浅田次郎のレビュー一覧

  • アジフライの正しい食べ方

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    本作はJALグループ機内誌「SKYWARD」に「つばさよつばさ」題して2020年から2023年に掲載されたものを加筆、修正し構成されたエッセイです。

    2020年から2023年というと新型コロナの影響で、旅はおろか外出もままならない期間ですが、そこは直木賞作家、自身が作中で繰り返し述べられているとおり、これまでの経験も豊富なので、ネタに尽きることがないまさに旅しているかのような作品もあれば、自身の生活からすくとったお題も多く収められたエッセイです。

    表題作の『アジフライの正しい食べ方』は、揚げ物といってもフライ、唐揚げ、天ぷらと種類も多く、それぞれにかけるものも年齢や揚げ物との出会いも大きく

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    2025年01月01日
  • アジフライの正しい食べ方

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    ANAの機内雑誌に連載されているエッセイ集。
    旅に出たくなる。思わずくすりと笑ってしまう話ばかりで、気分が沈んでいる時に読むといいかも。病気なんかも悲観的にならずに楽しくネタにしてしまう作者。こんなふうに前向きに生きていけたらいいなぁ。来年はどこかに飛行機で行こう。できれば海外。

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    2024年12月27日
  • アジフライの正しい食べ方

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    タイトルに惹かれて、とりあえず読んでみたら、すごく面白かった。
    そして、アジフライの食べ方は、関アジのことだったと知り、佐賀関の風景も目に浮かんできた。
    洞察力とユーモアのセンスで、何度となく笑いを誘ってくれた本。
    浅田さんの本をこれから1冊でも多く読みます。

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    2024年12月15日
  • 椿山課長の七日間

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    デパート婦人服売り場課長の椿山は、過労で接待の最中に死亡してしまう。
    家族やデパートの売上が心配で、死ぬに死にきれない。おまけに、天国に向かうための講習会で「邪婬の罪」に問われているのは、何かの間違いとしか思えない。
    たまらずに、中陰の役所(この世と冥界の間にある役所)で、現世に戻ってやり残したことを済ませるための申告をするー

    荒唐無稽でコメディ要素満載なお話しながら、人の優しさ、強さも描いています。
    ヒットマンのエピソードを、もうちょっと丁寧に書いて欲しかったかな。

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    2024年12月15日
  • 中原の虹(4)

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    ネタバレ

    なかなか理解できなかった張作霖をなんとなく理解できた気がする。
    再会ラッシュは胸が熱くなったが、思ったような感動的な展開にはならなかった。しかし立場や情勢を踏まえると、そういうものなのだろうと納得でき、特に違和感はなかった。
    袁世凱については最後までわからなかった。暗躍するプージュンも正直入れ込み難い。

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    2024年12月11日
  • おもかげ

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    最後に正一が会っていた女性達が誰なのかわかった時、そう言うことか!と一気に物語が繋がる感覚と暖かい気持ちになった。

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    2024年12月04日
  • 完本 神坐す山の物語

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    10年ほど前に出版されたものを私は読んだのだが、今回は新たな書き下ろしの短編を加えて完本として出版された。

    東京都の奥多摩の霊山・御嶽山の上にある神官屋敷は、浅田氏の母親の実家なのだそうだ。
    浅田氏が少年だった頃、従兄弟やはとこ達と夏休みのほとんどをこちらの屋敷で過ごしたとのことだ。
    就寝前、布団に横になった子供の枕元で、美しい伯母から怪談めいた夜語りを聞かされるのが常だった。
    怖い話なのだが、少年少女達は不思議な世界へ引き込まれていた。
    これらの話は、太古から神主に語り継がれたもので、浅田氏はこれに脚色を加えて短編集としたとある。

    浅田氏のおじさん、おばさんから聞いた話の時代は、明治の頃

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    2024年12月03日
  • 竜宮城と七夕さま

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    小説だと思って手を伸ばしたら、エッセイでした。笑

    久々に浅田さんの本を読んだら、文章がなんとなく小難しい感じがして。
    歴史の話が出るとさらに小難しい感じがしてしまい、途中までは「今の自分には合わなかったかも」と思いました。

    しかし、短編の中にクスッとしてしまうエピーソードが盛り込まれていたり、昔の記憶に思いを馳せる浅田さんに共感して、一緒になって昔の記憶に想いを馳せたりしていると、そんな思いはどこかへ行ってしまいました。笑

    浅田さんが、昔から読書や活字が好きということが、この本のあちこちから感じ取れて、恐れ多くも同じ読書好きとしてなんだか嬉しくなりました。

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    2024年12月02日
  • 蒼穹の昴(4)

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    オーディブルにて
    連休だったこともあり、1~4巻まで一気に聴き終えた。おなじみの上手いナレーターさんで耳障りもよく、四六時中聴いていた。久々に小説らしい小説に出会った。
    時代は世紀末の動乱の中国。西太后の清の時代で、第4巻になると袁世凱やら、少年の毛沢東やらが出てくる。1巻、2巻、3巻、4巻で、まんま起承転結だった。

    ただ歴史を動かすような主な登場人物が全員架空の人物で、乾隆帝の亡霊が頻繁に現れたり、老婆の歩き巫女からのご託宣があったりして、ファンタジーに寄りすぎてて、全体的に軽くなった気がするなぁ。

    19世紀末中国の、おどろおどろしい雰囲気はいいなあ。

    日中合作でドラマ化されてるのだけ

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    2024年12月02日
  • 完本 神坐す山の物語

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    著者の母方の実家が奥多摩の神社ということで、幼い頃から目には見えないけどいる何か、存在に触れながら育ってきたことが窺える。フィクションとノンフィクションがが混ざったような山にまつわる短編集。怪異譚のようだけど、全く怖くない、どこか懐かしいような感じ。

