浅田次郎のレビュー一覧

  • 一路 (下)

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    上巻が色鮮やかな料理が小さな器に盛りつけられて寿司詰めのように飾られた籠膳であるならば、下巻はうな重のように大きな器にでーんと大物を盛りつけたような感じ。下巻は道のりがあとわずかでありながら、これまでの問題点が一気に噴き出してくる、それを解決せねばならないため一つ一つがじっくりこってり書き込まれているので上巻のようなテンポよさはない、しかしながらこれまで垣間見せていた御殿様の本来の姿が顕現し、あれやこれやが一気に大団円。これぞ時代小説の粋である。
    タイトルの一路という名を背負った御供頭の名の由来も明かされすべてがきれいに、それでいてまったくの爽快感でもなくしんみりとした御殿様の幕引き口上、星4ではあるものの、上下巻通しては間違いなしの星5である。
    あとがきの参勤交代とは行軍である、がまったくの作り物というこの発想がなにより秀でていた。浅田さん、流石!

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    2024年01月20日
  • 中原の虹(4)

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    いろいろな人の立場から歴史を見ることで、見方も変わるから、面白かった。
    知らない歴史上の人物も出てきて、中国の史実にもさらに興味が湧いた。

    梁文秀や春児たちも救われたのかなと思うと、よい終わり方だった。
    でも、歴史はまだまだ続く予感。。

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    2024年01月16日
  • 壬生義士伝(上)

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    新選組の実在の隊士 吉村貫一郎に関わりのあった人達に話を聞くことで、その人生を描きだしている。
    下級武士がいくら文武に優れていても、食うのもやっとという生活から抜け出せず、妻や子を養うために脱藩。その中でも武士の矜持は持ち続け、自分の考える正しさに従い生きようとする主人公の強さ、哀しさ、…
    生き残った子供が明治維新後にしっかりとした人生を生きているので救われる。
    実在の人物ではあるが、内容はフィクションなのかな?

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    2024年01月14日
  • 鉄道員(ぽっぽや)

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    このところ読書することなく浅田次郎氏の作品は読んだことありませんでした。浅田次郎氏作品で長編小説の「横山課長の七日間」が読んでみたかったんですが、まずは手始めに短編小説の「鉄道員」から挑戦してみました。私にしては2日程度で読破出来て上出来。浅田次郎氏の小説は風景描写が上手いですね。人間性溢れる切ないストーリーで素敵でした。今年は浅田次郎氏小説に特化して読んでみたいと思います。

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    2024年01月11日
  • 終わらざる夏 下

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    太平洋戦争末期にアリューシャン列島の最先端部である根室から1000キロ、ソ連のカムチャッカ半島先端と目と鼻の先の占守島(シムシュとう)に取り残された戦車部隊の奮闘を描いた作品。ぜひ実写化して欲しい。
    「終わらざる夏」は第11戦車連隊の顛末だけを描いた作品ではない。徴兵された元出版社勤務の45歳の老兵、缶詰工場に送られた女工達、上陸作戦に駆り出されたソ連兵、その後のシベリア強制労働など、さまざまな人の織り成すドラマ。
    第11戦車連隊の兵士の目線と上陸部隊のソ連兵の目線と、両方から語られる。
    心に響いたのはヤクザ者の萬吉が45歳老兵の子供(集団疎開中だが脱走)を助けるシーン。
    浅田次郎は戦争の悲惨さを伝える事に人生を賭けていると感じる。

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    2024年01月08日
  • 終わらざる夏 上

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    太平洋戦争末期にアリューシャン列島の最先端部である根室から1000キロ、ソ連のカムチャッカ半島先端と目と鼻の先の占守島(シムシュとう)に取り残された戦車部隊の奮闘を描いた作品。ぜひ実写化して欲しい。
    「終わらざる夏」は第11戦車連隊の顛末だけを描いた作品ではない。徴兵された元出版社勤務の45歳の老兵、缶詰工場に送られた女工達、上陸作戦に駆り出されたソ連兵、その後のシベリア強制労働など、さまざまな人の織り成すドラマ。
    第11戦車連隊の兵士の目線と上陸部隊のソ連兵の目線と、両方から語られる。
    心に響いたのはヤクザ者の萬吉が45歳老兵の子供(集団疎開中だが脱走)を助けるシーン。
    浅田次郎は戦争の悲惨さを伝える事に人生を賭けていると感じる。

