浅田次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「各界の名士が集う秘密サロン「沙高樓」で、
私は彼らの数奇な運命に耳を傾けることになった..・・・」
こんないきさつで始まる浅田さんの百物語です。
●宰相の器
●終身名誉会員
●草原からの使者
●星条旗よ永遠なれ
名誉も財力もある彼らの運命が
どのように切り開かれたのか、
サロン参加者ばかりか、読者までも気になって
お話の中へ引きずり込まれて行きました。
私が一番印象深かったのは、「草原からの使者」です。
有名な大馬主が競馬で人生最大の大ばくちをするお話ですが、
そこでの人間の実力論にはナルホドと思いました。
主人公の父が後継者たちに問いかけます。
Q:「人間の実力のうちでもっとも物を言 -
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
内容はある旧軍人の日記をベースに第二次世界大戦終戦直下の日本で、日本復興にかけた莫大な金額の遺産を隠し、それをマッカーサーが探しにくるというというものです。但し、単なる宝探しというだけでなく、終戦時の日本軍の状況や遺産隠しに携わった者の責任の重さや忠誠心、悲劇などを描くことで、戦争下での日本国民のおかれた精神状態や状況は凄まじかったのだと改めて重く感じました。
やはり戦争というものは金や利権が絡んで引き起こされ、その結果、人の犠牲の上に成り立つもので、本当に愚かな争いであると痛切に感じましたが、この本では、その犠牲というものが無ではなく、このような惨劇が2度とあってはならないという平和への教訓 -
Posted by ブクログ
新撰組三部作、完結編。
三番隊隊長 斎藤一 が主人公。
壬生義士伝では、無愛想で、
人嫌いで、孤独と描かれていたが。
そこは、変わらず。
幕末から明治、大正にかけての、
時代の流れに翻弄されていく、
新撰組の行く末が、語られていく。
時代が違うとは言っても、
100人以上の人を切るという行為が、
凄まじい。
人間など、みな同じ糞袋でしかない。
というのが、斎藤らしい。
斎藤一が、鉄之助に、鬼神丸を与えて、
居合の稽古をするところは、
偏屈者の斎藤が見せた、
彼なりの優しさだったのだと思う。
吉村貫一郎の教えを守る鉄之助の、
意地らしさも切ない。
吉村