浅田次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ミステリをファンタジーで包んだ幻想小説。舞台が京都なことも相まってか、春霞にまかれたような、時間軸のどこかに置き去られたような読後感を覚える。
時間軸を動かす、というあまりに大きな仕掛け、ファンタジーを、一切の違和感なく読ませる筆者の技量は圧巻という他ない。
ぴんと張った糸のような緊張感のある撮影シーン、美しく繊細な日々の描写、何かが起きている、ときゆえの何事もないような文の運び。
すでにミステリは始まっている。
これ以上スピードを上げようとも、これ以上展開をダイナミックにしても晴れてしまう霧の存在は承知だ。ただ、リアルとファンタジーの狭間に時に置いていかれそうになりかける。
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Posted by ブクログ
舞台となったのは1861年。皇女和宮が降嫁のため中山道を通って江戸へ向かった同じ年の暮れ。
…今から160年ほど…ほんのちょっと前のお話し。
永く太平の世の続いた江戸時代も前の年の3月に桜田門の変が起こるなど、天下騒乱の兆しがみられる頃、突然の父の死により参勤交代の御供頭勤めることになった主人公小野寺一路が、知識も経験もない中、屋敷の火事にも焼け残った『行軍録』という200年以上前の江戸初期の参勤交代の手順書をもとに、古式かつ勇壮で大胆な行列中山道をひた進む。
宿場や難所ごとのエピソードを涙と笑いで連ねた『お武家様版 中山道中膝栗毛』的な物語は、複線でドラマ「水戸黄門」に出てきそうなお家騒 -
Posted by ブクログ
浅田次郎さんって時代小説も書くんだ!?と興味を抱き、読んでみたいなぁと思っていた作品でした。
『参勤交代の御共頭』という職にスポットを当て主役にしたもので、凄く趣があり、読みはじめから引き込まれました。参勤交代の御行列が出発するまでの話もぬかりなしで、読んでいるこちらも「準備万端、いざ出発!」といった気分にさせられました。
いよいよ江戸へと出発した参勤行列の道中ですが、一難去ってまた一難、次は何が起こるの?ってドキドキしますが、凄く面白いです!
主役の一路をはじめ、次々といろんな人物が登場するのですが、登場の描き方がさすが浅田先生なのでしょうか?皆印象に残り、「えっと、誰だったっけ?」とページ