あらすじ
帝国陸軍がマッカーサーより奪い、終戦直前に隠したという時価200兆円の財宝。それは敗戦を悟った阿南陸軍大臣が、祖国復興のために託した軍資金だった。
戦争は、日本人に何を残したのか。著者にしか書けない、魂を揺さぶる傑作歴史ミステリー!
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Posted by ブクログ
終戦間近の疎開先での女学生達を日本再興のためマッカーサーの軍資金とは知らずに山中へ一緒に埋蔵される。
当時のお国のため尽くされた先人の大切な命。
読んでいて、とても悲しく辛くなりました。
今、ウクライナではロシアによる侵攻を国民が精一杯食い止めようと闘っています。
民間人も沢山犠牲になっている状況を思えば、戦争は恐ろしいです。
浅田次郎さんは、そんな辛い時代を繰り返しては決していけないって警告しているんじゃないかな。
Posted by ブクログ
浅田次郎さん「日輪の遺産」
読み進める中で徐々にわかってくる「日輪の遺産」の意味。
なんて大切なテーマなんだろうと背筋が伸びる思い。
太平洋戦争敗戦直前の日本とバブル崩壊後の日本。
二つの時代のお話が、徐々に重なっていく。
敗戦間近の日本。ポツダム宣言受諾が決定し詔勅が発せられる直前の8月10日。3人の軍人(真柴少佐、小泉中尉、曹長)が近衛師団から呼び出され密命を受ける。マッカーサーから盗んだ時価二千億の金塊を隠し、敗戦後の日本復興の為に必要なこの財宝を守ってほしいと。
バブル崩壊後の日本。不動産経営の丹羽とボランティアの海老沢は老人から古い手帳を譲りうける。2人は手帳の内容をもとに財宝について調べ始める。
二つの話が徐々に交わっていくとともに、手帳に書かれてある金塊の行方と、密命を受けた3人の軍人とその金塊隠しに携わった女学生の生き様が明らかになっていく。
そして彼らの生き様を通して、作者の「日輪の遺産」にこめられた意味をひしひしと感じる。
敗戦後、国民が悲しみに暮れ、経済、社会が大混乱する中で、2種類の軍人がいた。国(メンツ)の為に動く軍人と国民の為に行動する軍人。
国民の為に命をかけ行動する3人の軍人と女学生の姿は日本人の持つ気質や特質、日本人としての誇りを思い出させてくれる。
彼らの姿を通して作者から「日輪の遺産を受け取る責任の自覚と勇気はありますか?」と問われているような、そうであって欲しいとの作品に込められた願いが伝わってくるような作品でした。
年末、ポプラ並木さんにオススメ頂いた作品。
ぽぷさんは、どんなレビューされているのかなぁと見てみると、奥様からオススメされた本で星5つ☆とのこと。仲良しご夫婦だなぁと微笑ましくなってしまいました。
ポプさん、素敵な時間をありがとうございます(^^)
Posted by ブクログ
浅田次郎の長篇小説『日輪の遺産 新装版』を読みました。
浅田次郎の作品は、一昨年の11月に読んだ『ハッピー・リタイアメント』以来ですね。
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帝国陸軍がマッカーサーより奪い、終戦直前に隠したという時価200兆円の財宝。
それは敗戦を悟った阿南陸軍大臣が、祖国復興のために託した軍資金だった。
戦争は、日本人に何を残したのか。
著者にしか書けない、魂を揺さぶる傑作歴史ミステリー!
新装版解説/内藤麻里子
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1993年(平成5年)に刊行された作品です。
1945年8月……マッカーサーの財宝200兆円を隠匿せよ!
