あらすじ
恋人に別れを告げるために訪れた海辺の宿で起こった奇跡を描いた表題作「月下の恋人」。ぼろアパートの隣の部屋に住む、間抜けだけど生真面目でちょっと憎めない駄目ヤクザの物語「風蕭蕭」。夏休みに友人と入ったお化け屋敷のアルバイトで経験した怪奇譚「適当なアルバイト」……。“心の物語”の名手があなたに贈る味わいある作品集。珠玉の11篇を収録。
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2014年7刷発行のものを買ってずっと積読していたもの。
浅田次郎さんご本人が最後の補遺でも「われながら何とまあ古くさい小説ばかりであろうと呆れた」と書かれているが私にはどの短編も余韻と風情があり面白い短編集でした。
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どこにでも居そうなちょっとダメな主人公の短編集。
リアルに描かれているがリアルではない不思議な雰囲気。そして溢れ出る人情、まさに浅田次郎ワールド。
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あっという間に読んでしまった。
短編集ゆえに総評は難しいが、しかしながら満点をつけざるを得ないモノが数あることをまずは上奏したい。
あえて総評を試みるならば、苦味のなかに垣間見る甘味が癖になる一杯のコーヒーのようでもある。
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短編集なのですが、一話一話に情感があって引き込まれました。
私の大好きな、幻想的な雰囲気をもった話(幻想小説に分類されるような話)が多かったのが、個人的に気に入った要因でもあると思います。
いくつかは古い時代の話で、私のような若者よりも浅田さんと同年代の方々が読むとさらに情感が増してさらに面白く読めるんだろうなと、読んでいて感じました。
いろいろな季節の話が入っているのでいつ読んでも楽しめる本です。
過ごしやすい静かな夜のお供にいかがですか?
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「忘れじの宿」が1番好みでした
どの作品も季節の空気感が活かされており、よりリアルな情景が浮かんでくるようでした
少し懐かしく、ほろ苦く、ときどきヒヤリ
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11の作品で構成された短編集。
なんだか一つ一つの作品に深い味わいがありドキリとさせられたりホロリとさせられたり、
星新一さんを思わせるようなSFチックな話もあり大変楽しめました。
それぞれの物語は短くてさらりと読めるのだけれどその中の一言、「告白」の中の梓の「おとうさん」や「忘れじの宿」の杉田の妻の「忘れてよ」など一言の中に物語がぎゅっと詰まっていて短編だけど深い作品でした。
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苦手な短編小説だけど、これは違った。
どれもこれも、どうなる?どうなる?そして、どうなる?と
結末が、ものすごく楽しみで知りたくて、集中力MAXになって終盤をむかえると。。。。
ええええええええええ。
で、いったい、彼女はナニモノ?
ええええええええええ。
で、いったい、そのお化け屋敷には何が?
まままま、まさかの。
で、そのオカネは?
結末がすごいんです。
この短編小説。
さっすが浅田次郎センセーです!
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「男が女を貧しい人生だったと計るのは、男はんのものさしや。その女はんは愛情の塊や。男はんの恋は奪うもの。女の恋は捧げるもの」
「忘れじの宿」からの言葉です。男女の恋は、それぞれ違うの。だから、心の入るタイミングも、違ったり、互いにズレてくるんだろうなぁ。 言葉の美しさに触れて気づくことができると、幸せを覚えます。
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浅田次郎という人の抽斗の多さには、恐れ入ります。
帯に「ここには心を包むドラマがある」とあるけど、決して「心温まる…」ばかりではない。
義理人情やちょっと不思議系、中にはなにも提示されず読者の想像のみでストンと終わるもの(「黒い森」)など、ページを読み進めていくとアソートチョコのように次々に異なる味が襲ってくる。
これまで、浅田次郎氏の作品を数多く読んできた。
「椿山課長の七日間」から始まり「鉄道員(ぽっぽや)」「プリズンホテル」などの“人情もの”、「蒼穹の昴」シリーズ「輪違屋糸里」「一路」などの“歴史もの”、「日輪の遺産」「シェエラザード」などの“太平洋戦争もの”など、長編ではいつも圧倒的で多彩なドラマを見せてくれている。
短編集は、手っ取り早く浅田さんの抽斗を“ちょこっとづつ”見せてくれるのが楽しい。
お気に入りは「適当なアルバイト」と「風蕭蕭」
