【感想・ネタバレ】あやし うらめし あな かなしのレビュー

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Posted by ブクログ 2022年01月17日

2007年くらい?にハードカバー版で読んだ。
短編集。1話目から呑まれた。
1話目の狐の話が一番凄惨で、一番凄みがあると思う。すごい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年02月16日

浅田次郎の小説はコミカルなものしか読んだことがないので、これは驚いた。

けっこうコワい。
「赤い絆」
人間の情念みたいなものを書いた短編で、男女の心中事件を、昔語りに子どもに話してきかせる老婆の話がある。

勉学一筋、親の期待を一身に受けたおぼっちゃん大学生の恋愛事件(お相手は遊女)を扱って、大時...続きを読む代的な悲恋を語るのかなー、と思いきや。
そこは本当にあった話的な怪談に一気になだれ込む。

「遠別離」には感動した。
戦争中、フィリピンのレイテ島で命を絶たれた男と、東京で2浪の末に大学進学をあきらめガードマンをしている男性の人生が奇妙にシンクロするお話。

兵士の、この世に残った魂が愛妻に別れを告げるシーン、社会人として責任を感じ始めたガードマンが兵士の魂を受け継ぐシーンが涙を誘った。

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Posted by ブクログ 2016年07月27日

初浅田次郎。美しい文章であり読みやすい。
こういうゾクッとするような本は今の季節にぴったりじゃないかな。お盆の時期でも良かったかな。

お気に入りは「赤い絆」と「昔の男」。
添い遂げられなかった男女の悲恋というものがとても好きなので出だしから最高だった。心中ってこういう可能性があるから怖い。布団に入...続きを読むり込んできた女は誰だったのか想像を掻き立てられる。
昔の男という言葉は元彼を連想させるけど読んでる途中ではあああと納得のため息。何故だか分からないけど大先生の回想とその後の浜中さんとの会話のところで泣いてしまった。

作中で一番謎なのが叔母さん。幼い頃のあの経験によって彼女にも何かが憑いてるんじゃ…?と思ってしまった。
すごく怖いということはないけど、ほど良くゾクゾクするのと切なさが混じっていてとても好みの本でした。

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Posted by ブクログ 2015年05月09日

面白かったー。私にとっては初浅田次郎でした。
描写がうまいです。描写や表現の魅力でもどんどん読み進められます。短編集の構成が見事です。最初から順々に読んでいくと、しみじみ感とかぞわぞわ感とか、一篇ごとにだんだん、そしてどんどん増していきます。
日本の怪談はこのしみじみ感がとても大切だと思います。それ...続きを読むが存分に生きてます。
浅田次郎、次は何を読もうかと、大変に興味を持ちました。
面白い!

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Posted by ブクログ 2022年06月06日

「お狐様の話」が興味深かった。40、50年前までは、親の世代が「誰それが狐に憑かれた」とか言う話をしていたのを聞いた記憶があるが、最近は全く聞かない。
人が通うのも大変な幽谷の神域で、寝物語として聞いた切なく哀しい恐ろしい物語。
この世界観がたまらなく好き。

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Posted by ブクログ 2022年06月06日

宮部みゆきの怪異譚を読んでいる時に発見した本書。復讐劇として印象深い「骨の来歴」。ドッペルゲンガーを扱った「虫篝」と、濃霧の中に過去と現代が交差する「遠別離」は、ともに太平洋戦争の兵士を登場させる物語で、特に「遠別離」は衛兵所の二等兵と、夫の戦死を知る彼の妻との邂逅に涙ぐんだ。

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Posted by ブクログ 2020年10月25日

不思議な話の短編集でした。
どの話も面白かったけど個人的には青梅の伯母さんの話、赤い絆とお狐様の話が好きだった。
他の話はどうかわからないけどこれは本当にあった話を語られたものじゃないかなと思った。

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Posted by ブクログ 2016年08月08日

やっぱり最初と最後がいい。
毒をあおって瀕死のまま、死んだ男の傍に
同じく死んだものとして並べられた挙句
一人になって死ぬ女と、
お狐に取り憑かれて手首を喰らう少女、
他の話を忘れるくらい印象が強かった。

