浅田次郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
天切り松シリーズ第二弾
伝説の盗賊「天切り松」が昔懐かしブタバコで説教がてら人々に語る話は大正と言う時代を生きた渡世人の心意気を張った生きた説教。
語る声は闇がたり。
遠くまで聞こえる事の無いその声は懸命に生きた人の道を辿る道しるべ。
とにかくカッコいい人達ですね。大正と言う時代の移り変わりの激しい時代を生きた親方、兄や、姉貴、そして松蔵。
盗人稼業に身を落としつつも義賊となり、強くには意地と心意気で弱くに慈愛を携えて一日一日を懸命に生きているように感じました。
永井教授が安吉親方の事をこう語っている。
「あの人は他人に情はかけても、けっして恩は着せない。人に好いても、好かれようとはしな -
Posted by ブクログ
「君もどうかね? 気持ちいいぞ」――文中に出てくるこのセリフのように、おススメしたくなります。
この本では、JALの機内誌『スカイワード』に連載中のエッセイを一気に読むことができます。人気作家のため、取材や講演などで飛び回っているのでしょう。日本国内に限らず、中国やラスベガスなどの話も出てきますが、一話完結なのでどれから読んでも面白い。
それにしてもこの人のエッセイを読むたびに、どれだけネタがあるんだと思ってしまいます。いや、いくら人気作家でも、日常生活がそんなにドラマチックなはずはありません。だから氏の文才なのでしょう。旅先の出来事だけではなく、食いものやギャンブル、自身の病気のことなど -
Posted by ブクログ
表題作「見知らぬ妻へ」は、切ない。
体を売って日本で働こうとする中国人の女。
その不法入国を免れるため、形式的な結婚を請け負った男。
男は、それで報酬を得た。それだけの関係であったはず。
でも男は、女を愛しく感じ始める。
「なぜ?」
体を売りながらも、その男の前では”妻”であろうとする女の純情さに、家族との幸福を失った男の虚しさが引き寄せられたせいだろう。
女は、体を売って帰ってきたアパートで、形式的夫婦生活を繕うためだけでなく、”妻”として振る舞おうとする。
お互いの事情を詳しく知らないが、自らの力では、どうしようもない流れの中に生かされている者同士であると感じ合ったせいだろう。
やが