あらすじ
名誉も誇りもない、そして戦闘を前提としていない、世界一奇妙な軍隊・自衛隊。世間が高度成長で浮かれ、就職の心配など無用の時代に、志願して自衛官になった若者たちがいた。軍人としての立場を全うし、男子の本懐を遂げようと生きる彼らを活写した、著者自らの体験を綴る涙と笑いの青春グラフィティ!
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Posted by ブクログ
自衛隊。
閉鎖された組織だからこその絆が素敵です。
限定された環境だからこそ受け継がれていく伝統や思いやりに感動します。
男臭くて素敵な小説です。
Posted by ブクログ
「君、いい体してるね。自衛隊入らない?」
この言葉が流行ってたのはいつだろう。アイドルタレントじゃあるまいし、自衛官を街頭でスカウトするのかよって笑っていたけど、どうやらホントにこの言葉で自衛官を集めていた時代があったらしい。
バブル時代よりも前の高度成長期、日本は超売り手市場で就職内定なんていくらでも稼げる時代だった。そんな時代に低賃金で長時間拘束、その上、国民から信頼されない組織である自衛隊はいわゆるブラック企業だった。
そんな自衛隊の面々が繰り広げる理不尽な体育会系社会を描いたオムニバス短編小説集。それにしても、浅田次郎って元自衛官だったんだ。
Posted by ブクログ
最初は正直、なんだこの組織は、体罰かよ、と思ったのだが、読めば読むほど、人間の温かみがあった。最初ひどいなと思ったやつも、それだけではなかったし、短編ごとに主役が変わるから、見える面が違う。正直、読み始めは面白いとは思わなかったけど、読み終わったらもう少し彼らの人生が気になると思えた。とてもよい1冊だと思う。
Posted by ブクログ
今の時代、自衛隊の中の事だとしても完全にアウト。でも当時は世の中的に当たり前だったのかな。自分としては森士長や和田士長のような人は嫌いではない。(やられる側はたまったもんじゃないと思うが)面倒見の良いというところでは、そういう人間関係は現代ではなくなってきていると思う。
Posted by ブクログ
変わりゆく時代の中で、反動と言われようが偏屈者と呼ばれらようが、かつて、軍人であった矜りを捨ててはならなかった。銃も剣も国に返したが、返納してならぬ歩兵の本領を、おいても尽きぬ背骨に、私はしっかりと刻みつけていた
しかしながら、変わり、ゆく時代に逆行するように、変わらぬ何かがあるはずだ。本作は、歩兵の本領ならぬ、まさしく作家の本領を見せつけた作品と言えるだろう
よくも悪しくも古き良き時代の自衛隊は終焉を告げた。いよいよ次の時代に突入したわけだが、この作品に描かれていた頃の自衛隊が、実は1番良い時だったなと言うようなことにならないようにしたいものだ
Posted by ブクログ
2023.02.15
私の中学の野球部のひとつ上の先輩は、先輩だから威張ってました。
野球はヘタでした。せめて尊敬できるヒトが1人でもいれば、こういう短編にもなったかもしれませんが、私の中学時代の理不尽を書いたら「イヤミス」になってしまうなあと、本編とは関係ない読後感。
Posted by ブクログ
単行本で出版されたとき、買いそびれてた本。
う~ん。もっと、硬い本かと思ってた。
幻冬舎アウトロー文庫で員数合わせの話は読んだことある。本書の話はチョット違ってたけど。
70年代の自衛隊。理由のない虐めや暴力が横行するんだけど、浅田先生の文章力と設定で読まされてしまう。地連の街頭スカウトが職場だろうと借金だろうとヤクザだろうとアパートの借家契約だろうと話をつけてしまう。
(引用)普段戦闘服を着ている自衛官が、返送して街へ出、これぞと思う若者に声をかけていたのだと、米山はそのとき初めて知った。
