浅田次郎のレビュー一覧
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ネタバレ【日輪の遺産】 浅田次郎さん
不動産屋の丹羽明人は競馬場で知り合った老人・真柴
から一冊の手帳を託された。
その手帳には終戦後に日本が立ち直るための復興財源
として帝国陸軍が隠した財宝のありかと、その財宝の
隠匿作業に従事させられた女子中学生たちとの記録が
書かれていた。
ボランティア活動家の海老沢も丹羽と同じ手帳を真柴
老人から託されていた。
彼らは各々、独自で手帳の真相を調べ終戦直前に
多摩川・火工廠の裏山で何がなされ、どういう惨劇で
幕を閉じたかという事実を探る。
☆
「七生報國」と書かれた鉢巻を締め、鬼となってま
でも宝を守ろうとした女子中学生たち。
軍の命令に逆らってま -
Posted by ブクログ
浅田次郎の小説はやっぱりしっくりする。
若干回りくどい言い回しや表現は読み心地ごいい。
あえて書かなくていい事は書かずに読者に考えを促す。
でも考えれば正解が分かるように必要な説明はされている。
綺譚シリーズの話の進み方が好き。
登場人物のしゃべり口調で話が進んでいるから、ちゃんと登場人物がしゃべっているのを聞いている感覚になる。
また、話の途中にある中休みもイイ。
読者を飽きさせない工夫でもあり、話を別の角度から見ることで、読者に理解を促す場面となっている。
ただ、残念なことに「星条旗よ永遠に」は微妙だった。
下ネタをこれだけサッパリ書けるのはすごいのかもしれないが、私は好きにはなれない -
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時は幕末。
御徒組の次男坊である彦四郎は、有能ではあるが不運な男であった。
ある晩、朽ち果てたお堂に立身出世を願ったが、なんとやって来たのは貧乏神で――?
数年前に映画化されていた作品。
映画では主役が妻夫木聡、貧乏神が西田敏行でした。それぞれ役柄に似合ったキャストだったので、想像しながら楽しく読めました。
印象としては、ザ・エンターテイメント。いやそれよりも、大衆小説、という感じに近いです。
コメディっぽいところではきっちりコメディっぽく、泣かせるところではきっちり泣かせる。そのベタ感は、楽しめれば面白いと思います。
ただ、主人公が自他共に認める有能人物でありすぎたため、自分としては感情 -
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芹沢暗殺までの顛末を輪違屋の芸妓・糸里、八木家、前川家の妻女、菱屋のお梅など女たちの視点から描いている。だからかもしれないけれども(作為的に?)、おなじみの試衛館の面々もちょっとイメージが違うように思う。
本作でも『壬生義士伝』で用いられた独り語りの技巧が使われているのだが、地の文(オーソドックスな三人称の語り)が突然途切れて、長々と人物の長広舌が始まっていたりして実に収まりが悪い。映画に例えて云うなら、やたら長いフラッシュバックが突然始まって、本筋に戻ったときにはすでに話の流れを忘れている、というような居心地の悪さを覚える。
『壬生義士伝』では「巧い」と思わせた技巧も、まるで自分の作品を -
- カート
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試し読み
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うだつのあがらないサラリーマン、小沼真次の父は立志伝中の人、小沼佐吉。
世間的には成功者だが、家庭内では横暴で家族を家族とも思わない父に嫌気がさし家を飛び出したままだった。
中高一貫校の同窓会へ出席した帰り、元旧友たちの毒気にあてられた真次は不思議な体験をする。
地下鉄のエアポケットのような場所からタイムスリップしたのだ。
それは30年前、兄が自殺をする数時間前。
その出来事を皮切りに、頻繁に時間を飛ぶようになり、飛んでゆく時代もどんどん遡ってゆく。
そして真次はついに若いころの父に出会い・・・。
浅田さん続きです。
「地下鉄」は「メトロ」とルビがふってあります。いい響きですね、メトロ。
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Posted by ブクログ
駅の売店でなんとなく購入。
浅田次郎は読みやすいですね。
一気に読んでしまいました。
中身はなかなか面白いですね
彼らしい物語です
第一巻があるんですね
これも読まないと
<宰相の器>
議員秘書が語る総裁選の裏に隠された秘密
<終身名誉会員>
若くして財閥を継承した御曹司の苦悩、
<草原からの使者>
高名な大馬主が競馬場で出会った謎の老人、
<星条旗よ永遠なれ>
アメリカ人の元大佐が語る“もうひとつの退役”
―各界の名士が集う秘密サロン「沙高樓」で、私はまたしても彼らの数奇な運命に耳を傾けることになった…。
驚愕と戦慄!玲瓏たる筆致で描かれた浅田次郎版百物語。
2009/1/22