浅田次郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ天切り松闇がたりシリーズ4.
昭和侠盗伝(目細一家のお手並みオンパレード、3つの勲章×東郷平八郎!)/日輪の刺客(相沢事件、×相沢三郎×永田鉄山)/惜別の譜(相沢の妻、相沢の処刑まで)/王妃のワルツ(黄不動の栄治×嵯峨浩×愛新覚羅溥傑)/尾張町暮色(振袖おこん)
この1冊は、実在の歴史上の人物や事件、出来事を絡めたものが主流だったな。相沢事件もあらためて調べなおしたりした。嵯峨浩さんの半生も、あたらめてべつの伝記でも読んでみたいなあ。お写真検索すれば出てくるけど、ほんとに美人。
昭和侠盗伝は、3巻までに、一家それぞれのキャラや仕事分野を描いておいて、それをふまえて読むと、もう、映画のようだ。でもこれは、必ず先に3冊ぶんの流れを読んでないと、味わえないとこだよね。
なんか、ルパン一家みたいに、キャラの特性も年齢も動かないままパターンの違う事件だけが起こるんじゃなくて、時代がちゃんと動いていって、だんだんみんなが老いていってるもんな、そうそう長く続くシリーズじゃないのかもな。。。これの次まで手元にあるので、5巻、ライムライト、心して読もう。松蔵は青年になってきたけど、次くらい、そろそろ虎弥はけっこうな歳になるかなあ。。。。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ天切り松闇語りシリーズ2.いやあ面白い。役者が揃いすぎだわ。それにこのべらんめえ調大好きなんだよね。
残侠/切れ緒の草鞋/目細の安吉/百面相の恋/花と錨/黄不動見参/星の契り/春のかたみに
それに私桜も大好きで、舞台のあらゆるところに桜舞う光景が出てくるのもうっとり感。
山形有朋もそうだったけど清水小政でてきちゃったねえ。こういう現実に名を残す登場人物がひらりと現れるのもこの物語の魅力だねえ。“”俺ァ男だ”とてめえに言い聞かせて生きるのが男、かぁ。ほんと惚れ惚れするわこの世界の男たち。目細の名人芸もでてきたし(半返したぁ恐れ入った!)、百面相常のお点前もひとついただいたしおこんに黄不動に松蔵に、ひとりずつエピソードがほぐされていって、しかもまた語り口が名調子だよねえ、ほんと舞台を観に行ってるような気持ちになる。こういうのって悪党じゃないよなあ。ある意味ヒーローだよ。銀次もでてくるのかなあ。安吉のもっと昔を語るときには出てくるよなあ。知りたいなー、大親分銀次のことも。松蔵だってまだ自分の仕事するようになってからの出来事は語ってないしね。5巻までいま手元にあるからあと3冊。イッキにいきます。2冊目でますます大好き!このシリーズ。期待期待。 -
Posted by ブクログ
「残侠」
「切れ緒の草鞋」
安吉一家の上を行く、「小政」。
生き様、筋の通し方がかっこよすぎる。
「目細の安吉」
「闇の花道」に続く、安吉親分と官との因縁。
親分、さすがです。
「百面相の恋」
何このお話可愛い……!
大きな仕掛けで堂々と人を騙す派手さと、大切な人を前に嘘をつけない純情さ、なんだか切なくなります。
「花と錨」
多くの人が思っていただろう、「おこん姐さんにいいひとはいないのか?」が解明されました。
「槍の小輔」が一世一代の大恋愛だったのね。
「黄不動見参」
松蔵デビュー?