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    2024年01月08日
  • 流人道中記(下)

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    旗本の流人と見習与力の押送人の道中記。

    玄蕃の犯した罪はなかなか語られない。
    道中に出会う色々な事情を抱えた人々への深慮と筋の通った振る舞いを見れば見るほど、聡明さと信念、透ける孤独に魅かれていく。

    これだけの人が切腹を拒否した理由は単純ではないとわかりつつ、後半につれて語られる正体と罪をどこか知ってしまいたくない。知れば罪を撤回したくなるから。

    信念を貫くのは簡単ではない。でもそれを玄蕃は選んだ。旅の中で玄蕃の生き様を見て生まれた乙次郎にとっての礼が新しい道の導になっていくのだろう。

    歴史小説が苦手な私が浅田次郎さんの小説を好きな理由は人物が本当に魅力的な所。存分に味わいました。

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    2024年01月03日
  • 中原の虹(3)

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    たくさん登場人物が出てきて、色々な角度から中国の歴史を見るのは面白かった。
    日本での文秀たちのことも出てきて、嬉しかったな。

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    2023年12月31日
  • 鉄道員(ぽっぽや)

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    涙もろいので読むのに時間がかかってしまいました、、、
    『鉄道員』『ラブ・レター』『うらぼんえ』がお気に入り。心に残ってるのは『伽羅』。

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    2023年12月28日
  • 地下鉄に乗って 新装版

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    ネタバレ

    昭和の支配的な父と喧嘩して家を飛び出した兄の死を、タイムスリップしながら究明する話。途中から満州から復員し財をなした父の内面や、彼の周りの家族の苦悩に触れて、自らを受け入れられるようになる話だと思う。
    誰しも善とも悪ともなりうるが、受け取り手がどちらに立つか次第というのがこの話のテーマだと思う。

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    2023年12月26日
  • 大名倒産 下

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    今年のNHK大河ドラマ、どうする家康、結構、ハマって見てました。今までは、戦国時代、苦手だったけど。だから余計に戦の無い時代がこんなに腑抜けになってしまったのかと。
    だからこそ、今の日本、ここから学ぶことがあると。日本の借金とか。歴史は、現代に活かす為に学ぶモノでなければ。

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    2023年12月18日
  • 憑神

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    ネタバレ

    貧乏神・疫病神のあたりまでは、個人的な恨みとか怒りとかで動いていた彦四郎だけど、最後の死神に憑かれてから、まさかあんな壮大な話になるとは…。
    武士の誇りが失われていった世の中で、己の信じた武士道を貫き、死神を受け入れて生ききろうとする姿は格好良かった。

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    2023年12月16日
  • プリズンホテル 1 夏

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    ちょっと古さを感じるけど、日常では味わえないほろ苦さと爽快感のバランスがよかった。
    任侠とあの世の物語。

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    2023年12月12日
  • 大名倒産 上

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    多分、はじめての江戸時代の物語、わからない言葉が多く出てきて読みにくいが内容は、現代に通じる会社経営モノ?みたいで面白い。即、下巻へ

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    2023年12月09日
  • プリズンホテル 1 夏

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    とにかく読みやすい。
    大作って感じではないけど、てんこ盛りかつ軽快で面白い!さすが浅田次郎先生。
    それぞれが足りないところをそれぞれが補い、支い合って人の営みがまわっていくのって温かくて素敵だな。
    あじさいホテル、通称プリズンホテル。
    こんな頑張りがいのある職場で働きたいなぁ。

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    2023年12月05日
  • 中原の虹(3)

