浅田次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いつもの様に電車で通勤中に読んだので時間が掛かってしまったけど面白かった。
確かに電車の中で泣いてしまい、鼻をすする音は大きかったから、他の乗客に迷惑を掛けていたかもしれない。
自分自身が定年を迎えて再雇用ということもあり、何やら背景からして身近に感じたな。
自分同様定年を迎えるということも重なっているからなのか、この年齢になって知り合いの母親が倒れたり、別な知り合いの父親が亡くなったりと続いているからなのか、再読はしたくない。
同じ様な状態で倒れてしまい、意識だけがハッキリしてたら、まだやり残したこともあるから生きたいと思うだろう。
ん、で何から始めるかな。 -
Posted by ブクログ
浅田次郎は人情ものがいい。
「蒼穹の昴」は傑作だし、「壬生義士伝」も何度読んだか。しかしやっぱり浅田次郎は人情ものがいい。
浅田次郎の人情ものは「悲しくて、温かい」。
近年よくある何気ない日常でのほんわかストーリーではなく、ちょっと特殊な舞台設定だ。主人公は大正時代の太夫だったり太平洋戦争のソロモンで戦う将校だったり網膜色素変性症の女性だったり。いずれも辛く悲しい経験をするが、己の幸福のみを追い求めることなく、他人の幸せを願うのだ。何故この人たちはこんなに悲しい体験をしたのに他人に優しくできるのだろう、と思わずにいられない。
だから「悲しくて、温かい」。
本作で私が特に好きなのは「シューシャ -
Posted by ブクログ
「ラブ•レター」で涙が出た。
どれも心揺さぶる小説だった。
心から愛しています世界中の誰よりも。
吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん。
この9回の「吾郎さん」にはどれだけの愛が込められているのだろうか。そしてその手紙を読んで吾郎さんが涙を流したが手紙の差出人はもうこの世にはいない。なんて切ないのだろう。
「うらぼんえ」
うちの男衆の前に這いつくばってね、ちえ子に至らんところがあったらちゃんと言って聞かすで、なんとか離縁はせんでくれろ、邦ちゃんに一生添わせてやってくれろ
幽霊として出てきたおじいさんの愛が心に沁みた。
幽霊としてでも出てきて自分が置いて行っ -
Posted by ブクログ
上巻にも増して、魅力的な登場人物が目白押し。誰しも必ず、好きなキャラクターが見つかると思う。(私は鶴橋と楢山儀右衛門を推します。)
郷里から江戸へ、タイトル通り寄り道なし、一直線の旅路を辿る物語で、結末は一件落着という言葉がしっくりきた。それでも、最後までちっとも単調に思わなかったのは、魅力的な人物が次々と登場し、人間ドラマがぎゅっと詰まっていたからだと思う。
本作は、憎しみや恨み、理不尽に対する無念に堪え、ひたすら真っ当に誠実に生き抜くことの大切さを教えてくれた。
上巻を読み終えて、充分「おもしろかったな」と思っていたが、下巻はさらに飛躍的におもしろくなった。これから読む方々には、期待を