浅田次郎のレビュー一覧
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ネタバレ目次
・若鷲の歌
・小村二等兵の憂鬱
・バトル・ライン
・門前金融
・入営
・シンデレラ・リバティー
・脱柵者
・越年歩哨
・歩兵の本領
1970年頃の自衛官たちの物語。
ゲバ棒を持った大学生も、ラブ&ピースのTシャツを着た若者も、それなりに就職していい暮らしをしているときに、それぞれの事情で自衛隊に入らざるを得なかった若き自衛官たち。
理不尽なしごきやいじめに涙を流し、戦争に行くことのない軍隊生活を嗤う。
自由がなくて、安月給で、慢性的人員不足のせいで、やらねばならないことだけはいくらでもある。
けれど自衛隊にいるのは彼ら若者たちだけではない。
もう何年もこの生活を続けている先輩兵。
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ネタバレ2018年、24冊目です。
山の神という言葉は、最近、箱根駅伝のランナー紹介の時によく耳にしますね。
山岳信仰が、日本古来の神道に結びついて形作られていると思いますが、
そういった説を待たずとも、少しばかり山の奥深い場所に、一人で足を踏み入れると、なんとなく「畏れ」を感じる。人は山の神を畏敬の念を持って受け入れている。
魂魄というものに出逢ったことはないですが、存在を寛容に受け入れる精神世界が私の直ぐそばにあることは確かだと思えます。
八百万の神々がいるとすれば、私のそばに存在し、私の暮らしの、いや行動の一つ一つにその存在の力が影響しているのかもしれません。
運がいいとか悪いとか、、、。
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「泣かせ」に鼻白んで遠のいていた浅田次郎氏の小説を久しぶりに読んだ。やっぱりうまい!本書は、短編集。「鉄道員」は素晴らしかったが、本書もなかなか良かった。
浅田氏のすごいところは、全く自分に重ならない設定の人物にまでどっぷりと入り込んでしまえるところ。どの短編も気恥ずかしくて切なく、読みながらしくしくと胸が痛む。そしてまんまと作者の手の内に引き込まれ、こんちくしょーと思いながらも、気が付くと涙を流しているのだ。
最初の2本が特に良かった。登場人物がそれぞれに悲しいのは、連城三紀彦の小説にも似ている。昔の東京の風景もノスタルジックで、おススメ。 -
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学生闘争のあおりで東大の入試が中止となり、京大に進学した三谷薫。
彼が京都の映画館で会ったのは、清家忠昭と言う、京大の医学生だった。彼は高校を中退し、好きな映画の撮影所でバイトをしながらも、父親の言うとおりに大検を受けたという経歴を持っていた。
主人公・三谷は、清家の誘いで撮影所のバイトを始め、同じ下宿の結城早苗と共に、三人で映画のエキストラをした。そこで大部屋女優・伏見夕霞に会う。
その女優は実は何十年も前に亡くなっていて.....
前知識なく読み始めたので、大正昭和の映画を辿りながらの話かと思っていたら、物悲しい少しホラーな話だった。
浅田次郎さんのこういうお話は結構好きです。 -
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ネタバレ暗い内容で気が滅入り、読む終えるまでに何ヶ月もかかってしまった。
入れ替わり立ち代わりそれぞれの立場の人間が語り手となっていく手法だったが、読みづらいと感じたときもあった。
占守島の戦いのことは全く知らず、たまたま聞いていたラジオ番組のゲストが著者で本書の紹介をしていたため、手に取った。
日本でこの戦いの知名度は低いが、教科書に載せても良いのではないだろうか。
結末は救いがなく、心が重くなった。
生き残った人々はシベリアに送られ、無事に帰国できたかどうか胸が痛い。
娯楽のための読書はすばらしいが、ときどき本書のようなジャンルを読むことは大事なことなのかもしれない。
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ネタバレ暗い内容で気が滅入り、読む終えるまでに何ヶ月もかかってしまった。
入れ替わり立ち代わりそれぞれの立場の人間が語り手となっていく手法だったが、読みづらいと感じたときもあった。
占守島の戦いのことは全く知らず、たまたま聞いていたラジオ番組のゲストが著者で本書の紹介をしていたため、手に取った。
日本でこの戦いの知名度は低いが、教科書に載せても良いのではないだろうか。
結末は救いがなく、心が重くなった。
生き残った人々はシベリアに送られ、無事に帰国できたかどうか胸が痛い。
娯楽のための読書はすばらしいが、ときどき本書のようなジャンルを読むことは大事なことなのかもしれない。
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ネタバレ暗い内容で気が滅入り、読む終えるまでに何ヶ月もかかってしまった。
入れ替わり立ち代わりそれぞれの立場の人間が語り手となっていく手法だったが、読みづらいと感じたときもあった。
占守島の戦いのことは全く知らず、たまたま聞いていたラジオ番組のゲストが著者で本書の紹介をしていたため、手に取った。
日本でこの戦いの知名度は低いが、教科書に載せても良いのではないだろうか。
結末は救いがなく、心が重くなった。
生き残った人々はシベリアに送られ、無事に帰国できたかどうか胸が痛い。
娯楽のための読書はすばらしいが、ときどき本書のようなジャンルを読むことは大事なことなのかもしれない。
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筆者が伝え聞いた奥多摩の御嶽山の昔話を土台にした伝奇小説。
霧に閉ざされた杉木立を従える神域、御嶽山。
かつては行くのにも難儀し、青梅からの列車を二俣尾で降り、山を登って行き来していた。
その神域を守る神官職を代々務める鈴木家に伝わる話は、自然にそこに神がいる世界の話だ。
曾祖父は鈴木家に伝わる家伝の力の最後の持ち主だった。
日本全国から狐落としを頼まれては、祓ってきた。
幼い姉妹が山道でであったのは、狐憑きの娘とその母親だった。
娘に憑いた狐はしゃべる。
かつては赤坂の池のほとりに住んでいたが、住処を追われて気がつけば娘に憑いていたと。
科学とか、自然現象の解明が