浅田次郎のレビュー一覧

  • 一刀斎夢録 上

    Posted by ブクログ

    新選組三部作の最後を飾る物語。

    前2作は吉村貫一郎、糸里と、新選組に直接関わりを持った人が主役、今作は斎藤一の昔語りを軍人が聞くという進み方。

    前2作とは趣は違えど、読み応えはバッチリ。

    新選組とは、侍とは、剣とは、といった、概念が、時代と共に形を変える様が絶妙に書かれていた。

    新選組では吉村貫一郎と斎藤一が好きなので、そりゃぁたまらないよね。

    0
    2025年01月24日
  • 夕映え天使

    Posted by ブクログ

    浅田次郎さんって、不思議な人だと思う。

    登場人物の誰も彼もがものすごく人間くさい。

    どうしようもない一面
    生々しい欲望
    切なくなるほどの胸の内

    鮮烈で個性の塊みたいなそれらがぐちゃぐちゃに混ざり合っているはずなのに、なぜか立ち上る風景は、全てがセピア色だ。

    それでいて、人間くささはあっても
    計算くささは全くない。


    6つある短編はどれも決して長くはないのに、
    なぜか読み終わった時にどっしりと余韻が残る。

    余韻に絡めとられて、
    すぐに次の話には行き難くなる。

    日を変えて次の話を読めば、
    また知らないうちにその世界に囚われてしまう。

    戸惑いながら読み始めても、
    いつしか目が離せなくなる。

    いろんな人の人生を、少しずつ覗き見た気持ち。

    一体どこまで計算して書いているんだろう。
    浅田次郎さんって、本当に不思議・・・

    0
    2025年01月17日
  • 神坐す山の物語

    Posted by ブクログ

    奥多摩の御嶽山は何度か登ったことがあり、大好きなお山です。
    そのお山が舞台、しかも著者のご実家がそのお山にある神社の神主一族だったなんて全く知らなかったので驚きました。

    本書は、その末裔である少年が実際に体験した不思議な出来事や、伯母から聞いた昔ばなしを綴った短編集です。
    私は御嶽山のコースの中で、苔が美しいロックガーデンが特に好きなんですけど、ああいう自然の中に神が宿る感覚はすごく理解できます。
    なので、狐憑きとか現代の感覚から言うと非現実的であり得ない話ですけど、自然を恐れ敬う気持ちがあればこういうこともありえるかなーなんて思ったりして。

    どれも不可思議で敬虔な気持ちになる物語でしたが、一番印象的だったのは「兵隊宿」。結末を知った時鳥肌が立ちました。

    0
    2025年01月13日
  • 月下の恋人

    Posted by ブクログ

    「忘れじの宿」が1番好みでした
    どの作品も季節の空気感が活かされており、よりリアルな情景が浮かんでくるようでした
    少し懐かしく、ほろ苦く、ときどきヒヤリ

    0
    2025年01月12日
  • 完本 神坐す山の物語

    Posted by ブクログ

    完本、とあるのは様々な文庫や雑誌に掲載したものを集めたからですね。
    不便な山の上にある知る人ぞ知る神社での奇怪な物語。叔母さんが少女の頃に体験したことを小さい子供達に伝える形。しかもそのうちの一人の子はちゃんと見えてしまう霊力がある。圧巻は狐が取り憑いた少女たちの狐落とし。
    大騒ぎになりながら落とすこともあれば、寂しい結末を迎えることもある。
    文章自体が浅田次郎の面目躍如。おどろおどろしい雰囲気を少し古めかしい日本語で記述するので引き込まれる。

    1
    2025年01月12日
  • アジフライの正しい食べ方

    Posted by ブクログ

    本作はJALグループ機内誌「SKYWARD」に「つばさよつばさ」題して2020年から2023年に掲載されたものを加筆、修正し構成されたエッセイです。

    2020年から2023年というと新型コロナの影響で、旅はおろか外出もままならない期間ですが、そこは直木賞作家、自身が作中で繰り返し述べられているとおり、これまでの経験も豊富なので、ネタに尽きることがないまさに旅しているかのような作品もあれば、自身の生活からすくとったお題も多く収められたエッセイです。

