献鹿狸太朗のレビュー一覧
-
-
-
-
Posted by ブクログ
饒舌体とでも言いたくなるようなとてつもない語り口。けっこう読み手を選ぶ気もするけど、明らかに尖った作風で、なんとなく著者のキャラクターも若者代表とか文化人とかタレント的な何かとかなんかそんなようなものが透けて見えてくるような印象もした。正直、作品の中で扱われている人物の思考回路が、ここまで言葉に満ち溢れているのかは疑問もあるというか、著者のインテリジェンスと登場人物のバイオレンスにはかなり乖離もある気がしたので、かなり嘘っぽいといえば嘘っぽい。でもある種の嘘が本作のテーマであって、SF的な題材を文学的に着地させている感覚にもなったので、すべて計算づくであるのかもしれないし、あんまりよくわからな
-
-
Posted by ブクログ
『黒猫を飼い始めた』のシリーズ。「新しい法律ができた」で始まる掌編がたくさん入ってお得。
圧倒的に面白かったのは白井智之「ぜんぶミステリのせい」
こんなにソフトな話書いてここから入る人いたらどうするつもりなんだろう。この短さで犯人当てに挑戦してミステリに向き合ってて好き。
大沼紀子「もう、ディストピア」も反転がうまくて面白かった。
五十嵐律人「革命夜話」はさすが得意分野って感じでこれがラストで締まってよかった。
退屈する話も特になく、各作者の色が出ていて軽く読むのによかった。赤川次郎の赤川次郎らしさたるや。
『異セカイ系』の名倉編が参加してて嬉しかった。また長編書いてほしい……! -
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
新刊コーナーで見つけて、
今しか出会わないかも、
読めないかもと思い、
手に取った一冊です。
文体が独特で面白く、
個人的には読みにくい箇所もありましたが、
言ってることは滅茶苦茶のようで、
芯を食っていて、頭をガン!とされるような部分もあり。
頭が悪い馬連。家族もやばい。
馬連は宇宙人退治を命じられる。
報酬は15万。
宇宙人?SF??え???と思いながらの読書でした。
途中色々しんどくて心折れかけましたが、
最後は…そうなのか、と。
私の中での馬連はEXITの兼近で、
彼が頭の中で動き回っていました。
普段読まないような文章だったので、
読後は良かったです。 -
-
-
Posted by ブクログ
「新しい法律ができた。」という一文から始まる短編小説が25編載っています。
25人の書き手が、もしこんな新しい法律ができたら、という視点でお話を綴ります。
「新しい法律」ができた理由がそれぞれ興味深いです。
例えば、
・金子玲介さん「ルパちゃん」では、「少子化対策」のために「子どもがわりに人口知能を搭載したぬいぐるみを所持することを禁止する法律」ができます。
・日野瑛太郎さん「推し活制限法」では、「推し活にハマり過ぎて身を持ち崩す人が出た」ために「推し活への課金上限を制定する法律」ができます。
(わたしが、ぜひ読んでみたいと思っていた、くどうれいんさんの場合は、)
・くどうれいんさん「ショ -
Posted by ブクログ
新しい法律ができた、から始まる物語を色んな書き手が描く1冊。
新しい法律ができているわけだから、世界設定がSFっぽかったりディストピア感を感じるものがあったりして、楽しく読めた。
その他にも、ぞっとする物語、切なくなる物語、短い中でミステリーのような作りになっている物語…
叙述トリックが含まれているものや、ばかばかしいと思ってしまうような内容の法律が大真面目に取り扱われる物語など、本当に色んな味がする1冊。
なかでも殺人を罰する法律が"新しい"法律として制定される「もう、ディストピア」が特に良かった。
有り得ないはずの世界に説得力があって冷たい汗をかく。
「ルパちゃ