(引用)「落ちこぼれはいない。なぜかわかるか」「(略)優秀な兵隊をつくるんじゃなくて、クズのいない部隊を作ろうとするんだ」
戦後の矛盾の塊のような軍隊ではない軍隊だけど、色々なモノを飲み込んで存在してたんだなと感慨した。時代は違って、今はこんなんじゃないと解説にある。
除隊の話もエッセイで読んだことある。自衛隊の同期に頼まれて自衛官を前にして公演をした話も読んだ。それでも読み応えあった。
70年代は僕は小学生。友人の家には自衛隊のお兄さんが下宿してしていたし、小学校の帰りには東の空に咲く落下傘を見ていたので、自衛隊に対する世間の冷たい目なんて馬鹿な話と思っていたんだけどね。
Posted by ブクログ
1970年頃の自衛隊を舞台にした短編集。戦争の記憶を引きずる川原准尉の話(若鷲の歌)内務が悪い小村二士が半長靴を失くして戸惑う話(小村二等兵の憂鬱)和田士長と渡辺一士の諍いの話(バトル・ライン)青年援護会の借金に喘ぐ赤間一士の話(門前金融)これから自衛隊に入営する米山の話(入営)佐々木二士と今野二士の初外出の話(シンデレラ・リバティー)自衛隊の連帯に怯え、脱柵を計る高津二士とバディの佐藤二士の顛末を描いた(脱柵者)元旦の不審番となった赤間一士の話(越年歩哨)満期除隊をする二士と坂崎一曹の話(歩兵の本領)。全編に自衛隊の組織の中の人間として絆が強く描かれている。
Posted by ブクログ
団塊世代が若かりし日の自衛隊の物語。当時は、ゲバ棒をもった革命家気取りの馬鹿学生が、自衛隊を目の敵にして、マスコミもそれに同調するような世相だったそうだ。しかも時は、高度成長期。一般企業ではどんどん給料も上がっていく中、3K+薄給の自衛隊に入る若者たちには、さまざまな事情があった(なので、この若者たちは世間をシャバと呼ぶ)。一言では言い尽くせない個々人が抱える事情。これを軸に何本かの物語がこの本を形成する。なんとも形容しがたいオリのようなものが心に残る物語であった。
Posted by ブクログ
自衛隊へ勧誘されて入隊した若者の経験を描く。1970年代の自衛隊の様子が描かれる。まだ旧軍体験者が少数だが残っていた時代だ。作者も自衛隊の経験者だと解説にあった。
Posted by ブクログ
目次
・若鷲の歌
・小村二等兵の憂鬱
・バトル・ライン
・門前金融
・入営
・シンデレラ・リバティー
・脱柵者
・越年歩哨
・歩兵の本領
1970年頃の自衛官たちの物語。
ゲバ棒を持った大学生も、ラブ&ピースのTシャツを着た若者も、それなりに就職していい暮らしをしているときに、それぞれの事情で自衛隊に入らざるを得なかった若き自衛官たち。
理不尽なしごきやいじめに涙を流し、戦争に行くことのない軍隊生活を嗤う。
自由がなくて、安月給で、慢性的人員不足のせいで、やらねばならないことだけはいくらでもある。
けれど自衛隊にいるのは彼ら若者たちだけではない。
もう何年もこの生活を続けている先輩兵。
旧陸軍の生き残りの古兵。
著者はきっと、自衛官だったときは自衛隊を好きではなかったのではないだろうか。
痛いし、苦しいし、理不尽だし。
青春の苦しさだけではなく、生きていかねばならない大人の苦さ。
それに気づいた時、作者のまなざしは優しいものになったのではないのかな。
存在の是非ではなく、現実にそこにある存在として、生き延びるための術がある。
自衛隊には落第生がいないのだとか。
ひとりの落第生のために全滅することもあるから。
“だから軍隊というのはどこの国でもそうだけど、優秀な兵隊を作るんじゃなくて、クズのいない部隊を作ろうとするんだ”
なるほど。それは気付かなかった。
けれど行き過ぎたそれが、往々にして全体主義になっちゃうんだよね。
