浅田次郎のレビュー一覧

  • 大名倒産 下

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    御家廃止(倒産)か再建か、ご隠居vs現名代と莫大な借金を抱え、七福神やら地元産の鮭の塩漬けやら、下巻はコミュカルな展開が面白おかしかった。
    最終的には、終わりよければ全て良し❗️って感じ。

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    2022年12月31日
  • 大名倒産 上

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    普通の時代小説かと思いきや、そこは浅田次郎作品。そこかしこに笑いあり、たまに涙あり、ついでに貧乏神も登場するという、単なる時代小説ではない、読み応えたっぷりの作品。
    自藩の財政立て直しを必死に図る主人公、その父親で計画倒産を密かに企み、全てを息子に押し付けようとするご隠居。この善と悪の構図に、様々な個性豊かな人物や、本当に臭ってきそうな神様までからんできて、どうおさまるのか、とにかく続きが気になる!
    下巻が楽しみ。

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    2022年12月27日
  • 蒼穹の昴(3)

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    第三巻に入り物語のスケールがかなり大きくなりました。
    これまで主に清国内から語られてきたストーリーですが、この巻あたりから日本人やアメリカ人ジャーナリストが登場します。それによってアヘン戦争以降、列強の脅威にさらされる清の姿というものが、外の視点からも描かれていきます。

    海外の脅威にさらされる一方、宮中内の政争もより苛烈さを増していく。これまでの中心人物だった春児や文秀の出番が減ってしまったのが少し寂しくはあったのですが、陰謀渦巻く国内・国外政治のドラマはまた違った読み応えを与えてくれました。

    歴史のうねりの中で、登場人物たちが時には自分たちの立場や勢力拡大、あるいは保身のために、あるいは

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    2022年12月25日
  • 蒼穹の昴(2)

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    蒼穹の昴の第二巻。
    この巻では西太后の姿が印象的だった。前巻でちらっと出た感じでは、権威ある強大な女帝という感じ。さらに歴史上のイメージも相まってとんでもない悪女という印象があったのだけど、蒼穹の昴での人前で見せない彼女の姿はその印象ががらりと変わる。

    話し言葉が普通に女の子っぽかったというのもあると思うけど、国を背負う重圧に押しつぶされそうになる弱さや、混沌とした状態のままで国を愛しい甥に任せたくない、という情愛の思いであるとか、そうした部分が等身大に描かれていて、女帝の人間らしさが描かれます。

    表の強い女帝の姿と、裏の普通の女性っぽさ。その相反する二面性が、彼女を魅力的に描きます。

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    2022年12月22日
  • 蒼穹の昴(4)

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    ネタバレ

    列強諸国に蹂躙される間際の斜陽の清朝時代の中国で、抗いがたい大きな時代の流れになすがままにはされるまいと踏ん張った人々の物語。糞拾いの春児は万に一つも裕福になる可能性のない運命を自らの手で掴みとった。文秀は皇帝を、ひいては中国という国全体を正しい道に導くために全力で奔走した。結果として2人が迎えた結末は、2人が目指した白太太のお告げのそのままとはいかなかったかもしれない。しかしそこには天命なんてものを凌駕する人間の力というものが働いていたと思う。また、個人的にもう一人の主人公だと思っていたジュゼッペ・カスティリオーネが偉大なるヴェネチアンという身分を捨て、郎世寧として西洋のバロックの芸術家も到

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    2022年12月22日
  • 鉄道員(ぽっぽや)

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    家族が一貫したテーマとも取れる短編集。
    娘が生まれたところの自分にとって、鉄道員はかなりグッときた。味わいのあるくたびれ感が最高。
    平成生まれの自分ではあるが、昭和の時代背景が小気味良く、NETFLIXの「全裸監督」や「浅草キッド」を見ているような情景が頭に広がった。

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    2022年12月20日
  • 蒼穹の昴(4)