この短編集で唯一の連作として登場する「僕」と「タモツ」の物語は“青春もの”として、もう少し読んでみたい。
また、「あなたに会いたい」や「冬の旅」など“少し奇談”ものも、この人の抽斗の一つ。
いずれにしても、肩の力の抜けたいい感じの読書でした。
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この人の本初めて読んだけど、綺麗でちょっと不思議な本だった。表題作なんかはホラーなのかファンタジーなのか恋愛小説なのかどれも当てはまるような当てはまらないような物語。
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不思議な話が詰まった短話集
個人的に気に入ったのは、少年2人が遊園地のお化け屋敷でバイトする話でした。
作中に出てくるヒロインポジションの女性全員が、かなりの美人という設定でした。美人じゃないと何か問題があるのか…?つまらないのか…?と考えました笑
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結末について考えてしまう作品集。
自分の親かそれ以上の時代背景で、当時はそれが当たり前だったのだろうと思いつつ理解出来ない情景も多い。
季節や風景の描写は美しく、日本語も美しい。
表題作は『月下の恋人』だが、私は『回転扉』が好きだった。
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現代ファンタジーといった趣の短編集で、読み手の想像力に委ねられている部分が多いと感じた。
「忘れじの宿」などは、自分だったら配偶者から今わの際に「忘れて」と言われたらどうするだろうかと、自分に重ね合わせて余韻に浸ることができたけど、「情夜」や「黒い森」などは真相はどうだったのか、気になって設定を楽しめない。
特に「黒い森」の小夜子、一体何者だったのだろう?
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「あなたは死ぬ時、“わすれないで”といいますか。“わすれて”といいますか。」と店頭のポップにあった言葉が目に入って購入。
短編集で、全編通して「別れ」がテーマになっているように感じた。
店頭のポップは「忘れじの宿」からとられたものであった。
病死した妻から「わすれて」と言われたものの、死後も忘れられずに13回忌を迎えた主人公。周囲からの薦めもあり、とある女性との交際を考えるようになるも、妻が忘れられずに一人旅に出る。そこで宿泊した「忘れじの宿」で苦悩の末、妻の言葉をたよりに記憶を消して、結果としていま近くにいる女性と交際へ向けて歩みだす。
果たして自分だったらどうするか、と夫と一緒に考えたりするいい機会になった。
表題作「月下の恋人」は愛し合っている今を永遠のとどめたいあまり心中を試みる若いカップルの話。若気の至りのような視点で描かれている部分も感じたが、最後の筆者の言葉?の歳をとってみるとそんな時代もよかったと思わなくもないよねみたいな部分が印象に残った。
その他、離婚してほとんど会っていない子供に後ろ髪を引かせないために悪役になって別れることを選んだ男や、離婚して会えなくなった父親の愛情をいつまでも感じられるよう実の父親に成り代わって何年も娘の口座にお小遣いを振り込み続けた継父なども印象に残った。
別れというのは、別れそのものだけでなく、別れたあとも含めて別れなんだなということ味わえる作品であった。
Posted by ブクログ
私、新田次郎、大好きなんです。
だけど、よく色々なことで”新田次郎”と”浅田次郎”を見間違ったり、迷惑だなぁと一方的に思っていた。
でもさすが、面白い話で楽しめました。今までスミマセンw
好きな話は「告白」
こんな”おじさん”なる人物は私の大得意とするところ。
目当ての「冬の旅」
まさか著者にとっての私小説のような、近い核のような作品だったとは。
人の縁とは小説でも現れるのだなぁと。
Posted by ブクログ
『情夜』『告白』『適当なアルバイト』『風蕭蕭(しょうしょう)』『忘れじの宿』『黒い森』『回転扉』『同じ棲』『あなたに会いたい』『月下の恋人』『冬の旅』11編の短編からなる。
浅田さんの青春小説が好きな人は、『適当なアルバイト』『風蕭蕭』がオススメ。
最後『冬の旅』は自叙伝的な話のようだが不思議な雰囲気と浅田さんの闇をみるようなお話で他の作品(収録作以外も含め)と異なる内容となっている。
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
恋人に別れを告げるために訪れた海辺の宿で起こった奇跡を描いた表題作「月下の恋人」。ぼろアパートの隣の部屋に住む、間抜けだけど生真面目でちょっと憎めない駄目ヤクザの物語「風蕭蕭」。夏休みに友人と入ったお化け屋敷のアルバイトで経験した怪奇譚「適当なアルバイト」…。珠玉の十一篇を収録。
Posted by ブクログ
味わい深いけど、ストーリー的に消化不足感のあるのが多かった。ゑ?もう終わり?この疑問あの疑問はどう解決したらいいの?って何度も突っ込んでしまった。