浅田次郎のレビュー一覧

  • ハッピー・リタイアメント

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    ネタバレ

    浅田次郎さんのコメディタッチの小説はいい。
    プロローグが、浅田さんの話しだと途中まで気が付かなかった。

    財務官僚と自衛官の2人がJAMSという架空の外郭団体?に天下る。
    過去に借金してそのまま雲隠れしたまま時効になった人に念のため返す意志があるか、訪ねて行きます。そこで意外な成果を上げて、JAMSの女性職員2人と結託して大金(裏金)を得ます。
    法的には時効で借金を返す義務は無いけど、過去の贖罪からか払ってしまう人の心情が面白いですね。

    本書や勝間和代さんの解説のとおり、役人の天下り組織は、無くならないんだろうな。。。
    あー羨ましい。

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    2022年03月25日
  • 夕映え天使

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    読み出してすぐに前に読んだことがあると気付いたが、物語に引きずり込まれるように積読することになった。
    浅田次郎の小説は、知識と調査に裏打ちされて長編も短編も感嘆符付きの素晴らしいものが多いが、特に切ない短編を書かせたら右に出る作家はいないのではと思う。本書もどの編も胸が締め付けられるような切なさが残る。一方、時代背景やシチュエーションがかなりバラエティに富んでおり、SF ショートショートような話もあって面白い。

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    2022年03月22日
  • パリわずらい 江戸わずらい

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    ネタバレ

    浅田次郎のエッセイ。
    朝カレーダイエットに取り組んだ結果や担当編集者が若い女性であることによる苦悩(?)など笑える話から、江戸時代から建軍期における脚気の状況など蘊蓄のある話まで、盛り沢山で面白かった。

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    2022年03月20日
  • 天国までの百マイル 新装版

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    父を早くに亡くし、4人の子供を1人で育ててくれた母。子供たちはそんな母の苦労を知りながらもそれなりに成功した生活を送っていると母のことを疎んじてしまう。重い心臓病を抱え手術が必要になったときに兄弟上の3人は冷たい態度をとる。一時期は仕事で成功して富を得ていたものの今はしがない生活を送る末っ子が、母のことを助けようと奮闘する。千葉の鴨川にあると言うサンマルコ病院。そこなら母の手術を引き受けてくれると言うので100マイルの旅をして母を運ぶ。

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    2022年03月15日
  • 赤猫異聞

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    火事と喧嘩は江戸の花、と言われたのは昔。
    時は明治。とはいえ最後の将軍はとうに大政奉還されているのに、新政府の機能は整わないまま、何もかも以前と変わらぬまま物事が動いていた宙ぶらりんな時代の話。
    牢人を収監する牢屋敷も多分に漏れず、急な沙汰で一人の罪人が今まさに斬首されようというその時、遠くで半鐘が鳴り響いた。
    すぐさま執行は取りやめ、解き放ちの相談が始まる。
    その昔、火事が出ると、罪人といえども牢内で焼け死ぬのは忍びないと、一時解き放ち、という決まりがあり、鎮火の後は決められた場所に必ず戻ることとして、全員解放された。戻れば一段階、罪の軽減、戻らなければ捜して死刑。
    まぁ今考えればずいぶんと

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    2022年03月09日
  • プリズンホテル 4 春

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    3巻で幸せな家庭を手に入れた主人公・木戸孝之介のもとに小説家最大の名誉とされる文学賞に二作品がノミネートされるという知らせが入る。幸福な瞬間を手に入れると同時に、育ての親でありこれまでは「グズでノロマでブス」と罵ってきた富江が姿をくらませてしまう。

    物語の中で、主人公が抱えていた心の突っかかりが解消されていき、素直になっていく過程が丁寧に描かれていた。その裏には、伝説の博徒と冴えない社長の任侠あふれる話や舞台を目指す訳あり親子をめぐる物語があり、どの人物も個性的で読みごたえがあった。

