献鹿狸太朗のレビュー一覧

  • 頭がわるくて悪くて悪い

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    なんか凄いものを読んでしまった。頭がわるいこと、頭がわるいことを自覚していることとしていないことの差異、頭がわるいことを利用すること、利用されること、など全てが詰まっていた。自分で責任を持って判断をすることって当たり前だけれど、難しい。

    主人公の三浦馬連は、何をやってもうまくいかない人生に嫌気がさしている。「宇宙人を殺すのはなんの犯罪にもあたらねえんだよ」と言われ、言われるがままにその仕事を請け負う。人間社会に溶け込み、悪事を働いている宇宙人を駆除すれば一晩で15万円だ。同じように仕事を受けた山井と宇宙人の隠れ家をタタきに向かうが、実は……。

    作者の献鹿狸太朗(けんしかまみたろう)さんは漫

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    2025年08月19日
  • 地ごく

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    すごいものを読んじゃった。
    見てはいけない人間の深淵を覗くことができる作品。
    誰もが心の奥底に秘めている禁忌を豊富な語彙力でガッツリ表現されています。
    覚えたての難しい単語を並べただけの【最近流行りの雰囲気だけ文学っぽいホラー】な作品とは一線を画しています。

    一体どんな人が書いたんだろうと興味を抱き検索したら若いギャル(しかも高学歴!)の顔写真付きインタビューが出てきて更にびっくり笑
    こんな可愛らしいお姉さんがこんな悪意に満ちた作品を生み出したの!?
    人間という底知れない生き物の多面性がますます恐ろしくなりました笑
    そして献鹿狸太朗作品をもっと読みたくなりました。

    インタビューをそのまま信

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    2025年07月30日
  • 頭がわるくて悪くて悪い

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    ネタバレ

    意外に青春モノ感あって爽やか。
    帯の文が横じゃなくて縦?に書いてあるのとか、表紙にバーコードあったり読む前から楽しい。

    馬連と山井が宇宙人退治する話。
    バディ物で戦闘にどうやって勝つかの論理もひと工夫あったり、意外性もあって楽しい。

    馬連が馬鹿すぎて、ボスの想像を超えた領域にいたから真相もちゃんと分かってたなんて、逆に馬鹿じゃないのかも。
    彼の家はあんのことみたいな感じで、親が親として機能してない家庭。山井になんか言われてもそれなに?って聞き返すやり取りが好きやった。サンタクロースも知らないって馬連ちゃんあんた……

    両角ってボスが使う催眠を説明する下りなんか奈須きのこっぽくて楽しい。

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    2025年07月17日
  • これが最後の仕事になる

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    最初の一文目が同じアンソロシリーズ。お気に入りは、桃野雑派「「アイドル卒業」一穂ミチ「魔法少女ミラクルミルキー」岸田奈美「声」、そしてさすがすぎる米澤穂信「時効」。求めてる面白さ!の人もいればこんなのも書くの、な人もいるのが良き。

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    2025年04月29日
  • みんなを嫌いマン

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    孤独とか充実感とか承認欲求とか泣きたくなることとか虚しさとか、○○すれば楽になれるのに…とか、何者かに成りたいという願い。
    なかなか言葉にし難い感情、内面の心の動きを表現した作品。

    本を読み慣れている人向きかも。

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    2025年01月11日
  • 地ごく

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    (2024/12/30 1h)

    墨汁みたいな2篇でした。
    ストーリーは重たいけど、登場人物を扱き下ろすような地の文が軽妙なタッチで、独特の世界観を生んでいる。

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    2024年12月31日
  • 地ごく

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    久野はクズだけど自分のこと客観的に見ているだけ私よりマシ。あの人には勝てない、コイツよりマシ、とかいつまで続くのか。共感できる自分が怖い。共感できない人に私はなりたい。

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    2024年12月07日
  • みんなを嫌いマン

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    ネタバレ

    1行目からお下品をぶっかましてくるのがいいです。
    この文章を延々と読めるだけで嬉しい!!

    スーパー能力で敵と戦うも一般人たちの送る感謝では全く釣り合いがとれなくなってきて、苦悩していく様が可哀想すぎる。
    しまいには死者が出て、責任だけを求められ続ける。
    一般人たちをこき下ろすワードが山のように出てニヤニヤ出来ること間違いなし。
    戦闘シーンは意外にグロくて、耐性ないと気持ちが悪いかもしれない。
    地ごくと赤泥棒は超えてないけど面白い!

