無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
破綻した山一証券の社長から社員まで、社会に対する責任よりも自分のことしか考えられない大人の無責任な姿や、選良の負うべき責任を自覚しないバカな野村證券社長や、新井将敬の自殺問題など、結構大きな社会問題に言及することが多かった今作。
実は、これでいったん休載したのだそうだ。
「無名作家のサクセス・ストーリー」
4巻通して読めば、そういうことになる。
4巻通して読めば、すべての読者にとっても凛凛たる勇気の源になるかもしれない。
そういうエッセイだったのだ。
そんなエッセイの中で一つだけ。
「オートメーションについて」
”思えば昭和三十年代には、ベルトコンベアーの上で生産工程が組まれ、製品がいっさい人間の手をわずらわせずにできあがることは、まさに瞠目すべき文明だったのである。(中略)ああおそらく私が大人になるころには、会社にも行かず仕事もせず、毎日を寝て暮らせるのだろうなどと考えたものであった。”
なんだか今のAIみたいだな。
便利になって、楽になるはずだったのに、ワーキングプアやブラック企業があふれることになってしまった。
AIも、IoTも、よい未来を次世代に残せるような方向に発展してほしいと思うのだけど。
Posted by ブクログ
「…個人的な苦悩ばかりを訴えていた。
おのれの会社がいったい世間様にどれだけの迷惑をかけたのか分かっていれば、自分の悩みなど口が裂けても言えぬはずである。
はっきり申し上げれば、彼らはそれぞれに山一証券という企業で飯を食っていたのである。自分たちの会社が何をしたか、すなわち自分たちが会社に対して何をしたかということが、まるで頭にない。
年齢通りの大人であるのなら、まず自分の痛みより先に顧客の痛みを、会社の痛みを斟酌すべきである。」
(「大人について」より)
「アメリカは正義を信奉する国であるが、アメリカ人の正義が人類の正義ではない。むしろ正義というモラルは、個々の民族の文化の上に成立しているのであるから、それぞれに異質のものでなければおかしい。」
(「知的退行について」より)
Posted by ブクログ
浅田次郎の【勇気凛々ルリの色〜満天の星〜】を読んだ。
この作品は【週間現代】に連載されていた浅田次郎のエッセイ集である。
4部作あり、これは最後の刊だ。実に面白い。浅田次郎の世界感が満載である。
浅田次郎のエッセイは好きだ。なにしろ浅田次郎との出会いは彼のエッセイである。
【極道放浪記〜殺られてたまるか!】を読んで以来のファンだ。
浅田次郎はこの【勇気凛々ルリの色】シリーズを「無名の物書きが小説家になるまでのサクセスレポート
にしよう」とみずからあとがきの中で語っている。というのも、週間現代で連載を始めた当初は「なぜ自
分が連載を?」と思うほど無名時代だったからである。その後、「メトロに乗って」で吉川英治文学新人
賞、「鉄道員」で直木賞と、まさしくサクセスストーリーを歩み始めたのだ。
浅田次郎が作家として活動しはじめたのは随分遅い。なぜなら、「極道放浪記」を読めば分かるように、
自衛官を退官した後、自らも認めているようにヤクザの企業舎弟として活動していた時期があるから。
実にバラエティに富んだ略歴の持ち主なのだ。
【満天の星】では、取材旅行で訪れたパリのことや自身が納めている税金の事、大好きな競馬の事などに
ついて書かれているものが多く、笑いあり、涙あり、ときには真面目に考えさせられるものありと非常に
読み応えのあるエッセイ集であった。
特に印象に残るのが、以前、このブログでも触れたが「仁義について」と「ふたたび真夜中の伝言につい
て」であろうか。「真夜中の〜」はFAXを事務所に備え付けた浅田次郎が近代文明と格闘する様がコミ
カルに語られていてとても面白い。最新型のFAXを購入したはいいが、いまいち使い方がわからず、真
夜中に出版社の部長宅に延々とFAXを流してしまったという話。しかし、FAXだと思っていたのがな
ぜかダイヤルがかかってしまい、延々といたずら電話になってしまっていたという。毎度、律儀に「もし
もし」と出る部長にFAXの前でひたすら謝るが、後日お会いしたときには自分の仕業だとは言えなかっ
たという。恐ろしい。
他にも浅田次郎独特の語り口調で笑ったり感心したりの連続だった。
前の3部もぜひ機会があれば読みたいと思える内容だった。
やはり浅田次郎は僕にとっての憧れである。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