浅田次郎のレビュー一覧

  • 終わらざる夏 上

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    ネタバレ

    暗い内容で気が滅入り、読む終えるまでに何ヶ月もかかってしまった。
    入れ替わり立ち代わりそれぞれの立場の人間が語り手となっていく手法だったが、読みづらいと感じたときもあった。
    占守島の戦いのことは全く知らず、たまたま聞いていたラジオ番組のゲストが著者で本書の紹介をしていたため、手に取った。
    日本でこの戦いの知名度は低いが、教科書に載せても良いのではないだろうか。

    結末は救いがなく、心が重くなった。
    生き残った人々はシベリアに送られ、無事に帰国できたかどうか胸が痛い。
    娯楽のための読書はすばらしいが、ときどき本書のようなジャンルを読むことは大事なことなのかもしれない。

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    2018年03月07日
  • 神坐す山の物語

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     筆者が伝え聞いた奥多摩の御嶽山の昔話を土台にした伝奇小説。
     
     霧に閉ざされた杉木立を従える神域、御嶽山。
     かつては行くのにも難儀し、青梅からの列車を二俣尾で降り、山を登って行き来していた。
     その神域を守る神官職を代々務める鈴木家に伝わる話は、自然にそこに神がいる世界の話だ。

     曾祖父は鈴木家に伝わる家伝の力の最後の持ち主だった。
     日本全国から狐落としを頼まれては、祓ってきた。
     幼い姉妹が山道でであったのは、狐憑きの娘とその母親だった。
     娘に憑いた狐はしゃべる。
     かつては赤坂の池のほとりに住んでいたが、住処を追われて気がつけば娘に憑いていたと。

     科学とか、自然現象の解明が

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    2018年02月19日
  • 大名倒産 下

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    美しい故郷とお家を守るため更に我が藩主のために、国家老、出入商人や民などの利害者が自主的・積極的に次々と借金返済の工面を産み出す。また、そこに七福神が憑いて、実現していくところが面白い。これも、実直な小四郎の持つ徳なんだろうと感じる。少し残念なのは、最後の結末がアッサリしていて、半額の借金返済に留まらず全額返済に向け、次兄庭師の事業拡大、潮くみ女おつうが作る塩を使った塩引鮭のグレードアップと原価低減、中屋敷の薄積みザクラの観覧事業などなど、新たな施策が登場するのかと期待しながら読み進んだので、肩透かしにあった気になった。

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    2026年01月17日
  • 大名倒産 上

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    数ヶ月前に読んだ同著者の「流人道中記」とノリが類似していて、今回もクスッとほくそ笑みながら完読。
    借金総額が二十五万両で、支払利息だけで年間三万両。それに対し歳入はたかだか年一万両という丹生山松平家は、家督を庶子の小四郎に譲り、前代未聞の大名倒産を企てる。
    計画倒産を目論む先代藩主とそれを阻止せんとする御当代が下巻ではどういった施策を打ってくるか、また「流人道中記」には表れなかった神仏まで巻き込み、どんな話になるかが楽しみだ。

    0
    2026年01月17日
  • 神坐す山の物語

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    こういう、神秘な存在が信じられていた時代が、なんとなく好きなので、懐かしさを感じた。

    実は浅田次郎さんの作品を読むのは初めてだったのですが、奥行きや空気、雰囲気が文章から伝わってくる感じがしました。
    他の本も読んでみたい。

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    2018年02月17日
  • 神坐す山の物語

    購入済み

    不思議の世界

    本当にあった話なのですか。
    本当の話も混じっているのですか?
    それとも全くのフィクションですか?知ってみたいですね。
    今度は、このような事例集と解説した本の出版を 切望します。

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    2018年02月15日
  • 神坐す山の物語

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    著者が少年時代に実際に見聞きしたお話。
    奥多摩の御嶽山の神官屋敷が舞台。
    伯母から聞く夜語りからは、怖さよりも切なさや御嶽山の清廉な空気を感じる。

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    2018年01月31日
  • 王妃の館 上

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    映画化もされてる有名な作品なだけあって、展開も登場人物もとっても魅力的。伏線回収も見事でワクワクしっぱなし。特にパリやヴェルサイユに行ったことがあれば10倍楽しいはず!

