浅田次郎のレビュー一覧
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ネタバレ笑いと泣きの割合でいうと、泣きのほうが多かった。特に、ヴォージェ広場のビストロ「マ・ブルゴーニュ」の店主であるマイエの言葉「愛されるより、愛するのです」という言葉が胸にぐっときた。彼は死ぬまで愛するディアナとプティ・ルイのために晩餐を届け続けたのだ。途中でディアナに愛の告白を拒まれても、死ぬまで愛し続けた美しい心の持ち主であり、大尊敬に値する。プティ・ルイの物語は途中から北白川右京の作品と、老コンシェルジュが語るものとがごっちゃになってきて、どちらの話なのかまったく検討が付かなくなるのだが、どちらにせよ涙無しには語れないほどの感動ストーリーで、最終的にはどちらでも構わないという不思議な気持ちに
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ネタバレ安定の浅田先生。声を出して笑うシーンもあれば、思わず涙が流れるシーンもある。本書は、倒産寸前の旅行代理店が、フランスの格式高い老舗ホテル一部屋を二重貸しして資金を調達することから始まる。実はこのホテルは全15部屋しかなく、不景気の真っ只中であるため、突如キャンセルとなった空き部屋を埋めるため旅行代理店とグルになって二重貸しするという、なかなかの暴挙にでる鬼畜ぶりである。本ツアーは10泊で200万近くする高額の光プランと、たったの19万ぽっちで10泊できる影プランとの2つで出来ている。光と影のお客様同士が部屋の二重貸しに気づかないように配慮しながら物語が進められるのだが、登場人物全員のキャラが立
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ネタバレいつの間にか浅田次郎が「好きな作家」になっていた(笑)。
さて、シリーズ第4弾。当初10歳前後の小僧っ子だった“天切り松”も、はや20代の後半。親分、兄貴たちもそれぞれ歳を重ねているのも、趣がある。
今回は、太平洋戦争にひた走る軍部の闇が、市井の人々の目にどう映っているのか、“先の大戦”やら“日露戦役”等の戦争を経験している者たちが、破滅に向かって突き進む日本に憤る様にページを多く費やされていた。
タイムリーにも、船戸与一が同じ時代を描いた長編を読んでいる最中だったため、歴史に疎い自分にも時代背景がよく見えてきて、読みやすかった。
★3つ、7ポイント半。
2018.05.03.古。
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Posted by ブクログ
ネタバレ光と影、太陽と月が陽と陰をなし、お話は自分の幸せは自分が決めるって感じでハッピーエンドなんだけれども…。
後半はルイ14世とその認知されなかった息子さんの創話がメインになっちゃって、ツアーに参加した人生いろいろの陰と陽の方々の交流が「みんなでラスベガスにリゾートを作るぞ!」で簡単に終わっちゃったのが残念。
浅田さんだったら、もっと彼らの心の交流を機微に至るまで描けただろうに…。
ルイ14世時代の話はアレクランドル・デュマさんに任せて、そっちをメインに描いて欲しかったな~。
らじのなかでは、幼いルイ14世をフロンドの乱の夜に抱いて守ったのは料理長さんじゃなくて、ダルタニャンだからさ…。