浅田次郎のレビュー一覧

  • 一路 (上)

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    コメディ参勤交代
    それぞれのキャラがいい
    陰謀あり、馬目線あり、お殿様はうつけか、賢者か。
    さすが浅田次郎、面白い。

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    2026年04月24日
  • プリズンホテル 3 冬

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    今回の話は、それぞれが抱えてる死、や命との向き合い方がテーマであると感じた。マリアや平岡であれば、患者に対する死、山男であれば山に対峙する時の死、木戸孝之助と清子であれば、愛する人のためへの死といったものである。終わりにも書いてあったが、誰かの命を救うことは、自分の命が保障されていることが前提であるというのは確かにと感じた。

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    2026年04月13日
  • 兵諫

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    読んだ本 兵諫 浅田次郎 2025129

    「蒼穹の昴」シリーズも、「群青の夢」というので最後らしい。
     この「兵諫」はその前作ということで、張学良が蒋介石を拉致する事件を題材にしている。
     この張学良って人がよくわからない。
     張作霖の英雄的な描き方に比べ、なんとも得体の知れない描かれ方で、大局観があるからこそ思い切った行動に出れないって感じかな。
     歴史的にも大きな権力(軍閥)を率いながら、右往左往しているイメージで、冴えない感じなんだけど、物語の中では深謀遠慮があるように描かれている。
     実際にそうだったのかもしれないけど、このシリーズでは西太后もいい人だからな。
     何が真実かはわからないけど、シリーズの最期が読めるのは楽しみです。

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    2026年04月13日
  • プリズンホテル 1 夏

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    Theエンタメ小説って感じ
    女性への暴力が多くてちょっと嫌になった
    主人公?の小説家が子供時代の不幸を差し引いてもクズすぎる
    ヤクザ側は割と好きなキャラが多い
    今後支店長の息子はどうなっていくのか、そのあたり今後の巻で出てくるのか、その点は楽しみ

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    2026年04月13日
  • 鉄道員(ぽっぽや)

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    それぞれの人生の苦しみや痛みをそっとあたたかくするような物語。大人ほどその温度感がわかる思う。
    妻や家族との関係の話が多めかも。
    ろくでなしのサンタが好き

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    2026年04月06日
  • おもかげ

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    ネタバレ

    202603 オーディオブック
    良かったんだけど、再読はないかなー
    捨てられた母との会合ができて、惜しまれて逝く人生で、1人の人の終わりとしては最高の締めくくりなのかもしれない。
    えっと、結局主人公は生き返るのでしょうか?

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    2026年04月05日
  • 日輪の遺産 新装版

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    浅田次郎の長篇小説『日輪の遺産 新装版』を読みました。
    浅田次郎の作品は、一昨年の11月に読んだ『ハッピー・リタイアメント』以来ですね。

    -----story-------------
    帝国陸軍がマッカーサーより奪い、終戦直前に隠したという時価200兆円の財宝。
    それは敗戦を悟った阿南陸軍大臣が、祖国復興のために託した軍資金だった。

    戦争は、日本人に何を残したのか。
    著者にしか書けない、魂を揺さぶる傑作歴史ミステリー!
    新装版解説/内藤麻里子
    -----------------------

    1993年(平成5年)に刊行された作品です。

    1945年8月……マッカーサーの財宝200兆円を隠匿せよ!

    終戦間近、帝国陸軍の真柴少佐は軍トップに呼集され、ある重大な密命を帯びる……祖国復興のための軍資金を護るため、真柴は小泉中尉、望月曹長とともに極秘任務を遂行、勤労動員として20人の少女を集めた、、、

    それから47年、不動産事業で行き詰まった丹羽明人は、不思議な老人から財宝の在り処を記した手帳を託される……戦争には敗ける、しかし日本はこれでは終わらない。

    戦争末期の極秘任務を軸に、国家と個人の狭間で揺れる人々を描いた長篇小説……浅田次郎作品らしい丁寧な人物描写が、派手さよりも静かな重みを残します、、、

    女学校の生徒たちの純粋さと、彼女たちを導く軍人たちの葛藤……その対比が、戦争が奪ったものの大きさを自然と浮かび上がらせる展開でした。

    戦争を題材にしながらも、過度に悲劇を強調しない……むしろ、歴史の隙間に埋もれた“名もなき人々の選択”に光を当てることで、読者に静かな問いを投げかけてくる印象でしたね、、、

