浅田次郎のレビュー一覧
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時系列が段々わけわからなくなってきた。
「初湯千両」
寅弥の魅力が余すところなく書かれてる。
彼の過去も明らかになった。
「やっぱり寅兄ィが一番格好いいや……」
「説教寅か……好きだな、俺。何だかファンになちまった」
「共犯者」
あの人もこの人も、全員そうだったのか……!?
信じがたいし、底の知れない恐ろしさを一家も感じているだろう。
ラストの松蔵と安吉のやりとりがほほえましくて好き。
「宵待ち草」
男にペースを崩されるおこん姐さんといいうのが面白い。
山形有朋との関係とはまた違った魅力がある。
「大楠公の太刀」
格好いいひとしかでてこない。
なんとも甘酸っぱくて切ないお話。
「道化 -
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ネタバレ天切り松闇がたりシリーズ4.
昭和侠盗伝(目細一家のお手並みオンパレード、3つの勲章×東郷平八郎!)/日輪の刺客(相沢事件、×相沢三郎×永田鉄山)/惜別の譜(相沢の妻、相沢の処刑まで)/王妃のワルツ(黄不動の栄治×嵯峨浩×愛新覚羅溥傑)/尾張町暮色(振袖おこん)
この1冊は、実在の歴史上の人物や事件、出来事を絡めたものが主流だったな。相沢事件もあらためて調べなおしたりした。嵯峨浩さんの半生も、あたらめてべつの伝記でも読んでみたいなあ。お写真検索すれば出てくるけど、ほんとに美人。
昭和侠盗伝は、3巻までに、一家それぞれのキャラや仕事分野を描いておいて、それをふまえて読むと、もう、映画のようだ。 -
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ネタバレ天切り松闇語りシリーズ2.いやあ面白い。役者が揃いすぎだわ。それにこのべらんめえ調大好きなんだよね。
残侠/切れ緒の草鞋/目細の安吉/百面相の恋/花と錨/黄不動見参/星の契り/春のかたみに
それに私桜も大好きで、舞台のあらゆるところに桜舞う光景が出てくるのもうっとり感。
山形有朋もそうだったけど清水小政でてきちゃったねえ。こういう現実に名を残す登場人物がひらりと現れるのもこの物語の魅力だねえ。“”俺ァ男だ”とてめえに言い聞かせて生きるのが男、かぁ。ほんと惚れ惚れするわこの世界の男たち。目細の名人芸もでてきたし(半返したぁ恐れ入った!)、百面相常のお点前もひとついただいたしおこんに黄不動に松蔵 -
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「残侠」
「切れ緒の草鞋」
安吉一家の上を行く、「小政」。
生き様、筋の通し方がかっこよすぎる。
「目細の安吉」
「闇の花道」に続く、安吉親分と官との因縁。
親分、さすがです。
「百面相の恋」
何このお話可愛い……!
大きな仕掛けで堂々と人を騙す派手さと、大切な人を前に嘘をつけない純情さ、なんだか切なくなります。
「花と錨」
多くの人が思っていただろう、「おこん姐さんにいいひとはいないのか?」が解明されました。
「槍の小輔」が一世一代の大恋愛だったのね。
「黄不動見参」
松蔵デビュー?
「星の契り」
「百面相の恋」に輪をかけて可愛い。
康ちゃんが思いがけず男気を見せてくれた。
「春 -
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面白かった。あっという間に上下巻を読みきってしまいました。
日輪の遺産や壬生義士伝と同様に、現在と過去の物語をリンクさせ、登場人物の独白という形で事実を浮かび上がらせていくスタイルです。かなり都合よくストーリが展開していきますが、それを上回る構成でした。
ストーリとしては、昭和20年に民間人2000人あまりと金塊を積んだ弥勒丸がアメリカの潜水艦によって沈められます。その引き上げをめぐってのストーリ展開となっています。
弥勒丸とはなんだったのか?なぜ民間船なのに沈められたのか?その悲劇の真相は?そして、なぜ、それを引き上げようとするのか?
時間軸が交差する中、語り手が変わりつつ、それらのなぞを -
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面白かった。あっという間に上下巻を読みきってしまいました。
日輪の遺産や壬生義士伝と同様に、現在と過去の物語をリンクさせ、登場人物の独白という形で事実を浮かび上がらせていくスタイルです。かなり都合よくストーリが展開していきますが、それを上回る構成でした。
ストーリとしては、昭和20年に民間人2000人あまりと金塊を積んだ弥勒丸がアメリカの潜水艦によって沈められます。その引き上げをめぐってのストーリ展開となっています。
弥勒丸とはなんだったのか?なぜ民間船なのに沈められたのか?その悲劇の真相は?そして、なぜ、それを引き上げようとするのか?
時間軸が交差する中、語り手が変わりつつ、それらのなぞを -
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ああああこうキタかー。西郷こそがラストサムライだとおもっている私としては、浅田さんにいつか、西南戦争をテーマに書いてほしくて、幕末モノはいろんな切り口で書いてらっしゃる方だからいつかあり得る、って祈ってたのに。こうきたかー。思いもしない角度だった。的矢六兵衛。この名忘るるまいぞ。上巻は、謎だらけだし場面展開も少ないし突拍子もなさすぎる設定なので、あまりのめり込めなかったけど、下巻で、ひょっとして慶喜公?というあたりからがぜんどきどきした。けど、謎は謎のまま明かされずに神秘のベールのまま幕引きとなったね。六兵衛とは何者だったのか、なんとのう答えは、見つかるんだけど。長きにわたった武士の時代の幕引
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無血開城を控えた江戸城。その露払いを務める尾張徳川家の江戸詰め御徒組頭、加倉井隼人が入場してみると、そこに一人の旗本、黒書院番の的矢六兵衛が居座っている。黒書院番は徳川家の近侍の騎兵で定数は十組500人。職禄300俵の旗本。その由緒正しい番士だが、実はある日突然入れ替わっていたという謎に絡めて、江戸城西の丸の様子、江戸末期の武家たちの台所事情、旗本たちの動き、庶民の感覚、官軍内の駆け引き、等々てんこ盛りで飽きさせることがない。日経連載だったそうで、幕府崩壊を経済と結びつけた視点で描いている。
気になるのが、禁制品だったヤクの毛の被り物が官軍に登場するのは江戸開城以降といわれているのに、隼人が赤