浅田次郎のレビュー一覧

  • ハッピー・リタイアメント

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    浅田次郎初めて読んだ作品がこれだが、面白かった!
    本体に残れず天下りとなった2人の男と天下り先の女社員の話。天下り先の仕事は支払い義務の無い借金の取り立てという、あってもなくてもなお仕事。
    飽きずに読めるし、最後のびっくりなラストも良い。

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    2023年01月30日
  • ハッピー・リタイアメント

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    ヒナ・ヤマムーラこそが「賢い」。「賢い」人は「私は知っている」とだけ言い、他に余分なことは言わない。
    すると、相手はすべて見抜かれていると思い、不要なことを話しまくり、「幸せ」が転がり込むという算段である。
    「沈黙は金」とは、話すべきことと沈黙すべきときとのいずれをもわきまえていることをさすのではなかろうか。

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    2023年01月24日
  • 一刀斎夢録 上

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    明治天皇が死んで大正の時代になったが、全く馴染めずにいる梶原中尉。警察で「一刀斎」と呼ばれる生きる伝説・斎藤一。この本は、梶原中尉が一刀斎の昔話を幾夜にも渡って傾聴するスタイルで紡がれます。

    侍が度々名前を変えた理由、勝負は汚い方が勝つこと、乃木希典の自殺は実は美しくないこと、斉藤が世の中を糞袋と蔑む理由、真の師との出会い、市村鉄之助のこと、沖田の強さ等、今作品でも新撰組のことを多く学べました。

    死ぬしか道はなくても、そうとわかってて逃げずにその役目を全うしようとした人達って、無駄死にだとは思いません。むしろとても格好いい。

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    2023年01月13日
  • 中原の虹(2)

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    ついに西太后が人生の幕を閉じようとしているなかで、この先をどうするのか次の皇帝をどうするの、それぞれの人の想いがたくさん詰まっていてその暖かさや忠義に涙が出てくる。

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    2023年01月09日
  • 蒼穹の昴(4)

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    中国清朝末期を描いた歴史小説の最終巻。貧しい少年と、誰からも期待されていなかった名家の青年。それぞれの個人の成り上がりの物語から始まり、そこから少しずつ世界を揺るがす歴史のうねりの物語へと変わっていく。

    スケールの大きさにも引き込まれたし、国内外の様々な思惑が入り乱れる政治ドラマ、権力闘争の模様にも引き込まれました。当時の歴史的背景についての予備知識はまったくなかったけど、それでもどんどん読み進めていけたのは、歴史の流れだけでなく登場人物の行動や言動、思惑でストーリーを引っ張っていく語り口のうまさがあったように思います。

    時の大帝、西太后に仕え女王個人の立場や王宮内部の人々をおもんばかりながら、事態を見守る春児。役人となり国や将来への憂いから行動を起こす文秀。
    そういった個人の視点だけでなく、西太后や光緒帝といった権力者側の視点や、日本の新聞記者をはじめとした各国のジャーナリストたちに伊藤博文も登場するなど、国内外問わず、身分や立場も問わず多くの登場人物が登場します。しかしそれに負けない物語の吸引力がありました。
    時代背景に詳しければ、史実通り登場する人物たちの書きっぷりをより楽しめたのかな、と思いますが、分からなくても十二分にストーリーに引き込まれました。

    最終巻は特に歴史の大きなうねりが、物語を読んでいる自分の体中に響いているように思いました。西太后の襲撃事件から始まり、改革派によるクーデター。そこから一気に結末まで話は突き進む。

    様々な登場人物たちの思いを飲み込むおおいなるうねりに、歴史の残酷さや無情さを感じつつも、一方で個人の思いにも寄り添う語りや、視点の切り替えが本当に巧みでした。全4巻を読んでいると言葉にできない様々な思いが去来してきます。
    1巻の感想でも書いたけど、少年マンガのような展開やキャラの魅力がありつつも、一方で国内外の権力闘争を色濃く描き、そして歴史のうねりも描ききる。本当に濃密な読書体験ができたと思います!

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    2023年01月04日
  • 蒼穹の昴(3)

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    第三巻に入り物語のスケールがかなり大きくなりました。
    これまで主に清国内から語られてきたストーリーですが、この巻あたりから日本人やアメリカ人ジャーナリストが登場します。それによってアヘン戦争以降、列強の脅威にさらされる清の姿というものが、外の視点からも描かれていきます。

    海外の脅威にさらされる一方、宮中内の政争もより苛烈さを増していく。これまでの中心人物だった春児や文秀の出番が減ってしまったのが少し寂しくはあったのですが、陰謀渦巻く国内・国外政治のドラマはまた違った読み応えを与えてくれました。

    歴史のうねりの中で、登場人物たちが時には自分たちの立場や勢力拡大、あるいは保身のために、あるいは理想や夢を持ち、それを人に託し、あるいはただただ純粋に人と国を憂い祈る。様々な思いが交差し描かれていきます。