    読み終えたあと、何を感じるかは人それぞれだと思いますが、忘れられた歴史の片隅に、確かに息づいていた人間の尊厳を思い返すきっかけになる作品でした。

    以下、主な登場人物です。

    真柴少佐
     近衛師団所属のエリート軍人。軍の最高幹部たちから、とある密命を受ける。

    小泉主計中尉
     東京帝大を首席で卒業した大蔵官僚。真柴とともに極秘の任務に就く。

    曹長
     中国戦線で長く戦った人物で、モーゼル社の自動拳銃を愛用する。
     真柴の運転手として活躍。

    金原
     武蔵小玉市の大地主で元市議。悪徳不動産業者として知られる。
     財宝についても何かを知っている気配を見せる。

    丹羽明人
     お人好しの地上げ屋。
     バブル景気崩壊で建て売り住宅の不良在庫を抱えて金策に奔走中、一攫千金を狙って競馬場に行き謎の老人に出会う。

    海老沢
     武蔵小玉市で福祉関係のNPOを切り盛りする中年男。
     妻の浮気に悩んでいる。
     謎の老人の世話をしていた縁で丹羽と知り合い、財宝の秘密に迫ることになる。

    イガラシ中尉
     日系2世のアメリカ軍人。
     ダグラス・マッカーサーの通訳を務めるうちに財宝を巡る陰謀に巻き込まれる。

    野口孝吉
     女学校の英語教員。財宝の秘匿作業に協力させられる。

    久枝
     女学校の生徒。工廠の近所の梨農家の娘。
     財宝の秘匿作業に協力させられる女学生の級長。

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    2026年03月30日
  • 天国までの百マイル 新装版

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    ネタバレ

    妻とも別れお金もない安男は母の命を救うためにオンボロ車で100マイル先の病院を目指す。
    母と息子の愛、男女の恋愛を描いたお話。
    ほんの少しブラックペアンと似た要素も感じた。
    マリさんが悪役に回り、いい女を貫いてて、安男を心から愛してるからこそできることだなと思った。
    兄弟間やその時期によってズレてしまう親子関係だけど、命はいつ失うか分からないと思うと一瞬一瞬ほんと大事だなあと。

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    2026年03月28日
  • 母の待つ里(新潮文庫)

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    定年世代の男性が故郷に帰る、というノスタルジー溢れる物語の始まりに、典型的な田舎暮らし、昭和の田舎の母親像的なものが重苦しく感じていました。
    ところが読み進めると、なんだか私が思っていたようなウェットな展開ではなく、現代社会のあるあるなテーマを盛り込んできたり、「こんなのある?」な驚きのサービスがでできたり。
    老いや故郷の母といった重めのストーリーに絶妙なユーモアを入れてきてさすが浅田次郎さん!と世界観を楽しめました。

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    2026年03月27日
  • 蒼穹の昴(1)

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    宦官って知ってたけど、もっと大昔のものだと思ってた
    年代を聞いて意外と最近までやっていたんだと、ちょっと驚いた
    纏足とか宦官とか、中国はけっこう人体に対してエグいことする文化が多いなぁっと感じた

    これからどう物語が動いていくのか楽しみ

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    2026年03月24日
  • 蒼穹の昴(4)

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    ★3.5でおまけなし。
    最初のワクワク感が最後まで続かなかった。最大の要因は変に日本に話を寄せてしまったところではないかと思料す。
    どこまでも中国中心に話を進めるべきなのに、会津とか妙な思い入れを挿入したことで焦点が極めて散漫になった。これ、「壬生義士伝」と同じ感触で、作家の狙いが完全に邪魔になっているし、その点でその想いを無情に断ち切ってドライに物語を語り切ることができない作家なんだろうという評価を下さざるを得ない。
    ということで当方、今後この作家の作品に手を出すことは、、、ということであります。

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    2026年03月08日
  • パリわずらい 江戸わずらい

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    JAL機内誌のエッセイの文庫。さすがに話がうまくて、機内で一話だけ読む分には面白く読むのにちょうど良いのですが、まとめて文庫1冊分となると少し多すぎるような気がしました。

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    2026年03月08日
  • プリズンホテル 4 春

