浅田次郎のレビュー一覧

  • 完本 神坐す山の物語

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    ★4.2
    怖いのに、美しい。
    恐ろしいのに、どこか懐かしい。


    代々神官の家系に生きる者として、血肉を通して描き出した連作短編集。
    筆者の母系実家は東京都奥多摩の御岳山(みたけさん)の宮司を務めており、怪談や不思議譚が語り継がれてきた。

    一つひとつの怪異は派手に恐怖を煽るものではない。
    むしろ厳か。やけに静か。

    「怖いから忘れたい」ではなく、
    「怖いからこそ忘れずに守ってきた」。
    日本の山岳信仰や自然への畏怖が、そのまま人の物語と重なっている。

    継承される語り、思い出として語られる神域の怪異。
    それらが少しずつ地層のように積み重なっていく様は、まるで現代版『遠野物語』のようだ。

    完本

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    2025年06月27日
  • 鉄道員(ぽっぽや)

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    短編なのに映画 それだけ奥深い 初めて作品に触れた。映画にもなってるし、期待して読み始めたらまさかの短編。えっと思ったけど、じわじわくる切なくも優しい気持ち。時間をおいて他の短編も読んだが、どれも良かった。

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    2025年12月02日
  • 椿山課長の七日間

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    たまに浅田ビタミンを摂らないといけないと思って読みましたが浅田ワールドはやっぱりいい。
    プリズンホテルじゃないけど、ヤクザを描かせたらピカイチですよねー。
    義理人情の世界に浸りながら笑って泣くエクスペリエンスは浅田先生が群を抜いていると思います。

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    2025年06月13日
  • プリズンホテル 3 冬

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    今回も、登山家、自○しにきた学生、安楽死させた医師などなど様々な宿泊客がホテルとの関わりを経て織り成すストーリーが
    魅力的です。

    そしてお清と孝ちゃん。おめでとう!でいいのかな?
    支配人の倅、繁の成長も垣間見えて面白かったです。

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    2025年12月07日
  • アジフライの正しい食べ方

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    久しぶりの、本当に久しぶりの浅田次郎のエッセイ。どうやら元になっている連載は何冊か出ているらしいが。
    名人の話芸を目で聞いている感じとでも言ったらよいのか。選び抜かれた言葉、とてつもない饒舌さ、展開の面白さやくだらなさや真っ当さを堪能した。
    抱腹絶倒というのではないけれど、読んでいてニヤニヤすることしきり。本当に愛すべきジジイ(ご自身が自称しているので敢えて。褒め言葉です)!

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    2025年06月08日
  • 終わらざる夏 上

    ネタバレ

    あの暗い時代のやるせなさ…

    子供の頃に学校で聞かされた「自虐史観」による戦争。
    大人になり、ある程度色んな角度から物事を見る事ができるようになりました。
    「自衛のための聖戦」の側面と「侵略戦争」その両方の側面もあるので、私ごときが語る事はできません。
    しかし、一つ言えるのは鬼熊軍曹の言葉の通り「死ねば泣く親もあれば女房もある兵隊」の存在が全てです。
    読んでいて率直に鬼熊軍曹の人柄を愛してしまいました。
    続編で片岡譲君がどの様な大人となったのか?また他の登場人物がどの様な人生を送ったのかを読みたいと言うのは贅沢でしょうか?

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    2025年06月08日
  • 歩兵の本領

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    ネタバレ

    最初は正直、なんだこの組織は、体罰かよ、と思ったのだが、読めば読むほど、人間の温かみがあった。最初ひどいなと思ったやつも、それだけではなかったし、短編ごとに主役が変わるから、見える面が違う。正直、読み始めは面白いとは思わなかったけど、読み終わったらもう少し彼らの人生が気になると思えた。とてもよい1冊だと思う。

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    2025年06月07日
  • 蒼穹の昴(1)

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    audible 。「兵諌」について、ヒボさんが「やらかしたー」ことを追体験しようかと思ったが、まあとりあえず「蒼穹の昴1」だけでも読んでおこう。浅田次郎は好きだけど、あまり長いのは苦手なんだ。
    とても不純な動機でした。