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    宝塚観る前に予習しとこうと思ってまとめて一気読み!めちゃくちゃおもしろくて世界観にどっぷり。
    これはベストセラーなのも頷ける…

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    2022年12月14日
  • 蒼穹の昴(1)

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    ワクワク感やロマンを感じさせる第一巻でした。

    中国の清の時代末期というなじみの薄い時代背景に加えて、読み慣れない中国名ばかりで読むのを苦労しそうな作品なのだけど、読みにくさやとっつきにくさは、早い段階で感じなくなりました。
    名前が漢字表記なので読みが分からなくても、自分で適当に読みをあてはめられるのもあるかもしれませんが、物語の面白さやキャラクターの良さも大きい。

    貧困にあえぐ少年。地方で放蕩息子と呆れられる青年。それぞれの立身出世の物語でもあります。運命に見捨てられたような生活の中での、成り上がりへの希望。そして占い師の壮大な予言。このあたりがロマンを感じさせます。

    歴史小説なので固い

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    2022年12月11日
  • 大名倒産 上

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    兄の急逝により丹生山松平家の家督を継ぐことになった小四郎は積み重なった借金が25万両、年間の利息の支払いだけでも3万両に達している事を知る。
    次男、三男を飛び越えて四男の小四郎に家督相続が回ってきた背景には先代藩主が企てる藩の計画倒産の陰謀があった。小四郎は藩政を再建できなければ詰め腹を切らされるという文字通り命をかけた藩の再生に取り組む。

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    2022年12月10日
  • わが心のジェニファー

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    アメリカ人が体験した日本。素晴らしいところも変なところも外から来た人の目で教えてくれる。
    日本が好きになれる、なってほしいと浅田次郎が綴ったガイドブック。
    ジェニファーはすべて知っていたようなラストに感動。

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    2022年12月02日
  • 神坐す山の物語

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    母方の親族に武蔵御嶽神社の神官の一族を持つ浅田次郎が自身の子供時代の体験や親族の話を小説として纏めた一冊。
    シンプルで読みやすい文体だが、読んでいるうちに当時著者が感じた御嶽山の清廉で凛とした雰囲気が伝わってくるような、自分も神秘的な世界に迷い込んだような感覚を覚えた。
    最後のロングインタビューによると、今は建物が建て替えられたり観光客が増え、当時の神秘的な雰囲気はほぼ無くなってしまったらしい。
    残念なことだが、いつかは訪れて当時の雰囲気の残り香を探してみたいと思った。

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    2022年11月19日
  • 蒼穹の昴(4)

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    清国が終わる直前(光緒帝)の時代。清代を題材にした中国ドラマを見ていたので用語はわかりましたが、見てなかったら結構難しかったかもしれない。。
    登場人物は歴史上の有名な人なので、調べてしまえばどういう経過を辿るかは分かってしまいます。でも一人春児は創作。なので春児に関してはどうなっていくのか気になりつつ読みました(宦官のトップになるとは示唆されていたけど)

    シリーズ物ということで、歴史上ではやや中途半端なところ(改革派が亡命するところ)で終わってしまいます。春児がトップに上り詰めるという話であればここで完結でしょうかね。時代の変わり目を題材にする小説はやはり面白いです。

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    2022年10月29日
  • 蒼穹の昴(4)

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    大作だった。
    面白かった。

    清朝末期の物語。
    貧しい少年から、西太后の側近最高位まで上り詰めた春児の物語。
    一旦の完結。

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    2022年10月29日
  • 天子蒙塵 4

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    蒼穹の昴から読んでるものにとって、まさにこのチクルスが最終巻でよいかも。梁文秀と春児と玲玲の終着点。満州国皇帝溥儀を廻り、万感の想いで締めくくられるラスト。彼らをずっと読んできた読者にとってはもうこれ以上の物語はいらない最高の締めくくりだった。
    只、歴史はここからが面白くなるところ。
    次の兵諫は、226事件と西安事件。
    シリーズがこの先どうなるかわからないけど、毛沢東、周恩来が中心となるわけで、我々と同じ時代を生きた人たちの物語がどうなるのか、興味は尽きない。
    本流シリーズがいつ出るか情報を知らないけど、行けるところまで読み継いでいきたい。