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    2024年10月20日
  • 地ごく

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    すっかり献鹿狸太朗さんの大ファンです。ずっと自分の事書かれてるようでたまらない。献鹿狸太朗さんの書かれる文章大好きです。

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    2024年09月08日
  • これが最後の仕事になる

    匿名

    購入済み

    一穂ミチ先生のファンで

    一穂ミチ先生のファンで購入しました。買ってよかったです。初めて読む作家さんもあり、色々な作品が読めてよかったです。個人的には後半の作品が好きでした。

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    2024年08月30日
  • 地ごく

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    ネタバレ

    装丁の大勝利。

    見下すことで正気を保ってた明らかに「下」の相手が自分に近くて壊れていく遺書のくだりがすごい。久野を地獄に落としたのが土井の年齢でも絶望の対象でもなく、漢字も書けない自分だったのがいい。タイトルの『地ごく』の理由が回収されて、書けなくて塗りつぶされた地■の気味悪さが際立った。死んでしまった自尊心の最後の砦にキラキラした蠅を集らせたデザイナーがあまりに天才。

    露悪的なところはあるけれど、くどくもなく読みやすくて文章もよかった。天獄は地ごくほどのインパクトなし。デビュー作も読んでみたいと思った。

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    2024年08月10日
  • 地ごく

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    素晴らしいパワーワードだけで構成される小説集。
    収録されている2作とも、自閉している世界から自らの不幸を嘆きつつ外の世界も呪うも、その不幸は体感している世界が狭いからだったと少し会得する迄が描かれている印象。
    たくさんの巧みな比喩に万力で心が徐々に締められる感じで、ダメ人間を自称する人には是非とも読んでいただきたいなと強く思いました。

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    2024年07月14日
  • 地ごく

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    滅茶苦茶良かった
    どちらの地獄も最高に刺さった
    どちらも普通では物語にならないような、それでも不幸という不幸を背負った人たちを、ここまで丁寧に文で表現できるのかと驚く
    他の作品も楽しみ

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    2024年06月08日
  • 地ごく

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    下劣な視点とキレッキレの語彙のアンバランスさが素晴らしい。
    黄金で作られた素晴らしい造形のうんこ みたいな本です。褒めてます。

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    2024年03月01日
  • 地ごく

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    今年初めての大当たり小説を読めたー!
    楽しい!
    近所の小学生達からボコボコにされる老人を眺めて喜ぶ男。
    一人息子が平凡より劣っていると感じ自分を憐れむ母親。

    2人とも終盤でずっと悩んでいたもの原因に気づき、気付いたらもう引き返せず、何もかもに絶望したように話が終わる。

    タイトルを見た時になんで「ごく」がひらがな?と思ったけど、事実が笑えるくらい悲しい…笑っちゃいけないのに笑っちゃう。

    今年はこれを超える小説と出会えるのかな、幸先良すぎた。

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    2024年02月08日
  • 赤泥棒

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    あまりにも倒錯した自意識の暴走に吐き気を催すような中篇小説3本 地の文の書き方が特徴的で多少の読みづらさはあったものの、どれも強烈でとても面白かったです 登場人物たちが基本的にみな突き抜けていていいですね 暴力的な描写もあり人は選びそうですが、奇妙なポップさと爽快さが癖になります

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    2023年08月12日
  • 赤泥棒

    購入済み

    ひ弱な悪党、という自分を映す鏡

    赤泥棒がどんな悪人かと思ったら
    生殖行為への畏敬を持った人だと感じた。
    おそれるくせに、悪に
    敢然と立ち向かうところなど持たぬ。
    哀れ。そして身につまされる。
    このストーリーには
    人に言えない孤独な悪が複数、
    並置される。
    神と肩を並べるほどに
    図々しいくせに、
    何てひ弱なんだ。
    でも、他人ごとではない。
    ここには孤独の中で
    どのように自分を完成させるかの
    失敗例があり、
    自分を映す鏡の側面もあり
    また、どことなく惹かれる
    何かがある。

    待てよ。
    このようにしかいられない、
    そういうことがやはりあるのか?
    完成し損ねたのでなく
    これ以外ではいられない?
    人のことはわからない
    でいいのか?

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    2023年07月31日
  • 新しい法律ができた

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    隙間時間に読みやすい短編だけど、しっかり読み応えのある話ばかり
    突拍子もない法律と思いきや、腑に落ちるものがよかった。

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    2025年11月21日
  • みんなを嫌いマン

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    みんな嫌いだ。

    あんまりにも嫌いすぎて、終盤あたり読んでるときに、家だったのにパニック発作に襲われた。

    みんな嫌い。

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    2025年11月13日
  • 地ごく

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    卑下や蔑みの言葉ってこんなにも存在するのか…
    知らない病名もたくさんのってました。
    かっこいい病名をデッキのように揃えて戦うご時世怖い。

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    2025年11月06日