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    2025年06月03日
  • プリズンホテル 2 秋

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    母に出て行かれたとはいえ、孝之介はどうしてこんな歪んだ性格になってしまったんだ…
    母代わりの富江、実母の女将、愛人の清美、その子供の美加。彼を囲む女性たちの愛というか、関わり方が印象的にの2巻でした。

    そしてホテルに泊まりに来た者たちの抱える闇に一筋の光を与えてくれるようなおもてなし、出会いにほっこりしました。

    先生と医者と警察は3大無礼講に笑いました。
    3巻も楽しみです。

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    2025年12月07日
  • アジフライの正しい食べ方

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    小学生、中学生のころに浅田次郎さんの
    小説を数冊読んだことがあって、でも
    大人になってなんだか敬遠しているところがあった。
    だから、とっても久しぶり。なおかつ、エッセイは
    初めて。

    コロナ禍にJALの機内誌に掲載されたエッセイ
    だそうで、旅がテーマの話なのだが
    なんせ、不要不急の外出を避ける時期。
    旅行なんて行けるはずもなく、でもさすが
    浅田先生!かつての旅行の話や旅行から
    そっちに広がるのかー!っていうお話まで
    楽しませていただいた。

    敬遠していて損をした。
    これからはもっと積極的に読んでみよう。

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    2025年05月30日
  • 流人道中記(下)

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    ネタバレ

    ついに読み終えた

    だんだんと流人のことが好きになり、どうか、と思うようになるが、しかし、それは叶わず、、

    生き方を考えさせられる本に久しぶりに出会った

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    2025年05月28日
  • 赤猫異聞

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    あまり読んだことのないジャンルだったけど、語り口に引き込まれて一気に読んでしまいました。久しぶりに良い本に出会えて嬉しいです。

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    2025年05月25日
  • 帰郷

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    浅田次郎さんの短編6作
    「母の待つ里」で落胆して以来手にしてこなかった浅田作品だけれど本作の中でも特に「帰郷」と「不寝番」を読んで私がかつて愛した浅田ワールドが蘇ったようで痺れた。

    「帰郷」
    戦場から故郷長野に戻った主人公はそこで戦場以上に辛い思いをして何かを求めて東京に出る。
    そこで出会った娼婦のマリアに自分の居場所を求めた彼は、今まさに「一緒に死んで欲しい」という言葉を待っていたマリアに「一緒に生きてくれ」と頼む。

    「不寝番」
    まさに私が抱く浅田ワールド。
    時を隔てた兵士が2人その時の壁を超えて顔を合わせる。
    戦時と平時それぞれの時に立つ2人はそれぞれの日本に思いを馳せる。

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    2025年05月27日
  • 大名倒産 下

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    浅田次郎の長編時代小説の、下巻です。

    多額の借金を抱え、その返済利子だけで歳入を超えてしまっている、丹生山松平家。

    立ち行かなくなった藩を“倒産”させて、苦行から解放されようと企む、前藩主。
    その前藩主が、藩の倒産に至る責任を背負わせるために、藩主に仕立て上げた、庶子で四男の小四郎。

    上巻では、新藩主となった小四郎が、藩の財政事情を知り、なんとか立て直そうと努力する姿が、コミカルに描かれていました。

    四十両というわずかな資金で、江戸から越後への参勤交代の旅を終えた小四郎。
    初めて国入りした、越後での場面から、下巻は始まります。

    米どころで、鮭などの産物にも恵まれている、越後の領地。

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    2025年05月19日
  • 輪違屋糸里(上)

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    女性たちから見た新撰組の芹沢鴨暗殺にまつわるストーリー。江戸時代末期の京で一生懸命に生きる女性たちの心の揺れ動きが描かれている。とにかく悪く書かれることが多い芹沢鴨に対して理解を示す描写が多いのも新鮮であった。
    一般公開期間は限られるが、京都・島原の角屋は内部を見学することができ、新撰組の隊士たちが残した柱の刀傷も見ることができる。この小説を読む前後で見学をすると、この小説で描かれている糸里の世界はどこか遠い場所の話ではなく、時間を隔てただけの「ここ」なのだと実感できる。

