浅田次郎のレビュー一覧

  • 終わらざる夏 下

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    1945 8/15日本人として忘れては行けない終戦日の玉音放送、ポツダム宣言受諾での無条件降伏、勝負けよりも戦争が終わる事に喜びを感じるまで苦労&矛盾を重ねた人々の気持。沖縄戦、硫黄島、南方戦線等戦い末期の話は戦後生まれの私達は映画、本で知っているが、北方果ての北千島列島での戦いは、シベリア抑留の話は耳にしていたが理不尽な戦争の果てに有る史実を知るに触れ哀しさ、悔しさ、凛々しさ色々な感情に心揺さぶられる。
    終戦間際で徴兵上限の45歳で通訳の役目を担い戦後の交渉を目的に千島の北端の島に渡った片岡、その島で自給食料確保で缶詰め工場で働く女子高生600人、二度の戦争で自己の思いとは別で英雄と

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    2019年06月15日
  • 中原の虹(1)

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    全4巻

    清が滅ぶ。
    滅ぶまでに何をしていたのか。

    春児は、西太后は、袁世凱は。
    時代に流されながら、滅ぶ運命の清王朝を支え、そして結局は滅びの時を迎える。

    それと同時に張作霖が動く。
    龍玉を手に入れ、その運命に導かれるように徐々に満州に勢力を拡大し、時代に台頭してくる。

    清が滅びた後は、日本に亡命していた者も帰国し、時代は次の時代へと変化する。袁世凱が権力を握るも、龍玉を持たないものは、時代に流されるのみ。

    人と人は、時代という運命の中でいかにして生きていくのか。

    本書当初は、あきそうになるも、徐々にこの本の奥深さと面白さが増し、最後まで読むと、蒼穹の昴に劣らず感銘を受ける。

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    2019年07月31日
  • 日輪の遺産

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    偉そうに言うならば、この人の本はけっこうハズレがないわよね。まぁ偉そうに言ってるけど。
    今回は戦争ネタなんだけど、あんまり辛気臭くないというか、いろいろあるんだけどオッサン共がうるさいおかげで紛らわされるような。やっぱオッサンはある意味偉大だわ。
    しかし丹羽さん45歳くらいって!どう考えてももっと年食ってね?こんな話し方する45歳いるんか。それも時代か。恐るべし戦時生まれ。

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    2019年05月25日
  • パリわずらい 江戸わずらい

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    仕事で飛行機に乗るなどと言うことがほとんどない身からすると、毎年何度も経費で海外旅行できる身分はうらやましすぎる。ぜひ機内でも旅先のホテルでも寝る間もないくらいに仕事をしていて欲しい。

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    2019年05月24日
  • 一路 (上)

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    ザ、浅田次郎。
    準備面白く引っ張るかと思ったら
    いきなりお殿様になってちょっと肩透かし。
    お殿様と言えば一番の傑作、
    星新一の殿さまの日がまた読みたくなった。

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    2019年05月20日
  • わが心のジェニファー

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    えっ、すごい。そういう結末?!すごいじゃん!
    ユーモアたっぷりに描かれる日本各地でのラリーの戸惑いが、こういう結末に落ち着くなんて。めっちゃ良いじゃん!

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    2019年05月07日
  • 椿山課長の七日間

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    前に読んだ事がありますが、再読してみました。浅田次郎のコミカルで泣かせる手法にまんまと今回もはまってしまい泣きました。死んでみて分かる他人の本心。死ぬまで分かってもらえなかった自分の本心。あの世から送られた3人は驚きの展開に、でも最後は泣き顔も晴れる読後感の良い小説です。

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    2019年04月20日
  • 沙高樓綺譚

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    手順前後で『草原からの使者』を先に読んでしまったが、沙高樓はこっちが本家。おそらくシリーズ化を決定付けたであろう第一作「小鍛冶」は傑作。さすがにこの緊張感とクオリティを全作に求めるのは酷というもので、サイコ・ホラーあり、幽霊譚あり、ミステリーあり、義侠小説ありとバラエティに富むものの、いずれも(水準遙かに以上とは言え)今一。

    最近、浅田次郎ばっかり読んでいる気がするな。

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    2019年04月14日
  • プリズンホテル 4 春

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    ネタバレ

    木戸孝之介は、極道小説の売れっ子作家である。今回日本文学大賞にノミネートされたという。その候補作品は、極道小説の「仁義の黄昏」か、それとも恋愛小説の「哀愁のカルボナーラ」か。二つの出版社の編集担当が競う。また木戸孝之介の母代わりの冨江は何処ともなく消えた。同じころ、五十年以上の懲役を務めた小俣の弥一は府中刑務所から出所した。これらの出来事が錯綜して、またまた極道ホテルでは大騒動となるが、最後はいかように…。プリズンホテル・シリーズの結末はいかに。

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    2019年04月13日
  • プリズンホテル 2 秋

