山田詠美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
恋と食のある10の風景
小説新潮掲載作品から編まれた、
人気作家陣による〈恋〉と〈食〉をテーマにしたアンソロジー。
顔ぶれはなかなか豪華。
「わたしたちは平穏」 一穂ミチ
平穏なふりをする平穏が好きなふたり。
波風を立てず、壊さない距離を選び続ける関係性が、食卓の静けさとともに描かれる。
元妻の生霊だか怨霊だかの存在だって平穏
「ワタシノミカタ」 古内一絵
シングルマザーの漫画家と、その息子。
忙しさと不安を抱えるふたりのもとに現れたのは、救世主のような若いイケメンアシスタント。
外見だけでなく、心までイケメン。
仕事にも生活にも、さりげなく手を差し伸べる存在は、ふたりにとって確かに“味方”。
エッセイ
「初恋と食事」 田辺智加
お笑い方面の方みたい。
「ヴァンパイヤの朝食」 君嶋彼方
君嶋彼方は、まだそれほど作品数が多くない作家さん。今ならあなたもコンプリート可。
最新作は予約中。
本作も含めて、やっぱり君嶋さんの小説が好きだと再確認する一編。なんていうか、優しくて強い感じのストーリーが多いんでは、と思う。
※BL作品のため、内容には触れず。
(結局そこかーい)
「くちうつし」 錦見映理子
自分の生家へ移り住み、ほどなくして
夫を階段転落で亡くした。
愛しさと寂しさ、そして引っ越してきたことへの後悔が入り混じり、日々は空虚に過ぎていく。
そんな時知り合った美容師の女性。
どこか現実と異界の境が曖昧になる感触は、
『異人たちとの夏』を思い出させる短編だった。
掌編
「ゆかりとバターのパスタ」 山本ゆり
料理コラムニストの掌編。
飾らない文章と、華やかで手軽なレシピで知られ、ブログが人気だという。
料理が好きで、しかも上手。勝てない。
「白と悪党」 奥田亜希子
読んでも読んでも、初読みの作家が現れる。
読書の楽しさは、たぶんこういうところにもある。
落ち着いた文章で、とても読みやすい。
短編でも無理がなく、世界にすっと入れる感触があった。
長編も、そのうちに。
「SUMMER STREAMER」 尾形まりこ
コピーライターで、そちら方面での受賞も多い作家。本作の主人公は、夫を突然亡くした、やや高齢の女性。
引きこもりがちな生活の中で、大谷翔平の魅力に惹き込まれ、やがてアメリカへ試合を観に行く決断をする。
かつての昭和主婦世代は、
仕事を持たず家庭にいた人も多く、
趣味にお金や時間を使うことを どこか「いけないこと」「自分には許されないこと」と
感じていた人も少なくなかったと思う。
残された時間は自由。
ただし、詐欺には気をつけて。
「夏のカレー」 原田ひ香
婚約までしていた彼女が、
実家の倒産をきっかけに失踪し、連絡が取れなくなる。
その後、人生の節目ごとに
すれ違うように再会するふたり。
会うたびに、彼女の立場や暮らしは変わっていく。
けれど、カレーの味だけは変わらない。
昭和の途中までは、
夜逃げという言葉が現実にあった記憶。
変わり続ける人生と、
変わらない味。
エッセイ
「恩讐の彼方のトマトサラダ」 山田詠美
山田詠美さんの こういうタイトルのセンスが好き
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Posted by ブクログ
山田詠美さんの文章は
まるで上質なヴィンテージワインのよう…
「男とか女とかじゃないのよ、
文学に魅入られているか、いないか、なのよ」
女性作家が「女流」と呼ばれた時代
文学に身を捧げた女たちの創作の業を
描く著者40周年記念作_
作家生活40周年という記念すべき年に
これほどまでに「書くことの呪縛と悦び」を
真正面から描いた作品に出会えたことに
興奮しています!
作中の女性たちが文学に魅入られていく様は
そのまま山田詠美さんという作家が
歩んできた道のりと
共鳴しているように感じられ
一文字一文字が重く響きました
美しい言葉の羅列の裏側にある
身を削るような創作の苦しみ
それでも書かずにはいられない…
蝶が光に吸い寄せられるような抗いがたい引力
文学という名の「道」を歩み続けることの
過酷さと美しさを
その筆致で見事に証明してみせた
まさに金字塔と呼べる一冊でした! -
Posted by ブクログ
山田詠美らしい大人の恋愛小説でした◎
やーでも難しい!
この難しいっていうのは、書いてある中身が難しいってことではなく、私の恋愛経験値が乏しいがゆえの「わからない」だな
喜久江(不倫される妻)みたいな成熟した大人の女性でもなく、桃子(不倫する女)みたいに恋の場数が多くて恋とはなんぞやの哲学があるわけでもない私には、なんのこっちゃ、「へぇ〜??」みたいなところも多かった
たくさん恋愛してきた人が読んだら分かる分かるってなるのかな
そこらへんに自分の信念が固まったら再読してみたい
ただ、ひとつはっきり分かるのは太郎(不倫する夫)はろくでもない馬鹿野郎ってこと
書いてあること分かるけど、全然納得できない
幼稚さが魅力ってのはなんか分からないでもないけど惹かれないな
一緒になったら溜まるし爆発するし愛想尽かしちゃうわ
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Posted by ブクログ
恋と食のある10の風景
個性豊かな短編とエッセイがぎゅっと詰まった一冊
収録作品は以下のとおり
一穂ミチ 「わたしたちは平穏」
古内一絵 「ワタシノミカタ 」
君嶋彼方 「ヴァンパイアの朝食 」
錦見映理子 「くちうつし 」
奥田亜希子 「白と悪党」
尾形真理子 「SUMMER STREAMER 」
原田ひ香 「夏のカレー」
《エッセイ・掌編》
田辺智加 「初恋と食事」
山本ゆり 「ゆかりとバターのパスタ」
山田詠美 「恩響の彼方のトマトサラダ」
私は特に、錦見映理子さん、尾形真理子さん、原田ひ香さんの作品が好みだった。
ある作品では、涙がじんわり浮かんでくる。
またある作品では、言葉のセンスが上手すぎてニンマリしてしまった。尾形さんの背徳行為とか。笑
どの作品も、恋と食がテーマという以外は、全く趣が違っていて面白い。其々の個性が光っているので、気になった作家さんの他作品も読んでみたいと思った。