浅田次郎のレビュー一覧

  • 終わらざる夏 上

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    太平洋戦争終戦直後の北海道における、悲劇的な残戦を描く浅田次郎の大作。
    静かな序盤から、少しずつ哀しいラストへ向かう雰囲気・臨場感と焦燥感に圧倒され、要所要所での登場人物たちの誇りや生き様の魅力に当てられ、手が止まらない。
    書き口も、読み易いながら程よく詩的で、哲学的で、情緒もあり、ストーリーと相まって印象的なシーンは多い。
    なにより多くのことを考えさせる、決定的な訴求力がある。小説の力を感じる傑作だと思う。
    5+

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    2016年04月03日
  • 月のしずく

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    短編小説。どの話も、男女のいろんな愛のカタチが切なく、そしてとても優しく描かれていた。

    読み終わった後、じわーっと胸に暖かさが残る。それはどことなく月明かりのようなぼんやりとした暖かさにも似ていて、「月のしずく」っていうタイトルがとてもよく似合う本だと思った。

    通勤中に電車で読んでいたのだけれど、どうしても涙をこらえられなくて、目に涙をいっぱいためながら本を読んでる変なひとになっちゃった。

    失敗したっていい、どんな間違いをしたっていい、ちゃんと自分に見合う素晴らしいひとが身近にきっといて、その素晴らしさを拾い上げられるひとにならねば、と思わせられました。

    全部好きだったけど、特に好きだ

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    2015年09月18日
  • 一刀斎夢録 下

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    新撰組三部作で最高傑作!
    "生き方"として、ここまで刺さる小説は初めてかもしれない。
    自分にはできない生き方の美しさが、とても心を打つ作品だった。

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    2015年09月04日
  • 一刀斎夢録 上

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    "谷を越えられぬ凡俗にとっては、九十九里といえども百里の道のなかばであることにちがいはない。しかし九十九里を歩んだ者の果報として、わしらは百里をきわめた人間をこの目で見ることができた。
    沖田総司のかけがえのなさというのは、すなわちそのようなものであった。"

    「天才は天才を知る」という言葉の真の意味が突き刺さる至極の文章。
    しびれた。

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    2015年09月04日
  • 日輪の遺産

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    毎年、8月になると必ず1冊は読む戦争関連の本。
    今年は、浅田次郎さんのこの作品にしました。以前より気になっていた作品で、本屋さんで偶然見かけたので読むことにしました。

    戦争でなくなった日本軍の有名な人は歴史の教科書に何度も出てくる。しかし、本当にお国のためにと死んでいったのは、教科書にも、そして誰も知らないような、何の罪もない一般国民。特に子供達なのだと思う。

    国のためにと学校で勉強をしないで、畑仕事や、戦闘機等の部品をつくる毎日を送る女子学生。あるとき、国の秘密の仕事に関わることになる。しかし、彼女らに与えられた仕事がどう言う意味の仕事かは告げられないまま、終戦を迎えた。彼女らは戦争が終

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    2015年08月29日
  • シェエラザード(下)

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    ネタバレ

    軽部と日比野と律子、そして弥勒丸にまた会えて、また別れてきた
    切なく、悲しく、つらいけど、
    最後は頑張って前を向いて生きていこうと思う小説
    戦争は、始めるよりも終わらせる方が大変だと
    弥勒丸に乗って亡くなった人たちの無念さ
    残された人たちの悲しみと後悔
    何度読んでも、つらい、悲しい
    よぉ~、そろ~、という掛け声が聞こえてきそう

    とってもお勧めの小説なんです

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    2015年08月17日
  • シェエラザード(上)

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    ネタバレ

    浅田次郎さんの作品の中で、とても好きな作品
    終戦記念日の土曜日に
    久米宏 ラジオなんですけどを聞いたら
    外国で終戦記念日を迎えた方と久米さんの対談を聞いた
    (Podcastで、3人の方とのお話聞けます)
    シェエラザードを読まなくちゃっと思い立ち
    集中して、もう何度目かの再読

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    2015年08月17日
  • ハッピー・リタイアメント

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    作者本人の実体験をもとに創造された作品とのこと プロローグにあることだと思うがあれからこれだけの話を想像してつくりだしたというのがすごい 作家ってすごい

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    2015年07月28日
  • つばさよつばさ

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    さすがお祭りおじさんだなというかんじ。
    JALの機内誌に連載されていた旅にまつわるエッセイ集。
    書き写したいくらいのグッとくる表現がたくさんあって、幸せな時間でした。

