浅田次郎のレビュー一覧
-
- カート
-
試し読み
-
Posted by ブクログ
「かくして、世に謙虚な人間がいなくなった。デブはデブである現実を信じようとせず、痩せ女はさらなるダイエットを試み、醜女も醜男も自分は十人並みだと錯誤し、老人は未だ壮年だと、少年はもう大人だと勘違いをする。
この肉体に対する自己評価の誤りは、それを器とする精神にもむろん採用されるわけで、ありもせぬ才能を信ずるバカとか、そのバカを天才と見誤るさらなるバカとか、おのれの主張はすべて正義とするバカとか、あるいは突出せざることが見識であると誤解するバカとか、要するに夥しい絶対的バカを世に輩出せしめたのである。」
>ところどころ分からない部分もありーの、爆笑部分もありーの、私の浅田次郎像が結構一変しま -
Posted by ブクログ
週間現代に連載のエッセーの1年分を1冊にまとめたもので、本書は第三巻目になる。
浅田さんの著作は何作か読みましたが、「平成の泣かせ屋」と言わせる作品の内容と著者の言動とが全くそぐわないように思えてなりません。なので、エッセー集となると、まずは自身で購入しようという気にはなれなかった本ですが、作品よりも人間に興味のありそうな家人が購入したもの。せっかくなので読んで見ました。
エッセーの内容は、チビ・ハゲ・デブのギャンブル狂ぶりを堂々公言して、シャイだのケチだの、面白おかしく、マスコミを通して伝えられる作者像がそのまんま。それでも時たま随分真面目にまともな事を書いてくれてもいるのだから、なんだ -
Posted by ブクログ
「王妃の館」のように、いろんなキャラが登場し、絡み合い、
笑って泣いてフィナーレへ・・・という流れを想像して手にとりました。
でも予想とはちょっと違いました。
ある筋の方々専門のホテル、そこで急に働くことになった高級ホテル出身の支配人にシェフ、豪快な番頭さんに日本語の話せない仲居さん達、そしていろんな事情を抱えてやってきた宿泊客達。
出てくる人達が憎めない、暖かな人たちばかりでくすりと笑わせてくれます。
主人公の小説家を除いては・・・
どうしてもこの主人公の小説家が好きなれませんでした。
母親の愛情に飢えたことから屈折した人格が生まれ周りの人々を傷つけることで何とか生きてきた -
Posted by ブクログ
「壬生義士伝」の姉妹編というべき作品です。
さすがというか、読ませます。読者を如何に引き込むかの全力投球。浅田次郎らしい作品でしょう。
「壬生義士伝」は女性に人気でしたが、これはどうでしょう。女性を主人公に置いた分、むしろ女性には嫌われるかもしれません。
面白いのですが、やはり浅田次郎の歴史長編で気になるのは人物造形の振れです。場面場面で登場人物がまるで違う人物に見える言動をします。どこかに芯が有って「こんな風に見えるのだが、実は・・・」という書き方なら良いのですが。どうもプロット重視で、全体の流れからはみ出してしまってます。
その最たるものが最後の糸里に対する土方の言動です。(以下ネタバレ) -
- カート
-
試し読み
-
- カート
-
試し読み