浅田次郎のレビュー一覧

  • 憑神

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    浅田次郎作品、お父さんが大好きなんだけど理由がわかる。時代ものなんだけど小難しくなくて、ドラマチックで、男のロマン的なものがくすぐられるんだろうなと思う。出てくるキャラクターも魅力的だし、感動するところもクスッと笑っちゃうところもあって、充実した読書体験だったなと思える要素が盛りだくさん。

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    2023年09月19日
  • 獅子吼

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    ネタバレ

    短編集であるのだが、表題作「獅子吼」「流離人」戦時中の話が刺さった。
    「獅子吼」
    動物園で飼われているライオンの心情が表される。動物の思いが中心となっているので意外な感じであったが、戦争に対する馬鹿馬鹿しさ、怒りが伝わってくる。
    怒りの感情を滅す、という掟を死を前にして自らの矜持のため、対する人間のためだろうか破り吼える。
    「恨み憎しみのかけらもない相手に、敵という名を付けて殺す戦争ではないか、その最中にある君が何をためらう」
    人間を憐れむライオンの言葉が残る。

    「流離人」
    目的地を目指さず満州国を流浪する、桜井中佐。決して命令違反ではないと屁理屈のように言葉を返す。
    この人もまた戦争を軍を

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    2023年09月07日
  • 珍妃の井戸

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    何気なく蒼穹の昴を読み始めて、いやーハマりました、蒼穹シリーズ‼︎
    で、第二弾です。蒼穹の昴の最後の方がちょっと呆気なく終わってしまった感があったので、後日談的なこちら第二弾で埋め合わせできました。中国史の残酷さと神秘性にどっぷりです。

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    2023年09月05日
  • 姫椿

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    ネタバレ

    短編集の読みにくさというものが全くない。どの話も最初の数行から1ページ読む頃には、主人公がどんな人物であるか、これがどういった場面なのか、すぐ把握できるようになっていて、読むほうにもストレスがない。設定もさまざまなのに分かりやすく、構えずに読んでいける短編集だった。
    色んな人生があるなぁと思わされる深みもある。
    最後の話でなんだか心が暖かくなった。夫が亡き妻を思う愛、娘が父を思う愛、こんな愛は素敵だなぁと素直に思った。父と娘、二人とも無理をしないでこれから幸せに暮らしていけるのだろうと思うと私まで朗らかな気持ちになった。

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    2023年09月01日
  • 新装版 お腹召しませ

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    肩の力を抜いて読める時代小説
    好みはあるかと思うけど
    その時代に生きた人間がリアルに描かれてたと思う
    私は面白く読めました

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    2023年08月29日
  • 霞町物語

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    1960-70年代の東京にタイムスリップした感覚が得られる。
    オーティス・レディングやブルース・スプリングスティーンの嗄れた歌声を聴きながら読みたい本

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    2023年08月22日
  • 輪違屋糸里(上)

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    京都島原の芸妓糸里を取りまく新撰組を題材にした小説家。新撰組は色々な切り口があって面白い。特にこの話は芹沢鴨の事がよく書かれていて、そんな解釈もあるのかぁ、なんて思いながら読み進めた。

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    2023年08月20日
  • 憑神

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     時代にあわせた独特の会話に始めは戸惑ったものの、段々と慣れ、物語に引き込まれていった。

     主人公:彦四郎は、運に見放された男であった。神頼みをきっかけに貧乏神・疫病神・死神に取りつかれてしまう。

     「神頼みがさらなる不運を招く」驚く程波乱な展開。貧乏神・疫病神・死神の独特なキャラクター。面白くてあっという間に読破できた。

     災難に遭い続けながら、「何が一番大切なのか」を問いかけながら身の振り方を決めていく彦四郎。その真っすぐな姿勢が好きになった。

     死神に時間が欲しいと頼み込む場面が、一番心に残った。「人間は限りある命ゆえに輝かしい。自分にも輝きが欲しい。命に限りのない神に自分の思い

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    2023年08月17日
  • 大名倒産 下

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    上下巻まとめて投稿
    根っからの悪人とか嫌なやつが出てこなくて、心地よく読めた。Audibleで聴いたので、よくできた落語を聞いたような感じで、ちょこちょこ笑えるところもあってよかった。個人的には越中守がお気に入りだった。

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    2023年08月13日
  • 中原の虹(1)

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    前作のシリーズがとても壮大で面白かったので、前作が今シリーズにどうゆうふうに関係してくるのか、すごくワクワクする。
    史実の人もどう絡んでいくのか楽しみ。

