浅田次郎のレビュー一覧
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満州国に執政として捕われた溥儀と欧州で目的のない日々を暮らす張学良が交互に語られる。それぞれにどうにもならない不幸な境遇。
満州の唯一の希望だった武藤将軍は暗殺(?)により舞台を去る。判っていることとは言え暗澹とする。
中盤で登場する袁金鎧。以前、袁世凱に名が似ていると書かれていた小物。こういう人物にしっかり焦点を当てるのもこの大河物語の面白さかな。
甘粕の主催したオーディションに登場した少年の歌うジャズ。時代のあだ花だと思うけれど、東洋のハリウッドやパリを現出させる夢には魅かれるものがある。
しかし、その後の愚直な軍人は「三人の悪人」の退官自衛官を思い出させるが、(引用)どうして軍人は謀略を好むようになったのだろう。正義を滅してまで求める結果など、あってはならないのに、という抵抗に満州国の出鱈目さを指弾している。
浅田次郎節炸裂というか、ノッテ書かれているのが伝わってくる名文。
(引用)建物の大きさに較べて玄関は慎ましく、その造作はいかにも、姓名のほかに何らかの称号を持つ人物でなければ足を踏み入れがたいように思えた。
(引用)しかし、彼が熱く語るファシズムの正当性は、私の胸には何ひとつ届かなかった。それはことごとくが勝者の論理だからだった。
むしろ、私が感心したのは、彼の活力と、暑い胸板と、一分の隙もない装いだった。つまり、そうした外観さえ備えていれば、中身などなくとも人心を掌握できるのだと知った。
こういうピリッとした文に痺れまくって読み進めた。
張学良が溥儀を凶相として、情けをかけるのをやめることが軽く驚き。この長い物語では溥儀はまっすぐな王者だったのに。
張作霖が爆殺されなかったら、または張学良が支配したら中国はどうだったんだろう。
さあ、次はいよいよ張学良が帰還する第4巻。 -
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本来の主人公、張学良は登場しない。張作霖の部下だった馬占山の抗戦が前半。馬賊の仁義の通し方は痛快。
志津中尉とか吉永予備役とか、総じて登場人物が傍流になったように感じるが、満州国建国の馬鹿馬鹿しさを語るのは、こういう人物の目が必要なんだろう。
浅田次郎節というか、その人物の心情語りが炸裂している。得意技ではあるけれど、この長い物語はこしないと書き連られないんだろうな。
関東軍の暴走の末にデッチ上がられた満州国。清国の再興を夢見る溥儀の姿は憐れさを増してきた。張作霖のかつての手下の張景恵のような馬賊のも言い分はあるんだろうな。張作霖を爆死させなけりゃ良かったじゃないかと思うんだが。
出鱈目な状況を打開するため赴任してきた武藤将軍。
その後のウンザリな歴史を知ってはいるが、ちょっとでも良い夢を見せて欲しいな。 -
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冒頭は蒋介石に軍を禅譲してイタリアへの船上の人となる張学良。
袁世凱、孫文は既に退場し、中華民国は成っているが、革命勢力、張作霖、日本軍の睨み合いの中で溥儀の王室は生き永らえている。
以前は英邁な皇帝と王妃として語られていた溥儀と婉容、第2夫人の文繡から語られる姿は憐れで哀しい。天津での散財も皇帝は金の意味を知らないから、散財とも認識できない。タイトルの蒙塵の言葉が沁みる。
張作霖からの提案を決断できない溥儀。こういう可能性もあったんだろうか。
張学良の登場シーンは少ないが、プレイボーイの浮名も伊達じゃないカッコ良さ。
梁文秀も再登場したが、物言わぬ春児の変わらぬ誠意が懐かしい。 -
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泣かせ屋、浅田次郎先生の短編集です。太平洋戦争や集団就職など、自分が知らない時代の短編が多く記載されています。表題の獅子吼は、邂逅から始まる、とても悲しい物語です。獅子吼という意味を知らなかったが、改めて勉強させていただきました。
獅子吼:雄弁を振るうこと。意気盛んな大演説をすること。
[使用例] 長い政治経歴の間、演説で論争で獅子吼を続け、つぶれ、きたえ上げられた声だ[小松左京*日本沈没|1973]
[由来] 仏教の経典で、非常によく使われている表現。たとえば、「法華経―勧かん持じ品ほん」には、たくさんの菩薩たちが仏の前で「師子吼(「師子」は「獅子」と同じ。ライオンがほえるように力強いことばで弁じること)」して誓いを立てる場面があります。
浅田次郎先生の短編集の中でも心を揺り動かされる素晴らしい短編が詰まっています。 -
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ネタバレ
日中戦争は、「なんのために始まり、なぜ終わらないのか」が分からぬ、不可解な戦争だったと言われているそうです。
大義のない戦争で、色々な境遇の兵士が集まった時、何を正義とし、何を悪とするのか。軍隊という組織の中では、何をよしとするのか。
私は今まで、大戦中の兵士というのは、「お国のため」という大義名分のもと、一丸となって戦っていた、悲しいくらい真面目な人の集まりだと思っていました。THEサムライというような…。
でもそれは綺麗事。生活やお金のために仕方なく戦地に赴くことが普通。そこで真剣に取り組むか、適当に取り組むか、やりたい放題に堕落するか、それは各々の人間性に依っていたようです。それは、現代と何も変わらないし、人間というのは普遍的なものなのだと実感しました。
読み終えた時、これが最善だったと思いました。それなのにどこか心が重くなる、とても考えさせられる話でした。
浅田次郎の現地取材と資料調査により、今まで私が考えていた戦争と、実際の戦争の違いがたくさん知れて、とても勉強になりました。
ハッと、心に残った言葉(ネタバレになります)
「海野さんが悪いのではなく、海野さん以外の人がみな悪い。悪人から見れば、善人が悪人。だとすると、海野さんを悪人だと思っているみなさんこそが、実は悪人ということになりますがね。」
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ネタバレ 購入済み
ホント書き出しから絶対面白いだろうと思わせるよな〜。
そんでやっぱり面白いよな〜。
まいどコレ系はちょっとあざといとは思いつつサクサク読んじゃいますよ〜。
くそー(笑)
月島慕情の平松さん、最初は若い頃の健さんでイメージしてたけど、違うな!
ちょっと前なら佐藤浩市?
今なら堤真一あたりかしら…
いや、でももちょっとダメ男臭がいるよな〜。
そんで子沢山の嫁は田中裕子!でもこんどは平松さんが浮かばん…
うーん!わからん!昭和生まれなのに!(楽しい
て。どうでも良いですけど、映画化とかしたら絶対売れるやん!ていう感じですよね浅田次郎。
ほんまあざとい(褒めてます多分