浅田次郎のレビュー一覧

  • 天切り松 闇がたり 第二巻 残侠

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    解説大山勝美氏
    8章からなる文庫本

    幕末、明治、戦争。。
    歴史をもっと知っていれば今作はもっと楽しめると思う。

    フルメンバー活躍の1冊。

    最終章『春のかたみに』
    前作で親を選べぬ子の辛さ、という感想を抱いたが
    今章を読んで考えさせられる。。
    根っからの悪人はいないという事だろうか。。

    松蔵の芯の強さ、優しさを再認識。

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    2016年05月11日
  • かわいい自分には旅をさせよ

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    一つ一つのエッセーが短く読みやすい。
    通勤時間などのちょっとした隙間時間を、豊にできた。

    中国文学にほとんど無知だったので、新しい知識となることも多くあった。

    「かっぱぎ権左」は、本当に後味のいい短編小説だった。映画化されても面白いのに(笑)勝手に頭にイメージが焼き付いてしまった。このエッセイをきっかけに、歴史にも興味を持てそう。

    あとは、著者の仕事観にも触れられてる点が心に残っている。やりたいこと(書き物)を仕事にできるまでやり抜こうとすると、それまでの過程は不安にならないのだ。目標が明確であるとは、前を向き続けていけるエッセンスなのかもしれない。

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    2016年05月08日
  • 一刀斎夢録 下

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    最後は切ないような悲しいような気持ちになりましたが、爽やかな空気も感じました。

    史実(とされてること)と照らし合わせるとだいぶ食い違う部分は多いですが、そこはフィクション作品ですから。楽しめればいいと思います。
    文章がうまいのでこれを史実だと思ってしまう人もいそうですが。

    いろんな人の思いや業を背負って生き残るというのも辛いことなんだよなぁ…

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    2016年04月19日
  • マンチュリアン・リポート

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     『蒼穹の昴』の登場人物と重複していたので、イメージが湧きやすかった。
    歴史小説と言うより、エンターテーメント性が強く感じる。『蒼穹・・』の西太后が可愛いおばさんに描かれていたように、天皇も、関東軍の一部の軍人も、張作霖も、それぞれ苦悩を抱えた良人に描かれている。
     中国からも、日本からも角が立たないような、八方美人的な纏め方に、多少なりとも不満が残ったが、浅田氏が広く読まれている秘訣とも思える。近代日本の中国へ侵攻の流れが分かり易かった。

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    2016年04月05日
  • 終わらざる夏 上

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    この話は、第二次世界大戦末期の最北の島「占守島」の話。

    いろいろな立場の人が出てきます。
    東京でこの戦争の作戦をまとめている軍人、
    東京で働いていて召集されるはずがない45歳の翻訳家、
    そして焼け野原に唯一残った近代的なアパートに暮らす妻
    父の召集を知り疎開先から脱走した息子と
    道を共にした女の子。
    二人の疎開先の先生。
    二人と夢を介して出会ったロシア兵。
    何度も召集されてその度に話を盛り立てられて金鵄勲章をもらった指のない軍人、
    召集される人々のため病気を偽って申告し続けた医者、
    体が小さくて戦車に乗れない少年兵とそれを教育する老兵、
    大本営から終戦の際に立ち回るために占守島にやってきた参

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    2016年04月05日
  • 日輪の遺産

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    2016年、20冊目です。

    浅田次郎の初期の長編小説です。
    秀逸な作品だと思います。
    太平洋戦争末期のポツダム宣言受諾の時期から始まる物語が、長い歳を経て、戦争経験の無い世代の人間と接点を持ちます。2つの時間軸で物語が展開していきます。

    日本を再興させるための軍の財産を山の中に隠すために動員された女子学生たちの姿と彼女らとその後の日本の両方を憂う人間たちの苦悩が描かれています。
    彼らの残したものを知ることになった2人の戦後生まれの男たちは、それぞれが抱える問題の中でやはり苦悩しています。2人自身の再興のとも交わりながら物語は進んでいきます。少し長い小説でしたが、ストーリーにも興味を失わず読

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    2016年04月17日
  • 壬生義士伝 5

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    画力が素晴らしい。圧倒的な美しさで原作の雰囲気と合っている。原作を知っていても続きがよみたくなります。

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    2016年03月29日
  • マンチュリアン・リポート

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    天皇陛下から直々に張作霖爆殺の真相を探るよう密命を受けた陸軍中尉志津邦陽が、手紙の形で陛下に認めた満州からの報告書「マンチュリアンレポート」。
    事件の首謀者である関東軍に対する痛烈な義憤と張作霖という草原の英雄に対する
    深い愛惜の想いがこの小説の骨格を成している。浅田次郎は、義と情の人だと思う。

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    2016年03月19日
  • アイム・ファイン!

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    主体がハゲ。パーソナリティがハゲ。アイデンティティーのありかがハゲ。浅田ハゲ次郎。


    JALの機内誌に掲載されているエッセイをまとめた本。
    浅田次郎な軽妙な語り口が楽しめる本作品は、他の「泣きの浅田」作品と同一作者とは思えない。

    膨大な知識が背景にあるからこそ、生きるエッセイの数々は読んでいて本当に飽きない。たまにホロリとさせるエッセンスもあり。
    爆笑エッセイとしては勇気凛々シリーズの方が上だが、こちらの方が落ち着いている印象。

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    2016年03月11日
  • マンチュリアン・リポート

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    『中原の虹』から連続で読み始めてみた。前作で長城を越えた張作霖のその後の苦悩、そして非業の死。それを追う日本の陸軍中将。2つの視点から、歴史的出来事を深く考察していく。その中で、張作霖の想いに触れ、その涙のシーンではおもわずぐっとくる。これはやはり必ず『蒼穹の昴』『中原の虹』とともに読むべきものである。
    そして張学良の物語を是非読みたいと思う。

