浅田次郎のレビュー一覧

  • 一路 (下)

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    参勤交代を一所懸命に遂行する主人公を通して、藩の人間模様、そして武士の矜持を余す事なく描かれている。藩主とは何か?、武士の生き様とは何か?参勤交代の存在意義とは何か?を考えさせられる秀作である。

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    2022年09月13日
  • プリズンホテル 1 夏

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    浅田次郎先生の文章は軽快で面白い
    テンポ良く読み進められた
    任侠や冥界というあまりにも日常とは程遠い世界に直面した時、自分だったらどうなっていくのか。
    怖いようなワクワクするような、不思議な気持ちになるのである

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    2022年09月13日
  • 地下鉄に乗って 新装版

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    自分が見ているその人は、自分が見ているだけの一部でしかない。

    昭和初期から戦争、戦後の激動の時代を生き抜いた父親の知らない一面をタイムトラベルで垣間見る。

    他者は自分の思い通りにはいかない、自分の思い通りに歴史は変えられない。
    とても力強く、切ない物語でした。






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    2022年09月07日
  • 終わらざる夏 下

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    さまざまな人たちの戦争にまつわる群像劇。すべての人たちの一瞬一瞬の出来事や思いを連ねて描いたことにより、単なる戦争悲惨物ではなく、一人一人の生き様が描かれたと思う。
    その反面全員のその後も知りたいが、それは自分が味合うこともできないのだから、致し方ないし、それが当たり前なのだ。
    そう思うと一瞬一瞬の夏を大事にしていきたいと思う。それが戦争をさせない戦後の者の務めと思う。

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    2022年09月03日
  • 珍妃の井戸

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    ほぼ一気読み。珍妃の死の謎やいかに?と、、、
    二転三転される証言に、登場人物たちと同じように気を揉まれつつ読み進めた。

    清代末期の激動を描いたシリーズの第二期という位置付けらしい本作を読み、続編への期待が高まった。

    ★4つ、8ポイント。
    2022.08.26.新


    ※中国史の知識はほぼ皆無(中学校の社会科レベル)だが、逆に予備知識が無いからこそ新鮮に物語の世界観を味わえている気がする。

    ※「蒼穹の昴」の続編だというから“春児”の活躍に期待したけれども、ほとんど出てこなかった(苦笑)

    ※(読解力が無いのかな…?)
    結局のところ、珍妃を殺したのは誰?
    連合国軍の兵士たち?
    ・・・・(恥)

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    2022年08月26日
  • 蒼穹の昴(4)

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    ようやく毛沢東がでてきた!
    壮大なお話でした。あの時代の見方が変わりました。西太后や伊藤博文、あまり知らなかった李鴻章が格好良かった。
    科挙と宦官を日本は取り入れなかった、なるほど。科挙が行われてたら歴史はどう変わっていたのだろうか。ボチボチとシリーズを読みたいと思います。

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    2022年08月21日
  • 天切り松 闇がたり 第三巻 初湯千両

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    今回も面白かった。このシリーズで1番好きな話が多かった気がする。

    「道化の恋文」の親子関係が良かった。仁太いいやつだ。幸せになってほしい。淡い恋の話も良かったけど、何よりもサーカスでのお父さんの演技は泣ける。

    そして「銀次蔭盃」は涙無しでは読めない。今までは百面相の常兄が1番かっこいいと思ってたけど、目細の安吉親分が断トツだった!かっこよすぎるでしょ。周りで何と言われようとお金とか出世ではなく、親分のことを1番に思える安吉親分はかっこよすぎました。
    そして大事な盃が嫌な奴に渡らなくて本当に良かった!

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    2022年08月12日
  • 活動寫眞の女

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    ネタバレ

    どちらかというとファンタジーの域になるのだろうけど、昭和四十年代の移りゆく時代の中でのそこに生きる人々の葛藤と、映画という失われつつある文化への郷愁とが交差して、リアリティを感じる。
    不思議な作品でした。

    京都の街を舞台にしていて、そこがまた良い。
    喫茶店で長々とお話ししたい。

    三谷、早苗さん、そしてとうの昔に亡くなった大部屋女優と恋に落ちる清家。
    ストーリーは現実味がないはずなのになんだか懐かしい匂いのする青春の物語でした。

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    2022年08月12日
  • ブラック オア ホワイト(新潮文庫)

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    ネタバレ

    黒い夢か白い夢か、最初に書いてあるんだけど黒は嫌だなぁって思うから黒枕が続いたら白枕欲しいなぁって思った。私もよく黒枕見るから、白枕欲しいヨォ。
    迷うって漢字、夢中になる・惑わす・陶酔させるって意味あるんだって。前向きな意味で好き。
    落ち着いた大人な小説だなって印象。

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    2022年08月11日
  • 終わらざる夏 中

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    英語の先生、医者、軍人を職業とする者、親子、のいろんな糸を通して戦争を描く。昨今の情勢がより身近に感じられる。

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    2022年08月10日
  • 壬生義士伝(上)

