浅田次郎のレビュー一覧
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地下鉄(メトロ)に乗って(特別版)
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試し読み
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Posted by ブクログ
ある老人が、今際の際にたまたま知り合った男に一冊の手帳を託し命を遂げた。手帳に綴られていたのは、元軍人であった老人が敗戦目前に受けた密命をめぐる手記だった。戦後日本復興の財源として、南洋でかすめ取った財宝を隠す密命を受けた軍人と、何も知らされずにその手伝いをすることになった少女たち。遺された手記をもとに、『日輪の遺産』の在り処を探す男たちが辿り着いた真実とはー
軍の内部機関とか時代背景、経済について、最低限の知識がないと、登場人物たちの関係性を読み取るのに少し苦労してしまう。途中まで読み進めてから、再度読み返す、ということが何度かあった。
浅田次郎さんの書く文章は、どことなく色っぽく美しくて、日常使われる平易な単語ばかりとは言えないのに、難なく染み込んでくるように思うので大好きだ。この小説でももちろん存分に味わわせていただくことができた。
ただ正直なところ、私の浅薄な知識ではやはり各人の立場やお互いの関係性があまり正確に把握できず、それがために信条や感情の重みを感じられなかったように思う。時間をおいてまた読み返したい。 -
Posted by ブクログ
死んでしまった人の霊を呼び出していろいろと生きていた頃のことを語りあうという趣旨の本は、この本の他にもありますが、浅田次郎さんのこの作品は、なんだかとても切ない思いが残りました。
主人公のゆうちゃんは、一夜の宿を貸した女性からご恩返しがしたいから、「会いたい人にあわせてあげます。」と、西の森の奥に住むジョーンズ夫人の元へ案内されます。
ゆうちゃんには、封印している子供の頃の思い出がありました。小学三年生の1学期に転校してきたキヨという男の子。自宅が近いとあって登下校をするようになりますが、その家庭は不思議でいわくありげな家庭でした。。あまりかまうな。という家族の意見もあり、ゆうちゃんは1学期の終わりごろには、キヨから離れるようになっていました。夏休みの初めにキヨは交通事故死します。でもそこには親子の愛憎劇が・・・。
キヨの家庭事情を遠巻きながら察していたゆうちゃんですが、何もできませんでした。ゆうちゃんともういちど話したいとジョーンズ夫人の前で念ずる内に、真っ先に出てきた霊は、ゆうちゃん同様、キヨのことを気にしていた交番のおまわりさんの生霊でした。それによって明らかになったキヨの父親の罪。そして、次に出てきた霊はキヨの父親。自分の罪も敗戦の混乱期がそうさせたとしながらも独白します。肝心のキヨはその次でした。自分の優ちゃんへの気持ち、父母への気持ち、せつない少年の想いが切実と述べられます。最後にはキヨの母。あれから探しているのに、みんなに会えないと嘆く霊は、やっと成仏することができました。
最初の夜にこれだけの心のわだかまりがとけた、ゆうちゃん。次には恋人との苦い思い出を呼び起こします。
人が生きている間には、誤解もあれば、後悔もあります。
それをどう乗り越えていくのでしょう。
どうしても亡き人に謝りたいような出来事があれば、降霊会もいいかなと思います。「会いたい人」にもう一度会って、誤解を解いたりすれば本人も楽になりますから。でも生きているうちにやってあげればよかったなあという、後悔も残るのではないでしょうか。
霊との対話はやっぱり、楽しいものではないと思います。 -
地下鉄(メトロ)に乗って(特別版)
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