浅田次郎のレビュー一覧

  • 日本の「運命」について語ろう

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    浅田次郎節がすごく好きです。
    彼の分析や意見とともに日本の近代史の知識を整理出来るので、ある程度勉強してから読むのがオススメです。

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    2018年12月25日
  • プリズンホテル 4 春

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    最後は良かった!
    全てがハッピーで本当に良かった。

    大嫌いな木戸先生も、この巻は感動した!!

    わがまま、暴力、自己中、最低の先生だったけど、このホテルはそんな心に傷だらけの人をほっこりさせてくれるホテル。

    読者の傷も知らずに癒えているのかも?

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    2018年12月24日
  • 勇気凛凛ルリの色

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    今をときめく浅田次郎が全盛突入前の43〜44歳時に書いたエッセイ集、2年間の自衛隊生活やヤクザな稼業を体験して自称 世にも稀な体育系作家と宣うけど、いやいやどうして喜怒哀楽をストレートに筆にしていて面白い! 学歴も職歴も無いと卑下されるけど子供の頃からの悲願だった小説家になったのは非凡な何よりの証だ♪ さて、上品じゃない箇所もあるがふんだんにまぶしたユーモラスな表現に大笑しながらも時に振るわれる真剣に刮目させられる。タイトルにすぐさま歌が口ずさめる世代も さっぱりピンと来ない世代もあまねく読める秀逸なエッセイ集、続編が続いた理由もよく分かります。

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    2018年12月16日
  • プリズンホテル 3 冬

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    ここまで来てやっと!
    やっと木戸の人間らしさを垣間見た!

    良かった!!とホッとできた。

    あと一冊、この後の物語はどのように紡がれるのか!?

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    2018年12月12日
  • 歩兵の本領

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    1970年頃の自衛隊を舞台にした短編集。戦争の記憶を引きずる川原准尉の話(若鷲の歌)内務が悪い小村二士が半長靴を失くして戸惑う話(小村二等兵の憂鬱)和田士長と渡辺一士の諍いの話(バトル・ライン)青年援護会の借金に喘ぐ赤間一士の話(門前金融)これから自衛隊に入営する米山の話(入営)佐々木二士と今野二士の初外出の話(シンデレラ・リバティー)自衛隊の連帯に怯え、脱柵を計る高津二士とバディの佐藤二士の顛末を描いた(脱柵者)元旦の不審番となった赤間一士の話(越年歩哨)満期除隊をする二士と坂崎一曹の話(歩兵の本領)。全編に自衛隊の組織の中の人間として絆が強く描かれている。

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    2018年12月09日
  • 終わらざる夏 下

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    壮絶な話だった。これまで見聞きした戦争に関するエピソードは沖縄、硫黄島、長崎広島が多くのところだったけど、ちょっと毛色が違った。

    やめろと言われて止まらないのは仕方ないが、
    終わったあとに始めるのは、意味が違うよな。

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    2018年12月08日
  • 神坐す山の物語

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    験力の高い神官の曽祖父
    霊が見える 祖母
    霊は見えないけど芸事には天才肌な祖父
    など魅力的な人物が沢山でてきます

    死んだ伯父の気配を感じたり
    伯母が天狗にさらわれたり
    密教の修行者が現れたり
    いかにも深い山の中で
    起こりそうな ちょっと怖いような
    引き込まれる話でした

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    2018年12月05日
  • わが心のジェニファー

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    浅田センセの新作かつ新境地ということで張り切って読み進めたが、事前の期待値が高すぎたか・・・。

    『・・・東京、京都、大阪、九州、そして北海道と旅を続ける中、・・・』(あらすじより)。
    ↑なぜ1か所だけ「九州」と大くくりか!(by大分県人)

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    2018年11月19日
  • 勇気凛凛ルリの色 ひとは情熱がなければ生きていけない

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    シリーズ名こそついているけれど、これは厳密には〈勇気凛凛ルリの色〉ではない。
    週刊誌に連載していたシリーズとは違って、初出誌は様々、講演記録もある。

    週刊誌連載の時に比べて、父母や祖父母の思い出が多いかもしれない。
    それから、小説家になることへの情熱。

    結構破天荒な人生を送ってきた著者が、こと小説を書くことについては実にストイックなのである。
    中学生のころに小説家になると決めて以来ずっと。
    大作家と呼ばれるようになった現在も、書くことへの情熱は衰えない。

    うらやましいなあ。
    書く才能に恵まれたこともうらやましいけれど、書き続けられる情熱もうらやましい。
    そんな作家が書いた作品を喜んで読み

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    2018年11月14日
  • 勇気凛凛ルリの色 満天の星

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    破綻した山一証券の社長から社員まで、社会に対する責任よりも自分のことしか考えられない大人の無責任な姿や、選良の負うべき責任を自覚しないバカな野村證券社長や、新井将敬の自殺問題など、結構大きな社会問題に言及することが多かった今作。
    実は、これでいったん休載したのだそうだ。

    「無名作家のサクセス・ストーリー」
    4巻通して読めば、そういうことになる。
    4巻通して読めば、すべての読者にとっても凛凛たる勇気の源になるかもしれない。
    そういうエッセイだったのだ。

    そんなエッセイの中で一つだけ。
    「オートメーションについて」
    ”思えば昭和三十年代には、ベルトコンベアーの上で生産工程が組まれ、製品がいっさ

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    2018年11月07日
  • 終わらざる夏 上