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    幕末新撰組最強の男、吉村貫一郎の生涯。強い南部訛りにいかにも貧乏人で風采の上がらないが刀を握れば鬼貫と呼ばれた北辰一刀流の達人だった。 先輩に勧められて読んだ浅田次郎さんの描く幕末です。実在はしていますが、素性が謎に包まれた最強の剣豪吉村貫一郎の人生と幕末動乱が描かれています。感想は下巻で。

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    2025年12月21日
  • わが心のジェニファー

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    外国人視点で日本を描くことで母国(日本)を再発見するみたいなパターン。皮肉も利いてるし確かに新発見もあった。
    一人称視点でもあるので途中飽きて来るが(ちょっと強引でも)ラストの展開が素晴らしい。

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    2022年07月26日
  • 一路 (下)

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    ネタバレ

    馬も含め、たくさんの登場人物それぞれに見せ場があって面白い。特に御殿様の聡明さが格好よかった。困難はありつつも全体的にハッピーな感じでとんとんと話が進むので、ハッピーエンドを期待しつつ安心して読み進めることができる良い本だった。★4

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    2022年07月18日
  • 一路 (上)

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    ネタバレ

    一路(いちろ)という名の実直な主人公が、強運と周りの人に助けられ、権謀術数渦巻く中での参勤交代という困難を一つ一つ乗り越えていく話。もちろん悪役はいるが、主人公の周りの人間が気持ちの良い人達ばかりなので読んでいて気持ち良かった。★4

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    2022年07月18日
  • 活動寫眞の女

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    京都を舞台に、映画を愛する青年のお話。
    主人公の青年は、私と同年代で、青春時代を振り返った想い出を綴る。
    浅田次郎氏特有の優しい心持ちの主人公が、揺れる愛の気持ちを伝える。
    合わせるBGMは、ベース奏者のレジェンドであるチャリー・ヘイデンのもとに集ったボーカリスト淑女達との録音。
    昭和の退廃的ロマンス漂う大人のブルースが、懐かしい想いをいやが上にも呼び起こす。

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    2022年07月08日
  • 新装版 お腹召しませ

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    ネタバレ

    エッセイ~時代小説の構成で6編。外で務めに翻弄され家では妻女に冷たくされる男の可笑しみ、実直ゆえに時に身勝手な男の心境、これを書かせたら著者はほんとうに上手いと思う。明治の御一新のすぐ前は江戸時代。著者は祖父を通じて自分とひとつながりに幕末の時代がぼんやりと見えていたのだという。少し倦んだ空気が漂う太平の世の末も著者の作品の舞台にぴったりだ。

    P22 妻ならば娘ならば、も少し悲しげな顔で、ここは万已むを得ずお覚悟なされませ、というほどのことは言うてほしい。それを、まるで物言う鳥のごとく声を揃えて、オハラメシマセはなかろう。

    P65 恐怖と滑稽がないまぜとなり、互いにどういう顔をしてよいもの

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    2022年06月25日
  • 天切り松 闇がたり 第二巻 残侠

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    1冊目は昔の語り口調が難しくて、読むのが大変でしたが、2冊目ともなると段々慣れてきました。
    やっぱり泥棒だけど、みんなかっこいい!!特に百面相の恋が良かった。どんなに周りの人に嘘をついても、愛する人のことを大切に想ってた常兄かっこいい。幸せになって欲しい。

    そして最後の話も良かった。目細の安吉親分の愛情の深さを思い知った話でした。そんな親分の下で働いているみんなが自分を持っててかっこいいし、松も成長していくのが分かって良い話でした。

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    2022年06月19日
  • 蒼穹の昴(3)

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    よかったです。

    3巻から清国崩壊が王朝内部から徐々に始まります。
    4巻でどうまとめられるのかとても気になります。

    主人公2人にはどんな運命が待っているのでしょうね。

    あと西太后の捉え方がとてもおもしろい。
    国を滅ぼした悪女というイメージが強かったですが、大きな責務を背負わされていたんだなあ、、

    実際もそんな感じであってほしい、と思っちゃいます。

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    2022年06月09日
  • あやし うらめし あな かなし

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    「お狐様の話」が興味深かった。40、50年前までは、親の世代が「誰それが狐に憑かれた」とか言う話をしていたのを聞いた記憶があるが、最近は全く聞かない。
    人が通うのも大変な幽谷の神域で、寝物語として聞いた切なく哀しい恐ろしい物語。
    この世界観がたまらなく好き。

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    2022年06月06日
  • あやし うらめし あな かなし

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    宮部みゆきの怪異譚を読んでいる時に発見した本書。復讐劇として印象深い「骨の来歴」。ドッペルゲンガーを扱った「虫篝」と、濃霧の中に過去と現代が交差する「遠別離」は、ともに太平洋戦争の兵士を登場させる物語で、特に「遠別離」は衛兵所の二等兵と、夫の戦死を知る彼の妻との邂逅に涙ぐんだ。

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    2022年06月06日