あらすじ
男の堕落とはなにか――笑いと涙の極上エッセイ集
責任感の欠如、性的退行。現代の男は堕落した!?一流の人生指南、旅の極意。幻の短篇も特別収録した極上エッセイ集。
感情タグBEST3
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『つばさよつばさ』に続けて著者のエッセイを読む。タイトルから旅に関するものだけかと思ったが、各紙誌に掲載されたエッセイの集積。興味深いのはアサヒ芸能に掲載された「○○の不在」シリーズだ。男に関する考え方に素直に肯けないが、年齢の8掛け論はなかなか面白い。
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いつも著者の分厚い教養には圧倒される。衒学的にクイズ的な薄っぺらい知識をひけらかす輩と何が決定的に違うのか。差は知識の横の繋がりの数と質なのだろうと思う。繋がりは面となり、奥行きとなって、人を形づくる。教養は静かに考えた量と比例する。
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一つ一つのエッセーが短く読みやすい。
通勤時間などのちょっとした隙間時間を、豊にできた。
中国文学にほとんど無知だったので、新しい知識となることも多くあった。
「かっぱぎ権左」は、本当に後味のいい短編小説だった。映画化されても面白いのに(笑)勝手に頭にイメージが焼き付いてしまった。このエッセイをきっかけに、歴史にも興味を持てそう。
あとは、著者の仕事観にも触れられてる点が心に残っている。やりたいこと(書き物)を仕事にできるまでやり抜こうとすると、それまでの過程は不安にならないのだ。目標が明確であるとは、前を向き続けていけるエッセンスなのかもしれない。
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7章にテーマごと分かれている
浅田次郎さんのエッセイは小説同様、
読みやすく、きれいな文章で
そして、おかしくて笑ってしまったり
どこから読んでも大丈夫な感じ
短い小説が、とてもよかったし
Posted by ブクログ
ラスベガスやパリ、昭和59年など自分の経験してきた場所や時間がシンクロして思わず手に取った一冊。
美しいものを美しいままに表現することが芸術。 それを「言葉」でなそうとするものが文学。
そしてさらに、それを「物語」という形式で表わそうとするものこそ、小説であり、「破滅」と「再生」が浅田次郎の小説のテーマと。
読み進めるほど私の好きが詰まっていて、ちょうど白川静先生の本にも触れている折だったので、なんだか嬉しくなった。
生きとし生ける者の苦悩を救済するものは、神でも王でもなく、ただ美しきものへの感動と憧憬である、と浅田次郎も信じているのだろうと感じられて、もっと浅田次郎の本を読もうと思った。
たとえ借金をしてでも、惚れた女に財布を開けさせるような、みっともないマネはしなかった。と、若者に説教をする浅田節も思わず笑える。
亭主以外の異性と食事に行く時、私は必ず支払いの意思を示す。惚れた腫れたの騒動があっても、なくても女が財布など出すなと叱られる時もあれば、ワリカンの時もある。確かに近年ワリカンの率が増えたのは、自身の女としての相対的価値の変化かと思っていたが時代なのだと思うことにした笑
然しながら、後輩を連れて飲みに出ると大盤振る舞いをしてしまう癖がある。
食べ方が気に入らないと作った料理をごみ箱に捨てる始末。家族は辟易しているだろうが、ちゃぶ台のそれと似た様なもので、男に生まれていた方が、いくらか得だったかもしれない。
ともあれ、小説とはまた違った浅田次郎のナマの言葉がたくさん詰まった一冊で面白い。
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途中まで読み、あきらめ。
浅田さんの本は好きですが
エッセイはなかなかに合わず
作家というのは
思想を売る仕事だなあと
かなり保守的な人かなという印象
でも
こんな大人は周りにいないので
面白かったです。
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中国の清王朝が好きなので清のことが少しでも書かれているならばと読んだ一冊。実際清に関する部分は一部です。蒼穹の昴とプリズンホテルが同時進行で執筆されていたとはびっくり。浅田さんの小説は物語の展開に加えて膨大な情報量と知識の深さが凄いと感じますがエッセイを通じて浅田さんがどのような方でどうしてあのような小説が書けるのか納得できた気がしました。
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テーマが多くなかなかつかみどころがなかったが、言葉の豊富さを強く感じた本だった。日本語の意味がわからないとは。著者とはおそらく意見がだいぶ異なる。そういう考えもあるんだなという視点では勉強になった。十人十色。いろいろな人の意見を聞く、学ぶことは実に面白い。また違った人の本を読んでいきたいと思わせてくれた本だった。内容とは関係ない感想だけど。
Posted by ブクログ
過去にさまざまな紙媒体で発表されたエッセイの、よくいえば選りすぐり。書籍に収録された一編もあれば、大手新聞に地方紙、週刊誌や月刊誌も認知度の高いものから専門誌、機関誌にいたるまで、よくもこれだけ幅広いテーマで書けたものだなぁと感心することしきり。エッセイとエッセイの間に挟まれて、オマケのような小説『かっぱぎ権左』付き。
『小説家の経済学』という1編をとても面白く読みました。小説家には年収百万円以下という人がいかに多いことか。そこから抜け出すのは至難の業。しかし、ひとたび年収百万円から飛び出すや、いきなり数千万円の世界となるのだそうです。
本作は「選りすぐり」ではあるのですが、過去のエッセイを1冊の本に収録して、テーマの近いものを無理やり1章にしました、と言えなくもありません。大人気作家のこと、稼げる1冊になることはまちがいありませんから。だけど、こういった本を出せることからして、年収数千万円の売れっ子になった証。売れない頃に書いたメモについての1編がとてもよかったので、たまにそんな気持ちを思い出して書きつづけてもらえたら嬉しいなぁと思うのでした。