浅田次郎のレビュー一覧
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「沙高楼」というサロン?で角界の名士たちが語る5つの物語。
外では話せない秘密、墓場まで持っていくべき秘密を「沙高楼」という幻想的な世界観の中で語るという設定。
ブラックっぽい話もあれば、お化けの話もあります。
語られる物語は以下の5つ
小鍛冶
糸電話
立花新兵衛只今罷越候
百年の庭
雨の夜の刺客
「小鍛冶」は刀の真贋を見極める鑑定士の話。本物と間違いないと思っていた刀の作者は実は..といった話
「糸電話」は一途に思いを寄せる女の話。語り手は精神科医。その女の行動は精神科医への恋心なのか、それとも復讐なのか..
「立花新兵衛只今罷越候」は幽霊もの。池田屋騒動の映画撮影に紛れ込んでしまった立 -
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ネタバレポツダム宣言受諾を決めた大戦末期の日本。
敗戦後、いずれこの国が再び独立国家として立ちあがるための資産を極秘に隠匿する密命を与えられた若き近衛師団少佐と大蔵官僚、その任務を遂行する人員として選ばれた負傷兵と若き少女たちの物語『日輪の遺産』を読みました。
らじは浅田次郎さんが好きだからけっこういろいろと読んでいるんだけど、この本は内容は違うけれど『地下鉄に乗って』みたいな文体と雰囲気だったよ。
つまり、浅田さんの小説はベタで直球なところと本当に悪い人がいないところが好きなんだけど、まだちょっと思いっきりベタな内容を究極のベタにまでは描けずにいて、余韻が少し薄い感じ。
やっぱり初期の作品なんだ -
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ネタバレH28.3.19-H28.4.29
(あらすじ)
「飲むほどに酔うほどに、かつて奪った命の記憶が甦る」‐‐最強と謳われ恐れられた、新選組三番隊長斉藤一。明治を隔て大正の世まで生き延びた”一刀斎”が近衛師団の若き中尉に夜ごと語る、過ぎにし幕末の動乱、新選組の辿った運命、そして剣の奥義。慟哭の結末に向け香り立つ生死の哲学が深い感動を呼ぶ、新選組三部作解決編。
(感想)
「壬生義氏伝」「輪違屋糸里」につぐ、新選組三部作の最終作品。浅田次郎さんらしく、きちんとした知識に基づく大正時代の描写だと思うのでそのあたりは安心して読めます。
ただ、梶原中尉や、斉藤一の語りでの描き方といった物語の進め方そが個 -
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ネタバレ人々の様々な形の愛を描く短編集。
浅田次郎お得意の感動系を期待していたが、シュールな展開に物もあったりと、少し期待はずれ感はあったが、心が洗われる物語が多かった。
特に好きなのは「死に賃」と「ひなまつり」の2つ。
「死に賃」戦後の動乱の時期を勝ち残った社長が同じ時代を生きた級友から莫大な料金を引き換えに自分が死ぬ間際の苦痛を取り払ってくれるサービスがあると話を聞く。
その級友が亡くなり、自身も急な病に倒れたときそのサービスを使おうとするが。。。。
最後の意外な展開に加え、献身的な愛の形が露になったとき思わず泣けた。
「ひなまつり」東京オリンピックが始まる昭和の時代、シングルマザーの家庭に育 -
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第一部の「私はこうして作家になった」は、二足のわらじを履いてきた著者が、何故そうなったのかやその日々について書いており、興味深く読んだ。
第二部の「私は競馬で飯を食ってきた」は、競馬をするための心構えや著者の馬券の買い方など、競馬好きには大変面白い内容なのではないかと思う。
競馬を知らなくとも楽しめると書かれていたが、若干ではあるが出てきた専門用語の意味が分からず、また専門的な話で競馬を知らない人には、猫に小判といったところかも知れない。
もっとも第二部が本書のメインであるだろうし、タイトルからして、その内容は想像に難くないことを考えると文句は言えない。
というわけで、競馬ファンにはオススメの -
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競馬本で、ギャンブルの側面に焦点を当てた本というと、たまたまはまった成功例、役に立たない胡散臭い予想法、無機質なデータの羅列…といったもので、ギャンブル面での競馬の面白さを伝える上では欠陥品が多い。
しかし、この本は筆者が長きに渡り競馬に真面目に取り組んできたというのがわかる。人間味溢れた、そして一本筋の通った競馬、ギャンブルに関するアドバイスが載っている。競馬との付き合いは長い私であるが、なるほど参考にしてみよう、とはいかないまでも、競馬に取り組む上で頭の片隅に置いておきたい助言がぽつぽつあった。
競馬を知らない人には訳の分からない内容だと思うが、競馬を好きな人は、楽しく読めるし、学ぶと