    大枠としてはこの巻は歴史・政治の陰謀、策略の要素が強かったと思うけど、要所要所でこうした清濁合わせた人の思いが描かれ、言葉が紡がれ、それによってストーリーが単にドロドロとしたものだけでは終わらないのが、印象として良かったです。

    歴史物だとストーリーが歴史をたどるだけに終わってしまう印象になるものもあるけれど、この蒼穹の昴の3巻はそれを感じませんでした。そこもまた作品の引力や浅田次郎さんのストーリーテラーっぷりが現れていると思います。

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    2022年12月25日
  • 蒼穹の昴(2)

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    蒼穹の昴の第二巻。
    この巻では西太后の姿が印象的だった。前巻でちらっと出た感じでは、権威ある強大な女帝という感じ。さらに歴史上のイメージも相まってとんでもない悪女という印象があったのだけど、蒼穹の昴での人前で見せない彼女の姿はその印象ががらりと変わる。

    話し言葉が普通に女の子っぽかったというのもあると思うけど、国を背負う重圧に押しつぶされそうになる弱さや、混沌とした状態のままで国を愛しい甥に任せたくない、という情愛の思いであるとか、そうした部分が等身大に描かれていて、女帝の人間らしさが描かれます。

    表の強い女帝の姿と、裏の普通の女性っぽさ。その相反する二面性が、彼女を魅力的に描きます。

    熱くなるシーンでいうと宦官を志す春児が、鍛錬の日々の中で師匠から教えを受け継ぎ舞台にあがるシーンが格好よかった! この作品は宝塚で舞台化されているそうだけど、舞台で見たらめちゃくちゃ映えるだろうな、とつい想像してしまう。

    あとは春児の運命を変えるお告げをした白太太が、お告げに関してのある真実を述べる場面も捨てがたい。人間の可能性や強さを感じさせ、感慨深くなるいい場面でした。

    ストーリー的にはこの巻から宮中や国際政治が絡んできて、シリアスさが増してくるのだけど、春児の運命が語られる場面はどことなく王道の少年マンガの雰囲気を思い出させ、どこか懐かしい気持ちにもなりました。

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    2022年12月22日
  • 蒼穹の昴(4)

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    ネタバレ

    列強諸国に蹂躙される間際の斜陽の清朝時代の中国で、抗いがたい大きな時代の流れになすがままにはされるまいと踏ん張った人々の物語。糞拾いの春児は万に一つも裕福になる可能性のない運命を自らの手で掴みとった。文秀は皇帝を、ひいては中国という国全体を正しい道に導くために全力で奔走した。結果として2人が迎えた結末は、2人が目指した白太太のお告げのそのままとはいかなかったかもしれない。しかしそこには天命なんてものを凌駕する人間の力というものが働いていたと思う。また、個人的にもう一人の主人公だと思っていたジュゼッペ・カスティリオーネが偉大なるヴェネチアンという身分を捨て、郎世寧として西洋のバロックの芸術家も到達し得なかった「青」に到達したことが、誇らしかった。貧しい人々や苦しい人々の心を救う絵を描きたいと言って中国へと渡ったカスティリオーネの描いた絵画や、生み出したガラス工芸が何百年の時を経て、蒼穹の昴として春児や西太后をはじめとした中国の人々の心を救ったとき、人間の力は天の力をも超えるのだと思えた。岡やトムをはじめとする諸外国の記者団や、変法のために自らの命を捨てた順桂なども、その一人一人の働きは微々たるものかもしれない。しかし、作中で岡が演説したように、彼ら一人一人の行為は何ひとつ歴史を変えることが出来ないかもしれないが、彼らは確実に、あの時あの瞬間に歴史に「参加」していた。ただ時代の激流に流され、清朝が倒れていく様を傍観しているのではなく、自らの頭で考え、自らの足で行動を起こした。そうした積み重ねが未来を変えるのだと、今の私たちにとっても、身につまされるようなメッセージを受け取った。

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    2022年12月22日
  • 蒼穹の昴(4)

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    宝塚観る前に予習しとこうと思ってまとめて一気読み!めちゃくちゃおもしろくて世界観にどっぷり。
    これはベストセラーなのも頷ける…

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    2022年12月14日
  • わが心のジェニファー

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    アメリカ人が体験した日本。素晴らしいところも変なところも外から来た人の目で教えてくれる。
    日本が好きになれる、なってほしいと浅田次郎が綴ったガイドブック。
    ジェニファーはすべて知っていたようなラストに感動。

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    2022年12月02日
  • 神坐す山の物語

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    母方の親族に武蔵御嶽神社の神官の一族を持つ浅田次郎が自身の子供時代の体験や親族の話を小説として纏めた一冊。
    シンプルで読みやすい文体だが、読んでいるうちに当時著者が感じた御嶽山の清廉で凛とした雰囲気が伝わってくるような、自分も神秘的な世界に迷い込んだような感覚を覚えた。
    最後のロングインタビューによると、今は建物が建て替えられたり観光客が増え、当時の神秘的な雰囲気はほぼ無くなってしまったらしい。
    残念なことだが、いつかは訪れて当時の雰囲気の残り香を探してみたいと思った。

