浅田次郎のレビュー一覧

  • シェエラザード(上)

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    久しぶりに浅田次郎を読む。阿波丸事件に取材した「弥勒丸」の引き揚げを巡り、数々の運命、過去と現在、男と女が絡みあう物語。浅田次郎にしてみれば、お手の物のプロットに、男女のロマンスをちょちょっと振り掛けて、謎解きのカタルシスを最後に付ければ一丁上がりといった感じの小説で、まあエンターテイメントとしては良い。

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    2022年05月03日
  • 天子蒙塵 4

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    天子蒙塵。

    天子とは、宣統帝溥儀のことだろうが、天子が蒙塵することなどあるのだろうか?

    天子は行幸するものではないのだろうか。

    悲痛な気持ちでこの小説を読むことになった。

    蒼穹の昴シリーズから続く、この物語はどこに着地するのだろうか。

    宣統帝溥儀の破滅への道筋は遂に始まった。

    春児等の運命はどこにいくのだろうか?

    最新作に期待したい。

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    2022年05月01日
  • 蒼穹の昴(3)

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    3巻。ここで新たに第三の視点、日本の新聞記者岡圭介とアメリカの新聞記者トマス・バートン他、外国人ジャーナリスト勢が登場する。滅亡寸前の清国を虎視眈々と諸外国が狙う国際情勢を俯瞰して説明してくれるのでありがたい。
    現代日本人の私にはちょっと理解しづらいところだけど、民族の誇りとか因縁みたいなものをそれぞれが強く持っていて、改革派、守旧派の中にもそれぞれの思惑があり、文秀の同期の王逸(ワンイー)順桂(シュンコイ)も暗躍する。袁世凱の暗殺に失敗して監禁されていた王逸が耳の聞こえない少女小梅に助け出されるシーンは泣いた。
    激動の時代において、一本気の通った李鴻章、プレジデント・リーのかっこいいこと。李

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    2022年05月01日
  • 蒼穹の昴(2)

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    2巻。退役宦官の村「老公胡同」で宦官修行の春児。厳しい修行に耐え、西太后の側近へ成り上がって行く様が痛快。黒牡丹の最期には泣いた…。
    西太后は、ヒステリーはすぎるが繊細なところもある女性で、滅びゆく清国の行方を憂いて、甥っ子である光緒帝にはこの重荷を背負わせることはできないと自らが政権を握る。西太后が仕事できすぎるのがいけなかったのか、それが清王朝を牛耳る稀代の悪女と後の世に伝わってしまった、という解釈は面白い。
    また、光緒帝もそんな西太后を母(父)と慕っている。そんな2人の思いとはうらはらに、取り巻く側近たちの陰謀と暗躍で、物語は皇帝擁する改革派と西太后擁する守旧派の派閥争いへ。皇帝派につい

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    2022年05月01日
  • 中原の虹(4)

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    20世紀初頭の中国を描く蒼穹の昴シリーズ第三弾の最終巻です。天下の俗物袁世凱が中国皇帝に就任してから失意の憤死までを描きます。本作では俄然、張作霖がカッコいい。張作霖は史実では、満州事変の原因となる事件の当事者ですが、本書は満州事変勃発前に終了します。別の視点での近代史を読みたい方は、本シリーズおすすめです。

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    2025年12月21日
  • 中原の虹(2)

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    清朝末期を描く蒼穹の昴シリーズ中原の虹の第2巻。滅亡が迫る清朝末期、死期が近づいている西太后は、残酷な選択を迫られます。そして、清朝打倒の野望を抱く張作霖が満州の地で戦力を蓄えていきます。さて、西太后はどんな決断をくだすのでしょうか?

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    2025年12月21日
  • 中原の虹(1)

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    蒼穹の昴シリーズ第三弾 20世紀初頭の中国を描く蒼穹の昴シリーズ第三弾で4冊ある1巻です。ついに満州事変の引き金となった張作霖が登場します。張作霖は3400人の馬賊を統べる英雄として登場します。清国の総司令官袁世凱とどのように関わっていくのか?これからが気になります。

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    2025年12月21日
  • 一路 (下)

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    本書は一路の物語ではなく、お殿様こと左京大夫の物語だと感じました。彼の懐の深さ、自分の分をわきまえ、それを一所懸命に勤めようとする姿は立派でした!

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    2022年04月20日
  • わが心のジェニファー

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    ユーモアたっぷりでおもしろかった。
    ジェニファー命と言っておきながら、出会った女性に恋に落ちるところは、重くならない程度で、ラリーに何をやってるんだか。と言うような感じです。
    最後はこういう結末だったのか。と思ってなかったな。

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    2022年04月20日
  • 活動寫眞の女<新装版>

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    侮ってました。ちょっと不思議だな位の話しかと思ってました。何と美しい純愛小説なのでしょう。戦後20年経過した、経済成長を遂げようとする日本の中に置いてきぼりになりつつなる、活動映画の世界のノスタルジックな雰囲気がたまりません。この21世紀に読むから意味がある。私も、周りの人に誠実に向き合って行きたい。男女の関係だけではなく、家族、職場、様々な人間関係について考えさせられました。

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    2022年04月20日
  • 一路 (上)

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    序盤から中盤は文体と登場人物の多さから、読み進めることが難しかったです。しかし、後半から物語が動き始め、徐々に面白くなってきました。下巻に期待!