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    2016年02月28日
  • 中原の虹(3)

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    西太后亡き後の清朝は、西太后の思い通りに列強の侵略は受けずに政権交替が進む。清朝というおおきな枠組みを失った中国はいよいよ混迷を深めるのか。袁世凱、孫文、張作霖、それぞれの思惑が交錯するなか事態は複雑に展開する。
    歴史を知っているからなんとか意味を理解しながら読み進められるが、知らないと唐突かもしれない。あっこれ辛亥革命のことねって、分からないと厳しいかもしれない。
    さて最終巻はいかなる展開を迎えるか。

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    2016年02月20日
  • 中原の虹 全4冊合本版

    購入済み

    中国近代戦国史

    清朝末期から中華民国建国までを描いた戦国史とも言える作品です。
    史実と異なる点は色々ありますが、スケールの大きな時代小説と言えます。

    作中ではどうも中国人というものを過大評価しているようですが、その辺はフィクションということで、日本人の好みに合う中国人像が描かれているのでしょう。
    昔の日本人は中国に幻想を抱いてますからね。

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    2016年02月13日
  • 憑神

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    不覚にも後半のほうでうるっときてしまった。たぶんうるってきてしまったのは、散々幕末ものを読んだからかもしれない。方向性としては、司馬氏の翔ぶが如くのようなことを訴えたかったのかもしれない。そう、武士の世の終わりである。

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    2016年01月24日
  • マンチュリアン・リポート

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    シリーズ4作目。
    張作霖の爆殺事件の真相を語る物語。

    その語り部は、天皇から調査を命じられた主人公の天皇への報告書(マンチュリアンレポート)と爆破された機関車(擬人化された機関車)が交互にストーリを語っていきます。

    擬人化された機関車が語り部とはさすが浅田次郎と思いました。(でもかなり違和感あり)
    さらには、最後に真相を語る吉永中佐。
    そして、マンチュリアンレポートの第7信。
    正直、技巧に走りすぎでは?って思います。

    そうはいいながらも、今までの背景を知っていると、じんわりと悲しみが押し寄せます。さらには張作霖の覚悟と生き様に心揺さぶられます。
    これは、本作だけを読んでもきっとつまらない

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    2016年01月23日
  • 活動寫眞の女

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    浅田次郎による、渋い青春小説。
    昭和40年代の世界観と、国内映画文化の黎明期のあれこれ、学生運動に大きく人生を変えられた当時の秀才たちの感情、というように、舞台とストーリーをフル活用した読み応えある作品。
    文体も登場人物もストイックな感触はあるが、読み易く、浸り易い。
    著者の引き出しの多さには舌を巻く思いだが、それにしても作中で語られる往年の映画作品を観たくなること請け負い。
    4

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    2016年01月17日
  • 月島慕情

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    浅田次郎による短編集。
    いつもながら、ナチュラルに感慨深い作品ばかりで、その才能に感激する。
    著者は、長編を書けば強い訴求力のものが多いが、短編は、いくらでも読みたくなる読みやすさとバリエーションがある。すごいことだと思う。
    「シューシャインボーイ」は、いかにも著者らしく、著者にしか書けない逸品。
    4-

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    2016年01月17日
  • 姫椿

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    浅田次郎のノンテーマ短編集。現代が舞台のものばかりなのも珍しいか。
    派手ではないものが多いが、読みやすさがありながら読み応えもあるのはさすが。
    ただ、他の作品集と比べるとやや「軽い」感触があり、ライトユーザー向けな気もする。
    表題作と、「獬(xie)」がよかった。
    4-

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    2016年01月17日
  • 一刀斎夢録 上

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    左利きの件や竜馬暗殺の件など実際にはどうかなと思う場面もなくはないですが、面白いです。史実をうたってるわけではなくフィクションなのであまり気にしません。

    壬生義士伝を以前読んだ時感動はしたんですが中盤は同じような場面の繰り返しでそんなに楽しめなかったところも…。今回は主役が斎藤一なので近藤、土方など幹部の話も多く私はこちらのほうが読みやすかったです。

    下巻も楽しみ。

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    2016年01月02日
  • 薔薇盗人

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    浅田次郎は長編が好きだなあ。

    浅田次郎は短編とはいえ、その世界を描きだすのが上手いのだ。
    だからすぐに情景が目に浮かんで、「で?」ってなってしまう。
    もう一段の上を期待してしまう。

    本来なら短い文章でその世界を描き切ること、できれば余韻をもたせることが短編小説に求められる部分なのかもしれないけれど、「蒼穹の昴」や「壬生義士伝」などの、圧倒的な描写の巧。
    畳み掛けるように押し寄せる感情のうねり。

    または「地下鉄に乗って」のように、視点によって見えているものが違い、事実が必ずしも真実ではないことを突き付ける一瞬。

    そのようなものを、短編で期待してはいけないのだけど、期待してしまうのだ。

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    2015年12月30日
  • 輪違屋糸里(下)

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    本作で印象が変わるのは芹沢鴨、土方歳三。今まで私が思ってきた新選組隊士達とは違う描かれ方をしている。

    芹沢さんには自分を理解し過ぎた故の弱さ、侍として選ばざるを得ない矜持があり、人間味を感じた。他の新選組作品で描かれる巨悪の権化「芹沢鴨」とガラリと違う。

    歳さんには隊の強化だけ考えて行動をとってもらってかまわない、百姓になるなんて言わないでほしい。糸里に対して身勝手過ぎる。それを受け入れた糸里は島原の女だからなのか、時代の女だからなのか。最後の選択は強い女ではなく哀れな男として読まないと歳さんを嫌いになってしまいそう。

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    2015年12月16日