浅田次郎のレビュー一覧

  • 大名倒産 上

    Posted by ブクログ

    もくじ
    一、和泉守殿下城差留之事情
    二、十二年前過日之追憶

    とあり、主な登場人物に貧乏神を認める。

    きっちり硬い文章で事態の重大さを伝える文章なのだが、笑わせにかかる。浅田先生の得意技を楽しみながら読む進める。

    足軽の倅として育った小四郎、前代当主の落とし胤として、越後の松平家の当主となる。実は先代の計画倒産の犠牲となる企み。
    主人公の生真面目さ、格式張っているけれど助言してくる老中、手助けとなる水売り、頭の悪い兄の婚姻、兄の縁から肩入れしてくれる旗本の大番頭。

    色々あってのお国入り。ちゃんと解決するのかなと思いながら、下巻に向かう。

    0
    2023年05月23日
  • 大名倒産 下

    Posted by ブクログ

    藩祖から代々積み重ねた借金を、思いもよらぬ経緯から家督相続した当代藩主が返済するために尽力する。前半、度重なる不幸が襲うも本巻からは幸運が舞い込んでくる。が、それでも返済には遠く及ばない。
    登場人物には悪人も多くいるが、その人たちだって見方を変えれば善人である。浅田次郎の人を見る視点や切り取り方は本当に秀逸だと感じる。
    浅田次郎らしい時代小説。

    0
    2023年05月21日
  • 天切り松 闇がたり 第二巻 残侠

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    近頃は全く聴くことがなくなった、漢とはとか、任侠道、なにわ節全開。
    押し付けることはダメだけども、こういう形で自分を陶冶するという気風も、ひとつの文化なのかもなと思った。

    清水の小正が出てくることで、次郎長を調べるきっかけを得て、次郎長と山岡鉄舟の関係にまでたどり着く。やはりそちらも知りたいと思う。

    長え人生、しっかり男を磨け

    達引 何につけても昔の人間にァ、銭で売り買いのできねえ意地てえもんがあった

    勝ち負けも損得もないのだ。信じた道をまっすぐにつっ走るのが心意気なのだ。

    親に対する恨み憎しみは、おのれの血を蔑むことだ。おのれを蔑めば、人間はただのひとりも生きてはいけない




    0
    2023年05月21日
  • 中原の虹(2)

    Posted by ブクログ

    壮大だった…!物語が大きく動き、先が気になりすぎて、一気に読んでしまいました。あんな結末になるとは全く想像してなかったから、読んだ後驚きすぎて余韻がすごかった。

    西太后は、世間からはとんでもない悪女として知られているけれど、物語の中では誰よりも国民のためを思う、聡明で慈しみのある人物として描かれていました。ただただ天才としか思えなかった。
    反対に袁世凱は、いい人と思わせといてやっぱり自分のことしか考えられない最低なやつでした。好きになれなかった。今後は改心してくれ。

    日本に亡命したあの2人も出てきて、嬉しくなりました。またいつか活躍して欲しいなー。春児と春雲はもう大活躍だし、大物だし。いつ

    0
    2023年05月20日
  • 憑神

    Posted by ブクログ

    幕末の御徒士を描いた作品。時代劇への興味皆無でも面白く読めた。
    意地と痩せ我慢が美しい。
    やっぱり、漢はこうじゃなくっちゃね。

    0
    2023年05月19日
  • 珍妃の井戸

    Posted by ブクログ

    読み終わりました。
    読み終わった後、ぼーっとしています。
    珍妃、幸せだったのかしら?
    光緒帝は?
    そして西太后!
    みんな、滅びゆく清をなんとかしようとして、大国と戦った。
    寂しいですね。

    0
    2023年05月18日
  • 歩兵の本領

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    変わりゆく時代の中で、反動と言われようが偏屈者と呼ばれらようが、かつて、軍人であった矜りを捨ててはならなかった。銃も剣も国に返したが、返納してならぬ歩兵の本領を、おいても尽きぬ背骨に、私はしっかりと刻みつけていた

    しかしながら、変わり、ゆく時代に逆行するように、変わらぬ何かがあるはずだ。本作は、歩兵の本領ならぬ、まさしく作家の本領を見せつけた作品と言えるだろう
    よくも悪しくも古き良き時代の自衛隊は終焉を告げた。いよいよ次の時代に突入したわけだが、この作品に描かれていた頃の自衛隊が、実は1番良い時だったなと言うようなことにならないようにしたいものだ

    0
    2023年05月18日
  • 帰郷

    Posted by ブクログ

     第二次世界大戦終戦前後の短編4話と、もう少し経ってからのお話し2話。

     終戦まで生き延びたのに、事情があって故郷に帰れない復員兵、戦争で家族や家をなくし苦労を強いられた人々のお話。

     お陰様でぼんやり生きてるけど、二度と戦争をしてはいけないと思い続けなければいけないな。

     浅田次郎さんの本は歴史小説でも、戦争が題材の小説でも読みやすい。日本語が美しいからかな。なのにエッセイは爆笑出来るし。大好きな作家さん。最近の本も読んでみよう。

     ちなみにこの本は《大佛次郎賞受賞作》
    生前の父に大佛次郎さんの本を買って来るよう言われて、「だいぶつじろう?」って読みを聞いたら呆れられたのを思い出しま

    0
    2023年05月17日
  • 中原の虹(1)

    Posted by ブクログ

    蒼穹の昴でやっと登場人物覚えて、愛着すら湧いてきたのに、新シリーズで新しいキャラクターが続々登場…
    馬賊達の名前が一向に覚えられなかった。これからシリーズ読み進めていくうちに、覚えていくのかな。笑

    皇帝と袁世凱の会話は痺れた!何でもお見通しな皇帝と西太后。そして皇帝が狂ってないとすると、前作の珍妃の井戸の話がまた違って見えてくる。やっぱりこのシリーズ面白い!

