浅田次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ずっと日本史から逃げてきて歴史はどちらかというと嫌いな方だったが、母の熱烈なオススメで読んだ。
とっっっても面白い。
本の内容は下も読んでから書くことにする。
読んだことのないジャンルなのでとりあえず自分の気持ちを書いておく。
幕末の対立藩や新撰組の立ち位置・役目とは?というところから調べることになったが、教科書とは違って物語だとするする読めて流れも入ってくる。学生時代に読んでおいたら今の進路も変わってるかもなあ、、と思う、。
銀魂のイメージしかなかったので、事前知識は当てにならなかった。ひとつひとつわからない単語を調べながらだったため、時間はかかったが、わかってくるとどんどん読み進めてしま -
Posted by ブクログ
ネタバレ『長く高い壁』(浅田次郎著)は、戦争という極限の現実を背景に、人間という存在の尊厳と愚かさ、そのどちらもを静かに照らし出す傑作である。物語の舞台は1938年、中国北部の前線。国家の名のもとに動かされる兵士たち、そしてその中で起こる一件の“不可解な死”。浅田次郎は、この謎を糸口に、戦場という場所がいかに人の心を侵食し、同時に人間の本質を露わにしていくかを見事に描き出している。
本作の魅力は、単なるミステリーの枠を超えている点にある。真実を追う物語でありながら、読者が辿るのは「事件の解決」ではなく「人間の理解」へと至る道である。そこには、善悪の単純な区別を拒む、深い人間観が息づいている。軍隊とい -
Posted by ブクログ
この本を読んでる途中で、蒼穹の昴を書いた浅田次郎さんか〜と感慨深く思いました
文章めっちゃ上手くて、子供時代の回想がお金持ちのちょっとスレた子供感出てた。正直、今まで読んだ子供の文章の中ではピカイチかもしれない。キヨとの関係も切なくて泣いちゃいましたなぁ…
大学生時代で出てくる真澄さんも切ないキャラで、ゆうちゃんのことが好きなのにそれを言い出せなくて、ボロボロになっちゃって、死んじゃって…
全体を通して、主人公含め男の人に肩入れする表現が多いように思った。女の人は、彼氏なり旦那なりに甘くて依存してるみたいな感じ?時代背景もあると思うので仕方ない部分もあるけど、真澄さんとか、もっと男の人がいなく -
Posted by ブクログ
ネタバレ1938年、中国へ進軍していた日本軍の一部小隊で、兵士10名が死亡する事件が発生する。調査のために現地を訪れたのは、探偵小説作家と日本軍の中尉。彼らは生き残った兵士や、中国人の医者、料理屋の主人など、事件に関わる可能性のある人物たちへ次々とインタビューを行い、真相を追っていく。
物語は一見するとミステリー小説のような雰囲気で進むが、結末に至ると「推理劇」というよりも、むしろ戦争そのものが人を狂わせていく過程が描かれていたのだと気づかされる。
読後には「なるほどね」と言いたくなるような、少し掴みどころのない感覚が残る。ただ、それは決して悪い意味ではなく、不思議と納得感を伴う余韻として残る読書