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    ネタバレ

    ラストにちょっと違和感はあって、何とも私的には評価しづらいのだけれど

    結局木戸孝之介という偉大な小説家は、破天荒に見えたけれどとても繊細で、やはり才能あふれる人物だった

    そして、彼の根本は「母親」に尽きるのか

    産みの母親もそうだけれど、木戸孝之介氏のすべては富江だった…

    愛着障害の極み
    試し行動をとうとうおじさんになるまで続けてしまった(それは妻となったお清にも及ぶ)
    富江を喪うという時まで、試し行動をし続けた
    富江が受け入れ続けたことで、木戸孝之介は安心していられたのだということなんだと最後にわかった

    最後孝之介は千恵子のことも受け入れ、穏やかに母親として扱っているが、それは富江が最期に「こうちゃんを預けてくれてありがとう」という言葉を千恵子に残したからなのかと思った

    この話はそんな話ではないとは思うけれど、母親という存在の大きさ、そしてその親を出奔というかたちで失った子の心の傷の大きさ(極端だとは思うけれど)
    こんなに大変なことなんだと再認識した
    母親ってすごいね

    それを思うと、千恵子と黒田の罪は大きい
    とはいえ、その一連の試練があって木戸孝之介は偉大な小説家になり、お清と結婚したので(ミカという子も得た、心臓病の母親も)なるべくしてなったようにも思う

    また、孝之介の父親も富江を愛して結婚し、最期を看取ってもらったことは幸せだっただろう

    ただ富江…
    慈しんだ(愛する男の子どもだから愛せたのか?あんな暴君を)孝之介からお母さんと呼ばれたのは死ぬ寸前
    それまでは殴られたり蹴られたり、グズブスノロマと罵られ続けた

    富江への思いを気づくのが遅い孝之介
    いや、気づいてた?
    認めるのが怖かった?
    いつまた富江も千恵子のように居なくなるかもしれないから?

    そして
    どこの病院にいるのか分からない富江
    孝之介だって、富江を看取りたいよね
    1人で逝くというのは、富江の復讐なのかと穿った見方をしてしまう

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    2026年07月11日
  • プリズンホテル 3 冬

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    ネタバレ

    前巻の「プリズンホテル秋」で、主人公は改心したかと思いきや、まだ暴力を振るっていることに序盤ならげんなりして辛くなった。お世話になっている女性を「パープー」呼ばわりするのも、男尊女卑甚だしい。嫌気がさした。読むのをやめようかと何度も思ったが、次巻の「春」まで読むと良いという口コミがあったので、葛藤しながらも頑張って読み切った。
    血まみれのマリアは仕事の力量はすごいのだろうが、私生活でも何故にあんなに威張った物言いなのか。かつての職場でのパワハラ上司を思い出した。
    人の悪意を感知せず、笑顔と「ありがとうございます」で自分の心を辛うじて守ってきたサチコ。辛くなった。
    アルピニストがいい存在感を出していたので、星3つにした。   by みー

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    2026年03月07日
  • 蒼穹の昴(3)

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    日本人岡のくだりは正直必要?
    この時代の清朝を描く際に日本が出てくることは必定だろうけれど、この登場人物のお話はちょっと余計な感じあり。最後に纏まればよろしいですけれど。
    春児の立場の飛躍とか、史了都の絡みの希薄さとか他にも色々あるので猶更そう思わなくもなく。
    面白いんだけれどどこか散漫になりつつあるんですよねぇ。。。杞憂に終わることを祈っております。

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    2026年03月03日
  • 蒼穹の昴(2)

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    李鴻章とか袁世凱とかこういう繋がりになっているんやねと改めて学び直し。
    あくまでフィクションということを念頭に絶えず置いておき、だけれども、やっぱりどこの世界でも近代史は面白いし、謙虚にかつ一番最初に学ばないといけない時代。
    そしてこの巨大な国は当然、蠢く魑魅魍魎の数も桁違い。やっぱり巨大国です。

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    2026年02月26日
  • 兵諫

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    「蒼穹の昴」シリーズの第6弾。

    二・二六事件ののち中国大陸西安で張学良が国民政府の蒋介石を拘束する西安事変が起こる。

    諫言とは目上の人の過ちなどを言葉をもって忠告したり諫めたりすることだが、「兵諫」とは主君や上官に武力をもって諫めることらしい。

    この本では、張学良が蒋介石に共産軍討伐の方針を取り下げ、国共一致して抗日戦に注力すべきであると迫り、政変を起こすことを指す。
    物語は、張学良を守るために命を張る元部下の陳一豆の生き方を二・二六事件の結末と重ね合わせることで、張学良の生きざまも描く。