「星の契り」
「百面相の恋」に輪をかけて可愛い。
康ちゃんが思いがけず男気を見せてくれた。
「春のかたみに」
やられたーやっぱり泣かされるなあ…… -
Posted by ブクログ
面白かった。あっという間に上下巻を読みきってしまいました。
日輪の遺産や壬生義士伝と同様に、現在と過去の物語をリンクさせ、登場人物の独白という形で事実を浮かび上がらせていくスタイルです。かなり都合よくストーリが展開していきますが、それを上回る構成でした。
ストーリとしては、昭和20年に民間人2000人あまりと金塊を積んだ弥勒丸がアメリカの潜水艦によって沈められます。その引き上げをめぐってのストーリ展開となっています。
弥勒丸とはなんだったのか?なぜ民間船なのに沈められたのか?その悲劇の真相は?そして、なぜ、それを引き上げようとするのか?
時間軸が交差する中、語り手が変わりつつ、それらのなぞを解き明かしていきます。
弥勒丸に隠されていたストーリとはとても悲しい物語でした。さらに、下巻の終盤、弥勒丸が潜水艦に囲まれるシーン。海の男たちの誇りと覚悟。とても胸が熱くなるシーンでした。ここで終わってくれてもよかったんだけどな..
本作には実在の事件を題材にしているそうです。
「阿波丸事件」はタイタニックを上回る2000人以上の方がアメリカの潜水艦に撃沈され命を落としています。
本作を通して、その事件を知ることになったこともとても貴重かと思います。
海の男たちの、いや、日本人の矜持と誇りを感じる物語!
「よォそろォー」
泣ける。
お勧めです。 -
Posted by ブクログ
ああああこうキタかー。西郷こそがラストサムライだとおもっている私としては、浅田さんにいつか、西南戦争をテーマに書いてほしくて、幕末モノはいろんな切り口で書いてらっしゃる方だからいつかあり得る、って祈ってたのに。こうきたかー。思いもしない角度だった。的矢六兵衛。この名忘るるまいぞ。上巻は、謎だらけだし場面展開も少ないし突拍子もなさすぎる設定なので、あまりのめり込めなかったけど、下巻で、ひょっとして慶喜公?というあたりからがぜんどきどきした。けど、謎は謎のまま明かされずに神秘のベールのまま幕引きとなったね。六兵衛とは何者だったのか、なんとのう答えは、見つかるんだけど。長きにわたった武士の時代の幕引きを担った真の士道の体現者みたいなさ。でもスッキリはしないなあ。どんでん返しというわけでもないし。こういう存在を紡ぎだされてしまえば、もう二度と西郷どんをメインに書くことはないのかもなあという失望が濃くなっていった。しかも、なんか、薩摩弁ってそんな、カタカナで(おそらくこういってんだろう)みたいな異形かなあ。あんなふうにカタカナだらけのセリフになるなら薩摩の話は期待できないかなー。まあ、浅田ワールド安定のクオリティではあるんだけどね。「その日の江戸は鼠色の糠雨にまみれていた。」この冒頭だけで1時間国語の授業できそうな、文章力みたいなのはほんと随所で惚れ惚れするんだけど。あー残念。すてきなお話ではあるし、男性のほうがこういうの好きかもなあ。でも女房たちが乗り込む場面もいいしね。でもなあ。西郷どんモノ、可能性薄になったなー。ざんねん。
-
Posted by ブクログ
無血開城を控えた江戸城。その露払いを務める尾張徳川家の江戸詰め御徒組頭、加倉井隼人が入場してみると、そこに一人の旗本、黒書院番の的矢六兵衛が居座っている。黒書院番は徳川家の近侍の騎兵で定数は十組500人。職禄300俵の旗本。その由緒正しい番士だが、実はある日突然入れ替わっていたという謎に絡めて、江戸城西の丸の様子、江戸末期の武家たちの台所事情、旗本たちの動き、庶民の感覚、官軍内の駆け引き、等々てんこ盛りで飽きさせることがない。日経連載だったそうで、幕府崩壊を経済と結びつけた視点で描いている。
気になるのが、禁制品だったヤクの毛の被り物が官軍に登場するのは江戸開城以降といわれているのに、隼人が赤熊の飾り物を押し付けられていること。浅田次郎が調べないはずないと思うのだが、異説があるのか?