浅田次郎のレビュー一覧
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最終巻である4巻まで読み終わりました。
思っていた結末がとは全然違ったけど(歴史をちゃんと知っている人ならある程度は予想できたとおもうが)、本当に面白かった。
最終巻は、様々なシーンに移り変わっていきながら、それぞれの登場人物の物語の終わりが描かれている。どの人物の物語にも心が動かされるが、とりわけ、私は以下の2つのシーンが好き。
①李鴻章が康有為と面会しているシーン。そして李鴻章が康有為に突きつけた言葉。
「君が科挙の努力をして惜しんだことは紛れもない事実だ。わしは25歳で進士に登第した。君がその齢まで金榜に名を列ねえなかったのは、その間の努力を怠ったからに他ならない。君が旧守のやつらと蔑む士大夫は、みな君よりも努力を惜しまなかった者たちであることを忘れるな」
②この小説では北京在住の各国新聞記者の特派員がしばしば出てきて、ストーリーに彩りを添えている。そして、この各国特派員たちが最後にめちゃくちゃ良い仕事をした。
-変法派の重要人物である梁文秀の亡命を手助けするのだ。
「変法派の1人を脱出させるということは、とても意味のあることだと思うんだ。変法運動はどうしようもない結果に終わったが、それは近代の自由主義に我々が逆行する最悪の選択に違いない。我々が国外に逃れさそようとする1人はこの国の良心なんだ。一介の特派員がこうして歴史に参加することが余計なお節介だとはどうしても思えない。もし、いつの日か香港に逃れた康有為が、日本に逃れた梁文秀が、この国の将来を変えるとしたら、それこそがジャーナリズムの栄光に違いない。」
…こういうジャーナリズムもありかな。
また素敵な小説の世界と出会えて嬉しい。だから、やっぱり読書はやめられない。 -
Posted by ブクログ
オーディブルで聴きました。
長かった。でも面白かった。登場人物がいちいちキャラ立ちしている。新次郎とお初カップルがとてもかわいい。ベイビーも一芸に秀でていて欲しい。
なぜそうしているかもわからず、伝統だからと続けていることって、令和の今もまだまだある。伝統だからやめられないって。昭和か!どころではない。江戸時代か!
登場人物が多すぎて、あれこの人誰だっけ?となることがあって、後で映画見て整理しよう。。と思っていた。小四郎が育ての父に再会するところは、隆之介くんが走る映像を想像してすでに感動していた。
それなのに。。。。
映画を見たら、似ているところが4つか5つくらいあるだけで、感動ポイントは、「全て」取り去ったB級作品になっていた。やはり俳優にお金をかけると、他はどうでもいい、というか、どうにもならないことになってしまうのかもしれない。
大番頭の鮭好きエピソードは物語の要だと思うのだけど。 -
Posted by ブクログ
2巻も面白かったなー。
ストーリーの全貌がちょっとずつ形になってきました。
西太后のことが気になるので、事実を調べたりしている。西太后は中国の三大悪女と言われており、残虐さエピソードには枚挙に暇がない。そして、この小説でも西太后の横暴な振る舞いは止まらないし、むしろそれが話の軸ではある。けれども、小説では横暴にならざるを得ない理由を示唆するセンテンスがちょろちょろ出てくる。そこについて、史実ではどうなんだろうということが気になってしまうのであった。
ところで、主人公の春児が可愛い。始まりは10歳くらいの男の子だったのに、いつの間にか23歳になってしまった。それでも可愛らしくて、応援せずにはいられない。3巻も楽しむ。 -
Posted by ブクログ
映画化もされて気になってた本。
何故だか脳内では阿部サダヲさんのイメージだったけど、お殿様は21歳で???と思ってたら、神木隆之介さんでした。
丹生山松平家には4人の息子達がいて、跡取りの長男、知性が足りないけど庭いじりの天才な次男、賢いけど病弱な三男、町娘との間に生まれたため足軽の子として育った四男。長男が跡を継いでめでたしのはずが、借金の額があまりにも大きかった事に驚いて亡くなる。次男も三男も跡取りには無理があると四男が継ぐ事に。でも凄い借金で、このままだと前代未聞の大名倒産?ってお話しです。
久々の歴史小説&春休みで忙しくてやや苦戦してるけど、話はとっても面白い。さすが浅田次郎さん。《父さんの倒産は通さん》とか言ってるし。
下巻も楽しみ。 -
Posted by ブクログ
面白かった!一気に読んでしまった。
昔の登場人物が、現在ではまさかの人物になってたり、偶然なのか必然なのか分からない出会いがあったり…
難しい歴史物としてかまえてたけど、そんなことはなかった。素敵だけど悲しい恋物語があったり、なぜ船を引き揚げたいのかの理由が明らかになっていったり…先が気になる展開でどんどん読み進められました。
実際にモデルにした船があることも驚きでした。そしてそれに関連した引き揚げの提案や詐欺もあったなんて。そんなところからこんな壮大な物語を考えられるのはほんとすごい。
特に久光さんが良い。最後の別れ方もかっこよかった!キャリアウーマンの先駆者みたいだけど、心温かい部分も併せ持つ素敵な人物でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私がこの著者である浅田次郎さんと出会ったのは、他のエッセイを通してでした。
描写の豊かさ、テンポ感の良さ、物語の壮大さに惹かれてファンとなって、本作へと読み進めました。
主人公ラリーは、アメリカニューヨーク出身で。日本が大好きな婚約者ジェニファーの願いによって日本へ飛び立ちます。
表向きの理由は、日本を知ってもらうことそして北海道で鶴を見てもらうこと、でしたが、もしかしたら裏にはジェニファーの思いに父親と向き合ってほしいと言う願いがあったのでしょう。
ラリーは日本に着いてからすぐに北海道へ向かわず、東京、京都、大阪、別府などをめぐり最後には北海道へ行きます。それぞれの土地で出会う日本人や外国人との触れ合いが、彼の内面に影響与えます。正確には、彼の内面での自己との対話に影響与えました。
アメリカ人としての視点から見た日本の国民性や文化の違いも書かれていて、その比較が興味深かったです。旅の中で、自分の人生やルーツジェニファーへの思いと向き合い続けました。
食べ物や観光地の車がとてもリアルで、まるで自分が旅しているな臨場感もあり、読みながら、文章を目で追うだけで、楽しいと感じるほどの流れる文体に魅了されました。
最後には、ラリーが1つの心をジェニファーに伝えます。そこに至るまでの過程がとても自然が数説得力を持って描かれていました。
自分自身を大切な人とのつき合い方、そして内面への自己の対話が丁寧に、ユーモラスに描かれていて、心に残る1冊でした。