浅田次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
表題作『帰郷』を始め計6編からなる短編小説集。
収録作品のタイトルを順にあげていくと、
1.『帰郷』
2.『鉄の沈黙』
3.『夜の遊園地』
4.『不寝番』
5.『金鵄のもとに』
6.『無言歌』
すべて、第二次世界大戦を題材にした、戦争がもたらす哀しみや普通の人々の思いを描いた、反戦・非戦小説。
『帰郷』『金鵄のもとに』は出征し、なんとか生きて復員した兵士が主人公。
『夜の遊園地』は戦死した父を持つ大学生が主人公。
『不寝番』は、浅田次郎さんお得意の幻想譚、現代に生きる自衛隊員と戦争中の兵士が主人公。
『鉄の沈黙』『無言歌』は戦場での兵士たちが主人公。
戦争の非情さ、理不尽さを描いてます。 -
Posted by ブクログ
時代小説(と呼ぶべきものかはわからないけど)久しぶりに読んだので、最初はあの独特の昔っぽい言い回しになれなくて疲れた。
でも物語の中で起きていることは明らかに面白くて、移動時間を常に楽しみに。
少しずつ読み進めて、一路たちが少しずつ江戸に向かうさまを私も体感した。
それにしても、昔の人は美学の癖が強い。
ほぉ、そう解釈しますかと。
私は今の時代においても、正直先輩とか後輩とかどうでもいいと思ってしまうタイプなので、
この時代のお殿様だからなんとかとか、大名の方が上だからなんとか、みたいな論理は意味がわからない。
でもなんかそれが美しいとされるのだ、ここでは。 -
Posted by ブクログ
2019/06/23
母からかりていた本
デパートで働いていた椿山課長は突然死してしまうも
死後の世界(お役所のよう)での直談判で、期間限定で
現世に戻るチャンスを得る。自分の生前の罪を調べに行く
というのがストーリー
ほかにも、ヤクザの男性、事故で亡くなった少年が出てきて
この三者と現世がつながっていく、不思議な「縁」も見どころ。
誰にも秘密があるが
椿山氏の妻と元カノと息子と父親と
あらゆるところに秘密・・・もとい、嘘があり
そのいくつかは優しくもある。
なかでも、ボケたふりをする父親(おじいちゃん)とすべてを知っていながら知らないふりをつきとおした聡明な息子は男としての姿勢がとて