    そして最後の愛の話は悲しかった。浅田次郎さんは、深い愛の話が素晴らしくって毎回泣ける。今回も泣けたー。これから歴史がどう動いていくのかも楽しみに読み進めていきます。

    0
    2023年05月14日
  • 大名倒産 上

    Posted by ブクログ

    浅田次郎の時代小説。さすがの浅田節は笑いと感動が絶妙なバランス。
    舞台は江戸の末期。
    長年の借金が返せなくなる中、手元に現金を残したまま家を倒産させる、いわゆる計画倒産を画策する先代。一方で、妾の子として生まれ、思わぬ家督を継ぎ、自家を建て直そうとする当代。
    二つの勢力の思惑が交錯し、笑いあり感動ありのドラマを生み出す。

    0
    2023年05月06日
  • 憑神

    Posted by ブクログ

    同じ作者でこうも筆遣いが違うものか・・・。 朝田さんには「壬生義士伝」で散々泣かされたけど、今度は愉快な人情話だと途中まで笑みをこぼしながら読み進んでた。 でもやっぱり最後は泣かされちゃった。 彦四郎、天晴れである

    0
    2023年04月29日
  • 夕映え天使

    Posted by ブクログ

    SFチックなテイストを感じる小作品を収録した短編集。
    定年を迎える1日の話かと思って読み進めた「特別な一日」がそうではない「特別な一日」の話だったことに気づいて「…してやられた。」な。
    タイトル作の「夕映え天使」からして、SFとはいえないが、不思議な読後感に包まれる。
    時効迄の一週間の邂逅を描いた「琥珀」もいい。三陸の寂れた漁村と偶然そこに降り立った定年間近の老刑事、曰くのありそうな過去を抱える2人のその後が気になる。
    「切符」、「丘の上の白い家」も捨てがたい。作者の実体験をベースに書かれたと思われる「樹海の人」も余韻を残す。
    おれの認識している浅田次郎スタイルとは異るアナザーサイドオブ浅田次

    0
    2023年04月30日
  • 流人道中記(下)

    Posted by ブクログ

    「武士が命を懸くるは、戦場ばかりぞ」。流人・青山玄蟇と押送人・石川乙次郎は欧州街道の終点、三厩を目指し歩みを進める。道中、様々な人々と出会い、ある思いが二人を包み込む。玄蟇の抱えた罪の真実。武士の鑑である男がなぜ、恥を晒してまで生きねばならなかったのか、その理由が此処に・・・。

    0
    2023年04月26日
  • 大名倒産 下

    Posted by ブクログ

    ちょっと変わった時代物と思いきや七福神や貧乏神やら死神やら はちゃめちゃ感があってとても面白く読めました。

    0
    2023年04月26日
  • 流人道中記(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    時代ものなので、読む前は勧善懲悪、痛快時代小説の類いかと思った。

    しかし、なんとか知恵を働かせて、無実の子を救うのかという勝手な想像が見事に裏切られた時点で、そんな安易な内容でないことを思い知った。 

    時代小説の様相で、ヒトの懊悩を描いてくれていた。

    0
    2023年04月25日
  • 蒼穹の昴(1)

    Posted by ブクログ

    浅田次郎による、中国清の時代の宦官を描いた小説。

    宦官の実態と近代中国について知ることができて面白かった。

    0
    2023年04月23日
  • 大名倒産 下

    Posted by ブクログ

    読み終わって気づく。 
    あぁファンタジーなのねコレ。

    序盤主人公っぽく登場し大名を継がされた小四郎さんは主役ではなく 25万両という桁外れの借金を中心に描かれる群像劇 (神様成分多し)
    特にギャグメイカーの鮭狂いの旗本さんが大好き。
    筋肉はすべてを解決するよね。
    「それにしても何故此奴はこんなに鮭臭いのだ。」
    の下りはひっくり返って笑った。

    藩の年収1万両 借金の年利は3万両 って破綻してるよね。って思ったけどあとがきの対談で額についてはワザとめちゃな金額に設定したって趣旨の発言があってなるほどと納得。

    廃藩置県ですべてチャラ にするのか?と思ってたら見事解決してめでたしめでたし。

    0
    2023年04月22日
  • 流人道中記(上)

    Posted by ブクログ

    この男、本当に罪人なのか?姦通の罪を犯した旗本・青山玄蟇に奉行所は切腹を言い渡す。だがこの男の答えは一つ。「痛えからいやだ」。蝦夷松前藩への流罪となり押送人の見習与力・石川乙次郎とともに北へ。

    0
    2023年04月20日
  • 天国までの百マイル 新装版

    Posted by ブクログ

    事業に失敗し愛する妻子とも別れたダメ中年の城所安男。重い心臓病を患う老母を乗せて天才心臓外科医がいるという病院までポンコツ車でひた走る。すべての人が辿りついた先には-。

    0
    2023年04月20日
  • 夕映え天使

    Posted by ブクログ

    父と息子2人だけの小さな中華料理店。味気ない日々を過ごす俺たちの前に現れた天使のような女・純子。あいつは儚い思い出を俺たちに残し、突然消えてしまった。

    0
    2024年06月03日