浅田次郎のレビュー一覧
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初老の男性がずっと胸の奥に抱えてきた、でも目を逸らし続けてきた過去に降霊会を通して向き合っていくストーリー。
前半の少年時代編と後半の学生時代編に分かれている。
少年時代に仲がよくもあり、半面疎ましくもあった友人キヨが目の前で交通事故で亡くなった話の真相はやるせなくて、重かった。。
浅田次郎さん、「椿山課長の七日間」しか読んだことがないのだが、やはり作風は似てるかな。
後編はイマイチだというレビューも見たけれど、後編も女性の側からすると切ない・・。
「降霊会」というタイトルから胡散臭い話を連想するかもしれないけれど、過去にタイムスリップするようなお話、かな。 -
Posted by ブクログ
―――「武勇伝なんぞするやつァ、戦をしたうちにへえるものか」二百三高地の激戦を生きのびた男はそうつぶやいた…。
シベリア出兵で戦死した兵士の遺族を助ける説教寅の男気を描く表題作「初湯千両」など、華やかな大正ロマンの陰で、時代の大きなうねりに翻弄される庶民に味方する、粋でいなせな怪盗たちの物語六編。
誇りと信義に命を賭けた目細の安吉一家の大活躍。堂々の傑作シリーズ第三弾。
威勢のいい江戸弁で天切り松に叱られると
不思議と背筋がのびる
今回は松蔵たちの話の中に森鴎外、永井荷風など
よく知る人物が出てきてテンション上がりますね
そして何度でも俺は言う。"黄不動" -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んでいるときは、作者らしき語り部が登場するスモーキングシートについて、ストーリーのリズムを乱しているように感じた。ラスベガスの歴史やアメリカ文化を説明することで、物語を厚くしてるんだろうけど、本文に入れれば良かったんじゃない?と思ったのだけど、読後の今はそれは違う!と思いはじめた。
読み終わって全体をみると、スモーキングシートは、フィクションをよりフィクションだと強調することで、このバカバカしいストーリー(面白いという意味です)を読者に受け入れやすくしているんじゃないかと思った。というのも、ここがなかったら、ゴッドファーザー好きの私にはあのビトーとマイケルは許せなかった気がする。
やっぱり -
Posted by ブクログ
『さあ、身近の「ま、いっか」について、もういちど考え直してみようか。』
(本文より)。
花と読書を愛した青春時代の思い出。
巷に氾濫する美人たちへの忠告。
旅と買物の、とっておきの楽しみ方。
老化について、女の誤解と男の本音。
豊富な話題をもとに粋なオヤジ目線で語られるのは、
江戸っ子らしいキレの良さと滋味たっぷりの現代考察。
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映画「憑神」を見て、めっさオモローで前々からこの作家には興味はあった。
ほんでやっと、この作家の本を初めて読んでみた。
タイトルにひかれ、ゆるい感じがよいなと思った。
作家になる前に -
Posted by ブクログ
だんだんだんだん
直前に読んだ、有川さん「おもてなし課」は読み出したとたんにボコッとはまるはまりかたでした。浅田さんはだんだんだんだんと、はまるぞはまるぞと感じながらはまって行くのが自分でもよくわかります。これはもう年の功、さすがの大作家です。
東京で劇団ひまわりのエキストラをしていた、もう30年も前のことを思い出しながら、子どもがおいしいお菓子をちょっとずつ食べるようにいただきました。
登場人物の「清家」はわたしはある意味幸せだったと思いましいた。
浅田さんの「流星ワゴン」「カシオペア」「椿課長」…どれをとっても大変面白い「だんだんだんだん」の作品です。 -
Posted by ブクログ
居酒屋で飲みながらオッチャンと意気投合して盛り上がっちゃったような感覚で、痛快。
私はこのオッチャンと気が合うようだけど、そうでない人にとってはちと説教くさいかも?
お気に入りのフレーズは以下の2つ。
「金銭も愛情も他者からは求めず、みずから生産し管理すること、すなわち自由である。幸福は自由の異名であると、私はこのとき知った。」
ごもっとも。でも、浅田さんも言っているけれど、こう考えちゃうと相手がさみしくなってしまってうまくいかないんですよね。どうしたものか。
「感情に流されず、怖れずとまどわず、これまで通りにそれぞれの職分を尽くすことこそが、今の私たちの正しい心構えではあるまいか。」
これ