    表題作の『アジフライの正しい食べ方』は、揚げ物といってもフライ、唐揚げ、天ぷらと種類も多く、それぞれにかけるものも年齢や揚げ物との出会いも大きく関係してくるというものです。
    ことの発端は佐賀関での関あじフライ定食で、著者は醤油を、同席していた男女の編集者がソースとタルタルという、三者三様であったことです。
    著者が考察してみると、醤油は祖父母の影響が、最近になって口にするエビフライやカキフライにはマクドナルドの「フィレオフィッシュ」にタルタルが使われているのが決定的になったようです。
    作家だからというわけではないですが、こういう日常の些細なことにも目を向けて、題材に文章を書いていく姿勢は、日頃note記事を書く私も見習わねばならない姿勢だと心から納得しました。

    その他、今旬の話題詐欺にも関係した、怪しい害虫駆除業者がやってきた「事件の顛末」やロサンゼルスの砂漠で出会った「ホットドッグ&ハンバーガー」など、時代小説とは違う著者の力量を感じるエッセイが並んでいます。

    新型コロナもおさまった今、著者がどんなエッセイを綴っておられるのか、飛行機に乗らない私には、今後の新刊も楽しみです。

    0
    2025年01月01日
  • アジフライの正しい食べ方

    Posted by ブクログ

    ANAの機内雑誌に連載されているエッセイ集。
    旅に出たくなる。思わずくすりと笑ってしまう話ばかりで、気分が沈んでいる時に読むといいかも。病気なんかも悲観的にならずに楽しくネタにしてしまう作者。こんなふうに前向きに生きていけたらいいなぁ。来年はどこかに飛行機で行こう。できれば海外。

    0
    2024年12月27日
  • アジフライの正しい食べ方

    Posted by ブクログ

    タイトルに惹かれて、とりあえず読んでみたら、すごく面白かった。
    そして、アジフライの食べ方は、関アジのことだったと知り、佐賀関の風景も目に浮かんできた。
    洞察力とユーモアのセンスで、何度となく笑いを誘ってくれた本。
    浅田さんの本をこれから1冊でも多く読みます。

    0
    2024年12月15日
  • 椿山課長の七日間

    Posted by ブクログ

    デパート婦人服売り場課長の椿山は、過労で接待の最中に死亡してしまう。
    家族やデパートの売上が心配で、死ぬに死にきれない。おまけに、天国に向かうための講習会で「邪婬の罪」に問われているのは、何かの間違いとしか思えない。
    たまらずに、中陰の役所(この世と冥界の間にある役所)で、現世に戻ってやり残したことを済ませるための申告をするー

    荒唐無稽でコメディ要素満載なお話しながら、人の優しさ、強さも描いています。
    ヒットマンのエピソードを、もうちょっと丁寧に書いて欲しかったかな。

    0
    2024年12月15日
  • 中原の虹(4)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    なかなか理解できなかった張作霖をなんとなく理解できた気がする。
    再会ラッシュは胸が熱くなったが、思ったような感動的な展開にはならなかった。しかし立場や情勢を踏まえると、そういうものなのだろうと納得でき、特に違和感はなかった。
    袁世凱については最後までわからなかった。暗躍するプージュンも正直入れ込み難い。

    0
    2024年12月11日
  • 完本 神坐す山の物語

    Posted by ブクログ

    10年ほど前に出版されたものを私は読んだのだが、今回は新たな書き下ろしの短編を加えて完本として出版された。

    東京都の奥多摩の霊山・御嶽山の上にある神官屋敷は、浅田氏の母親の実家なのだそうだ。
    浅田氏が少年だった頃、従兄弟やはとこ達と夏休みのほとんどをこちらの屋敷で過ごしたとのことだ。
    就寝前、布団に横になった子供の枕元で、美しい伯母から怪談めいた夜語りを聞かされるのが常だった。
    怖い話なのだが、少年少女達は不思議な世界へ引き込まれていた。
    これらの話は、太古から神主に語り継がれたもので、浅田氏はこれに脚色を加えて短編集としたとある。

    浅田氏のおじさん、おばさんから聞いた話の時代は、明治の頃から戦前の話のようだが、現在の御嶽山の環境とは大違いのような気がする。
    神官屋敷の周辺には宿坊としての屋敷が30軒程あったようだが、麓からは険しい山道となっていて、この地域は隔絶されたような集落だった印象を受けた。
    この物語の怖いところは、神の所業にあるといっても良い。
    神社とお寺の怖さを比較すると、圧倒的に神社の方が怖さは勝ると浅田氏は語っている。
    お寺やお墓の怖さには、人間そのものに関わった恐怖だが、神社には八百万の神(やおよろずのかみ)がぞんざいし、その数と種類の多さから様々な異界が生じているためだという。
    そういえば他宗教には崇める「実像」が存在するが、日本の神には具体的な「像」というものが存在せず、自然を含めた万物が神というところにあるからだろうか⋯。
    山、川、海、岩、大樹、小動物など、あらゆるものが神となる信仰は珍しいものだろう。
    この一冊、「日本の言葉」と「日本の自然美」を愛でる浅田氏にとっては真骨頂の内容が盛り込まれているような気がした。