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    2022年11月19日
  • 天子蒙塵 4

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    蒼穹の昴から読んでるものにとって、まさにこのチクルスが最終巻でよいかも。梁文秀と春児と玲玲の終着点。満州国皇帝溥儀を廻り、万感の想いで締めくくられるラスト。彼らをずっと読んできた読者にとってはもうこれ以上の物語はいらない最高の締めくくりだった。
    只、歴史はここからが面白くなるところ。
    次の兵諫は、226事件と西安事件。
    シリーズがこの先どうなるかわからないけど、毛沢東、周恩来が中心となるわけで、我々と同じ時代を生きた人たちの物語がどうなるのか、興味は尽きない。
    本流シリーズがいつ出るか情報を知らないけど、行けるところまで読み継いでいきたい。

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    2022年10月16日
  • プリズンホテル 3 冬

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    ネタバレ

    プリズンホテルはやっぱり面白い。
    季節は冬だが、一番人間の血の温かさみたいなものが伝わってきたような気がする。
    終盤清子をめぐっての葛藤は本当にハラハラした、、、

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    2022年10月02日
  • 天切り松 闇がたり 第四巻 昭和侠盗伝

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    今回も面白かった!シリーズを重ねる毎に読みやすくなってるって感じてたんだけど、それは物語が現代に近づいてきてるからなのかも。カフェとか段々知ってる言葉が多く出てきてる気がした。

    天切り松さんが仕事した描写って今まであんまない気がしたんだけど、今回やっと出てきました!狙った人2人とも起きてたけどね。笑
    なんだか天切り松の新人時代を見ているようで、頑張れってなりました。

    それにしても相沢中佐の話は、読んでて何とも言えない感情になりました。松蔵と同じように「神を信ずることの幸か不幸」を考えさせられる話でした。奥さんへの愛情表現が下手だけれど、ちゃんと愛してたのが伝わる相沢さん。奥さんを苦しめることになるから、人を殺さなければいいのにって思うけれど、それが本人の思う正義なんだからしかたない。

    そして「王妃のワルツ」が好きでした。黄不動の栄治もかっこいい人だったのか!今まで出てきてたけど、そんなに心に残ってなかったみたいです。ファンクラブが出来るほどかっこいいのか!顔を見てみたくなりました。
    でも何よりも1人のひとを愛した殿下が1番かっこよかった!結婚するならそういう人とするのが幸せだと思いました。津村さんはチャラチャラしてないで、見習って欲しい。笑

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    2022年09月29日
  • 一路 (下)

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    一所懸命。
    今の政治家や官僚ら、国を動かす人たちは何でこうなったたのか。
    私心のない公僕であつてほしい。

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    2022年09月22日
  • 蒼穹の昴(2)

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    浅田さんの小説には、基本的に本当の悪人がいない。
    誰もが何かしらの理由を持って生き、何かしらの想いを持って行動している。
    実直で己の信念を持って生きる人たちは報われて欲しい。
    せめて小説のなかだけでも…と思ってしまいます。

    世紀の悪女と呼ばれる「西太后」さんの思いと行動のアンバランスさは置くとして、悪役としての自分や周囲の悪意を受け止める根性は自分の血に誇りを持っているからなのか。
    いずれにしても春児は報われて欲しいなぁ…。

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    2022年09月20日
  • 蒼穹の昴(2)

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    順桂の葉赫那拉の呪いから話が始まる。
    王逸と李鴻章との出会い、文秀と玲玲との再開、春児が黒牡丹から教えてもらった技を身につけて入廷してお気に入りになるまで。

    西太后の表での印象と実際の考えていることの差が狂っていると感じるぐらい離れていて魅力的。
    春児の何事にも一生懸命で根が優しいところがとても応援したくなる。文秀も頭が良いだけでなく、科挙試験から描かれてる困っている人がいれば助けられるところが2人が似ている。
    冬の牡丹江は本当に寒くて、知ってる土地が出てきて想像できるのがおもしろい!

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    2022年09月19日
  • 一路 (下)

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    参勤交代を一所懸命に遂行する主人公を通して、藩の人間模様、そして武士の矜持を余す事なく描かれている。藩主とは何か?、武士の生き様とは何か?参勤交代の存在意義とは何か?を考えさせられる秀作である。

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    2022年09月13日
  • プリズンホテル 1 夏

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    浅田次郎先生の文章は軽快で面白い
    テンポ良く読み進められた
    任侠や冥界というあまりにも日常とは程遠い世界に直面した時、自分だったらどうなっていくのか。
    怖いようなワクワクするような、不思議な気持ちになるのである

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    2022年09月13日
  • 地下鉄に乗って 新装版

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    自分が見ているその人は、自分が見ているだけの一部でしかない。

    昭和初期から戦争、戦後の激動の時代を生き抜いた父親の知らない一面をタイムトラベルで垣間見る。

    他者は自分の思い通りにはいかない、自分の思い通りに歴史は変えられない。
    とても力強く、切ない物語でした。






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    2022年09月07日