    #中国 #肇国神話 #盤古 #龍玉 #乾隆帝

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    2026年02月11日
  • 母の待つ里(新潮文庫)

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    ネタバレ

    松永徹
    知らない人のない大企業の社長。独身。四十年ぶりに里帰りをする。

    ちよ
    ホームタウン・サービスのペアレンツ。

    吉野知子
    ユナイテッドカード・プレミアムクラブのコンシェルジュ。

    室田精一
    製薬会社の営業部長から関西流通センター長に異動し定年退職する。熟年離婚する。

    住職
    慈恩院の和尚。

    秋山光夫
    松永徹の旧友。東京の下町に何棟ものビルを所有している。

    松永孝子
    徹の母。五十二歳で他界。

    小林雅美
    精一の妹。高校の教師。

    怜子
    精一の元妻。

    古賀夏生
    かつて大学病院の循環器内科准教授まで務め、今は専門病院に勤務しているたベテラン医師。認知症の母を亡くした。

    佐々木サチコ
    酒屋の女主人。

    森山
    医師。

    小山内秀子
    父の経営するクリニックの「若先生」に収まる。夏生のかつての教え子。

    品川操
    松永の有能な秘書。

    雅美の夫
    勤続三十八年の公務員。定年を迎える。

    佐藤カンジ
    慈恩院の檀家。

    川崎繁
    室田の中学、高校の同級生。

    青柳
    ガードマン。室田の元同僚。

    背戸の嫁っこ
    隣家の嫁。

    背戸の爺様

    田村健太郎
    全国展開する居酒屋チェーンの経営者。

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    2026年02月10日
  • 月のしずく

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    偉そうな言い方になってしまうけれど、下手な作家がこういう話を書くとべたべたしていてとても読めたもんじゃなくなるだろうなあ、というのばかりです。それをこう、淡々とというか、甘さは行間からだけにじみ出るようにというか、やられると、やっぱり参ってしまう。素直に泪しながら読んでよし。すなわち、電車の中で頁をめくるのには向いていません。
    「月のしずく」世界の違う男女がささいな偶然でふれあうという物語は古今東西掃いて捨てるほどある。そして偏見かもしれないが、たいてい、どちらかがどちらかの世界を捨てることで解決をはかっている。でも、この物語はそうではないと思う。まったく違った世界にも、何か通い合うところがあって然るべきだと言われているように感じる。
    「聖夜の肖像」この作品集のなかでいちばん好きである。四十代はじめの登場人物たちに、まだこのような迷いがあるところがうれしい。うつくしい夫婦だと思った。
    「花や今宵」現実の世界ではこのようなこと、起こり得ないのではないか?起こったとしてももっと生生しいものになってしまう。夢のように異界に身を投じてみてもよい。すべてを花のせいにして。

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    2026年02月08日
  • 活動寫眞の女

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    学生運動の激化により東大受験をあきらめた主人公は、京大に入学する。ある日、偶然に出会った同じ京大生に映画の撮影所でのアルバイトを紹介される。エキストラをつとめた時に見かけたのは、ずっと昔に死んだはずの美しい女優であった。
    まず、最初にことわっておきます。ごめんなさい。この作品に出てくる映画のほとんどがぼくにはわかりません。見たことあるのかもしれないけれど、題名から1カットでも思い出せるのはほんの数えるほどです。
    でも、それにもかかわらず、食い入るように読んでしまうのですよね。読んでいるうちに、その時代の映画にこめられていたものが、自分にも乗り移ってくるような気がする。また、そのような映画であるからこそ、思いを残して死んだ女優というものにもしぜんと納得いくわけで……。こういう物語、好きですね。喪ってしまった時代やものが、ここには何重にもかさねてあります。こういう物語を読み了えたとき、自分自身のそれを振り返ってしまいませんか?甘さが勝っても苦さが勝ってもいけない、ほんとうに微妙な味わいがしなければ、時代をこえて自分の経験と重ねることはできませんよね。

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    2026年02月08日