    1
    2024年12月03日
  • 竜宮城と七夕さま

    Posted by ブクログ

    小説だと思って手を伸ばしたら、エッセイでした。笑

    久々に浅田さんの本を読んだら、文章がなんとなく小難しい感じがして。
    歴史の話が出るとさらに小難しい感じがしてしまい、途中までは「今の自分には合わなかったかも」と思いました。

    しかし、短編の中にクスッとしてしまうエピーソードが盛り込まれていたり、昔の記憶に思いを馳せる浅田さんに共感して、一緒になって昔の記憶に想いを馳せたりしていると、そんな思いはどこかへ行ってしまいました。笑

    浅田さんが、昔から読書や活字が好きということが、この本のあちこちから感じ取れて、恐れ多くも同じ読書好きとしてなんだか嬉しくなりました。

    0
    2024年12月02日
  • 蒼穹の昴(4)

    Posted by ブクログ

    オーディブルにて
    連休だったこともあり、1~4巻まで一気に聴き終えた。おなじみの上手いナレーターさんで耳障りもよく、四六時中聴いていた。久々に小説らしい小説に出会った。
    時代は世紀末の動乱の中国。西太后の清の時代で、第4巻になると袁世凱やら、少年の毛沢東やらが出てくる。1巻、2巻、3巻、4巻で、まんま起承転結だった。

    ただ歴史を動かすような主な登場人物が全員架空の人物で、乾隆帝の亡霊が頻繁に現れたり、老婆の歩き巫女からのご託宣があったりして、ファンタジーに寄りすぎてて、全体的に軽くなった気がするなぁ。

    19世紀末中国の、おどろおどろしい雰囲気はいいなあ。

    日中合作でドラマ化されてるのだけど、西太后を田中裕子が演じてる。改めてすごい女優さんだと思った。

    0
    2024年12月02日
  • 完本 神坐す山の物語

    Posted by ブクログ

    著者の母方の実家が奥多摩の神社ということで、幼い頃から目には見えないけどいる何か、存在に触れながら育ってきたことが窺える。フィクションとノンフィクションがが混ざったような山にまつわる短編集。怪異譚のようだけど、全く怖くない、どこか懐かしいような感じ。

    1
    2024年12月02日
  • 竜宮城と七夕さま

    Posted by ブクログ

    談話室で「笑えるエッセイを教えてください!」と投稿したところ、おススメしていただいたものです。(おススメいただいたものは順番に読んでいこうと思っています。)

    浅田次郎さん・・・こんなにも著名な方なのに、ほとんど読んだことないです!今、いそいそとWikipediaを調べましたが、たぶん「椿山課長の七日間」くらいか・・・あと「鉄道員」は映画で見たような・・・と書いたとたん、急に記憶が蘇ってきましたが、なぜか高校時代、我々女子バレー部のうら若き乙女が数人集まって、映画「鉄道員」の鑑賞会をした記憶があります。あれはなんだったんだ・・・。と、おそらく原作を読んでいないのに浅田次郎さんといえば「鉄道員」というイメージです。

    いやいや、また思い出しましたが、昔々、これまた若かりし頃、月に1~2回東京に出張する仕事が2年弱ほど続いていたことがあり、その時の東京出張は同行する課長の強い要望でJALを利用しており、その機内誌で読む浅田次郎さんの連載を楽しみにしていました。月に2回目の出張となると、機内誌が最新刊に変わっていないわけで、ちょっと残念な気持ちになっていたものです。

    かなりいらない情報ばかり書いてしまいました(反省)。

    で、本書がそれだったわけですね。JAL機内誌に連載していた「つばさよつばさ」をまとめたものの第4弾とのこと。

    ガハハというより、くすっと笑える軽快なエッセイでした。自分でデブだハゲだギャンブラーだと豪語して、苦しみながらも作家という生業を、それこそ、天職のように楽しんでおられる様子がありありと伝わってきて、「もし生まれ変わったら来世は編集者でもいいかもしれない」(←え、そっち?)と思ってしまいました。だって、取材と称した海外旅行に編集者も同行している様子がとても楽しそうなんです。浅田氏のような気の良さそうなおっちゃん作家さんと取材旅行なんて、絶対楽しいでしょ、という楽観的な憶測ですが。