「若鷲の歌」に出てくる川原准尉。
昭和20年8月15日の日付が入った、自分の位牌を持つ。
「日輪の遺産」に出てくる真柴少佐のモデルなのかと思ったり。
“川原准尉の小さな体は、少年飛行兵のまま成長を止めたのだと思った。その夜、私はこの世で最も気の毒な、最も救いがたい、どんな念仏にも祈りの言葉にも成仏することのできない幽霊を、この目で見た。それは、勝手に戦をして、勝手に負けて、その理不尽なツケを私たちの世代にそっくり押しかぶせた軍人のなれの果てには違いなかった”
こーゆー書きぶりが、ほんと、上手いんだよな。
Posted by ブクログ
1970年代ですから、随分世情も違います。自衛隊もそうでしょう。ここで描かれた旧帝国陸軍的世界が今も残っているとは思えません。
旧帝国陸軍と書きましたが、決して悪い意味で書いたのではありません。確かに暴力的です。理由の無い制裁も多くあります。しかし、どこかカラリとして陰湿さはありません。世間の常識からみれば、そこは異常な世界でしょう。しかし、別の論理で動いているというだけで、一旦中に入り込んでしまえば、それはそれなりに居心地の良い世界なのでしょう。私は耐えられそうにもありませんが(笑)。
作者自身の経験を元に書かれた作品ですが、余りくどくない笑いと人情が随所に組み込まれた佳品と思います。
Posted by ブクログ
浅田次郎が陸上自衛隊時代を思い出しつつ描いたと言われる青春群像。自衛隊に対する国民意識は今や大きく変わり、国会は改憲前夜の様相を呈しているが、しかし、この物語は1970年代「軍隊にあって軍隊にあらず」という矛盾を抱え、リベラル陣営からは悪魔のように扱われ、上官の殴る蹴るは当たり前の時代に、人生に、恋に、人間関係に悩みぬく男たち(そう、WACはまだ名ばかりで登場すらしない)が主人公だ。
どの一編も浅田次郎らしい笑いあり涙ありの短編に仕上がっているが、連作集として読むとまた個々の登場人物の魅力が増す。
お気に入りは、儚い恋愛を描いて悲しい「シンデレラ・リバティー」と自衛隊を去る日を描いた表題作「歩兵の本領」。
Posted by ブクログ
面白かった。彼らのやり取りがリアルに描かれていて、それぞれが個性的でくすり、笑ってしまうシーンが幾つもあり、のんびりほのぼのと読めた。
こんなしきたりややり取りがあるんだな、と感心したり、厳しい中で強まる絆に感嘆の息を吐いたり。
息抜きに読むのにピッタリの本だ
Posted by ブクログ
1970年頃の若き自衛隊員の人生模様を描いた短編集。うかがい知れぬ内幕を鮮やかに描いている。笑えるようで笑えないほろ苦さと誠実さが印象に残った。昭和のニオイを感じた。
Posted by ブクログ
読書期間: 1/14-1/23(10日くらい)
感想: 浅田次郎さんの体験をもとに綴られた、1970年代の自衛隊内部の人間模様。浅田次郎さんの短編は好きです。この本も期待通り面白く満足でした。
「解説」にもあるように、1970年代の自衛隊と今の自衛隊では、だいぶその生活・訓練も違っているらしいので、現代の自衛隊の方のエピソードも知りたくなってきました。
Posted by ブクログ
oyajisanお勧めの一冊。9つの短編集・・・う~ん、どれも涙と笑いで読み進める。理不尽だけれども温かい世界・・これを”昭和”と呼ぶのでしょうか。
訳ありで連れてこられて、たとえ最初は殺意を覚えるほど反発しても、いつしかそこに居場所を見つけてなじんでいく。体力的にどうしてもついていけず、そのせいで連帯責任(なんて懐かしい響き!)を取らされて。でも、誰も咎めず見捨てず、さりげない優しさで包んでくれる・・浅田次郎さんの自衛隊への愛情がなせる世界なのかも。好きだな~こんな男くさい世界。
