浅田次郎のレビュー一覧
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読んだ本 兵諫 浅田次郎 2025129
「蒼穹の昴」シリーズも、「群青の夢」というので最後らしい。
この「兵諫」はその前作ということで、張学良が蒋介石を拉致する事件を題材にしている。
この張学良って人がよくわからない。
張作霖の英雄的な描き方に比べ、なんとも得体の知れない描かれ方で、大局観があるからこそ思い切った行動に出れないって感じかな。
歴史的にも大きな権力(軍閥)を率いながら、右往左往しているイメージで、冴えない感じなんだけど、物語の中では深謀遠慮があるように描かれている。
実際にそうだったのかもしれないけど、このシリーズでは西太后もいい人だからな。
何が真実かはわからないけど、シリーズの最期が読めるのは楽しみです。 -
Posted by ブクログ
浅田次郎の長篇小説『日輪の遺産 新装版』を読みました。
浅田次郎の作品は、一昨年の11月に読んだ『ハッピー・リタイアメント』以来ですね。
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帝国陸軍がマッカーサーより奪い、終戦直前に隠したという時価200兆円の財宝。
それは敗戦を悟った阿南陸軍大臣が、祖国復興のために託した軍資金だった。
戦争は、日本人に何を残したのか。
著者にしか書けない、魂を揺さぶる傑作歴史ミステリー!
新装版解説/内藤麻里子
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1993年(平成5年)に刊行された作品です。
1945年8月……マッカーサーの財宝200兆円を隠匿せよ!
終戦間近、帝国陸軍の真柴少佐は軍トップに呼集され、ある重大な密命を帯びる……祖国復興のための軍資金を護るため、真柴は小泉中尉、望月曹長とともに極秘任務を遂行、勤労動員として20人の少女を集めた、、、
それから47年、不動産事業で行き詰まった丹羽明人は、不思議な老人から財宝の在り処を記した手帳を託される……戦争には敗ける、しかし日本はこれでは終わらない。
戦争末期の極秘任務を軸に、国家と個人の狭間で揺れる人々を描いた長篇小説……浅田次郎作品らしい丁寧な人物描写が、派手さよりも静かな重みを残します、、、
女学校の生徒たちの純粋さと、彼女たちを導く軍人たちの葛藤……その対比が、戦争が奪ったものの大きさを自然と浮かび上がらせる展開でした。
戦争を題材にしながらも、過度に悲劇を強調しない……むしろ、歴史の隙間に埋もれた“名もなき人々の選択”に光を当てることで、読者に静かな問いを投げかけてくる印象でしたね、、、
読み終えたあと、何を感じるかは人それぞれだと思いますが、忘れられた歴史の片隅に、確かに息づいていた人間の尊厳を思い返すきっかけになる作品でした。
以下、主な登場人物です。
真柴少佐
近衛師団所属のエリート軍人。軍の最高幹部たちから、とある密命を受ける。
小泉主計中尉
東京帝大を首席で卒業した大蔵官僚。真柴とともに極秘の任務に就く。
曹長
中国戦線で長く戦った人物で、モーゼル社の自動拳銃を愛用する。
真柴の運転手として活躍。
金原
武蔵小玉市の大地主で元市議。悪徳不動産業者として知られる。
財宝についても何かを知っている気配を見せる。
丹羽明人
お人好しの地上げ屋。
バブル景気崩壊で建て売り住宅の不良在庫を抱えて金策に奔走中、一攫千金を狙って競馬場に行き謎の老人に出会う。
海老沢
武蔵小玉市で福祉関係のNPOを切り盛りする中年男。
妻の浮気に悩んでいる。
謎の老人の世話をしていた縁で丹羽と知り合い、財宝の秘密に迫ることになる。
イガラシ中尉
日系2世のアメリカ軍人。
ダグラス・マッカーサーの通訳を務めるうちに財宝を巡る陰謀に巻き込まれる。
野口孝吉
女学校の英語教員。財宝の秘匿作業に協力させられる。
久枝
女学校の生徒。工廠の近所の梨農家の娘。
財宝の秘匿作業に協力させられる女学生の級長。 -
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ネタバレラストにちょっと違和感はあって、何とも私的には評価しづらいのだけれど
結局木戸孝之介という偉大な小説家は、破天荒に見えたけれどとても繊細で、やはり才能あふれる人物だった
そして、彼の根本は「母親」に尽きるのか
産みの母親もそうだけれど、木戸孝之介氏のすべては富江だった…
愛着障害の極み
試し行動をとうとうおじさんになるまで続けてしまった(それは妻となったお清にも及ぶ)
富江を喪うという時まで、試し行動をし続けた
富江が受け入れ続けたことで、木戸孝之介は安心していられたのだということなんだと最後にわかった
最後孝之介は千恵子のことも受け入れ、穏やかに母親として扱っているが、それは富江が最期に「こうちゃんを預けてくれてありがとう」という言葉を千恵子に残したからなのかと思った
この話はそんな話ではないとは思うけれど、母親という存在の大きさ、そしてその親を出奔というかたちで失った子の心の傷の大きさ(極端だとは思うけれど)
こんなに大変なことなんだと再認識した
母親ってすごいね
それを思うと、千恵子と黒田の罪は大きい
とはいえ、その一連の試練があって木戸孝之介は偉大な小説家になり、お清と結婚したので(ミカという子も得た、心臓病の母親も)なるべくしてなったようにも思う
また、孝之介の父親も富江を愛して結婚し、最期を看取ってもらったことは幸せだっただろう
ただ富江…
慈しんだ(愛する男の子どもだから愛せたのか?あんな暴君を)孝之介からお母さんと呼ばれたのは死ぬ寸前
それまでは殴られたり蹴られたり、グズブスノロマと罵られ続けた
富江への思いを気づくのが遅い孝之介
いや、気づいてた?