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    2022年04月16日
  • 珍妃の井戸

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    蒼穹の昴の続編。
    出演者も一部引き継いでいる。
    義和団の乱に際して西太后たちが西安に逃亡する際、紫禁城内の井戸に投げ込まれて殺された珍妃事件を、諸外国から派遣された人たちが聞き込みをするというのが主題。
    他の人も書いているが、関係者それぞれの見方が異なり、何が真実がわからないということで、芥川龍之介の「藪の中(映画「羅生門」の原作)」を彷彿とさせる。
    ただ伏線等がないに等しいので、解決編はかなり唐突感がある。
    浅田次郎はミステリーを書きたかったのではないから、しょうがないのかもしれない。

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    2022年03月31日
  • 帰郷

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    ネタバレ

    目次
    ・歸鄕
    ・鉄の沈黙
    ・夜の遊園地
    ・不寝番
    ・金鵄のもとに
    ・無言歌

    浅田次郎の戦争小説だけを集めた作品集。
    もちろんどの作品も上手い。
    が、これぞ浅田次郎!というものが戦争小説という括りの中で、どこまで発揮できたのか。
    戦争小説って、もっとも個性を消さなければならないジャンルのように思えてしまう。

    その中で、戦後の遊園地で働く若者が主人公の『夜の遊園地』にはちょっと驚いた。
    生きて日本に帰ってきた兵士の心中をあらわすのに、遊園地という舞台をこう使うのかと。
    子どもを育てるお金が必要で再婚した母と、母に置いていかれ家庭に居場所のない青年という構図は、ちょっと前に見た2時間ドラマのよう

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    2022年03月30日
  • 一路 (下)

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    浅田次郎作品らしい綺麗な日本語と心意気のある登場人物が多く出てきた。エンターテイメント性もあり読んでいて面白い作品。

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    2022年03月27日
  • ハッピー・リタイアメント

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    ネタバレ

    浅田次郎さんのコメディタッチの小説はいい。
    プロローグが、浅田さんの話しだと途中まで気が付かなかった。

    財務官僚と自衛官の2人がJAMSという架空の外郭団体?に天下る。
    過去に借金してそのまま雲隠れしたまま時効になった人に念のため返す意志があるか、訪ねて行きます。そこで意外な成果を上げて、JAMSの女性職員2人と結託して大金(裏金)を得ます。
    法的には時効で借金を返す義務は無いけど、過去の贖罪からか払ってしまう人の心情が面白いですね。

    本書や勝間和代さんの解説のとおり、役人の天下り組織は、無くならないんだろうな。。。
    あー羨ましい。

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    2022年03月25日
  • 夕映え天使

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    読み出してすぐに前に読んだことがあると気付いたが、物語に引きずり込まれるように積読することになった。
    浅田次郎の小説は、知識と調査に裏打ちされて長編も短編も感嘆符付きの素晴らしいものが多いが、特に切ない短編を書かせたら右に出る作家はいないのではと思う。本書もどの編も胸が締め付けられるような切なさが残る。一方、時代背景やシチュエーションがかなりバラエティに富んでおり、SF ショートショートような話もあって面白い。

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    2022年03月22日
  • パリわずらい 江戸わずらい

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    ネタバレ

    浅田次郎のエッセイ。
    朝カレーダイエットに取り組んだ結果や担当編集者が若い女性であることによる苦悩(?)など笑える話から、江戸時代から建軍期における脚気の状況など蘊蓄のある話まで、盛り沢山で面白かった。

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    2022年03月20日
  • 天国までの百マイル 新装版

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    父を早くに亡くし、4人の子供を1人で育ててくれた母。子供たちはそんな母の苦労を知りながらもそれなりに成功した生活を送っていると母のことを疎んじてしまう。重い心臓病を抱え手術が必要になったときに兄弟上の3人は冷たい態度をとる。一時期は仕事で成功して富を得ていたものの今はしがない生活を送る末っ子が、母のことを助けようと奮闘する。千葉の鴨川にあると言うサンマルコ病院。そこなら母の手術を引き受けてくれると言うので100マイルの旅をして母を運ぶ。

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    2022年03月15日
  • 赤猫異聞

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    火事と喧嘩は江戸の花、と言われたのは昔。
    時は明治。とはいえ最後の将軍はとうに大政奉還されているのに、新政府の機能は整わないまま、何もかも以前と変わらぬまま物事が動いていた宙ぶらりんな時代の話。
    牢人を収監する牢屋敷も多分に漏れず、急な沙汰で一人の罪人が今まさに斬首されようというその時、遠くで半鐘が鳴り響いた。
    すぐさま執行は取りやめ、解き放ちの相談が始まる。
    その昔、火事が出ると、罪人といえども牢内で焼け死ぬのは忍びないと、一時解き放ち、という決まりがあり、鎮火の後は決められた場所に必ず戻ることとして、全員解放された。戻れば一段階、罪の軽減、戻らなければ捜して死刑。
    まぁ今考えればずいぶんと

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    2022年03月09日
  • プリズンホテル 4 春

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    3巻で幸せな家庭を手に入れた主人公・木戸孝之介のもとに小説家最大の名誉とされる文学賞に二作品がノミネートされるという知らせが入る。幸福な瞬間を手に入れると同時に、育ての親でありこれまでは「グズでノロマでブス」と罵ってきた富江が姿をくらませてしまう。

    物語の中で、主人公が抱えていた心の突っかかりが解消されていき、素直になっていく過程が丁寧に描かれていた。その裏には、伝説の博徒と冴えない社長の任侠あふれる話や舞台を目指す訳あり親子をめぐる物語があり、どの人物も個性的で読みごたえがあった。

    夏から始まったプリズンホテルは筆者の最初期の作品として知られている。しかし、春・本書は「蒼穹の昴」や「鉄道

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    2022年03月06日