熱発就寝と称して、訓練にもほとんど参加せずベッドに寝ている最古参の神様・・・そんな存在を飲み込む懐の深さに、どこかホッとする。
いつからか、そんな存在を許さない、ギシギシと音が聞こえてくるような社会になってしまったような気がする。何かしでかしたら、メディアに一斉に叩かれ、追いつめられる。どこかおかしいと思う今日この頃。
決して、「虫の居所が悪いから殴られる」社会を容認しないけど、その裏にある愛情だったり優しさだったりに、救われる思いがした。
「門前金融」の言葉遊びに笑い、「バトル・ライン」の男気にしびれ、「シンデレラ・リバティー」にほろりとし、「脱柵者」でじぃーーんときて、最終章「歩兵の本領」でガツンとやられました。
Posted by ブクログ
高度経済成長期の自衛隊の話。
理不尽な暴力がまかり通る狭い世界で、しかしその裏側にある人間の温かみが描かれている。
世界にぐいぐい引き込まれ、一気に読み切ってしまった。
Posted by ブクログ
1970年頃の東京を舞台とした陸上自衛隊(市ヶ谷駐屯地)がテーマの中編9編が収録。それらの初出時は99~00年頃、01年刊行、04年文庫化。
収録されている作品の時代背景となった時期は、令和となった今となっては、もはや半世紀以上も前で、読者の年代によっては、時代小説さながらの感慨があるかもしれない。初出時からも四半世紀近く経ち、その間だけでも、日本のみならず世界も驚くほどに変わってしまった。もちろん、この四半世紀近い間だけでも、この作品のテーマとなった自衛隊(陸海空いずれも)、その自衛隊の動静を大きく左右する政治情勢も、そうしたものを取り巻く様々な動きも、大きく変わってしまった。
とりわけ、昨今では、日本が近い将来、再び戦火にまみえる可能性や、他国のそうした動きに多大な影響を受ける可能性が示唆されてもいる。また、そうしたことに対する懸念を抱く人たちも著しい。そうした時代にこそ、まだ先の大戦の際に、最前線に立っていた人たちが先頭に立っていた時代に日本という国の自衛隊がどのような状況の中にあったのかを彷彿とさせられるこの作品を読むことは、極めて意味の大きなことであると考える。ただし、令和のこの時代とは、あまりに時代背景の差異が開きすぎているので、読む人の年代によっては、理解が容易ではないかもしれない。
Posted by ブクログ
背表紙を見て終戦の月に読む本にピッタリだと思って手に取ったけれど、任期制陸上自衛官のお話だったんですね。今でいう3Kに安月給、それに加えて国民からは存在すら認められず尊敬も得られない悲しくなるような国防の仕事・・・。それぞれの訳あり理由により入隊した若者たちが織りなすミリタリー青春ドラマ。ちょっぴり切なくて最後にほっこりする物語でした。それにしても、浅田さんが元陸上自衛官だとは知らなかったな〜。
Posted by ブクログ
1970年代の自衛隊の物語。
9編の短編連作集で、当時の自衛隊の若者たちの物語となっています。
戦闘シーンではなく、彼らの日ごろの生活が赤裸々に面白く、楽しく、哀しく語られています。
当時の自衛隊の世論での扱われ方がよくわかります。そして軍隊ではなく自衛隊であることの意味。
■若鷲の歌
幽霊化と思いきや、その正体は..
■小村二等兵の憂鬱
靴をなくしてしまった小村。その真相は
■バトル・ライン
先輩を殺そうと決意するも..
■門前金融
自衛隊員専門の金貸し
■入営
入営した新隊員の困惑
■シンデレラ・リバティ
外出時に会いに行った恋人、時間通りに戻れるか?
■脱柵者
自衛隊から脱走..
■越年歩哨
年越しに歩哨登板になってしまって..
■歩兵の本領
除隊を決意した若者の自衛隊への決別
でも、一番驚いたのは作者の浅田さんが元自衛隊員だったってこと!