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    ネタバレ

    木戸孝之介は、極道小説の売れっ子作家である。出版社から、関東桜会の相良総長が亡くなったから葬式などの義理事の実態を見てきてほしいと言われた。叔父の木戸仲蔵に頼み込んだら会場の寺に来たらよいと返事が来た。「ええ、鶴と亀との相生に、極楽往生いたすのも良うござんしょうが、一天地六の賽の目次第に罷りますのも、また乙なもんでござんす。上は吉原泪橋、本所駒形向島までの百余町、盆の内外、決してぬかりゃあござんせん。桜の一門打ち揃いやして、これよりお送りいたしやす。いやさ八代目、とくとお立ちなせえ。」長老の声で、親分五人衆が担いだ棺はしずしずと寺を出ていった。またまた極道ホテルの面々が帰ってきた。今度はどんな

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    2019年04月04日
  • 神坐す山の物語

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    浅田氏がこんな家系の人だったとは初めて知りました。験力や修験者と交流した経験談を直接聴くことができた最後の世代かもしれないと思うと、氏が作家である偶然に感謝したいです。
    御嶽山に是非行ってみよう。

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    2019年03月23日
  • プリズンホテル 3 冬

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    相変わらず面白い
    次の巻でシリーズ終わってしまうのかと思うと寂しい
    3巻目くらいになると主要登場人物がみんな愛おしくなってしまう。
    浅田次郎作品の登場人物ってみんな良いよなぁ

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    2019年03月23日
  • プリズンホテル 4 春

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    全4巻の最終巻。最初の1巻では期待していなかったが、4巻はとても面白い。様々な人間模様を抱えた人の心が雪解けのように悩みが溶けていくことがよく伝わってきて、感動的だった。

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    2019年03月09日
  • 勇気凛凛ルリの色

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    「勇気凛々ルリの色」は歌える。少年探偵団はもちろん知っている。次郎ちゃんの嫌いなカラオケで歌ってみようと思う
    。貴君と同い齢、兎年のオバンなママと一緒に。

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    2019年02月26日
  • わが心のジェニファー

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    作者の年齢を感じるところもあったが、浅田節は健在。

    そして、思わぬどんでんのラスト。ただし、連載ゆえの間に合わせ感も感じた。

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    2019年02月15日
  • 中原の虹(4)

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    ネタバレ

    正直登場人物が多くて、ついていくのに精いっぱい、という感じだったけれど
    それぞれの見せ場が思い起こされる。
    記者の姿勢も今作品で初めて知った。外国同士がこんなに密接だったとは。。。

    春児が意外に登場少なかったけれど。

    中国を何とかしようとする人たちに圧倒される。
    袁世凱も歴史上に名を遺すくらいだから、悪い面もあればよい面もあるわけで。

    近代、さらに中国ということで歴史に疎く、読み進めて初めて死ぬ運命だと知った登場人物達が多くて
    まっさらな状態で読めたのはある意味よかったかもしれない。

    まだ2作品くらい続くそうで
    これからの中国がどうなるのか、是非読み進めたい。

    溥儀に現れた西太后の

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    2019年01月31日
  • 赤猫異聞

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    文句なしに面白い時間を
    持ちたい方には ぜひお薦め

    読み終えてから
    表紙をしみじみ眺めて
    おぉ この三人が…
    と感慨に浸りたい方にも お薦め

    浅田次郎さん
    稀代の時代小説の名手です
    登場する人物が
    それぞれ愛おしい

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    2019年01月28日
  • 中原の虹(2)

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    ネタバレ

    読み始めは難しそう、となるのだが、読み始めると一気に進む。

    それぞれの思惑が交錯して、勧善懲悪ではなく皆自分なりの信念をもって選択しているのがまた…。

    西太后のイメージが本当に変わるが実際はどうだったのだろう。。
    物事を客観視、というのは最早不可能ではないだろうか。。

    春児が生きながらえさせられて今後どうなるのだろう、
    蘭珍の最期が悲しくも、本人の意思があって。。。

    どこまで物語でどこまで史実かわからないけれど
    ラストまで楽しみたい。

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    2019年01月08日
  • つばさよつばさ

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    お恥ずかしながら、浅田次郎氏の本はこれが初めて。
    このエッセイは友人からのオススメだったのだが、内容はもちろんのこと、語彙の豊富さ、表現の幅の広さはとても勉強になった。
    次は新撰組の「壬生義士伝」を読んでみたい。

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    2019年01月07日
  • 終わらざる夏 上

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    ネタバレ

    浅田次郎はお約束の「鉄道員」とごく一部の短編集を手に取ったほかはあまりこれまで縁のない作家であったのだが、ほかの多くの人と同様、「終戦後に北方領土に取り残された日本軍がいた」という歴史的背景に興味をひかれて読んでみることになった。

    北方領土どころか当時の日本領の最北端、カムチャッカ半島のすぐ南、占守島(しゅむしゅとう)の日本軍は終戦の8月15日以降にソ連軍の猛攻を受け、これを撃退しながら、最期は武装解除されたらしい。この部隊に様々な背景を持った(多くは招集された一般市民が)集まってくる経緯が小説の多くの部分を占める。

    大本営が策定する何十万人単位の本土決戦計画が各自治体に下達され、県庁、さ

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    2019年01月03日