浅田次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
浅田次郎の長篇小説『ハッピー・リタイアメント』を読みました。
ここのところ、浅田次郎の作品が続いています。
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定年まであと四年のしがない財務官僚・樋口と愚直だけが取り柄の自衛官・大友。
二人が突如転属を命じられたJAMS(全国中小企業振興会)は、元財務官僚の理事・矢島が牛耳る業務実体のない天下り組織。
戸惑う彼らに、教育係の立花葵はある日、秘密のミッションを言い渡す。
それは汚職か、横領か、それとも善行か!?
浅田版「世紀の幸福論」。
解説/勝間和代
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2008年(平成20年)12月号から2009年(平成21年)11月号まで幻冬舎の発行する男性向けビジネス・カルチャー・生活情報誌『GOETHE(ゲーテ)』に連載された後、同年9月に刊行された作品……2015年(平成27年)にテレビ朝日系でテレビドラマ化されているようです。
財務省を早期退職したノンキャリア役人・樋口慎太郎(慎ちゃん)と自衛隊を早期退職した大友勉(ベンさん)が再就職先として斡旋されたのは、全国中小企業振興会(通称・JAMS)……そこは、業務実体のないいわゆる天下り機関だった、、、
日がな一日のんびり過ごすのが仕事というこの職場に、ずっと真面目に仕事をしてきた2人は到底馴染めない……元銀行員で、天下りの巣窟であるJAMSを憎む立花葵は、そんな2人を相棒に「本来の仕事」を始めたところ、想像以上の成果を上げ始める。
この世のパラダイスに再就職した2人のオヤジが奮闘する爆笑「天下り」小説!
官僚の仕組みや論理が巧く描かれていましたねー 仕事は書類の保管、昼寝OK、外出自由、そして法外な給料と退職金を保証……そんなこの世のパラダイス、天下り先の全国中小企業振興会(通称・JAMS)、、、
羨ましいなぁ……と感じながら、やっぱりこれじゃいかん と自分の気持ちを切り替えながら読みました。
“たいそうな給料をもらい、テキトーに仕事をする”ことに、どこか魅力を感じる自分がいるのも事実ですが……それが最高の人生とは思えないですよね、、、
お金って、生活するうえでは大きな要素ですが……リタイヤしたあとに大切なのは、家族で会ったり、仲間なんだよなぁ と改めて感じた一冊でした。
以下、主な登場人物です。
樋口 慎太郎(ひぐち しんたろう)【慎ちゃん】
財務省に33年間勤め、課長代理の肩書きを手に入れて間もなく退職勧奨を受け、全国中小企業振興会 (JAMS) に再就職する。
官舎を出ることになり、妻は離婚届にサインをし、2人の子(成人)と財産を山分けしてあっさり出て行った。
大友 勉(おおとも つとむ)【ベンさん】
陸上自衛隊に37年間勤め、叩き上げで二等陸佐まで昇進したが、退官しJAMSに再就職することになる。
外来語を嫌っており、軍人たるもの世事に関わってはならないという信念を持っている。
立花 葵(たちばな あおい)
JAMSの職員。40代半ばを過ぎているが、細身の体型を保っている。
元銀行員。矢島と肉体関係を持っている。
矢島 純彦(やじま )
JAMSの理事。元財務官僚。樋口とは過去に因縁がある。
山村 ヒナ(やまむら ひな)
JAMS神田分室の嘱託職員。JAMS草創期からの古参の職員。
天下り機関へと堕落したJAMSを内心嘆いている。 -
Posted by ブクログ
浅田次郎の長篇小説『わが心のジェニファー』を読みました。
『赤猫異聞』に続き、浅田次郎の作品です。
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日本びいきの恋人、ジェニファーから、結婚を承諾する条件として日本へのひとり旅を命じられたアメリカ人青年のラリー。
ニューヨーク育ちの彼は、米海軍大将の祖父に厳しく育てられた。
太平洋戦争を闘った祖父の口癖は「日本人は油断のならない奴ら」。
日本に着いたとたん、成田空港で温水洗浄便座の洗礼を受け、初めて泊まったカプセルホテルに困惑する。
……。
慣れない日本で、独特の行動様式に戸惑いながら旅を続けるラリー。
様々な出会いと別れのドラマに遭遇し、成長していく。
東京、京都、大阪、九州、そして北海道と旅を続ける中、自分の秘密を知ることとなる……。
圧倒的な読み応えと爆笑と感動。浅田次郎文学の新たな金字塔!
解説/東えりか
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2015年(平成27年)に刊行された作品……浅田次郎が描く米国人青年ニッポン発見の旅が描かれた一篇です。
ニューヨークに暮らし、ウォール街で働く内気な青年ラリー・クラークは、決死の覚悟で恋人のジェニファーにプロポーズをしようとした矢先、条件を提示される……「結婚には価値観の共有が必要なの」、、、
そのために、彼女が愛する日本へ一人旅をしてきてほしいと言うのだ……3週間の休暇を取ったラリーは日本に向かうが、飛行機の機内や到着した成田空港から珍道中の連発。
東京、京都、大阪、九州と観光と出会いを重ねながら、ついには北海道へ……そこでは、ラリー自身の出自にかかわる人物と美しい光景が待っていた、、、
年々増え続ける、日本を旅する外国人……一人のアメリカ青年を通して、日本体験と自分のルーツ探しが旅先で重なる感動のロードムービードラマ。
日本を初めて旅する米国人ラリーの目を通して、日本に向き合うことにより、日本で当たり前のことが世界のスタンダートと違うんだよなぁ……と改めて感じましたね、、、
時間に正確な列車やバス、顔をぶつけてしまいそうなほどピカピカに磨き上げられたバスの窓ガラス、文房具から下着までなんでも揃う「インテリジェンス・ショップ」なコンビニエンスストア、無料の公衆トイレにも配備されている全自動トイレの素晴らしさ、どんな宗教も受け入れる寛容さ、人質を奪還するSWATのような新幹線のお掃除部隊……居心地の良い環境って、当たり前じゃないんですよねー 日本の良さを再認識できた一冊でした。