あらすじ
張学良の帰還。
満洲国建国――祖国を失った将軍の決意とは。
政争に敗れ欧州に渡った張学良。亡命なのか帰国するのか、世界が注目する中、馬占山が、吉田茂が張学良の前に現れる。一方、満洲国の執政として、皇帝に即位する日を待ち望む溥儀の心のよりどころは、「魔法使い」甘粕正彦と、清朝の遺臣、梁文秀だった。龍玉なき満洲で、夢を掴む者は誰なのか。
1933年ヨーロッパ。
ムッソリーニ、イギリス首相などと会見した張学良は、
フィアット戦闘機一個編隊を土産として中国への帰途につく。
日本で殺人の罪に問われた甘粕正彦は満洲で復権、
映画スターオーディションには、馬賊にあこがれた日本の少年の姿があった。
シリーズ累計590万部、「蒼穹の昴」シリーズ第五部。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
感想は最終巻で書く
ここまでシリーズを振り返るように進んできたが、一転して新たな登場人物が歴史上の人物に絡みながらやってきた。
二人の少年の冒険が、新しい風を呼び込む。
Posted by ブクログ
イギリスに留まるかそれとも故郷に帰るか考え続ける張学良。そして生きていた王逸。春雷はいよいよ、その弟子に龍玉を渡そうとする。王逸が家庭教師として育てた弟子の名前は毛沢東。
ああ……ああそうなるのか……そうなるんだけどいよいよここまで来たんだなという感慨に溢れる第3巻。
"恐怖心は武士道に悖る。だから誰も本音を口にできない。美辞麗句の建前に糊塗されて、実はその存在理由がよくわからない国家が、満州なのです。"
その満州でいよいよプロパガンダのための映画制作が始まる。そもそも何のためのプロパガンダなのか、本当はみんなわかっているけれどわからないふりをしているんだな。
いや〜〜自分の偏見に気付かされた巻でもありました……元自衛官の浅田先生がこんなにバチバチに旧大日本帝国軍と関東軍を批判するとは……恥ずかしながら予想していなかったというのが事実です。浅田先生は東京オリンピック開催にも反対してましたもんね。そりゃそうなんですよね。
ナチ党と満州国共和会をなぞらえるあたりの緊迫感よ……
文秀の教え子、朝日新聞の北村記者も好きです。大きな流れに抵抗しなければ。ジャーナリストとしてやるべきことをやらねばと思っているのに、甘粕はじめ大きな流れに飲まれていってしまう。どうかジャーナリストであり続けてほしい。柳川先生の教え子ならと思わずにはいられません。
そして張学良は帰国する。自分は中国を選んだのだと信じて。
Posted by ブクログ
政争に敗れ欧州に渡った張学良。亡命なのか帰国するのか、世界が注目する中、馬占山が、吉田茂が張学良の前に現れる。一方、満洲国の執政として、皇帝に即位する日を待ち望む溥儀の心のよりどころは、「魔法使い」甘粕正彦と、清朝の遺臣、梁文秀だった。龍玉なき満洲で、夢を掴む者は誰なのか。
1933年ヨーロッパ。
ムッソリーニ、イギリス首相などと会見した張学良は、
フィアット戦闘機一個編隊を土産として中国への帰途につく。
日本で殺人の罪に問われた甘粕正彦は満洲で復権、
映画スターオーディションには、馬賊にあこがれた日本の少年の姿があった。
Posted by ブクログ
2023.10.31〜2023.11.16
翼を拡げる。でも、その拡げた翼で正しい方角へ飛べているのか。飛んでいけるのか。
もしかしたら、黒い翼が生えていたのか。
歴史上の人物以外も登場して、彼らの今後がどうなるのか、楽しみ。
Posted by ブクログ
満州が日本によって整備されていく過程を描く。春雷の持つ龍玉はどうなるか?なんか毛沢東に行っちゃうのかな? 張学良が欧州でぶらぶら、英気を養って帰国するまで。さて最終巻はどうなるか?満州帝国ができて?