終戦間近、帝国陸軍の真柴少佐は軍トップに呼集され、ある重大な密命を帯びる……祖国復興のための軍資金を護るため、真柴は小泉中尉、望月曹長とともに極秘任務を遂行、勤労動員として20人の少女を集めた、、、
それから47年、不動産事業で行き詰まった丹羽明人は、不思議な老人から財宝の在り処を記した手帳を託される……戦争には敗ける、しかし日本はこれでは終わらない。
戦争末期の極秘任務を軸に、国家と個人の狭間で揺れる人々を描いた長篇小説……浅田次郎作品らしい丁寧な人物描写が、派手さよりも静かな重みを残します、、、
女学校の生徒たちの純粋さと、彼女たちを導く軍人たちの葛藤……その対比が、戦争が奪ったものの大きさを自然と浮かび上がらせる展開でした。
戦争を題材にしながらも、過度に悲劇を強調しない……むしろ、歴史の隙間に埋もれた“名もなき人々の選択”に光を当てることで、読者に静かな問いを投げかけてくる印象でしたね、、、
読み終えたあと、何を感じるかは人それぞれだと思いますが、忘れられた歴史の片隅に、確かに息づいていた人間の尊厳を思い返すきっかけになる作品でした。
以下、主な登場人物です。
真柴少佐
近衛師団所属のエリート軍人。軍の最高幹部たちから、とある密命を受ける。
小泉主計中尉
東京帝大を首席で卒業した大蔵官僚。真柴とともに極秘の任務に就く。
曹長
中国戦線で長く戦った人物で、モーゼル社の自動拳銃を愛用する。
真柴の運転手として活躍。
金原
武蔵小玉市の大地主で元市議。悪徳不動産業者として知られる。
財宝についても何かを知っている気配を見せる。
丹羽明人
お人好しの地上げ屋。
バブル景気崩壊で建て売り住宅の不良在庫を抱えて金策に奔走中、一攫千金を狙って競馬場に行き謎の老人に出会う。
海老沢
武蔵小玉市で福祉関係のNPOを切り盛りする中年男。
妻の浮気に悩んでいる。
謎の老人の世話をしていた縁で丹羽と知り合い、財宝の秘密に迫ることになる。
イガラシ中尉
日系2世のアメリカ軍人。
ダグラス・マッカーサーの通訳を務めるうちに財宝を巡る陰謀に巻き込まれる。
野口孝吉
女学校の英語教員。財宝の秘匿作業に協力させられる。
久枝
女学校の生徒。工廠の近所の梨農家の娘。
財宝の秘匿作業に協力させられる女学生の級長。
Posted by ブクログ
文章が秀逸で読みやすい
あっと驚く意外な展開もあり
設定の割には、すごくいい構成だなと思う
しかし、次は気になる程、面白かったかと言われるとそうでもない
文章が綺麗だから読むことに苦はないが
早く次の本を手に取りたかった
なんでかなぁ。感情が足りない?気持ちがない?
というか淡々とし過ぎているからか
Posted by ブクログ
競馬場で偶然知り合いになった老人から託された手帳には、戦時中に旧日本軍が隠したマッカーサーの財宝の行方が。というようなあらすじを本の帯で読んだのでそのつもりで買ったのですが、いやはやとてもそんな一筋縄ではいかないですぞ。ストーリーは二転三転、いったいどのように決着させるつもりなのかとドキドキしてしまう。手帳が残されている現在という視点と、過去に財宝を隠そうとしている人々の視点がかわるがわる出てくるわけだけど、その何というか落差のよなものの処理の仕方がよい。終戦間際の日本という現在から見るとまるで異空間のような世界が眼前にすっと広がっていくのですね。
序章に出てくる少女たちの運命はかなり早い時点で暗示されているのだけれど、読みすすめば読みすすむほどどうしてそんなことになってしまうんだろうという疑問にとらわれてしまう。どう考えたってそんなことになるわけないじゃないかと。戦争というものの持っている狂気について考え込んでしまうあまりにも過酷で美しいラストシーンまで気をゆるめることなくひたすらに読むべし
Posted by ブクログ
敗戦後の日本を復興に導くため、マッカーサーから奪った財宝を隠す密命を日本軍は下す。その額、時価200兆円。それから47年。不動産事業で行き詰まった丹羽は、不思議な老人から財宝の在り処を記した手帳を託され…。
Posted by ブクログ
終戦間際に軍部が隠したマッカーサーの財宝を追って、現代(と言っても昭和設定)と当時の物語が交錯する。
浅田次郎の古い作品だけに、今読むと構成といいテーマといい時代錯誤感が強い。我々世代には小気味いい物語。