浅田次郎のレビュー一覧
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ネタバレ短編集であるのだが、表題作「獅子吼」「流離人」戦時中の話が刺さった。
「獅子吼」
動物園で飼われているライオンの心情が表される。動物の思いが中心となっているので意外な感じであったが、戦争に対する馬鹿馬鹿しさ、怒りが伝わってくる。
怒りの感情を滅す、という掟を死を前にして自らの矜持のため、対する人間のためだろうか破り吼える。
「恨み憎しみのかけらもない相手に、敵という名を付けて殺す戦争ではないか、その最中にある君が何をためらう」
人間を憐れむライオンの言葉が残る。
「流離人」
目的地を目指さず満州国を流浪する、桜井中佐。決して命令違反ではないと屁理屈のように言葉を返す。
この人もまた戦争を軍を -
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義母から借りたシリーズ3作品目。
江戸時代の話だから難しいと思ったら、面白くてさらさらと読めてしまった。
江戸時代の武士にはよく分からないしきたりや決まり事が多かったことが分かりました。武士はお金のことに関わっちゃいけないとか、殿様への挨拶の仕方とか色々決まってて大変そうでした。
それにしても小四郎がちょっと可哀想。どうにか立て直してほしいと応援したくなる。ご隠居にも考えがあるのかもしれないけど、やっぱり小四郎が不憫で肩を持ちたくなる。
そして小池越中守めっちゃ良い人!鮭に目がないのもなんか可愛い。笑
これからも越中守が小四郎のことを助けてくれるといいな。下巻も読んでみよう。 -
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ネタバレ片岡直哉(かたおか なおや)の息子で小学四年生の譲(じょう)は信州に学童疎開していた。
もう一年近くになる。
食べるものが乏しく、子供たちは来た頃よりも皆、一貫目(約3.75kg)ほども痩せた。
24時間、子供達を守らなくてはいけない先生たちの苦労も大変なもの。
自分では否と思うことを子供達に吹き込まなくてはいけない事が一番の苦しみだろうか。
「あなたたちの本分は勉強です」と、言外にさまざまな思いを込めて言い聞かせることしかできない。
ホームシックの限界に来ている子らを見守るのも辛い。
実家に出す手紙も、実家から来る手紙も検閲することになっている。
良心ある教師はそれもつらい。
片岡譲の担任の -
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ネタバレ歴史物は、よく知られた事件に関してはおおむねネタバレである。
現代に生きる我々は、昭和20年の8月15日に、玉音放送で全日本国民に敗戦を知らされるということを知っている。
だから、昭和20年7月などという日付を見れば、ああ、もう少しで終わるのに、と思う。
しかし、当時でももう少しで終わるだろうと予感していた人たちがいたとて、赤紙が来たならば逆らうことはできないのである。
今私たちがこれを読んでどうすることもできない。
しかし、知っておくことくらいは出来る。そして大切だろう。
時に、昭和20年7月。
すでに沖縄は陥落し、軍は本土決戦に向けて最後の「根こそぎ動員」にかかっていた。
プロローグで -
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浅田次郎さんの作品らしい7つの短編集。
ヤクザ、中国人、不器用な男や女が登場し、男と女の関係がまずある。
帯の題にもなっている「月のしずく」が一番だったかな。
美人で次々と男を替えるような女性リエが、金持ちで妻帯者の男性と関係を結び、赤ん坊が出来る。
当然の展開で、結局ケンカ別れになるが、たまたまその場面に出くわしたのが、中年の労務者辰夫。
女性を介抱し小汚ない自分の家に泊めてあげるが、それまで彼女と関係を持った男とは異なり、女性のことを考えて手を出さない。
彼女にとっては新鮮で、心が通うようにもなるが……。
不器用な男の辰夫は、実にいい味を出している。
彼女と関係を結ぶ男性とは真逆だ。