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    2015年07月06日
  • 王妃の館 下

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    ネタバレ

    予想以上に引き込まれます。
    予定調和のラストなんだけど、それこそがこの作品の完成形。安心出来て、心が温かくなるお話でした。

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    2015年06月23日
  • 歩兵の本領

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    自衛隊。
    閉鎖された組織だからこその絆が素敵です。
    限定された環境だからこそ受け継がれていく伝統や思いやりに感動します。
    男臭くて素敵な小説です。

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    2015年06月20日
  • 王妃の館 下

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    まだ終わりでもないのにこの展開は!
    て、自分が話に慣れてなくてヨミが浅いからか???(^^;
    コメディ調だと思ってたら。

    歴史って出来事の集合と思うと単なる膨大な情報でしかない。
    けど、連続した時間、どう流れたかがわかるとすごくよくわかるし深いし興味もわく。
    普通に考えて、時間ははしょれないから、時間が過ぎたということはその中に意義の重さの差こそあれ何かが満タンに詰まっている。
    この話の信憑性というか史実はどうなのか、調べちゃったし(笑)

    終盤だから当然っちゃ当然だけど、こんなに詰め込んじゃっていいのかよ!(笑)
    ちょっとだけ欲を言うなら、深い話にできそうなのもあるから、もう1巻あってもよ

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    2015年06月04日
  • 見知らぬ妻へ

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    浅田次郎の、傑作短編集。
    著者の短編は常々至宝だと思っているが、人情味を残しつつ、ハードボイルド色の強い話を集めた本作は、登場人物がクールで、結末もドライ。
    非常に話に引き込まれ易く、結末までで色んな感情を強く揺さぶられ、興奮させてくれる。
    特に好きなのは「スターダスト・レビュー」で、個人的には、過去に読んだ単品の短編作品で最高傑作だと思っている。
    何度読んでも、唸ってしまう。
    5

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    2015年05月24日
  • 王妃の館 上

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    テンポいい!
    さすが浅田なのかも(^^)

    今時当たり前なのかもだけど、登場人物が巻頭で確認できるのはいい。
    一気に読めず、間空きながらだとどうしても忘れちゃうので(^^;

    フィクションだから当然偶然は作れる。
    できすぎの偶然は賛否あるかもだけど、これの偶然はわくわくする。
    なんていうか、先が読めても、その課程がどうなるか気になる感じ(^^)

    エピソードって実話なんだろうか。。。
    実話だとしたら深い!
    フィクションだとしたら、ここまでリアルにかけるのが上手い!(笑)
    これがほんとなのかって新たな命題を出して、関連する他の本へいざなうみたいの、なかなかすごいかも。
    ま、他でもありそうだけど(

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    2015年05月20日
  • 王妃の館 上

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    ドタバタなストーリーですが、キャラが皆それぞれ面白くてあっという間に読める。
    下巻も一気に読むつもりです。期待。

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    2015年05月20日
  • 王妃の館 上

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    クレヨンさんとまこちゃんのやり取りが面白い!!ネガツアーの戸川さん、あっさりダブルブッキングを告白してしまうところなど、コメディー要素の強い小説です。

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    2015年05月16日
  • あやし うらめし あな かなし

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    面白かったー。私にとっては初浅田次郎でした。
    描写がうまいです。描写や表現の魅力でもどんどん読み進められます。短編集の構成が見事です。最初から順々に読んでいくと、しみじみ感とかぞわぞわ感とか、一篇ごとにだんだん、そしてどんどん増していきます。
    日本の怪談はこのしみじみ感がとても大切だと思います。それが存分に生きてます。
    浅田次郎、次は何を読もうかと、大変に興味を持ちました。
    面白い!

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    2015年05月09日
  • 勇気凛凛ルリの色 福音について

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    ちょっと甘いが⭐️五つ。

    一時、浅田中毒でほぼ全作品を読んでいた。「蒼穹の昴」くらいまでかな。久しぶりに浅田さんを読んだが、やっぱり面白い。何となく波長が合う。あまりの、多作についていけず離れていたが、また、少しずつ読み進めよう。

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    2015年05月01日
  • 終わらざる夏 下

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    日本人として当然知っておくべき重要な史実を、恥ずかしながら今まで知らなかった。意図的に誰かが隠蔽しているのか、或いは私が単にバカだったからなのか?願わくば後者であって欲しい。

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    2015年04月26日
  • 歩兵の本領

    購入済み

    一度で終わらない

    何回も読みました。
    読むたびに、登場人物の心を深くまで知る事ができる気がします。

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    2019年06月14日