Posted by ブクログ
今巻の主な視点は、溥儀と張学良。
溥儀は清の復辟を成すため、日本が作った満州国の執政に就任。そのまま、満州国皇帝を目指す。
溥儀は孤独の概念を知らず、孤独を感じることはないとの独白があるが、彼の感じる感情の多くは孤独そのものである。
張学良は蒋介石に実権を渡した後、ヨーロッパに身を移すが、外から見た中国を感じながら、最終的には再度、中国に戻ることを決意。
張学良は、難しい政局の中で逃走を余儀なくされるが、世間からは様々な非難や憶測を呼んでおり、これもまた孤独である。
激動する社会に取り残されたり、巻き込まれたりした人々の各々の人生が翻弄される。
前まで物語の途中、毛沢東の名前が出、天命のの具体、龍玉の落ち着く先が暗示される。
Posted by ブクログ
満州国に執政として捕われた溥儀と欧州で目的のない日々を暮らす張学良が交互に語られる。それぞれにどうにもならない不幸な境遇。
満州の唯一の希望だった武藤将軍は暗殺(?)により舞台を去る。判っていることとは言え暗澹とする。
中盤で登場する袁金鎧。以前、袁世凱に名が似ていると書かれていた小物。こういう人物にしっかり焦点を当てるのもこの大河物語の面白さかな。
甘粕の主催したオーディションに登場した少年の歌うジャズ。時代のあだ花だと思うけれど、東洋のハリウッドやパリを現出させる夢には魅かれるものがある。
しかし、その後の愚直な軍人は「三人の悪人」の退官自衛官を思い出させるが、(引用)どうして軍人は謀略を好むようになったのだろう。正義を滅してまで求める結果など、あってはならないのに、という抵抗に満州国の出鱈目さを指弾している。
浅田次郎節炸裂というか、ノッテ書かれているのが伝わってくる名文。
(引用)建物の大きさに較べて玄関は慎ましく、その造作はいかにも、姓名のほかに何らかの称号を持つ人物でなければ足を踏み入れがたいように思えた。
(引用)しかし、彼が熱く語るファシズムの正当性は、私の胸には何ひとつ届かなかった。それはことごとくが勝者の論理だからだった。
むしろ、私が感心したのは、彼の活力と、暑い胸板と、一分の隙もない装いだった。つまり、そうした外観さえ備えていれば、中身などなくとも人心を掌握できるのだと知った。
こういうピリッとした文に痺れまくって読み進めた。
張学良が溥儀を凶相として、情けをかけるのをやめることが軽く驚き。この長い物語では溥儀はまっすぐな王者だったのに。
張作霖が爆殺されなかったら、または張学良が支配したら中国はどうだったんだろう。
さあ、次はいよいよ張学良が帰還する第4巻。
Posted by ブクログ
張学良がメインの巻。
登場人物が増えてきたな。
本のオマケの、しおりタイプの登場人物紹介が便利だ。
1巻の分からまとめて持っておくとよい。
登場人物、実在も架空もどれも魅力的。
Posted by ブクログ
張学良が覚醒するのか、でも馬占山の出迎えには応じられない難しいですね。離れ離れになった面々がもう一度同じ目的に向かって歩いて欲しいけど、それぞれの生き方が違ってしまっては残念です。
Posted by ブクログ
東北王の子ども、幼い頃から皇帝として生きるしかなかった2人の息苦しさや周囲との関係性が見えてくる物語。
規律でがんじがらめになって誰も逆らうこともいない環境の孤独さが痛々しい。
Posted by ブクログ
シリーズ5作目
溥儀が満州国の皇帝になるまでが描かれています。
前作「マンチュリアンレポート」をはじめ「中原の虹」や「蒼穹の昴」から随分間が空いたので、人間関係や相関が忘却の彼方でした。
自分のレビューやググってようやく思い出したところ多々あります(笑)
登場人物多くて、ストーリが追いきれません。
前作含めて、じっくり、あいだ開けずに一気に読まないとだめです(笑)
第三巻は
張学良の物語。張学良も阿片にやられていたんですね。
最終的には中国に帰ることになります。
また唯一の希望だった武藤将軍も亡き人に。
どうなる満州国。
そして、龍玉は誰に渡されるのか?
といった展開です。
ここで新たな登場人物の正太と修!
おいおいここで出てきてどうなる?どう絡んでいくの?最終巻に向けてどう絡む?