浅田次郎のレビュー一覧
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以前は出張でJALに乗る際は、機内誌SKYWARDに掲載されている浅田先生のエッセイを楽しみにしていた。最近は飛行機に搭乗する機会はないのだが、考えたら10年を超す長期連載になっているのでは。
台北の旅行記では欣喜高興、また無上光栄に「うれぴー」とルビを振るお茶目振り。
(引用)そう、そもそも私はお笑い作家なのである。たまさか『鉄道員』というお涙短編集が売れてしまったため、引き続き悲劇を要求されているにすぎないのである。
文章の格調は高いのだけど、キッチリ笑わせてくれるサービス精神の高さは変わらず。
近著「流人道中記」も読んでみようと思っている処。 -
Posted by ブクログ
単行本で出版されたとき、買いそびれてた本。
う~ん。もっと、硬い本かと思ってた。
幻冬舎アウトロー文庫で員数合わせの話は読んだことある。本書の話はチョット違ってたけど。
70年代の自衛隊。理由のない虐めや暴力が横行するんだけど、浅田先生の文章力と設定で読まされてしまう。地連の街頭スカウトが職場だろうと借金だろうとヤクザだろうとアパートの借家契約だろうと話をつけてしまう。
(引用)普段戦闘服を着ている自衛官が、返送して街へ出、これぞと思う若者に声をかけていたのだと、米山はそのとき初めて知った。
(引用)「落ちこぼれはいない。なぜかわかるか」「(略)優秀な兵隊をつくるんじゃなくて、クズのいない部 -
Posted by ブクログ
面白かった
落語のような設定・展開から、最後は武士としての矜持、生き方、死に方を語る物語。
ストーリとしては、
幕末の江戸。
戦国時代に徳川家康の影武者としての役割を担った先祖をもつ下級武士の次男、別所彦四郎が主人公。
ある夜、酔いに任せて小さな祠に神頼みしたところ、実際に現れた神様が貧乏神、疫病神、そして死神。
また、この神様たちの人間界の外見が災厄と全く反対で面白い。
貧乏神は裕福な商人
疫病神は横綱級の力士
死神はいたいけな幼女
それぞれの神様からの災厄を受けながらも、「宿替え」手法を用いて、ほかの人に災厄をふってしまいます。
しかし、死神の災厄の「宿替え」はさすがに人にふれない。
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Posted by ブクログ
ミステリをファンタジーで包んだ幻想小説。舞台が京都なことも相まってか、春霞にまかれたような、時間軸のどこかに置き去られたような読後感を覚える。
時間軸を動かす、というあまりに大きな仕掛け、ファンタジーを、一切の違和感なく読ませる筆者の技量は圧巻という他ない。
ぴんと張った糸のような緊張感のある撮影シーン、美しく繊細な日々の描写、何かが起きている、ときゆえの何事もないような文の運び。
すでにミステリは始まっている。
これ以上スピードを上げようとも、これ以上展開をダイナミックにしても晴れてしまう霧の存在は承知だ。ただ、リアルとファンタジーの狭間に時に置いていかれそうになりかける。
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Posted by ブクログ
舞台となったのは1861年。皇女和宮が降嫁のため中山道を通って江戸へ向かった同じ年の暮れ。
…今から160年ほど…ほんのちょっと前のお話し。
永く太平の世の続いた江戸時代も前の年の3月に桜田門の変が起こるなど、天下騒乱の兆しがみられる頃、突然の父の死により参勤交代の御供頭勤めることになった主人公小野寺一路が、知識も経験もない中、屋敷の火事にも焼け残った『行軍録』という200年以上前の江戸初期の参勤交代の手順書をもとに、古式かつ勇壮で大胆な行列中山道をひた進む。
宿場や難所ごとのエピソードを涙と笑いで連ねた『お武家様版 中山道中膝栗毛』的な物語は、複線でドラマ「水戸黄門」に出てきそうなお家騒