    夏から始まったプリズンホテルは筆者の最初期の作品として知られている。しかし、春・本書は「蒼穹の昴」や「鉄道

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    2022年03月06日
  • 珍妃の井戸

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    『蒼穹の昴』に続くシリーズ。
    わたしにとっては、つまらないわけがないな。
    浅田次郎さんの歴史小説はついつい夢中になって読んでしまう。

    いろいろな人の視点から話が進んでいき、何が本当か惑わされるけど、それで、より引き込まれたりする。

    まだこのシリーズは続くようなので、今後も楽しみ。

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    2022年03月01日
  • プリズンホテル 3 冬

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    大神楽岳のふもとにあるプリズンホテルは深い雪に埋もれている。この一冊でも、特に訳ありの客がホテルにやってきた。

    救急看護師として活躍する「血まみれのマリア」は久しぶりの休暇としてホテルを訪れ、かつての恋仲であった平岡医師に再会する。平岡医師は、末期患者の要望を真摯に受け止め、安楽死をさせたとしてマスコミから追われる立場にあった。
    この二人の関係を中心に、冬の山に自殺をしに来た若者と世界的アルピニストの問答があったり。母親に逃げられた7歳から精神的成長が止まってしまった主人公にも、ついに変化の時が現れたりと最終巻が楽しみになる内容だった。

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    2022年02月19日
  • プリズンホテル 1 夏

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    偏屈な小説家の主人公は父の葬式で、ヤクザの大親分である叔父・仲蔵から声をかけられる。仲蔵がオーナーを務めるホテルに招かれるところから始まる。

    物語全体を通し、極道者が登場するも殺伐とした雰囲気は少なく、気持ちのよい昭和感を感じる。主人公やオーナー、主人公が囲っている清子とキャラクターが立っていて引き込まれる。プリズンホテルこと奥湯元あじさいホテルで繰り広げられる物語の続きが気になる。本書はあじさいが咲く夏までを収録。

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    2022年02月12日
  • 珍妃の井戸

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    光緒帝の愛妃である珍妃が何者かに殺され井戸に投げ込まれた。清国内で一体何が起きているのか、列強4カ国は事件の背景を探るために、イギリス、ドイツ、ロシア、日本の四人の貴族に内定を命じた。四人は別々の角度から事件の背景を探っていく。 浅田次郎さんの傑作、蒼穹の昴シリーズの第二弾です。西太后との権力闘争に敗れた光緒帝は事実上幽閉されていました。その時代背景を、前作蒼穹の昴のメンバーで彩りながら違う歴史を描いています。

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    2025年12月21日
  • 姫椿

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    初めての浅田次郎さんの作品。
    全8話からなる短編小説。

    この小説すごい…何が凄いって読んでる時の
    心の振れ幅が。まるでジェットコースターのよう。
    (↓ネタバレごめんなさい!)
    感動いっぱい涙涙で読んでいたと思ったら、ある男性の不倫とパラレルワールドの告白、かと思ったら素敵なゲイの一生、かと思ったら奥さんを寝取られるお話。やっぱりジェットコースターだ♪

    その中で特に大好きなのは、

    1話『シエ』
    中国の伝説の生き物『シエ』が出てくるお話。
    なんて切なくて心温まるお話だろう。
    読んでると自然に涙が流れてきて、
    自分の幸せって何かなって考えさせられる。

    2話『姫椿』
    その日、自殺しようとする男

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    2022年02月09日
  • ハッピー・リタイアメント

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    面白いです。これが実体験を元にしてるというから驚き。窓際・早期退職・定年後、どれをとってもテーマになっているようで、なっていない。それらを語っていない。ケムに巻かれたように、主題が変遷している気がするが、一貫して、ストーリーが面白い。さすが。

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    2022年02月08日
  • 終わらざる夏 下

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    ネタバレ

    いやぁ、戦争は救いがないな…
    わかってはいても、そう思わざるを得ない終わり方。
    占守島について、終戦後何があったか事前知識なく読んでいたので、片岡も普通に召集されなくて良かった…なんて思っていた私がバカでした。
    天国のように美しく花咲き乱れる占守島と、無条件降伏をしたあとに味方がいないままソ連に挑むしかなかった人たちの落差がもう辛い。

