浅田次郎のレビュー一覧
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もくじ
一、和泉守殿下城差留之事情
二、十二年前過日之追憶
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とあり、主な登場人物に貧乏神を認める。
きっちり硬い文章で事態の重大さを伝える文章なのだが、笑わせにかかる。浅田先生の得意技を楽しみながら読む進める。
足軽の倅として育った小四郎、前代当主の落とし胤として、越後の松平家の当主となる。実は先代の計画倒産の犠牲となる企み。
主人公の生真面目さ、格式張っているけれど助言してくる老中、手助けとなる水売り、頭の悪い兄の婚姻、兄の縁から肩入れしてくれる旗本の大番頭。
色々あってのお国入り。ちゃんと解決するのかなと思いながら、下巻に向かう。 -
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ネタバレ近頃は全く聴くことがなくなった、漢とはとか、任侠道、なにわ節全開。
押し付けることはダメだけども、こういう形で自分を陶冶するという気風も、ひとつの文化なのかもなと思った。
清水の小正が出てくることで、次郎長を調べるきっかけを得て、次郎長と山岡鉄舟の関係にまでたどり着く。やはりそちらも知りたいと思う。
長え人生、しっかり男を磨け
達引 何につけても昔の人間にァ、銭で売り買いのできねえ意地てえもんがあった
勝ち負けも損得もないのだ。信じた道をまっすぐにつっ走るのが心意気なのだ。
親に対する恨み憎しみは、おのれの血を蔑むことだ。おのれを蔑めば、人間はただのひとりも生きてはいけない
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壮大だった…!物語が大きく動き、先が気になりすぎて、一気に読んでしまいました。あんな結末になるとは全く想像してなかったから、読んだ後驚きすぎて余韻がすごかった。
西太后は、世間からはとんでもない悪女として知られているけれど、物語の中では誰よりも国民のためを思う、聡明で慈しみのある人物として描かれていました。ただただ天才としか思えなかった。
反対に袁世凱は、いい人と思わせといてやっぱり自分のことしか考えられない最低なやつでした。好きになれなかった。今後は改心してくれ。
日本に亡命したあの2人も出てきて、嬉しくなりました。またいつか活躍して欲しいなー。春児と春雲はもう大活躍だし、大物だし。いつ -
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ネタバレ変わりゆく時代の中で、反動と言われようが偏屈者と呼ばれらようが、かつて、軍人であった矜りを捨ててはならなかった。銃も剣も国に返したが、返納してならぬ歩兵の本領を、おいても尽きぬ背骨に、私はしっかりと刻みつけていた
しかしながら、変わり、ゆく時代に逆行するように、変わらぬ何かがあるはずだ。本作は、歩兵の本領ならぬ、まさしく作家の本領を見せつけた作品と言えるだろう
よくも悪しくも古き良き時代の自衛隊は終焉を告げた。いよいよ次の時代に突入したわけだが、この作品に描かれていた頃の自衛隊が、実は1番良い時だったなと言うようなことにならないようにしたいものだ -
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第二次世界大戦終戦前後の短編4話と、もう少し経ってからのお話し2話。
終戦まで生き延びたのに、事情があって故郷に帰れない復員兵、戦争で家族や家をなくし苦労を強いられた人々のお話。
お陰様でぼんやり生きてるけど、二度と戦争をしてはいけないと思い続けなければいけないな。
浅田次郎さんの本は歴史小説でも、戦争が題材の小説でも読みやすい。日本語が美しいからかな。なのにエッセイは爆笑出来るし。大好きな作家さん。最近の本も読んでみよう。
ちなみにこの本は《大佛次郎賞受賞作》
生前の父に大佛次郎さんの本を買って来るよう言われて、「だいぶつじろう?」って読みを聞いたら呆れられたのを思い出しま -
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SFチックなテイストを感じる小作品を収録した短編集。
定年を迎える1日の話かと思って読み進めた「特別な一日」がそうではない「特別な一日」の話だったことに気づいて「…してやられた。」な。
タイトル作の「夕映え天使」からして、SFとはいえないが、不思議な読後感に包まれる。
時効迄の一週間の邂逅を描いた「琥珀」もいい。三陸の寂れた漁村と偶然そこに降り立った定年間近の老刑事、曰くのありそうな過去を抱える2人のその後が気になる。
「切符」、「丘の上の白い家」も捨てがたい。作者の実体験をベースに書かれたと思われる「樹海の人」も余韻を残す。
おれの認識している浅田次郎スタイルとは異るアナザーサイドオブ浅田次 -
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読み終わって気づく。
あぁファンタジーなのねコレ。
序盤主人公っぽく登場し大名を継がされた小四郎さんは主役ではなく 25万両という桁外れの借金を中心に描かれる群像劇 (神様成分多し)
特にギャグメイカーの鮭狂いの旗本さんが大好き。
筋肉はすべてを解決するよね。
「それにしても何故此奴はこんなに鮭臭いのだ。」
の下りはひっくり返って笑った。
藩の年収1万両 借金の年利は3万両 って破綻してるよね。って思ったけどあとがきの対談で額についてはワザとめちゃな金額に設定したって趣旨の発言があってなるほどと納得。
廃藩置県ですべてチャラ にするのか?と思ってたら見事解決してめでたしめでたし。
ラ