浅田次郎のレビュー一覧

  • ま、いっか。

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    この作品で初めて作者の生い立ちを知りました。
    家長が絶対の厳格な家庭に生まれ、早くに自立せざるを得なかった生い立ちを聞くと、つい「苦労話か?」と思ってしまうが、クスッとしてしまうユーモアのある文章のおかげで、早熟な少年が苦労をも飄々と楽しんで生活をしているように感じた。
    貧しくとも逞しく生きてきたさまは、読んでいてとても勇気をもらい心地よかった。

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    2021年09月13日
  • 天子蒙塵 3

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    満州が日本によって整備されていく過程を描く。春雷の持つ龍玉はどうなるか?なんか毛沢東に行っちゃうのかな? 張学良が欧州でぶらぶら、英気を養って帰国するまで。さて最終巻はどうなるか?満州帝国ができて?

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    2021年09月11日
  • 天子蒙塵 3

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    満州国建国を背景に、新たな登場人物を加え、最終巻に向けてさまざまな布石が打たれるように物語が展開する。

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    2021年08月23日
  • 薔薇盗人

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    愛と涙の六短編。
    私にとってハズレのない浅田次郎さんの、切なさの残るストーリー。
    忘れっぽい自分が、この先忘れることはないだろうなと思うのは、最初の「あじさい心中」の二人。
    リストラされたカメラマンと、廃れた温泉街で働くストリッパー。初対面の二人が心中を決意する、そんなまさかの展開を受け入れる自分がいることに驚く。そうさせる著者の筆力にも脱帽。
    哀しみの淵にたどり着いた人の言葉は重く、その決断は強い。
    架空の人物だけど、同じような境遇の人がいることに想いを馳せて、その人たちの幸せを、自分のそれとともに願いたくなる、そんなお話でした。読めてよかった。

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    2021年08月21日
  • 天子蒙塵 2

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    満州国ができるまでの各国、東北の軍閥、日本の関東軍、それを抑えようとする日本の軍人、永田鉄山と武藤大将。志津大尉は御上からの意向を内心に秘め、関東軍の武藤大将の通詞として活躍。そういえばマンチェリアンレポートは読んだなあ・・・さて満州国は無事に成立するか。

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    2021年08月12日
  • 天子蒙塵 2

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    第1巻の北京、天津でのダイアローグ形式の物語から一転、舞台を満州に移して張作霖の配下だった馬占山を中心にそれぞれの登場人物の立場でストーリーが展開する。
    満州事変から満州国建国への時代を背景に、過去のシリーズからの主要人物が出揃ってきた感がある。
    ストーリーも中盤になりテンポが上がってきて引き込まれる。

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    2021年08月09日
  • 天子蒙塵 4

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    張学良は遂にイギリスから中国への帰還を決める。一方、東三省に建国された満州国は帝政へと移行し、溥儀が満州国皇帝に即位する。
    新しく生まれ変わる中国の胎動と、古い勢力である旧清国の復辟、それに乗ずる日本の帝国主義。様々な思いが錯綜する中国情勢に翻弄される人々。
    帰還した張学良はどうなるのか?
    満州国と戦い続ける馬占山は?
    溥儀の即位後の満州国は?
    龍玉の行方は誰の手に?

    これらは、次巻以降に。

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    2021年08月08日
  • 赤猫異聞

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    これぞ浅田次郎の真骨頂。まるでその時代を生きていたかのような描写力。最後そうなるかー、ときっちり泣かせてくれる。泣かせの次郎、ここにあり!

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    2021年08月05日
  • 天子蒙塵 1

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    「蒼穹の昴」シリーズの第五部。「蒼穹の昴」の主要人物が再び登場して懐かしい。
    ラストエンペラー宣統帝溥儀の紫禁城からの退去から天津での生活を軸に、溥儀の離婚した側妃が語るストーリーは、テンポよく物語の世界に引き込まれる、さすがの浅田節。
    過去のシリーズ「中原の虹」と「マンチュリアン・リポート」の間を埋める話もあっておもしろい。

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    2021年08月04日
  • 帰郷

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    戦時中、戦後を生きる人々の短編集。
    戦争は終わってもその時に生きていく人々は何かしらの痛みを抱えながら生きていく。
    それは戦争に携わった兵士だけでなく、その子供達まで間接的に影響があって、戦争が終わってもなお苦しいこと、辛いことがあるんだなと、各章の主人公の姿を見て感じた。

    どうしても戦時中ばかり焦点が当たりやすくなる気がするが、戦後を生きる人たちのことももっと知ることも反戦を促すためには必要だと思う。

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    2021年08月01日
  • 天子蒙塵 3

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    今巻の主な視点は、溥儀と張学良。
    溥儀は清の復辟を成すため、日本が作った満州国の執政に就任。そのまま、満州国皇帝を目指す。
    溥儀は孤独の概念を知らず、孤独を感じることはないとの独白があるが、彼の感じる感情の多くは孤独そのものである。
    張学良は蒋介石に実権を渡した後、ヨーロッパに身を移すが、外から見た中国を感じながら、最終的には再度、中国に戻ることを決意。
    張学良は、難しい政局の中で逃走を余儀なくされるが、世間からは様々な非難や憶測を呼んでおり、これもまた孤独である。
    激動する社会に取り残されたり、巻き込まれたりした人々の各々の人生が翻弄される。
    前まで物語の途中、毛沢東の名前が出、天命のの具体