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    千島列島の先端、カムチャッカの目の前にある占守島でおこった8/15より後でのソ連との戦闘に材をとった小説。舞台は占守島だけでなく、出征する兵隊を見送った東京・盛岡や、疎開先の長野にわたる。群像劇仕立て。

    直球勝負で好みの作風であり、題材も絶妙。ただ、やや器用さが先行したきらいがあるか。赤軍将校と疎開先の子供との夢幻的な交わりのところも面白い。こういうことができるのは小説ならでは。

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    2018年11月05日
  • マンチュリアン・リポート

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    現代史の謎、張作霖爆殺事件の真相に、密勅を受けた日本陸軍将校と、擬人化した機関車を通して迫る。
    この頃の中国史は登場人物が多くて理解しづらいですが、浅田次郎の描写で理解が進み、俄然興味が湧いてきます。
    蒼穹の昴のシリーズ作品で、一部の登場人物も出てきます。

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    2018年11月02日
  • プリズンホテル 2 秋

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    2巻です。
    さすが浅田次郎!1巻に勝るとも劣らぬ面白さでした。
    っていうか本作は(清子や富江が登場しなかったため)主人公の小説家のDVシーンが減って胸糞悪さが半減したため、1巻より面白かったと言ってもいいかもしれません。
    美加ちゃんの「あい!」がかわいすぎるし。

    今回は任侠団体と警察団体が同時にプリズンホテルに宿泊するという設定。
    警察とヤクザの体質が似ているという風刺がイキだし、ドタバタコメディの中でホロリと泣かせる人情オチも健在で、いや~あっぱれでした。

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    2018年10月31日
  • 月のしずく

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    男女の愛情であったり、親子の愛情であったり、色んな“情”に溢れた、なんかいい話ばかりの短編集。
    熟練の大将が、素材も調理方法も全て異なる料理を次々と出してくれるのを、美味い美味いと言いながら食べているかのように読み進めていきました。
    中でもグッときたのは
    『聖夜の肖像』
    『銀色の雨』
    『流璃想」
    『ピエタ』
    でした。って全7篇のうち4篇も選んでちゃ世話ないですね。
    どれも面白かったです。

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    2018年10月29日
  • 歩兵の本領

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    団塊世代が若かりし日の自衛隊の物語。当時は、ゲバ棒をもった革命家気取りの馬鹿学生が、自衛隊を目の敵にして、マスコミもそれに同調するような世相だったそうだ。しかも時は、高度成長期。一般企業ではどんどん給料も上がっていく中、3K+薄給の自衛隊に入る若者たちには、さまざまな事情があった(なので、この若者たちは世間をシャバと呼ぶ)。一言では言い尽くせない個々人が抱える事情。これを軸に何本かの物語がこの本を形成する。なんとも形容しがたいオリのようなものが心に残る物語であった。

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    2018年10月23日
  • わが心のジェニファー

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    アメリカの若者が日本を探索するという共通点から清水義範さんの「スシとニンジャ」を思い出しながら読んでいた。両作品は20年以上の隔たりがあるものの,時代背景を除けば異文化に触れる面白さに変わりは無い。とても面白く,そして浅田さんらしく涙を誘う素敵な作品でした。
    あらすじ(背表紙より)
    日本びいきの恋人ジェニファーから、結婚を承諾する条件として日本への一人旅を命じられたアメリカ人青年ラリー。ニューヨーク育ちの彼は、退役海軍少将の祖父に厳しく育てられた。太平洋戦争を闘った祖父の口癖は「日本人は油断のならない奴ら」。日本に着いたとたん、成田空港で温水洗浄便座の洗礼を受ける。京都では神秘の宿に感銘し、日

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    2018年10月23日
  • プリズンホテル 3 冬

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    命をとにかく助けるか、場合によっては安楽死を与えるか、結論のないトピックを加えて、愛するとは何かを考えさせる。

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    2018年10月21日
  • 勇気凛凛ルリの色

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    まだそれほど有名になる前のエッセイ。
    だから電話が鳴ると「直木賞か!?」と身構えることも。
    偽悪者ぶるのも、やや力みすぎのきらいが初々しい。

    びろうな話、下世話な話、そして今はもう時効だと思うけど…の、違法行為の話の中に不意に姿を現す作家のまなざしが素晴らしい。
    ということで、電車の中で吹いたことは内緒だ。

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    2018年10月12日
  • 歩兵の本領

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    自衛隊へ勧誘されて入隊した若者の経験を描く。1970年代の自衛隊の様子が描かれる。まだ旧軍体験者が少数だが残っていた時代だ。作者も自衛隊の経験者だと解説にあった。

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    2018年10月19日
  • 黒書院の六兵衛 (上)

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    尾張徒組頭の加倉井隼人は御留守居役の御用人から急用を申し付けられた。それは官軍の先兵として城明け渡しの前の江戸城に乗り込んで様子を見てくることであった。官軍の軍装を着させられ配下を連れて江戸城に向かった。江戸城では誰もが開城に向けて忙しくしていた。不審なものは無いように思えたが、そこで加倉井隼人が見たものは一人の御書院番士でる。同輩のいない中、たった一人で虎の間に座り続ける男であった。

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    2018年10月20日