Posted by ブクログ
名誉も誇りもない、そして戦闘を前提としていない、世界一奇妙な軍隊・自衛隊。世間が高度成長で浮かれ、就職の心配など無用の時代に、志願して自衛官になった若者たちがいた。軍人としての立場を全うし、男子の本懐を遂げようと生きる彼らを活写した、著者自らの体験を綴る涙と笑いの青春グラフィティ。
Posted by ブクログ
今、話題の憲法改正問題渦中の自衛隊もの。経験者の浅田次郎だけに内情がよく描かれている。安倍や稲田に読ませたい。変わらないものの中で必死になる人々。足搔いている姿が辛いが、確実に彼らの中には一本背が通っていくのが感じられた。
しかし、自衛隊の実像は皆がわかっているのに、それを利して憲法改正をごりおしして、正当化しようとするのは?日本はどこに向かっているのか?
Posted by ブクログ
2001年の単行本なので、16年後に読んだことになる。
既に90件のレビューも有るのでメモ程度に。
・1970年代の自衛隊を舞台としている。
・"戦後"を引きずっており、鉄拳制裁当たり前。苛めは
今でも有るらしいが...。
・作者の浅田次郎氏が、自身の経験談を踏まえて書いた作品(つまり同年代に自衛隊にいたわけだ)。
・殺伐としながらも時代の流れに取り残されたような切ない
小作品から始まり、段々と殺伐さ熱さを増し、次に整然
としつつも暖かさを感じさせる。
・かみさんが持っていた本で、自分なら選ばなかった本だと
思う。その分、新鮮だった。
この作家の本も、実は初めて読んだ。
Posted by ブクログ
1970年代の陸上自衛隊を舞台にした短編集。
自ら志願して自衛隊に入隊したわけじゃなく、入隊せざるを得なかった人達の哀歓が胸に迫ります。
「しごき」や「いじめ」を思わせる暴力は理不尽で憂鬱な気持ちになりそうだったけど、その裏にある優しさや温かさがユーモアを交えながらさりげなく描かれているので、ついほろりとさせられます。
かつて自衛官だった作者の自衛隊への愛情が、物語を通して伝わってくるようでした。
Posted by ブクログ
古き良き時代の自衛隊の話。古参の営内班長がいて、鬼より怖い服内務班長が部屋長の代わりに班員を躾けをする。そこには理不尽極まりない指導があるが一応そこには色々複雑な先輩の考え、想いがもある。だからこそそこには今にない精強な部隊が育つ。ただ現在の自衛隊はそれをやったら大問題になる、、、
この本は章毎に話が変わるが、違う話ででた人物がまた関わってくる点が面白い。話は9章ある
⚪︎特攻の生き残りの准尉の話からの真夜中の歩哨の話
⚪︎半長靴の片方を無くし員数合わせをしようとする新兵
⚪︎半殺しや理不尽極まりない指導、好きな女を取られて殺したいほど和田を憎む渡辺の話
⚪︎借金の利息を払い忘れた赤間、そんな出来事から実は自分の他の営内班の全員が借金していることを知った。そして借金の保証人で借金を背をわされた石川に営内班全員からの優しいプレゼント。
⚪︎地連に人さらいあった米山
⚪︎教育隊初個人外出でバディの佐々木と今野の切ない話
⚪︎体力も頭も足らない佐藤四郎とそれを支えるバディの高津の話。不条理の自衛隊生活の中で自衛隊の存在を見出せない高津が脱柵を考える。
⚪︎年末の年越しに勤務を付けられ納得のいかない赤間
⚪︎任期満了を迎え退職する隊員の話
昔の自衛隊では良くあるような苦悩と笑いと青春の物語
Posted by ブクログ
戦争を放棄しながら軍隊を持つ日本。国民から拒絶反応を起こされる高度成長期の「自衛隊」に入隊した若者を描く短編連作集。
自衛隊への就職を選択するような奴は変わり者か事情のある者。屁理屈と鉄拳の軍隊生活と人間模様を描く。