    さて、一通り読み終えてみると、表題になっている「竜宮城と七夕さま」より強く印象に残ったのは、浅田氏の昔の思い出でした。蒸し暑い晩に家の前に縁台を出して涼んだ、どこの家にもテレビなんかないから、みんなで花火やら将棋を楽しんで、路地は賑わっていたという、見たことのない昔の習慣に、もちろん現代にはまったく合わない風習であるとは思いつつもなんとなくあこがれる気持ちがありました。子どもは近所の大人たちに囲まれもまれ、成長していっていたのだな~としみじみ羨ましい気持ちが湧いてきました。

    「学生街の喫茶店」では、当時中学生の浅田氏が神田で古本屋を見てまわり、今はスタバなどにとってかわられてしまった古き良き喫茶店をはしごしては、コーヒー一杯で買ってきた本を読みふけるなんて、「うぉ~」と声が出そうなほど羨ましい。そんな時間が必要ですよね、人生って。一時期、湯島に住んでいたことがありましたが、私、実は本をよく読むようになったのは結婚後、特に出産後で、思うに、読書をすることで自分だけの時間を確保しようとしていたのかもしれないのですが、だから何が言いたいかというと、せっかく神田が近かったのに、古本屋巡りなんてしなかったなぁ、惜しいことをしたなぁという気持ちでございます。
    いやぁ、しかし、破天荒なお父様、すごいですね(語彙力よ)。稼業を一新したかと思ったらソフト(家族)も一新しただとか、k自分が建てたビルの屋上のプレハブに旧ソフトからは浅田氏ひとりのみを住まわせただとか、なんじゃそりゃ。面白すぎます(だから、語彙力よ)。

    面白かったです。浅田次郎さんが書く文章、好きでした。おすすめしてくださった方ありがとうございました!

    0
    2024年11月26日
  • アジフライの正しい食べ方

    Posted by ブクログ

    歳を重ねてからもう一度読みたい本。
    今読んでも面白いけど、浅田先生と年齢が近くなるほど共感度が変わってきそう。

    0
    2024年11月25日
  • 一刀斎夢録 下

    Posted by ブクログ

    感想
    戊辰戦争がどのようにして進んだのか、明治の幕開けと慌ただしさ、

    西南戦争は西郷と大久保の企みで、新しく生まれた農民陸軍の実戦訓練と不平士族の捌け口として計画されたと言われれば、何やら納得感がある。

    最後はいいとこで切るねぇ。


    あらすじ
    やがて話は、江戸無血開城から、近藤の捕縛、会津での戦争、新選組隊員のその後について、明治に移り、警官として勤める斎藤、西南の役。

    一刀斎は、西南の役で出くわした市村鉄之介を斬った話をする。勝つると負くる者の正体を知るものこそ奥伝を極めると梶原に伝える。

    0
    2024年11月19日
  • 一刀斎夢録 上

    Posted by ブクログ

    感想
    一刀斎って最初は伊藤一刀斎のことかと思ってたけど、大正?じゃ時代が合わないと思ったら斎藤一ね。

    興に乗ったのか、斎藤結構喋るねぇ。


    あらすじ
    時代が明治から大正に変わる頃、陸軍の梶原中尉は剣道でどうしても勝てなかった警視庁の榊警部から、昔斎藤一こと、一刀斎に手解きを受けたことを話される。

    梶原は一刀斎を尋ねて、坂本龍馬暗殺の真実、新選組結成当初の裏切り者の粛清の話、市村鉄之介の話と鳥羽伏見の戦いを経て堕ちゆく新選組と甲州決戦の前夜について聞く。

    0
    2024年11月18日
  • アジフライの正しい食べ方

    Posted by ブクログ

    コロナ禍に書いたエッセイ。旅の事や日常、食事などの面白可笑しエピソードが満載でした。コロナが落ち着いてきた今、きっと自由に大好きな旅に出られているのだろうと思います。エッセイを読む限り庶民的な感じに思われますが、昔サイン会に伺った時はオーラが凄くて圧倒されましたが、優しく会話をして下さり紳士的な方だったと記憶しております。

    0
    2024年11月15日
  • プリズンホテル 1 夏

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    話の設定と展開が、大袈裟なんだけど面白い。
    ドラマありコメディあり、忙しないが読んでいて楽しい。
    読後感がさわやか。

    0
    2024年11月11日