    占守島の悲劇を小説にするにあたり、日本兵だけでなく大本営の参謀や、赤紙を届ける人、疎開した子ども、そしてソ連の兵士たちそれぞれの視点からの戦争を描く。

    この小説に出てくるこの一節
    「戦争の犠牲者をひとかげらにしてほしくない。100人の戦死者には100人の人生

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    2022年01月22日
  • 長く高い壁 The Great Wall

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    切ない感じ

    なんだかやるせないお話でした。
    浅田次郎作品が好きで読んでますが、他の作品とは違う読後感。
    目の前に風景が浮かぶ描写はさすが。

    #切ない

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    2022年01月18日
  • 霧笛荘夜話 新装版

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    2008年くらい?に文庫版で読んだ。
    とても雰囲気がある。
    やむにやまれぬ事情で、もしくは自ら進んで、ドロップアウトした人生を、舞台設定である霧笛荘の古いステンドグラスと港の人の多さと縁の薄さみたいなものが綺麗に装飾してくれてる。

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    2022年01月17日
  • 珍妃の井戸

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    ネタバレ

    愛の物語だった。
    人はわざわざ教えられなくても愛し合うものだ、という。
    愛し合うということが当たり前すぎて、孔子も教えない、という。
    日本にも、もともと愛という言葉はない。
    浅田次郎さんには、こういう考え方もあるのか、と、いつも目を開かさせる。

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    2022年01月15日
  • プリズンホテル 2 秋

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    死ぬことに理由はいらないけど、生きてくためには理由が要ります
    タキシードを着た極道でございます。ホテルマンという男の道を極めようとしている、ひとりの極道でございます。
    「天才って?」「才能を信じ続ける才能のことだよ。」

    一巻から二巻の間にこんなにクオリティがあがるのか。すげーな浅田先生。そして、ぐっと浅田さんらしい雰囲気になって、もうめっちゃいい・・・先生が歪すぎながらも少しずつつ変わっていたり、叔父がとにかくかっこよかったり、あとは支配人も厨房も息子も、とにかく全員がかっこよすぎる

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    2022年01月11日
  • 終わらざる夏 中

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    ネタバレ

    どんどん面白くなってきた。
    それぞれの立場で見る戦争が描かれていて、誰も望んでいないことがよくわかる描写が切ない。
    なのに突き進むしかなかった。
    そして今、ようやく終わりが見えてきて、さてどうなるというところで下巻へ続く。

    第二次世界大戦時の日本は、ずっと去勢を張っていたのだろう。
    そして日本中の誰もが、みんな表面と心を分離して過ごしていたのだろう。

    教科書で日本史の事象だけを学ぶと、この時代は異常だな、洗脳だったのだろうかと思うこともあったけれど、やはり心の内は自分を保ち、人として悲しみながら生きていたのだろうなだと思うとやりきれない。。

    死を身近に感じながら生きていく必要がある上に、

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    2022年01月06日
  • プリズンホテル 2 秋

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    プリズンホテル二作目。

    一作目同様に非常に面白いです。
    導入部分がなかった分、一作目よりストーリーそのものを楽しむことができました。

    御存知やくざによる、やくざのためのホテルプリズンホテル。

    今回はひょんなことから警察一同が慰労会でプリズンホテルに泊まることに。当然のことながらやくざ御一行もいるわけで。
    そりゃあもう荒れることが必至な設定なわけで。

    予想通りやくざと警察はもめにもめるんですが、最後はすごく気持ちよく終わります。

    本作は警察とやくざのストーリーをメインに進むんですが、同時平行するストーリーの登場人物もすごく魅力的です。悲しくも、温かい。

    売れなくなったアイドル歌手。主

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    2022年01月06日
  • 輪違屋糸里(下)

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    新選組に関わりのある女性から見た近藤、土方、芹沢らの描きかたが新鮮でした。百姓が武士を倒す。
    女性は強いですね。

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    2022年01月02日