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Posted by ブクログ
「君、いい体してるね。自衛隊入らない?」
この言葉が流行ってたのはいつだろう。アイドルタレントじゃあるまいし、自衛官を街頭でスカウトするのかよって笑っていたけど、どうやらホントにこの言葉で自衛官を集めていた時代があったらしい。
バブル時代よりも前の高度成長期、日本は超売り手市場で就職内定なんていくらでも稼げる時代だった。そんな時代に低賃金で長時間拘束、その上、国民から信頼されない組織である自衛隊はいわゆるブラック企業だった。
そんな自衛隊の面々が繰り広げる理不尽な体育会系社会を描いたオムニバス短編小説集。それにしても、浅田次郎って元自衛官だったんだ。
Posted by ブクログ
単行本で出版されたとき、買いそびれてた本。
う~ん。もっと、硬い本かと思ってた。
幻冬舎アウトロー文庫で員数合わせの話は読んだことある。本書の話はチョット違ってたけど。
70年代の自衛隊。理由のない虐めや暴力が横行するんだけど、浅田先生の文章力と設定で読まされてしまう。地連の街頭スカウトが職場だろうと借金だろうとヤクザだろうとアパートの借家契約だろうと話をつけてしまう。
(引用)普段戦闘服を着ている自衛官が、変装して街へ出、これぞと思う若者に声をかけていたのだと、米山はそのとき初めて知った。
(引用)「落ちこぼれはいない。なぜかわかるか」「(略)優秀な兵隊をつくるんじゃなくて、クズのいない部隊を作ろうとするんだ」
戦後の矛盾の塊のような軍隊ではない軍隊だけど、色々なモノを飲み込んで存在してたんだなと感慨した。時代は違って、今はこんなんじゃないと解説にある。
除隊の話もエッセイで読んだことある。自衛隊の同期に頼まれて自衛官を前にして公演をした話も読んだ。それでも読み応えあった。
70年代は僕は小学生。友人の家には自衛隊のお兄さんが下宿してしていたし、小学校の帰りには東の空に咲く落下傘を見ていたので、自衛隊に対する世間の冷たい目なんて馬鹿な話と思っていたんだけどね。
Posted by ブクログ
1970年頃の自衛隊を舞台にした短編集。戦争の記憶を引きずる川原准尉の話(若鷲の歌)内務が悪い小村二士が半長靴を失くして戸惑う話(小村二等兵の憂鬱)和田士長と渡辺一士の諍いの話(バトル・ライン)青年援護会の借金に喘ぐ赤間一士の話(門前金融)これから自衛隊に入営する米山の話(入営)佐々木二士と今野二士の初外出の話(シンデレラ・リバティー)自衛隊の連帯に怯え、脱柵を計る高津二士とバディの佐藤二士の顛末を描いた(脱柵者)元旦の不審番となった赤間一士の話(越年歩哨)満期除隊をする二士と坂崎一曹の話(歩兵の本領)。全編に自衛隊の組織の中の人間として絆が強く描かれている。
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