    0
    2018年01月28日
  • 沙高樓綺譚

    購入済み

    とても面白く、わくわくしながら読みましたが、途中で「以前に読んだことがあるぞ」と気づきました。ところが、次にどうなる話だったかまったく思い出さず、新鮮な気持ちで読み終えました。
    続編が読みたいです。

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    2018年01月26日
  • 霧笛荘夜話 新装版

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    相変わらずの浅田節。
    マジで号泣。ダメだなぁ。
    浅田さんって、人間の良いところにもダメなところにも等しく光をあてて、「ダメなところも長所になるからね」って言ってくれてる気がして。
    たぶんそこがツボなんだろうなぁ。

    今の世の中、ダメなものはダメで徹底的につぶしにかかる風潮だけど、浅田作品は救いになります。
    そして只のお涙頂戴ストーリーにしないところも大好き。
    ハッピーエンドっぽいバッドエンドなところとか。
    要はツボなんですきっと。

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    2018年01月18日
  • マンチュリアン・リポート

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    初めて浅田次郎を読み終えて、これは面白かった。まず構成が面白い。張作霖の事件を批判して投獄された軍人が天皇の命を受けて事件を調べるため、大陸に渡る。そこからの彼の報告書と張作霖がその中で爆死した豪華な機関車の独白という二部構成で、交代に話が進められていく。まず序章で浅田が言いたいであろうことが多く語られる。ありえないことがありそうに思えてくる。ただ機関車の独白部分は少し感傷的な所があるのが気にはなる。

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    2018年01月16日
  • 勇気凛凛ルリの色 四十肩と恋愛

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    面白いです。浅田次郎節が爆発してました。書かれた時代に読んだらもっと楽しめたかも。でも、その頃の自分は、この本には若すぎたか。

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    2018年01月14日
  • 王妃の館 下

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    ネタバレ

    ヴェルサイユ宮殿に行く予習として、この下巻は良いと思った。飛行機の中で上下巻読み切れるくらいの本ですし。
     下巻になって良い話になってきた。人生に対して明るい気持ちになれる。ルイ14世の考察が深まる。正統派喜劇だった。


     17世紀のルイ14世の物語がちょくちょく間に挟まるなって思ったら、北白川先生の作品という、そういうメタ構造の小説良いなって思った。

     ルイ14世がどうしてこれほど豪奢な建築物を作ったのか。ヴェルサイユ宮殿はルイ14世の心の陰に対をなす、太陽だったのである。

     フロンドの乱でトラウマを覚えたルイ14世の心の闇を追いやるための、光り輝く「鏡の間」なんて、よくあるんだろうけ

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    2018年01月05日
  • 霞町物語

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    「青い火花」の後半、どこかで読んだことがあるなぁと思って思い出してみると、高校時代に受けた模試の現代文で読んだのだった。模試であることを忘れて、ひきこまれたのを覚えている。模試が終わってから、全文読みたいと思っていたのにいつの間にか忘れていた。数年越しに読めたことに運命を感じる。
    「卒業写真」はずるいなあ。感動しないはずがないストーリー。

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    2017年12月24日
  • 王妃の館 上

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    ネタバレ

    訳アリの人と人とがつながる喜劇!こんなん面白いに決まっている。パリ旅行への予習にならん!下巻が楽しみ!