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    2021年07月25日
  • 日輪の遺産

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    マッカーサーから奪った、宝の行方を、戦時中と現代で 描き分けた、重層形式の物語。
    結局 お宝は、皆んなが どうしたいのか?最後が 曖昧な感じ?
    だがまぁ、面白い物語。

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    2021年07月23日
  • ブラック オア ホワイト(新潮文庫)

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    様々な時代、様々なロケーションでの心の有り様を夢を通じて映し出す非常に凝った小説だなという印象。やや突飛すぎて感情いにゅうはしにくかったが、愉しめました。

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    2021年07月12日
  • 天子蒙塵 1

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    民国が成立して、宮城を追われた溥儀一家のその後と満州成立まで。その間に第2夫人であった淑妃が離婚をして自由を得たところを、李春雲と北村記者が回想記として聞きまがらら当時の出来事を裏側から聞く話。結構内容が濃く描かれている。 良い。 次へ!

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    2021年07月12日
  • 天子蒙塵 2

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    満州国建国当初の時代が描かれる。
    滅びた清の復興を目指すため、日本と手を組む溥儀とその一党。民国と対立する彼らは、満州国を梃子に、かつての帝国の威勢を取り戻そうとする。
    一方、石原莞爾が独走して建国を促した満州国の処理に日本側は手を焼いていた。
    国際連盟が派遣したリットン調査団の調査活動により、満州国は日本の傀儡政権として判断されつつあり、日本は国際関係から孤立していく。
    時代のうねりとも言える政情に振り回される人々。それぞれが、自分の信念を貫こうと懸命に努力する。
    運命のままならなさに負けない人々の強さや、儚さが描かれた巻。

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    2021年07月11日
  • 蒼穹の昴(4)

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    浅田次郎さんの作品は本当に面白い。

    歴史の大きな流れの中にも、いろいろな人々のやりとりが描かれていて、悲しい出来事もあるけど、すごく惹きつけられる作品だった。

    中国の歴史ももっと知りたいと思った。

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    2021年07月06日
  • 天子蒙塵 4

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    全体の印象としてはジワジワと進展する印象。

    「馬賊の唄」に馬賊の鄭が云う。「どうして日本人は、俺もおまえもと誘い合ってやってくるのだ。生まれ育った祖国に住み飽きるとは、どういうことだ。そして、もうひとつー」「中国人は、日本人を待ってなどいない」
    満州国の出鱈目にはこの言葉で十分だな。

    永田、石原の対談は痺れるシーンだけど、この後の歴史を考えるとウンザリ。

    中国に戻った張学良。迎える宋字文や杜月笙が頼もしい。刺客来襲のシーンは映画のよう。まだ前哨戦で盛り上がるのはこの後だろう。

    志津が想定する満州国の財政。チラッと不思議に思っていたことだけど、こんな非道いことがされていたのか。

    最後は

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    2021年07月04日
  • 天子蒙塵 4

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    浅田次郎の『蒼穹の昴』から始まる中国近現代史を舞台にした壮大な時代小説もいよいよ佳境に。本作『天子蒙塵』は清朝のラストエンペラー溥儀が紫禁城を追われてから「満洲国」皇帝になるまでの時期が描かれる。また前作『マンチュリアン・レポート』で爆殺された張作霖の遺児である張学良、同じく側近であった馬占山なども絡み合いながら、物語は展開する。人物の描写がそれぞれ魅力的で飽きさせないのは、さすが浅田次郎。『蒼穹の昴』の主人公、李春雲(春児(チュンル)も健在で要所要所を締めている。

    次作でシリーズも完結とか。楽しみにしたい。

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    2021年07月01日
  • 天子蒙塵 1

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    蒼穹の昴シリーズ、第5弾。全4巻中の1巻。
    話は張学良の視点からのプロローグから、満州国皇帝・溥儀の元側室であり、皇帝を相手取って離婚を成立させ、自由を勝ち取った淑妃の目線での満州国成立の経緯の話。
    皇帝という、国の頂点の孤独さはいつの時代も存在するはずだが、特に滅びに立ち会う権力者の孤独は壮絶なものがあると感じる。
    滅びの不幸を、皇族という血のせいで受け止めざるを得ないことに、権力の儚さを感じさせる。

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    2021年06月27日
  • 天子蒙塵 3

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    満州国に執政として捕われた溥儀と欧州で目的のない日々を暮らす張学良が交互に語られる。それぞれにどうにもならない不幸な境遇。
    満州の唯一の希望だった武藤将軍は暗殺(?)により舞台を去る。判っていることとは言え暗澹とする。

    中盤で登場する袁金鎧。以前、袁世凱に名が似ていると書かれていた小物。こういう人物にしっかり焦点を当てるのもこの大河物語の面白さかな。

    甘粕の主催したオーディションに登場した少年の歌うジャズ。時代のあだ花だと思うけれど、東洋のハリウッドやパリを現出させる夢には魅かれるものがある。
    しかし、その後の愚直な軍人は「三人の悪人」の退官自衛官を思い出させるが、(引用)どうして軍人は謀

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    2021年06月24日