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    3巻。新たな登場人物がたくさん出てきて物語を追うのに必死です。
    蒼穹ではただの面白キャラかなと思ってた戴沢殿下が案外真面目に国の行く末を案じている人で意外だった。ミセスチャンこと寿安との対話が物悲しくて、印象的だった。
    日本で暮らす文秀のもとへやってきた蒋介石。教科書で見た名前だ。何した人なのかは覚えてないけど。きっと小説オリジナルのキャラクターと史実の人物をうまく混ぜて物語を作ってるんだろうなぁ。
    アヘン窟にて珍妃の井戸に出てきたプージュンが登場。順番に読んでてよかった。
    張作霖はただの暴君にしか思えなくてで好きじゃなかったけど、子供と動物に優しいところはちょっと見直しました。
    時代遅れの人物や物を「ロートル」というけど、それの語源が中国語の老人を表す「老頭児」という言葉だったのを初めて知った。勉強になります。
    4巻に続く。

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    2023年11月30日
  • 一路 (上)

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    4.0 最近嵌まっている時代小説。江戸時代の参勤交代の話し。コメディ要素あり、ミステリ要素あり。なんとも贅沢なお話しです。

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    2023年11月20日
  • 流人道中記(下)

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    マイケルサンデルさんの「実力も運のうち 能力主義は正義か?」the tyranny of meritの小説版と言えなくもない。


    人は生まれる時代も場所も親も何も選べず生まれてくる。
    容貌も頭脳も身体能力も。
    遺伝要因と環境要因以外に、意思など自由になる要因はあるのだろうか。
    最初の起点である、生まれ出る要因のどこにも、主体としての意思がない以上、論理的には、木に竹を継ぐように、意思や自由が立ち上がるのは、やはり筋悪の議論と言わざるをえないのではないか。

    また、社会に目を向けると、法、というものも社会、組織など集団に、一定の秩序をもたらすため、必要になることも分かる。
    しかし、法など、それが議会制民主主義の下で定められようが、封建領主の下で定められようが、不完全、あるいはある局面においては有害なものにならざるをえない。

    統治機構も、どれだけの頻度で最適化するのが適当かは分からないが、状況により見直すことが不可欠である。しかし、その機構の構成員は、どんな状況にあっても、機構の存続のため懸命の努力を行う。
    結果、相当程度大きな不都合により、転覆されるまで、軋みを増しつつ続くことになる。

    しかし、人が生きていくためには、意思や自由という虚構が必要であるとは思う。
    礼、もその軸の一つであろう。

    一人ひとりが、礼、美しさを希求し、軋みで損なわれてしまうものを、なんとか救い出そうとすることによって、人の世は住むに値するものになるのではないか、ということが著された作品だと思う。

    論説文で積み上げる論理の力も重要だが、難しいことを書き連ねることなく、エッセンスを伝える、小説の力に改めて感じ入った。

    解説に杏さんの文章があった。
    なんだか若い子だけどいろいろ苦労があったように報じられた子だったか。
    年号など気にせず読んだが、江戸幕府最後の数年が舞台だと解説。
    杏さんが指摘する通り、そうしたことも踏まえると、登場人物のこれからが少しでも明るさを増すのではと期待できて、一層よい読後感を得ることができた。

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    2023年11月19日
  • 中原の虹(2)

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    色々な人々の視点から中国の歴史が見れるから、変わらずおもしろい。
    西太后と光緒帝の選択・決断は、そうするのかと驚いたけど、すごい。

    また時代が進んでいくから、次も楽しみ。

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    2023年11月17日
  • 天子蒙塵 4

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    2023.11.16~11.26

    ラストエンペラーの本当の悲劇が始まる。
    史実として、学校で学んだことが、いかに大雑把であやふやであったのか。「嘘」ではなかったが、「黙」ではあった。

    で、正太はどうなる?修は?
    誰が龍玉を手にするのか?
    創作の中で、歳を重ねていく人、新しく登場する人。彼らの人生がどう転がされるのか楽しみ。

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    2023年11月26日