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Posted by ブクログ 2013年04月24日

幅広い題材で読者を楽しませてくれる、浅田次郎。
歴史のロマンを感じる長編小説が好きなのですが、この作家さんは中・短編小説を読んでも、うならせてくれますね。
今回手に取った文庫は、「人ではない何か」が登場する短編集。
いわゆる「怪談」というカテゴリーに分類されるであろう短編が、7作品納められています。...続きを読む
その中でも、2編が戦争・軍隊を扱った作品なのは、「浅田次郎らしいな」と感じました。
そして、冒頭と最後に載せられているのが、奥多摩の霊山を題材にした作品。
「あのあたりなら、こういうこともあるかもしれないな」と思ってしまう、不思議ながらもみょうにリアルな話が、印象に残りました。
時間、空間を越えた話なのですが、”知り合いの知り合い”あたりが実際に体験したことを人づてに聞いているような、そして最後に背筋がぞくっとするような、そんな作品の数々でした。
こういう話を次々とつむぎだせる作家さんというのは、どういう人生経験をしているのだろう?などと、みょうな感心の仕方をしてしまった、作品でした。

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Posted by ブクログ 2013年03月26日

大人の為の怖い話。

じわじわと怖さがくる。
オバケ云々の怖さではなく、
人間の怖さ。

あーぶるぶる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年03月20日

自伝短編小説?
一つ一つの短編にすっきりとした解決がないところが良いなぁ。
人の生活って、小説のようにきれいな解決がなされるものではなく、なぁんとなく、過ぎ去ってしまってから、腑に落ちて決着が付くコトが多い。そんなあいまいな事柄達。
浅田次郎にかかると、そんな事柄達も立派な短編になってしまう。
浅田...続きを読む少年の周囲の大人達の決着のつけ方が、すごく怖く、本の題名通りに本当に「あやし うらめし あな かなし」
すごく怖い本だ。

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Posted by ブクログ 2013年03月19日

久しぶりの浅田さん作品
蒼穹の昴のような長編も好きですが、読み慣れない人にはこの短編集はとても読みやすいと思います。
一編目の赤い絆から神妙な空気にぐいぐい引き込まれます。

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Posted by ブクログ 2013年03月11日

ようこそ,この世ならぬ者たちが誘う眩惑の世界へ.浅田次郎さんの怪談短編集.短編の名手は数多くいるけれど,読後の余韻という一点において,浅田さんは別格のような気がする.今回の作品群も結末は読者に委ねられている.胸がキュンとなる話もあれば,背筋が凍る話も.お得な一冊だけど,深夜に読むもんじゃないかな.あ...続きを読むぁ怖かった(笑)

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Posted by ブクログ 2013年03月11日

実話や体験談をもとにした短篇集。どの物語も、ただ怖いだけの怪談話ではなく、作者の狙いや伝えたいことが隠されている。
どこからこういった知識や発想が出てくるのか?漢字一つとっても、浅田さんは凄い…

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Posted by ブクログ 2021年03月25日

3.5浅田次郎の少し怖い話。ただの幽霊ものではなく、戦争や子どもの死にまつわるやるせなさが背景にある。テレビの変な幽霊話は見習うべし。

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Posted by ブクログ 2019年09月23日

作者の実家は山深い場所にある高貴な神社のようである。
そこで子供の頃に聞いた寝物語は、摩訶不思議な物語ばかり。
山の夜は深い闇。しかし、人の心の奥の闇の方がもっと暗いと思えてしまう。
おそらくはどんな灯りも届かない闇ではないだろうか。

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Posted by ブクログ 2015年06月04日

浅田次郎のあやしうらめしあなかなしを読みました。

浅田次郎が幼い頃に聞かされた怖い話、自分の体験などをもとにした怪談短編集でした。
しかし、語られる物語が古い時代のものだったためか、あまり怖く感じませんでした。

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Posted by ブクログ 2013年11月06日

いわゆる「怪奇談」の短編集。
浅田次郎は長くてもいいが短いのもいい。

今では怪談という言葉自体があまり使われないが、使われてもただのコワい話を指している。しかし、この短編は昔ながらの民話や民俗学として伝わるような、なんとも【かなし(悲し,哀し,愛し)】というのが相混じる“しっとり感”がある。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年04月03日

 怖いというより切ない、レトロを感じさせる怪談短編七編。魔物めいたお化けではなくて、妖しくも人間くさくてどこか優しい、そんな幽霊の登場が多かった気がします。個人的に好きだったのは「虫籠」&「骨の来歴」のラスト、それと「遠別離」。「遠別離」は特に、現代っこの兄ちゃんと、矢野二等兵とのギャップが大きさの...続きを読む分、やたらと胸が詰りました。

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Posted by ブクログ 2013年02月23日

幽霊、幽体がでてくる短編7編

「赤い絆」と「お狐様の話」は、浅田次郎の母方の生家(奥多摩の武蔵御嶽神社の宿坊 山香荘)に伝わる話を元にした話らしい。

この世に想いを残した人たちの哀しみに満ちた本

赤い絆
虫篝
骨の来歴
昔の男
客人
遠別離
お狐様の話

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