    ただ、占い師の話は聞きたくなかったな、と思うとこもあるけれど、、大きな歴史の流れの中で、それぞれの人生がどうなっていくか見届けたい。

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    2023年08月10日
  • 流人道中記(下)

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    浅田ドラマにどんどん引き込まれて、
    旅が終わって欲しくない気持ちが
    どんどん強くなっていった。
     
    礼とは、法とは、考えさせられた。

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    2023年08月10日
  • 薔薇盗人

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    浅田次郎の短篇集。まあこれくらいの短篇集はお手のものとしたもので、全体的な密度は薄め。冒頭の「あじさい心中」は傑作だが、このレベルに到達している作品はほかになく、「ひなまつり」はできそこなった「鉄道員」だし、「死に賃」「佳人」はショートショートレベルのちょっと捻ったラストだけの短編。「薔薇盗人」も表題作にするほどの出来とは思えないなぁ。

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    2023年08月08日
  • プリズンホテル 1 夏

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    読みやすかった。1日で読めました。任侠ものと思いきや、人情モノでおもしろかった。4巻まであるので続編も読んでみよう。

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    2023年08月05日
  • 中原の虹(1)

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    張作霖の名前は歴史の授業で聞いた覚えはあるが、詳しいことは覚えておらず…。どういう展開になるのか楽しみ。

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    2023年08月03日
  • 大名倒産 上

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    義母から借りたシリーズ3作品目。
    江戸時代の話だから難しいと思ったら、面白くてさらさらと読めてしまった。

    江戸時代の武士にはよく分からないしきたりや決まり事が多かったことが分かりました。武士はお金のことに関わっちゃいけないとか、殿様への挨拶の仕方とか色々決まってて大変そうでした。

    それにしても小四郎がちょっと可哀想。どうにか立て直してほしいと応援したくなる。ご隠居にも考えがあるのかもしれないけど、やっぱり小四郎が不憫で肩を持ちたくなる。

    そして小池越中守めっちゃ良い人!鮭に目がないのもなんか可愛い。笑
    これからも越中守が小四郎のことを助けてくれるといいな。下巻も読んでみよう。

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    2023年07月30日
  • 月島慕情

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    さすがの浅田短編集
    あとがきに作品が生まれたきっかけエピソードがあって
    興味深く拝読
    日常にある足元の小さな石を懐に入れて温めると
    このような世界が出来上がるのかと
    感心

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    2023年07月29日
  • 一路 (上)

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    参勤交代の顛末記が続いて、これ以上読み進むのは無理かなと思ったが、意外な展開になって面白くなった。下巻が楽しみです。

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    2023年07月29日
  • 活動寫眞の女<新装版>

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    ロマンスとホラーが巧みに織り込まれたこの作品は浅田次郎の小説の中でも好きなタイプ。京都が舞台であるから尚更、濃い空気感が伝わります。

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    2023年07月29日
  • 終わらざる夏 中

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    ネタバレ

    片岡直哉(かたおか なおや)の息子で小学四年生の譲(じょう)は信州に学童疎開していた。
    もう一年近くになる。
    食べるものが乏しく、子供たちは来た頃よりも皆、一貫目(約3.75kg)ほども痩せた。
    24時間、子供達を守らなくてはいけない先生たちの苦労も大変なもの。
    自分では否と思うことを子供達に吹き込まなくてはいけない事が一番の苦しみだろうか。
    「あなたたちの本分は勉強です」と、言外にさまざまな思いを込めて言い聞かせることしかできない。
    ホームシックの限界に来ている子らを見守るのも辛い。
    実家に出す手紙も、実家から来る手紙も検閲することになっている。
    良心ある教師はそれもつらい。
    片岡譲の担任の

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    2023年07月28日
  • 終わらざる夏 上

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    ネタバレ

    歴史物は、よく知られた事件に関してはおおむねネタバレである。
    現代に生きる我々は、昭和20年の8月15日に、玉音放送で全日本国民に敗戦を知らされるということを知っている。
    だから、昭和20年7月などという日付を見れば、ああ、もう少しで終わるのに、と思う。
    しかし、当時でももう少しで終わるだろうと予感していた人たちがいたとて、赤紙が来たならば逆らうことはできないのである。
    今私たちがこれを読んでどうすることもできない。
    しかし、知っておくことくらいは出来る。そして大切だろう。

    時に、昭和20年7月。
    すでに沖縄は陥落し、軍は本土決戦に向けて最後の「根こそぎ動員」にかかっていた。

    プロローグで

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    2023年07月21日