浅田次郎のレビュー一覧
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設定は現実だけど展開がファンタジックだったり、ラストにカタルシスを感じるとともにぞっとしたり、簡単に言ってしまえば「世にも奇妙な物語に出て来そう」な物語たちの短編集。
これだけ全部違ったインパクトが残る短編集もあまりないかも、と思った。
精神的にぐっとくる要素がある本だと長めに語ってしまうのだけど(笑)、これはシンプルに物語がおもしろいし、全体を通してぐっとくる感じだから、どこかに焦点を当てて語るのが難しい。
「マダムの咽仏」のこんな一節が心に残った。
「嘘でもハッタリでも、腹をくくっちゃえばいいんでしょう。そしたらなれるわよ。役者でも、医者でも、オカマでも。もしかしたら総理大臣に -
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Posted by ブクログ
「各界の名士が集う秘密サロン「沙高樓」で、
私は彼らの数奇な運命に耳を傾けることになった..・・・」
こんないきさつで始まる浅田さんの百物語です。
●宰相の器
●終身名誉会員
●草原からの使者
●星条旗よ永遠なれ
名誉も財力もある彼らの運命が
どのように切り開かれたのか、
サロン参加者ばかりか、読者までも気になって
お話の中へ引きずり込まれて行きました。
私が一番印象深かったのは、「草原からの使者」です。
有名な大馬主が競馬で人生最大の大ばくちをするお話ですが、
そこでの人間の実力論にはナルホドと思いました。
主人公の父が後継者たちに問いかけます。
Q:「人間の実力のうちでもっとも物を言 -
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Posted by ブクログ
内容はある旧軍人の日記をベースに第二次世界大戦終戦直下の日本で、日本復興にかけた莫大な金額の遺産を隠し、それをマッカーサーが探しにくるというというものです。但し、単なる宝探しというだけでなく、終戦時の日本軍の状況や遺産隠しに携わった者の責任の重さや忠誠心、悲劇などを描くことで、戦争下での日本国民のおかれた精神状態や状況は凄まじかったのだと改めて重く感じました。
やはり戦争というものは金や利権が絡んで引き起こされ、その結果、人の犠牲の上に成り立つもので、本当に愚かな争いであると痛切に感じましたが、この本では、その犠牲というものが無ではなく、このような惨劇が2度とあってはならないという平和への教訓