認めるのが怖かった?
いつまた富江も千恵子のように居なくなるかもしれないから?
そして
どこの病院にいるのか分からない富江
孝之介だって、富江を看取りたいよね
1人で逝くというのは、富江の復讐なのかと穿った見方をしてしまう -
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ネタバレ前巻の「プリズンホテル秋」で、主人公は改心したかと思いきや、まだ暴力を振るっていることに序盤ならげんなりして辛くなった。お世話になっている女性を「パープー」呼ばわりするのも、男尊女卑甚だしい。嫌気がさした。読むのをやめようかと何度も思ったが、次巻の「春」まで読むと良いという口コミがあったので、葛藤しながらも頑張って読み切った。
血まみれのマリアは仕事の力量はすごいのだろうが、私生活でも何故にあんなに威張った物言いなのか。かつての職場でのパワハラ上司を思い出した。
人の悪意を感知せず、笑顔と「ありがとうございます」で自分の心を辛うじて守ってきたサチコ。辛くなった。
アルピニストがいい存在感を出していたので、星3つにした。 by みー -
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ネタバレ松永徹
知らない人のない大企業の社長。独身。四十年ぶりに里帰りをする。
ちよ
ホームタウン・サービスのペアレンツ。
吉野知子
ユナイテッドカード・プレミアムクラブのコンシェルジュ。
室田精一
製薬会社の営業部長から関西流通センター長に異動し定年退職する。熟年離婚する。
住職
慈恩院の和尚。
秋山光夫
松永徹の旧友。東京の下町に何棟ものビルを所有している。
松永孝子
徹の母。五十二歳で他界。
小林雅美
精一の妹。高校の教師。
怜子
精一の元妻。
古賀夏生
かつて大学病院の循環器内科准教授まで務め、今は専門病院に勤務しているたベテラン医師。認知症の母を亡くした。
佐々木サチコ
酒屋の女主人。
森山
医師。
小山内秀子
父の経営するクリニックの「若先生」に収まる。夏生のかつての教え子。
品川操
松永の有能な秘書。
雅美の夫
勤続三十八年の公務員。定年を迎える。
佐藤カンジ
慈恩院の檀家。
川崎繁
室田の中学、高校の同級生。
青柳
ガードマン。室田の元同僚。
背戸の嫁っこ
隣家の嫁。
背戸の爺様
田村健太郎
全国展開する居酒屋チェーンの経営者。 -
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偉そうな言い方になってしまうけれど、下手な作家がこういう話を書くとべたべたしていてとても読めたもんじゃなくなるだろうなあ、というのばかりです。それをこう、淡々とというか、甘さは行間からだけにじみ出るようにというか、やられると、やっぱり参ってしまう。素直に泪しながら読んでよし。すなわち、電車の中で頁をめくるのには向いていません。
「月のしずく」世界の違う男女がささいな偶然でふれあうという物語は古今東西掃いて捨てるほどある。そして偏見かもしれないが、たいてい、どちらかがどちらかの世界を捨てることで解決をはかっている。でも、この物語はそうではないと思う。まったく違った世界にも、何か通い合うところがあって然るべきだと言われているように感じる。
「聖夜の肖像」この作品集のなかでいちばん好きである。四十代はじめの登場人物たちに、まだこのような迷いがあるところがうれしい。うつくしい夫婦だと思った。
「花や今宵」現実の世界ではこのようなこと、起こり得ないのではないか?起こったとしてももっと生生しいものになってしまう。夢のように異界に身を投じてみてもよい。すべてを花のせいにして。 -
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学生運動の激化により東大受験をあきらめた主人公は、京大に入学する。ある日、偶然に出会った同じ京大生に映画の撮影所でのアルバイトを紹介される。エキストラをつとめた時に見かけたのは、ずっと昔に死んだはずの美しい女優であった。
まず、最初にことわっておきます。ごめんなさい。この作品に出てくる映画のほとんどがぼくにはわかりません。見たことあるのかもしれないけれど、題名から1カットでも思い出せるのはほんの数えるほどです。
でも、それにもかかわらず、食い入るように読んでしまうのですよね。読んでいるうちに、その時代の映画にこめられていたものが、自分にも乗り移ってくるような気がする。また、そのような映画であるからこそ、思いを残して死んだ女優というものにもしぜんと納得いくわけで……。こういう物語、好きですね。喪ってしまった時代やものが、ここには何重にもかさねてあります。こういう物語を読み了えたとき、自分自身のそれを振り返ってしまいませんか?甘さが勝っても苦さが勝ってもいけない、ほんとうに微妙な味わいがしなければ、時代をこえて自分の経験と重ねることはできませんよね。