、人間味ある一面も見れてよかった。
善人とは言えないけど生い立ちも含めて不遇な人なのかもしれない。
何よりも糸里のこと好きなはずなのに平間に渡してしまう土方にがっかりしてしまったけど駆け上がっていくのはそうするしかなかったんかなあ。
それを一瞬で全て理解し全て受け入れる糸里がいじらしく可哀想になってしまった、、
女が不幸になるのはいつだって男のせいだよ、、(ものすごい偏見ですが)
お勝、おまさから見た視点も新しかった。新選組、どんだ厄介者すぎる。
どの新選組の小説を読んでも大体の人柄や人格は同じだな〜