浅田次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
単行本を本屋で見て、これは買わなきゃと思いつつ、手に取らず。
遅ればせながら、文庫を購入。
蒼穹の昴から続く長い物語。今回は中国国民党と共産党軍との抗日民族統一戦線の成立が主題。「兵諫」という故事を持ち出して、張学良と蒋介石とのやり取りを浅田先生は解釈する。
基本は、陸軍の特務機関員である志津大尉、朝日新聞の記者の北村、ニューヨーク・タイムスのジェームス・ターナーの3人が狂言回し。
特に張学良の部下、陳一豆が裁判で貫き通した態度。その意味が明らかになる辺りが本署の眼目だろう。
全体的に、ハードボイルドを貫き通している文章だと思う。
(引用)
・日本陸軍の敵はソ連。海軍はアメリカ。と言うこと -
Posted by ブクログ
義って今で言うとなんなんだろう。良い人はたくさんいるけど、それとは全然違うような気がする。
家族でもないが、この人だけは死なせてはいけない、と思わせるって今ではあまり考えられなくて、江戸時代の武士道?の根づき方を感じた。
それぞれの人の語りが、ずっと吉村の話ばかりじゃなかったことで背景が見えてきて読みやすかった。自分の話も多くあったため、人となりも感じられた。
吉村の息子の語り含め、主観での話という設定をリアルに映し出していて、そうじゃないのに!というもどかしさもあった。
また、血生臭い世界を知らないで育った子供と、若い頃から両親が満足に面倒を見てくれず、世の中のごたごたの中生きてきた子供は