浅田次郎のレビュー一覧
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購入済み
浅田次郎らしい作品
良い意味でも悪い意味でも浅田次郎らしい作品。
どの作品にも言える語り口のうまさ いわゆる浅田節 はこの作品でもあちこちらでうたわれていて それはそれでよい。
しかし 登場人物の性格の書き込みがやや類型的であったり、ストーリ構成が冗長であるように感じられたのが 残念。 -
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浅田次郎という人の抽斗の多さには、恐れ入ります。
帯に「ここには心を包むドラマがある」とあるけど、決して「心温まる…」ばかりではない。
義理人情やちょっと不思議系、中にはなにも提示されず読者の想像のみでストンと終わるもの(「黒い森」)など、ページを読み進めていくとアソートチョコのように次々に異なる味が襲ってくる。
これまで、浅田次郎氏の作品を数多く読んできた。
「椿山課長の七日間」から始まり「鉄道員(ぽっぽや)」「プリズンホテル」などの“人情もの”、「蒼穹の昴」シリーズ「輪違屋糸里」「一路」などの“歴史もの”、「日輪の遺産」「シェエラザード」などの“太平洋戦争もの”など、長編ではいつも圧倒 -
Posted by ブクログ
帯には「泣かせの浅田次郎史上、最多涙小説」とありましたが、自分の涙腺のポイントとは違っているようで、まったく涙は出ませんでした(笑)
とはいうものの人生の哀愁を感じる物語
6編からなる短編小説
■夕映え天使
■切符
■特別な一日
■琥珀
■丘の上の白い家
■樹海の人
なんとも、驚いたのがSFチックな
「特別な一日」
退職を3か月繰り上げた高橋の、その退職の日の物語かと思いきや、最後はびっくり。
また、
「丘の上の白い家」
はブラックな感じです。
丘の上の白い家の少女に親友の清田を紹介したところ、しばらくして二人は心中したとのこと。
その死の真相は?
遺書のメッセージがブラック..
「琥 -
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蒼穹の昴の外伝!
蒼穹の昴で登場した人々が義和団事件の最中に殺されたとされる珍妃の井戸事件の真相を語る!
しかし、証言者達の証言は、ことごとく食い違う!?
果たして珍妃を殺めた犯人は誰なのか?
関連して、読む前に『蒼穹の昴』はさることながら、松岡圭祐さんの『黄砂の籠城』と『黄砂の進撃』を読むと登場人物達の相関図が立体的になります!
【義和団事件について考えて思う事】
あくまでも個人的な意見ではありますが、清国にアヘンを持ち込んだイギリスという国家、アジア諸国を植民地支配していた欧米諸国、世界に混乱と争いを巻き起こす耶蘇教の人々、そんな西洋文明に憧れる私達の国を思うと辟易とします・ -
Posted by ブクログ
ネタバレなんか悲しい。
いい人ほど幸せになれない。
登場人物が、いい人で逆境に折れることなく前向きな姿に心打たれるが、人の幸せを願い行動できる人ほど幸せに見えない。でも、彼らは自分の幸せよりも自分の愛する人の幸せを願える人たちだから、自分が犠牲になったとしても他人から見たら幸せではない現状なのに満足そうに笑っている。
幸せの形って人それぞれなのか、と考えさせられる本。
登場人物の人たちがみんな、他人を大事に思えてる人で、うまくいかなかったことも誰かのせいにするより、自分に振り返って考え直すところがまたいい人加減を倍増。でも、生きていればまた違った選択肢なのかな?自分はもう愛する人に何もできないから