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    2022年10月16日
  • 蒼穹の昴(4)

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    清朝末期、完全崩壊の直前を描く歴史小説の完結巻。
    群像劇なので、ちょっとベタ過ぎて視点が定まりにくい難はあるけれど、ベタに青い初期の浅田次郎を満喫できるお話。

    生まれた時代や環境、それぞれの「運命」はあるのかもしれないけれど、具体的な自分の人生は「今」の自分の努力と行動で築かれていく。
    自分の人生を築くのは、自分自身だということ。

    諦めたらそこで終わり。
    「悪いヤツ」も悪役なりに考えて行動して、栄華をつかもうとしてつかんでいる。
    自分も「今」「行動」しよう。

    蒼穹に昴は見えないけれど、それを見たいのならば実際の青空よりも蒼い「蒼穹」を自分で描くスキルを努力して身につけて、そこに昴を自身で

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    2022年10月08日
  • プリズンホテル 3 冬

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    ネタバレ

    プリズンホテルはやっぱり面白い。
    季節は冬だが、一番人間の血の温かさみたいなものが伝わってきたような気がする。
    終盤清子をめぐっての葛藤は本当にハラハラした、、、

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    2022年10月02日
  • 天切り松 闇がたり 第四巻 昭和侠盗伝

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    今回も面白かった!シリーズを重ねる毎に読みやすくなってるって感じてたんだけど、それは物語が現代に近づいてきてるからなのかも。カフェとか段々知ってる言葉が多く出てきてる気がした。

    天切り松さんが仕事した描写って今まであんまない気がしたんだけど、今回やっと出てきました!狙った人2人とも起きてたけどね。笑
    なんだか天切り松の新人時代を見ているようで、頑張れってなりました。

    それにしても相沢中佐の話は、読んでて何とも言えない感情になりました。松蔵と同じように「神を信ずることの幸か不幸」を考えさせられる話でした。奥さんへの愛情表現が下手だけれど、ちゃんと愛してたのが伝わる相沢さん。奥さんを苦しめるこ

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    2022年09月29日
  • 一路 (下)

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    一所懸命。
    今の政治家や官僚ら、国を動かす人たちは何でこうなったたのか。
    私心のない公僕であつてほしい。

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    2022年09月22日
  • 蒼穹の昴(2)

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    浅田さんの小説には、基本的に本当の悪人がいない。
    誰もが何かしらの理由を持って生き、何かしらの想いを持って行動している。
    実直で己の信念を持って生きる人たちは報われて欲しい。
    せめて小説のなかだけでも…と思ってしまいます。

    世紀の悪女と呼ばれる「西太后」さんの思いと行動のアンバランスさは置くとして、悪役としての自分や周囲の悪意を受け止める根性は自分の血に誇りを持っているからなのか。
    いずれにしても春児は報われて欲しいなぁ…。

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    2022年09月20日
  • 蒼穹の昴(2)

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    順桂の葉赫那拉の呪いから話が始まる。
    王逸と李鴻章との出会い、文秀と玲玲との再開、春児が黒牡丹から教えてもらった技を身につけて入廷してお気に入りになるまで。

    西太后の表での印象と実際の考えていることの差が狂っていると感じるぐらい離れていて魅力的。
    春児の何事にも一生懸命で根が優しいところがとても応援したくなる。文秀も頭が良いだけでなく、科挙試験から描かれてる困っている人がいれば助けられるところが2人が似ている。
    冬の牡丹江は本当に寒くて、知ってる土地が出てきて想像できるのがおもしろい!

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    2022年09月19日