浅田次郎のレビュー一覧
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いよいよ西太后が最期を迎える。
そして光緒帝も。
大変な山場。
と同時に、日本に亡命した梁文秀と玲玲のこと、マダム・チャンやら、トム・バートンらも出てくる。
もちろん、春児も。
李家のきょうだいたちの再会もありそうな雰囲気。
中国語を学んだことがある身としては、アル化の話が面白かった。
北京語でよく聞かれる、語末にrがつく現象のことだが、春児が「チュンル」もそのひとつ。
ただ、「チュンル」でなく、「チュナル」と発音されるのが上品だ、とあったのが、ほう、そういうもんか、と興味が惹かれた。
私の中国語の先生は、大連出身だったが、魯迅の「故郷」を読んだとき、「宏児」を、日本語訳のように「ホンル」 -
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『珍妃の井戸』まで読んで、もう続きは読まないのかな、と思っていたが、結局読むことにした。
李春児・玲玲きょうだいの兄、春雷が、東北の覇者、張作霖の「五当家」になる。
実力随一の「総攬把」である張作霖が、皇帝のしるし、龍玉を手に入れるところから物語が大きく動いていく。
張作霖というと、満州事変で日本軍に爆殺されてしまった人、ということくらいしか知らない。
張作霖と息子、学良が清朝滅亡後の中国を率いていくはずだった、というのが浅田さんの認識でいいのかな?
あのあたりの歴史は本当にいろいろな勢力が錯綜してわかりにくい。
それにしても、この巻は、また語りが多彩なこと。
『蒼穹の昴』にも出てきた、 -
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疎開先の小学生たちや教師、島で働く女子学生たち、そして敵兵であるソ連兵たちなど、自国の兵士だけでなく、それぞれの立場の苦悩と葛藤、戸惑いを描くことで浮かび上がる、戦争の不条理と非情さ。
こうした様々な立ち位置からの悲劇を描けるだけでも、すごいと思うのですが、さらに浅田さんは物語の舞台となる占守島すらも、不条理と非情から生まれたことを描きます。
国家の思惑に踊らされ、故郷を追い出された先住民たちの悲劇。単に物語の舞台でしかなかったと思っていた島すらも、不条理と非情から生まれていたということが、明らかにされるのです。
個人と土地、それぞれの物語をあますことなく描ききり、小説は最終刊に -
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ネタバレ目次
・若鷲の歌
・小村二等兵の憂鬱
・バトル・ライン
・門前金融
・入営
・シンデレラ・リバティー
・脱柵者
・越年歩哨
・歩兵の本領
1970年頃の自衛官たちの物語。
ゲバ棒を持った大学生も、ラブ&ピースのTシャツを着た若者も、それなりに就職していい暮らしをしているときに、それぞれの事情で自衛隊に入らざるを得なかった若き自衛官たち。
理不尽なしごきやいじめに涙を流し、戦争に行くことのない軍隊生活を嗤う。
自由がなくて、安月給で、慢性的人員不足のせいで、やらねばならないことだけはいくらでもある。
けれど自衛隊にいるのは彼ら若者たちだけではない。
もう何年もこの生活を続けている先輩兵。
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ネタバレ2018年、24冊目です。
山の神という言葉は、最近、箱根駅伝のランナー紹介の時によく耳にしますね。
山岳信仰が、日本古来の神道に結びついて形作られていると思いますが、
そういった説を待たずとも、少しばかり山の奥深い場所に、一人で足を踏み入れると、なんとなく「畏れ」を感じる。人は山の神を畏敬の念を持って受け入れている。
魂魄というものに出逢ったことはないですが、存在を寛容に受け入れる精神世界が私の直ぐそばにあることは確かだと思えます。
八百万の神々がいるとすれば、私のそばに存在し、私の暮らしの、いや行動の一つ一つにその存在の力が影響しているのかもしれません。
運がいいとか悪いとか、、、。
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「泣かせ」に鼻白んで遠のいていた浅田次郎氏の小説を久しぶりに読んだ。やっぱりうまい!本書は、短編集。「鉄道員」は素晴らしかったが、本書もなかなか良かった。
浅田氏のすごいところは、全く自分に重ならない設定の人物にまでどっぷりと入り込んでしまえるところ。どの短編も気恥ずかしくて切なく、読みながらしくしくと胸が痛む。そしてまんまと作者の手の内に引き込まれ、こんちくしょーと思いながらも、気が付くと涙を流しているのだ。
最初の2本が特に良かった。登場人物がそれぞれに悲しいのは、連城三紀彦の小説にも似ている。昔の東京の風景もノスタルジックで、おススメ。