浅田次郎のレビュー一覧
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登場人物に例の団体が出てくるので、ああまた変にカッコイイよう持ち上げて人気取りしようとしてるタイプの作品かもしれないなあ……と長く手に取らずにおりました。が、島原について調べたいことがあり、一端として読むことに。
浅田次郎の感性はすごいなあ。
地元の人? というくらい、微妙な空気感をうまく表現してる。京都の者が例の団体をいかに嫌っていたかというのも淡々と描いている(実際金になるほど美化されるまで、口の端にのぼることも稀だった)。それに言葉遣い。
今となっては80代・90代のおじいちゃんおばあちゃんしか使わなくなった言葉を正しく書いている。ちゃんとチェックしてくれる人物がいるのだろうが、それにしてもうまい。
距離感もいい。河原町から壬生まで。壬生から烏丸・御所まで、千本まで。歩き慣れたものの自然な距離の表現は、他地方出身だとなかなか書けないというのに、正確だ。
どこまで調べ上げているんだろう。しかし調べたことを切り貼りしている感はまったくない。であるので時代物を読んでいてしばしばおこる立ち止まり・つまづき感がない。
でもまあとりあえず一言でいうなら
某団体、16のおんなのこいじめるなばかー! -
Posted by ブクログ
連作短編。
【闇の花道】
プロローグといったところか。松の語り口の小気味の良さ。カリスマ抜群らしい親分さんと、キャラの立った子分たち・・・・。物語に、ぐんと引き込まれた。
【槍の小輔】
まさかの展開、超年の差大恋愛(?)。「おこん」姐さんが、とても魅力的。
別邸からの別れの場面が、ほんの少しデ・ジャ・ヴュな気がするのは気のせいか??
【百万石の甍】
目細の安、格好良し。
前読の「シューシャインボーイ」もそうだったし、(原作は未読だが映画を視聴)「地下鉄に乗って」でもそう……。浅田さんの描く“父子”の話は、泣かせるねぇ。
【白縫花魁】
・・・「続きを聞きてえか。」
………『はい、とても。』(笑)。
白縫花魁……きっと、哀しい最期を遂げるのだろう予感が。
【衣紋坂から】
・・・やはり、やっぱり、哀しい最期。
やりきれないけれど……想像していた“悲しさ”とはならなかったのが、せめてもの救いか。
★4つ、9ポイント。
2016.11.11.古。
シリーズものだとのこと。
当然、続刊も読むべし。
昔……漫画雑誌にこのタイトルの作品が連載されていた。ヤングジャンプか?ビジネスジャンプか?
当時は特に興味も牽かれず読みもしなかったけれど、タイトルにはありありと覚えがある。機会があれば、読み比べたいものだ。 -
Posted by ブクログ
「蒼穹の昴」「珍姫の井戸」から続く、中国シリーズ3作目。
袁世凱と張作霖、彼らにまつわる人々を基軸として激動の中国近代史が生き生きと描かれています。史実と演出が巧みに混ざり合った、スケールの大きな傑作です。
ただ、「蒼穹の昴」に比べると、焦点が定まらない印象も受けました。張作霖の末路は史実として知られいるわけで…。李兄弟(と妹さん)を巡る話は感動的で、むしろそちらを主軸に据えたほうが人間ドラマとしては面白かったのかもしれません。前作でのメインキャラクターが次々退場していくのも悲しかったですね…。
などと言いつつも、やっぱりページをめくる手が止まらない。続編も楽しみです。