浅田次郎のレビュー一覧

  • 椿山課長の七日間

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    ふと気づくと、あなたは見知らぬ場所を歩いている。なぜ、ここにいるのだろう、まったく思い出せない。そのまま歩き続けると、おびただしい数の老人であふれかえるビルにたどり着く。そこで、あなたはあなたの人生が終わったことを知らされ、遣り残したことを清算するため、7日間の現世滞在が許される(現世滞在中は生きていたときとはまったく違った姿となる)。あなたは、この7日間をどのように過ごしますか? 本書は、主人公である椿山課長の、この7日間(実際には3日間)の物語である。 46歳の椿山は、呆けた父親、34歳の妻、7歳の息子を残し、突然、過労死した。その後、前述のビルで知り合ったヤクザ(拳銃で撃たれた)と、子供(交通事故死)とともに、7日間の現世滞在が許される。一家の大黒柱を失って路頭に迷うだろう家族や、遣り残した仕事の整理をつけるため、また、昔の女友達との関係を確かめるため、彼はこの7日を使う。これにより、「実は呆けてなかった父親」、「自分の部下と不倫していた妻」、「息子の父親は、妻の不倫相手」、「女友達は、椿山を今でも愛している」、「高卒ノンキャリがゆえ仕事に不満を持つ椿山は、実は会社ではだれからも愛される存在」などの自分を取り巻く事実が明らかになってゆく。知るべきでないことまで知ってしまった椿山。一方、残してきた子分たちの行く先と自分が殺された理由を追い求めるヤクザ。自分の出生の秘密を知り、最後に実の親へのお別れを言いたい子供。それぞれの人生がオーバーラップする。彼らの心中を思い、私の耳の奥で桑田圭介の「切ない胸に風が吹いていた」がこだました。涙なしでは読み進められない。出張帰りの新幹線の隣の席が珍しく空いていたことがありがたかった。 この複雑な人間模様は、椿山の父親により一本の糸に紡ぎ上げられ、なんとも爽快なエンディングを迎える。その時、ちょうど東京駅に着いた私の頭の中には、「千の風になって」が鳴り響いていた。

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    2018年10月23日
  • シェエラザード(下)

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    ネタバレ

    シンガポールに寄航する弥勒丸には二千人の帰国者を乗せると言う。安導券を持つ弥勒丸は安全な航海が保障されている。シンガポールで積み込まれる積荷は軍機だという。それに二千人にも上る帰国者。軍はシンガポールが攻撃されると宣伝してるが、軍事的に見て、それはありえない。これらのことは何を意味するのか。小笠原機関に出向している土屋には分からなかった。

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    2018年10月19日
  • 黒書院の六兵衛 (下)

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    虎の間に座り続ける六兵衛は松の廊下の帝鑑之間に移り、誰が来ても何も言わず、立ち退こうとはしなかった。八番組組頭は当然、勝海舟、西郷隆盛が説いても返事をしない。端然と正座をしているだけである。この結末はどうなるのかとページが進んだ。浅田次郎はストーリーテラーだなあ。

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    2018年10月20日
  • 降霊会の夜

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    元会社の保養所であった別荘に一人暮らす主人公は道に迷ったような女性を一晩泊めてやった。その彼女がミセス・ジョーンズの降霊会に招いてくれた。その降霊会で主人公は自分の過去を見た。

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    2018年10月20日
  • 天切り松 闇がたり 第一巻 闇の花道

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    天切りシリーズ、浅田次郎最高傑作、「槍の小輔」が特におすすめ、幕末明治大正と浅田次郎の人情もの、とにかく読むべき

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    2018年10月08日
  • 見知らぬ妻へ

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    戦後昭和、高度経済成長を遂げた日本は、人々の希望を叶えたのだろうか……といったことを考えてしまう切ない短編集。

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    2018年10月07日
  • 椿山課長の七日間

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    内容は所々曖昧。小学生の時にこれを読んで、どんな経緯か覚えてないけど校長先生に勧めた。朝登校する時に「あの本すごい面白いね」って言ってもらえたのがとっても嬉しかったのはよく覚えてる。

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    2018年09月04日
  • 終わらざる夏 下

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     上・中・下巻を通して悲しい小説でした。戦争、そして国家に翻弄され続けた人々の姿は、戦争によって真に失われるものは何なのか、ということを示しているように思います。

     下巻に入り、日本はポツダム宣言を受け入れ、戦争は終わります。しかし、それにも関わらず占守島にソ連軍は攻めてきます。それは、戦後の領土確保というソ連国家の思惑のためでした。

     しかし、占守島は戦時中、戦力を移動させる手段がなかったため、戦車などの機械も、そして実力のある兵士たちも十分すぎるほど残っていました。一方のソ連は戦闘があったという記録さえ残しておけばいいため、送られた兵士たちはわずか。戦機も不十分でした。

     国自体はすでに勝利しているにも関わらず、死地へ送られるソ連兵たち。そして、その攻撃に応戦せざるを得ない日本軍。戦争が終わってすらもその余波は、人々の想いも涙も、戦勝国も敗戦国も関係なしに飲み込んでいきます。