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    2024年12月02日
  • 竜宮城と七夕さま

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    談話室で「笑えるエッセイを教えてください!」と投稿したところ、おススメしていただいたものです。(おススメいただいたものは順番に読んでいこうと思っています。)

    浅田次郎さん・・・こんなにも著名な方なのに、ほとんど読んだことないです!今、いそいそとWikipediaを調べましたが、たぶん「椿山課長の七日間」くらいか・・・あと「鉄道員」は映画で見たような・・・と書いたとたん、急に記憶が蘇ってきましたが、なぜか高校時代、我々女子バレー部のうら若き乙女が数人集まって、映画「鉄道員」の鑑賞会をした記憶があります。あれはなんだったんだ・・・。と、おそらく原作を読んでいないのに浅田次郎さんといえば「鉄道員」

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    2024年11月26日
  • アジフライの正しい食べ方

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    歳を重ねてからもう一度読みたい本。
    今読んでも面白いけど、浅田先生と年齢が近くなるほど共感度が変わってきそう。

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    2024年11月25日
  • 一刀斎夢録 下

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    感想
    戊辰戦争がどのようにして進んだのか、明治の幕開けと慌ただしさ、

    西南戦争は西郷と大久保の企みで、新しく生まれた農民陸軍の実戦訓練と不平士族の捌け口として計画されたと言われれば、何やら納得感がある。

    最後はいいとこで切るねぇ。


    あらすじ
    やがて話は、江戸無血開城から、近藤の捕縛、会津での戦争、新選組隊員のその後について、明治に移り、警官として勤める斎藤、西南の役。

    一刀斎は、西南の役で出くわした市村鉄之介を斬った話をする。勝つると負くる者の正体を知るものこそ奥伝を極めると梶原に伝える。

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    2024年11月19日
  • 一刀斎夢録 上

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    感想
    一刀斎って最初は伊藤一刀斎のことかと思ってたけど、大正?じゃ時代が合わないと思ったら斎藤一ね。

    興に乗ったのか、斎藤結構喋るねぇ。


    あらすじ
    時代が明治から大正に変わる頃、陸軍の梶原中尉は剣道でどうしても勝てなかった警視庁の榊警部から、昔斎藤一こと、一刀斎に手解きを受けたことを話される。

    梶原は一刀斎を尋ねて、坂本龍馬暗殺の真実、新選組結成当初の裏切り者の粛清の話、市村鉄之介の話と鳥羽伏見の戦いを経て堕ちゆく新選組と甲州決戦の前夜について聞く。

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    2024年11月18日
  • アジフライの正しい食べ方

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    コロナ禍に書いたエッセイ。旅の事や日常、食事などの面白可笑しエピソードが満載でした。コロナが落ち着いてきた今、きっと自由に大好きな旅に出られているのだろうと思います。エッセイを読む限り庶民的な感じに思われますが、昔サイン会に伺った時はオーラが凄くて圧倒されましたが、優しく会話をして下さり紳士的な方だったと記憶しております。

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    2024年11月15日
  • プリズンホテル 1 夏

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    ネタバレ

    話の設定と展開が、大袈裟なんだけど面白い。
    ドラマありコメディあり、忙しないが読んでいて楽しい。
    読後感がさわやか。

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    2024年11月11日
  • アジフライの正しい食べ方

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    JAlの機内誌「SKYWARD」に連載の続く旅をテーマとした人気エッセイ。本書は2020年から2023年まで、ということであまり実際に旅に出た話よりも、自宅にて旅について妄想する場面や思い出話が中心。昭和26年生まれ、忍び寄る老い、服用する薬だったり高齢者の運転免許更新など。
    決して愚痴ではない所が良い、素晴らしい歳の取り方のように思える。

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    2024年11月10日
  • 完本 神坐す山の物語

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    ネタバレ

    連作短編集
    神坐す山,御嶽山の武蔵御嶽神社を実家に持つ浅田氏.子供の頃,親戚の子供らが集まっているところに伯母の昔語り.その語り口そのままに少し怖い話が伝えられていく.峻厳な山の香が漂う中での思い出の中に見え隠れする一族の歴史が興味深い.

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    2024年11月08日
  • 流人道中記(下)

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    流人道中記・下巻。

    青山玄蕃という人間の思想の高潔さ、というものに打ちのめされる下巻。ただ彼のそれは、武士道への反感や格差社会への諦念、といった鬱屈した部分が大きく作用したように思えます。その暗い気質を抱えながら、その上であの境地に至ったということが、高潔であると思うのも事実。

    その一方で、理想を貫くことを選び、世間への反骨を示すことで、失わなくてもよいものを失ってしまうことになった、という一面もあるのが一滴の染みになってしまっているのか、とも思う。家族・家臣たちへ残したものが、それ。

    玄蕃の生き様を見た乙次郎。彼がこの先の人生において、どんな行状を取るのか。怒涛の幕末、これまでの幕藩体

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    2024年11月06日
  • 沙高樓綺譚

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    浅田次郎版の百物語。
    功成り名遂げた人たちのみが沙髙樓に招待され、今まで誰にも言えなかった話をする。話し手は一切の誇張や嘘は禁止。聞き手は口外厳禁。
    今で言えばストーカーやタイムリープの話などもあり、どれもそれなりに面白かった。秀逸なのは最初の「小鍛治」と最後の「雨の夜の刺客」。特に最後の話はとても人間臭く、不思議要素は一切なし。人間の生死や人生の分岐点を考えさせられる秀作だった。やはり浅田次郎はヤクザの話がやけに上手い。

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    2024年10月31日