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    2025年05月17日
  • 見知らぬ妻へ

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    短編集。
    踊り子、スターダストレビュー、かくれんぼ、、、などの8編から成ります。
    数回読んでますが、読むたびに気づきが変わるような気がします。。なんでだろ。。
    切ない話が多いです。
    小学生3人が、馴染め始めたハーフの子と夏休みにかくれんぼをするのですが、かくれんぼ中にそのハーフの子を虐めて途中で帰ってしまい、その後その子が行方不明になったことをずっと引きずっている話や、下っ端のヤクザがアパートに帰ると死体が置かれててびっくり仰天するのですが、そこへ故郷からお母さんが訪ねてきてしまったり、、など、いろいろな話。
    うるっとしてしまった話は、タイトルにもなっている「見知らぬ妻へ」。
    中国人の出稼ぎに

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    2025年05月16日
  • 大名倒産 上

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    『鉄道員』、『蒼穹の昴』などなど幅広い作品を発表してきた、浅田次郎。
    直木賞の選考委員を長年、担当するなど、日本の文学界を代表する作家さんですね。

    しばらくの間、この作家さんの作品から遠ざかっていましたが、この作品がAudibleにラインアップされていたので、聴くことにしました。

    時代は江戸時代の末期。
    庶子の四男で、幼少期は足軽の家で育てられた小四郎は、21歳で突然、丹生山松平家を引き継ぎ、3万石の”お殿様”となります。

    戸惑いながらも、初めて江戸城に登城した小四郎はなぜか、“下城差し留め”を命じられてしまいます。
    老中に呼び出された小四郎は、松平家から幕府への献上品が、実際には納

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    2025年05月12日
  • アジフライの正しい食べ方

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    浅田次郎さんのエッセイは初めて読んだ。
    面白過ぎ。
    JALグループ機内誌『SKYWARD』に、2020年より2023年に掲載されたものに加筆修正したという。
    もう、喉元を過ぎてしまったかもしれないが、コロナ禍の時代。あの時は海外はおろか、国内旅行でさえ咎められるような雰囲気だった。
    そんなわけで新しい旅に出ることは許されない事態だが、なんと、過去の旅にてのエピソードで三年分を埋めてしまった。
    印象に残ったのは、「落ち着かない部屋」ホラーではないけれど、不思議体験が数々ある。
    ファンタジー要素まるでないけれど、三角の部屋はやはり使いづらい。
    それよりも怖いのは、老舗旅館女将の意趣返し、だった。ホ

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    2025年05月12日
  • 蒼穹の昴(4)

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    最終巻である4巻まで読み終わりました。
    思っていた結末がとは全然違ったけど(歴史をちゃんと知っている人ならある程度は予想できたとおもうが)、本当に面白かった。

    最終巻は、様々なシーンに移り変わっていきながら、それぞれの登場人物の物語の終わりが描かれている。どの人物の物語にも心が動かされるが、とりわけ、私は以下の2つのシーンが好き。

    ①李鴻章が康有為と面会しているシーン。そして李鴻章が康有為に突きつけた言葉。
    「君が科挙の努力をして惜しんだことは紛れもない事実だ。わしは25歳で進士に登第した。君がその齢まで金榜に名を列ねえなかったのは、その間の努力を怠ったからに他ならない。君が旧守のやつらと

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    2025年05月11日
  • 薔薇盗人

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    6作品とも少し前(昭和〜平成初期)の物語で、人々のふれあいや愛情がじんわり染み込んでくる作品や、皮肉とパンチが効いた作品まで、短編集とは思えないほど充実してました
    薔薇盗人と佳人はくすっと笑えたし、あじさい心中とひなまつりはうるっと泣けた!

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    2025年05月08日