     作中に「戦争をしたものはみんな敗者」という言葉があります。物語が終息に向かうにつれ、その言葉が実感を伴って心に打ち込まれます。しかし戦争の奇妙なところは、その敗者の責を負うのは、戦争を起こした国家や、権力者たちではなく、市井の人たちなのです。戦争の不条理の真実は、そこにあるのではないかと思いました。

     妻、子供、親……、この小説に登場する人たちの誰かを想う気持ちは、とても美しいです。そうした大事な人を想う心の強さは、普通の世界では賞賛されるはずのものです。

     しかし、戦争という異常自体の前には、そんな美しい想いも無力なのです。この想いを持ち続けている人が、生きることができる世界を造ることが、自分たちの使命なのだろう、と感じました。

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    2018年07月18日
  • 蒼穹の昴 全4冊合本版

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    中国が好きになる

    まず中国の壮大さを感じます。これまでの歴史認識も変わるほど圧倒されました。細やかな感情表現でありながら生々しくならないので、読了し爽快感があります。

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    2018年06月28日
  • 一刀斎夢録 下

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    浅田次郎の新選組3部作のラスト。最後まで生き残った斎藤一の回顧録形式の小説。新選組での活躍の後、戊辰戦争、西南戦争と語り継いでいく。必ずしも時代順に語る訳ではないので、新選組のあらましをざっと知っておかないとピンと来ない話がある。「燃えよ剣」、「壬生義士伝」などを先に読んでおいたほうがさらに本書を楽しめる。生き残ってしまったことに思い悩む、斎藤一の姿に完全に感情移入できるエンターテイメント。

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    2018年06月08日
  • ハッピー・リタイアメント

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    やっぱり浅田次郎さんのお話は楽しい。
    ユーモアたっぷりにどこか世の中を天下りを皮肉る手法たまらない。
    真面目に生きてきた登場人物たちの疎さがたまらなく、敵方の堕落さとの対比がしびれる展開。

    ヒナさんの行き方も素敵。
    ラストまで胸のすく物語。やっぱりこの作家さんは最高!

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    2018年05月22日
  • 神坐す山の物語

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    久しぶりに読んでてワクワクする本に出会いました。
    山での不思議な出来事を、浅田少年と共に体感しました。昔から脈々と伝わっている山での信仰は、私たちが忘れてしまった感性を呼び起こすと共に、どこか懐かしい気持ちにもなりました。
    驚くべきは全て本当に伝わってきたお話だといこと。
    そして神官たちの墓地が山の奥にあること。
    父の故郷大物忌神社の方々の墓地が思い出されました。

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    2018年03月05日
  • 地下鉄(メトロ)に乗って(特別版)

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    映画も観ましたが、小説の方がずっとおもしろいです。
    タイムスリップを利用して、理解したくもない父親の良く見えない、見せていない一面を迫力満点で見せつけてくれます。
    親の心子知らず、子の心親知らずで、最後はほろりとします。

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    2018年02月26日
  • 日輪の遺産

    購入済み

    日輪の遺産

    感動しました。戦争の終わりに、これと似たようなことがきっとあったのではないかと思っています。平和を守ることが、今を生きる私達の使命と改めて思いました。

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    2022年05月19日
  • オー・マイ・ガアッ!

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    短編以外の浅田さんの本、しかもコメディを初めて読んだ気がする!そこはかとなく三谷幸喜っぽさがある…
    がんがん風呂敷を広げてどうなるんだ!?!収拾つくのか!?って思ったけど最後はきれいにまとまっててすごかった…気付いたらラスベガスにいる感覚になってました。たくさんの登場人物の行動が絶妙に絡まって、展開が進んでいくのが圧巻だった…

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    2017年11月09日
  • 天切り松 闇がたり 第五巻 ライムライト

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    ネタバレ

    最高。
    泣き、笑い、考える。読書の醍醐味が全て詰まっている。本当に幸せだ。
    一つ辛いのは、読んでいて、自分が恥ずかしくなることか。
    ふいに、昨日のあの行動は無粋だったな…おとといの行動は不義理だったな…と。

    ライムライト最後の一節
    「でもーーおとっちゃんが映すチャップリンさんのほうが、ずっとすてきで、ずっとおかしいよ」
    とたんに寅兄ぃは、ネオンの、瞬く六区の夜空を見上げて「あー」とどうしようもない声を上げた。

    本当に最高だ。

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    2017年10月03日
  • シェエラザード(上)

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    終戦間際、軍の徴用船として捕虜の食糧を運んでいた弥勒丸が、台湾海峡で誤爆により沈められた。
    弥勒丸のサルベージを巡り、3人の男女が、謎の中国人に難題を投げかけられる。

    感想は下巻で。

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    2017年09月27日
  • 天切り松 闇がたり 第五巻 ライムライト

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    久しぶりに読んだ「天切り松闇がたり」シリーズ
    浅田さんの人情たっぷりなこの世界、やっぱりいいなぁとしみじみ

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    2017年08月15日
  • 壬生義士伝 1

    購入済み

    めちゃくちゃ良い

    引き込まれる。画力も構成も文句なし。さすがレジェンドと呼ばれる漫画家の作品だと思った。

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    2017年06月18日
  • 中原の虹(1)

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    浅田さんの中国シリーズ第三弾。張作霖や張学良が登場した時代の物語です。
    浅田さんの小説は、歴史に忠実で綿密なんだなと、改めてこの中原の虹を読んで思いました。

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    2017年05月07日