     面白くてすごい軽やかに読める。ご都合主義だけれども、面白いから許せる。

     こうやってハチャメチャな人生の人を抜き出して集めると、人生何でもできる気になってくる。だからこの物語は読者を元気づけてくれる。そういうパワーがある。

     自分の人生の悩みなんてちっぽけなもんだと思いたい人におすすめ。

     この上巻は「起・承」である。だからまだまだ盛り上がりはこれからだろう。それが予想できるくらいわかりやすいストーリー。でもワクワクが止まらない。早く「転・結」が詠みたい。

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    2017年12月22日
  • 日本の「運命」について語ろう

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    歴史の授業では出てこない、日本人にとって歴史を学ぶことの大切さが分かったような気がする。明治から平成まで目まぐるしく、そして急速に近代化してきた日本であるが、時系列に出来事を並べるだけでは分からないことはたくさんある。

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    2017年12月10日
  • 霞町物語

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    目次
    ・霞町物語
    ・夕暮れ隧道
    ・青い火花
    ・グッバイ・Drハリー
    ・雛の花
    ・遺影
    ・すいばれ
    ・卒業写真

    著者の青春時代を反映した自伝小説?
    甘く切なくほろ苦い?
    ちょっとナルシズム入っちゃってたりしたら、読めたもんじゃない。

    ところが、主人公であるはずの僕よりはるかに魅力的なのが、彼の祖父母だ。
    江戸っ子で、粋で、気風(きっぷ)がよくて、ボケている祖父。
    写真技師としての誇りが高く、妥協をしない。
    その祖父が心から愛していたのが、元深川芸者の祖母。

    学生運動の嵐が通り過ぎたころの東京の高校生。
    学校から帰るとバリッとしたコンテンポラリィのスーツを着て、タブカラーのシャツに細身のタイ

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    2017年12月02日
  • 輪違屋糸里(下)

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    新選組の近藤たちは、芹沢たちの暗殺を命じられます。“足軽と百姓が、真の武士を殺す(p266)”、斬ってはならぬ人間を斬るのです。

    芹沢は酒乱で悪行も働いてきたように見えましたが、実は考えたうえでの行動で、やさしくて、どうしても嫌いになれませんでした。

    また、戦場には刀を持たぬ四人の女(糸里、吉栄、お梅、おまさ)もいますが、“女というのは、剣を持たずに斬り合いができるらしい(p263)”のです。女たちの強さを思い知らされました。

    特に糸里が、男たちに立ち向かい、はっきりと思いを伝えるところや、女としての幸せを吉栄にめぐんでしまうところに、惚れました。本の題名のとおり、主役は糸里だと思いまし

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    2017年11月27日
  • 輪違屋糸里(上)

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    司馬遼太郎さんの「燃えよ、剣」も面白かったけど、浅田次郎版新撰組も面白かった。
    時期としては、短く、新撰組の上京後から、芹沢鴨暗殺まであたりを描く。

    芹沢鴨の恋人お梅、眇目の隊士平山五郎の恋人吉栄、土方と微妙な仲の糸里、そして新撰組の屯所となる貧乏くじを引いた八木家の妻から見た新撰組。その一方、隊士本人の心情も、1つ1つのエピソードの主役にもってきて、細かく描く。
    鉄道屋や獅子吼が好きでなく、浅田さんの短編集は好きではないが、こうやって、長編の中にエピソードをちりばめた今回の1冊や、同じ形態の椿山課長~はあっているのかお上手だと思う。

    糸里が主人公なのだろうけれど、私はピュアなカップルの五

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    2017年11月26日
  • 霞町物語

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    浅田次郎といえば「泣かせ」ですが、この作品集は自伝的小説のせいか、余りエモーショナルに走らず、自制が利いています。私よりも少し年上の、しかも都会の少年の自叙伝になりますが、不思議な懐かしさがあって気持ち良い作品です。
    一族の描き方も良いですね。特にボケが始まった名人かたぎの祖父の正気のときの格好よさ、いかにも明治の江戸っ子。そして深川芸者だった祖母の伝法さ。著者の思い出の暖かさがにじんでくるような文章です。
    一気に読み上げてしまいました。

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    2017年11月10日