献鹿狸太朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なんか凄いものを読んでしまった。頭がわるいこと、頭がわるいことを自覚していることとしていないことの差異、頭がわるいことを利用すること、利用されること、など全てが詰まっていた。自分で責任を持って判断をすることって当たり前だけれど、難しい。
主人公の三浦馬連は、何をやってもうまくいかない人生に嫌気がさしている。「宇宙人を殺すのはなんの犯罪にもあたらねえんだよ」と言われ、言われるがままにその仕事を請け負う。人間社会に溶け込み、悪事を働いている宇宙人を駆除すれば一晩で15万円だ。同じように仕事を受けた山井と宇宙人の隠れ家をタタきに向かうが、実は……。
作者の献鹿狸太朗(けんしかまみたろう)さんは漫 -
Posted by ブクログ
すごいものを読んじゃった。
見てはいけない人間の深淵を覗くことができる作品。
誰もが心の奥底に秘めている禁忌を豊富な語彙力でガッツリ表現されています。
覚えたての難しい単語を並べただけの【最近流行りの雰囲気だけ文学っぽいホラー】な作品とは一線を画しています。
一体どんな人が書いたんだろうと興味を抱き検索したら若いギャル(しかも高学歴!)の顔写真付きインタビューが出てきて更にびっくり笑
こんな可愛らしいお姉さんがこんな悪意に満ちた作品を生み出したの!?
人間という底知れない生き物の多面性がますます恐ろしくなりました笑
そして献鹿狸太朗作品をもっと読みたくなりました。
インタビューをそのまま信 -
Posted by ブクログ
ネタバレ意外に青春モノ感あって爽やか。
帯の文が横じゃなくて縦?に書いてあるのとか、表紙にバーコードあったり読む前から楽しい。
馬連と山井が宇宙人退治する話。
バディ物で戦闘にどうやって勝つかの論理もひと工夫あったり、意外性もあって楽しい。
馬連が馬鹿すぎて、ボスの想像を超えた領域にいたから真相もちゃんと分かってたなんて、逆に馬鹿じゃないのかも。
彼の家はあんのことみたいな感じで、親が親として機能してない家庭。山井になんか言われてもそれなに?って聞き返すやり取りが好きやった。サンタクロースも知らないって馬連ちゃんあんた……
両角ってボスが使う催眠を説明する下りなんか奈須きのこっぽくて楽しい。 -
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購入済み
ひ弱な悪党、という自分を映す鏡
赤泥棒がどんな悪人かと思ったら
生殖行為への畏敬を持った人だと感じた。
おそれるくせに、悪に
敢然と立ち向かうところなど持たぬ。
哀れ。そして身につまされる。
このストーリーには
人に言えない孤独な悪が複数、
並置される。
神と肩を並べるほどに
図々しいくせに、
何てひ弱なんだ。
でも、他人ごとではない。
ここには孤独の中で
どのように自分を完成させるかの
失敗例があり、
自分を映す鏡の側面もあり
また、どことなく惹かれる
何かがある。
待てよ。
このようにしかいられない、
そういうことがやはりあるのか?
完成し損ねたのでなく
これ以外ではいられない?
人のことはわからない
でいいのか?
人 -